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ベートーベンもピカソも頭痛もちだった!? 敏感な人ほど頭痛になりやすい

日本の頭痛もち人口は約3000万人ともいわれています。しかし、あまりに身近な痛みであるためか、頭痛をそれほど重要視していない人も多いのではないでしょうか。
慢性的な頭痛は、脳のセンサーが敏感な人がなりやすいことがわかっています。歴史の偉人にも多いといわれる、敏感な脳が起こす頭痛について紹介します。

<監修>
清水俊彦先生(東京女子医科大学客員教授)

医学博士。1958年生まれ。86年日本医科大学卒業。92年東京女子医科大学大学院修了。95年米国Nation Headache Foundation認定医。東京女子医科大学脳神経センターの他、汐留シティセンターセントラルクリニックなどで頭痛外来を担当。著書に『脳は悲鳴を上げている』(講談社+α新書)、『頭痛女子のトリセツ』(マガジンハウス)など多数。

目次

名だたる偉人も頭痛もち!?脳のセンサーが敏感なことで起こる慢性頭痛

頭痛にも様々なタイプがあり、慢性的に起こる片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などのいわゆる慢性頭痛と、クモ膜下出血や脳腫瘍など重篤な病気の一症状として現れる器質性頭痛があります。

片頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛が起こる原因に、「脳が敏感」であること、「脳の異常な興奮」があることが最近の研究でわかってきました。

慢性的に頭痛が起きる人の脳は、生まれつき敏感な性質をもっていることが多いのです。そして、そのこと自体は悪いことではありません。
脳のセンサーが敏感ということは、脳の働きがよ過ぎるということ。度を過ぎると危険信号として頭痛や不快症状につながりますが、能力や才能としてプラスに働く側面もあります。

例えば、ベートーベンやピカソ、夏目漱石や芥川龍之介も、その作品から頭痛もちだったと推察されています。

ただし、放置すると、より脳が過敏になり痛みを起こしやすくなってしまうため、注意が必要です。

頭痛もちは生まれつき? 過敏な脳は年齢によって症状を変える

母親が片頭痛もちの場合、子どもが片頭痛体質、つまり脳の過敏性を受け継ぐ確率は7割ともいわれています。
それでは、年代別に現れる症状を見てみましょう。

小児期
片頭痛の発作時間が短く、1〜2時間、長くても6時間ほど。頭痛以外の症状が現れるケースも多く、乗り物酔いしやすい、熱けいれんを起こしやすい、寝言が多い、落ち着きがないなどが挙げられる。

思春期(女性)
初潮が始まる頃から片頭痛が起こりやすくなる。この頃の頭痛は、大人と比べて、吐き気や嘔吐などの随伴症状が顕著ではないのが特徴。痛みもだらだら続くことが多い。

20〜40歳(女性)
片頭痛の発症には女性ホルモンが影響しているため、性成熟期にあたるこの時期には、本格的な片頭痛が現れる。

更年期(女性)
女性ホルモンが減少する更年期以降は、発作的に片頭痛が起きることはなくなり、再度だらだらとした痛みになる。耳鳴りやめまい、抑うつ感などの症状として現れることも。

高齢者
加齢に伴い脳の血管が硬くなることで脳血管周囲のセンサーである三叉神経への刺激が減り、片頭痛はほとんど起こらない。ただし、脳過敏の症状として、耳鳴り(頭鳴)やめまい、抑うつ感などの他、性格が激しくなるなども起こり得る。

慢性頭痛はそのまま放置しないことが大切

月に数回の鎮痛剤の服用で、適切に頭痛に対処するのはよいのですが、頭の痛みを放置したり、鎮痛剤を乱用し続けたり、痛みを我慢したりして、水面下にある脳の興奮を放置していると、ちょっとした刺激でも興奮しやすい状態になってしまいます。
そうなるとさらに脳が過敏になって、脳の働きに混乱が生じ、頭痛だけでなく耳鳴り(頭鳴)やめまい、抑うつ感など様々な不快症状も起きやすくなります。

慢性的な頭痛は、生活習慣の改善と共に、頭痛に精通した医師による治療が必要。
ガマンをせず、気になった際には診察を受けてみてください。