「頭痛もち=敏感さん」!? よく頭が痛くなる人のメカニズムを医師が解説

「頭痛もち=敏感さん」!? よく頭が痛くなる人のメカニズムを医師が解説


「頭痛もち=敏感さん」!? 「頭痛もち=敏感さん」!?

頭が痛くなりやすい「頭痛もち」の人にとって、頭痛の代表格といえるのが片頭痛です。片頭痛が起こりやすい人は、痛覚が過敏な“敏感さん”といえますが、なぜ片頭痛が起こってしまうのか、そして痛覚が過敏になるメカニズムについて解説します。また、片頭痛を予防するセルフケアの方法もご紹介します。

頭が痛くなりやすい「頭痛もち」の人にとって、頭痛の代表格といえるのが片頭痛です。片頭痛が起こりやすい人は、痛覚が過敏な“敏感さん”といえますが、なぜ片頭痛が起こってしまうのか、そして痛覚が過敏になるメカニズムについて解説します。また、片頭痛を予防するセルフケアの方法もご紹介します。

<監修>

<監修>

東京女子医科大学 脳神経外科 頭痛外来 客員教授 清水俊彦(しみず としひこ)先生 東京女子医科大学 脳神経外科 頭痛外来 客員教授 清水俊彦(しみず としひこ)先生

東京女子医科大学 脳神経外科 頭痛外来 客員教授
清水俊彦(しみず としひこ)先生

東京女子医科大学 脳神経外科 頭痛外来 客員教授
清水俊彦(しみず としひこ)先生

医学博士。1958年生まれ。86年日本医科大学卒業。92年東京女子医科大学大学院修了。95年米国National Headache Foundation認定医。東京女子医科大学脳神経センターや獨協医科大学病院脳神経内科の他、汐留シティセンターセントラルクリニックなどで頭痛外来を担当。著書多数。近著に、『マンガでわかる 頭痛・めまい・耳鳴りの治し方』(新紀元社)、『頭痛は消える。』(ダイヤモンド社)。

医学博士。1958年生まれ。86年日本医科大学卒業。92年東京女子医科大学大学院修了。95年米国National Headache Foundation認定医。東京女子医科大学脳神経センターや獨協医科大学病院脳神経内科の他、汐留シティセンターセントラルクリニックなどで頭痛外来を担当。著書多数。近著に、『マンガでわかる 頭痛・めまい・耳鳴りの治し方』(新紀元社)、『頭痛は消える。』(ダイヤモンド社)。

頭痛もちの人に起こりやすいのが「片頭痛」。そのメカニズムとは?

頭痛もちの人に起こりやすいのが「片頭痛」。そのメカニズムとは?


頭痛もちの人に起こりやすいのが「片頭痛」 頭痛もちの人に起こりやすいのが「片頭痛」

慢性頭痛には主に、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3種類がありますが、その代表格といえるのが片頭痛です。慢性的に頭痛が起こりやすい「頭痛もち」の人の頭痛のほとんどが片頭痛、あるいは片頭痛と緊張型頭痛の合併型だといわれています。

片頭痛は、女性ホルモンの血中濃度の低下や気圧の変化、空腹など、様々なきっかけでセロトニンの分泌が急に増減し、それによって脳の血管が急激に拡張することで、血管を取り巻く「三叉(さんさ)神経」(頭部の感覚を脳に伝える知覚神経の1つ)を刺激して起こります。この情報が大脳に伝えられ、痛みとして表現されるのです。

<片頭痛が起きるメカニズム>
①何らかのきっかけでセロトニンの分泌が急に増減し、脳の血管が急激に拡張する
②脳の血管を取り巻く三叉神経が刺激される
③三叉神経から痛みの原因物質が放出される
④三叉神経から痛みの情報が大脳へ伝わり、片頭痛となる

慢性頭痛には主に、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3種類がありますが、その代表格といえるのが片頭痛です。慢性的に頭痛が起こりやすい「頭痛もち」の人の頭痛のほとんどが片頭痛、あるいは片頭痛と緊張型頭痛の合併型だといわれています。

片頭痛は、女性ホルモンの血中濃度の低下や気圧の変化、空腹など、様々なきっかけでセロトニンの分泌が急に増減し、それによって脳の血管が急激に拡張することで、血管を取り巻く「三叉(さんさ)神経」(頭部の感覚を脳に伝える知覚神経の1つ)を刺激して起こります。この情報が大脳に伝えられ、痛みとして表現されるのです。

<片頭痛が起きるメカニズム>
①何らかのきっかけでセロトニンの分泌が急に増減し、脳の血管が急激に拡張する
②脳の血管を取り巻く三叉神経が刺激される
③三叉神経から痛みの原因物質が放出される
④三叉神経から痛みの情報が大脳へ伝わり、片頭痛となる

片頭痛が起きるメカニズム 片頭痛が起きるメカニズム

片頭痛が起きるたびに、頭痛体質が進行する!?

片頭痛が起きるたびに、頭痛体質が進行する!?


繰り返し起こる片頭痛の多くは、三叉神経の過敏反応として現れています。「頭痛もち」の人は痛覚過敏(痛みを大脳に伝える神経が敏感な状態)の人が多く、少しの刺激でも痛みが起こりやすい“敏感さん”といえます。

こうした頭痛もちの人が、繰り返す痛みに対して表面的な痛みを和らげる対処しか行わず、脳の興奮しやすさを放置したままにしていると、脳はちょっとした刺激で興奮する癖がついてしまいます。

繰り返し起こる片頭痛の多くは、三叉神経の過敏反応として現れています。「頭痛もち」の人は痛覚過敏(痛みを大脳に伝える神経が敏感な状態)の人が多く、少しの刺激でも痛みが起こりやすい“敏感さん”といえます。

こうした頭痛もちの人が、繰り返す痛みに対して表面的な痛みを和らげる対処しか行わず、脳の興奮しやすさを放置したままにしていると、脳はちょっとした刺激で興奮する癖がついてしまいます。

頭痛もちの人の片頭痛のメカニズム 頭痛もちの人の片頭痛のメカニズム

すると、さらなる“敏感さん”になってしまい、小さな刺激でも頭痛が起きたり、めまい、耳鳴り、不眠やイライラなど様々な不調につながったりしてしまうことも…。こうした脳の興奮状態による様々な不調は、「脳過敏症候群」と呼ばれ、注目されています。

すると、さらなる“敏感さん”になってしまい、小さな刺激でも頭痛が起きたり、めまい、耳鳴り、不眠やイライラなど様々な不調につながったりしてしまうことも…。こうした脳の興奮状態による様々な不調は、「脳過敏症候群」と呼ばれ、注目されています。

頭痛もちの人が知っておきたい、片頭痛を予防・改善するセルフケア

頭痛もちの人が知っておきたい、片頭痛を予防・改善するセルフケア


頭痛もちの人は、脳への刺激を減らす生活の工夫が大切です。以下のことを心がけてみましょう。

●視覚、嗅覚、聴覚への刺激を避ける

頭痛もちの人は、脳への刺激を減らす生活の工夫が大切です。以下のことを心がけてみましょう。

●視覚、嗅覚、聴覚への刺激を避ける

頭痛もちの人は視覚、嗅覚、聴覚への刺激を避ける 頭痛もちの人は視覚、嗅覚、聴覚への刺激を避ける

頭痛を誘発する視覚や嗅覚、聴覚への刺激はできるだけソフトにしましょう。スマートフォンは光量を下げ、ブルーライトを防いだり、日差しの強い日の外出時はサングラスを使用したりするようにしましょう。また、柔軟剤や香水などは強い香りの物は避け、騒がしい人混みなどはなるべく避けるとよいでしょう。

●空腹で血糖値を下げ過ぎない
空腹により急に血糖値が下がると、血管が拡張して頭痛を誘発します。空腹を感じたら、あめをなめるなど、少しの工夫で血糖値を下げ過ぎないようにすることができます。

●生理周期や気圧、天気の変化に合わせて無理をしない

頭痛を誘発する視覚や嗅覚、聴覚への刺激はできるだけソフトにしましょう。スマートフォンは光量を下げ、ブルーライトを防いだり、日差しの強い日の外出時はサングラスを使用したりするようにしましょう。また、柔軟剤や香水などは強い香りの物は避け、騒がしい人混みなどはなるべく避けるとよいでしょう。

●空腹で血糖値を下げ過ぎない
空腹により急に血糖値が下がると、血管が拡張して頭痛を誘発します。空腹を感じたら、あめをなめるなど、少しの工夫で血糖値を下げ過ぎないようにすることができます。

●生理周期や気圧、天気の変化に合わせて無理をしない

頭痛もちの人は天気の変化に合わせて無理をしない 頭痛もちの人は天気の変化に合わせて無理をしない

片頭痛には、女性ホルモンのエストロゲンの増減が影響することから、女性は特に血中のエストロゲン量が急に減る排卵期や生理前・生理中に片頭痛になりやすくなります。生理周期に合わせて無理をしない生活を心がけましょう。また、気圧の変化も頭痛を誘発するので、天気予報を確認しながら、低気圧の時は無理をしないことも大切です。

●ストレスから解放された時に注意
片頭痛はストレスから解放された時に起こりやすいという特徴があります。ストレスを受けている時は収縮していた脳の血管が、ストレスから解放されると一気に拡張し、三叉神経を刺激するためです。忙しい平日よりもホッとする休日に片頭痛が起こりやすいのはこうした理由によります。平日の寝不足や休日の寝過ぎも頭痛を誘発するので、規則正しい生活を心がけましょう。

●血管を拡張させる栄養素は過剰に摂らない

片頭痛には、女性ホルモンのエストロゲンの増減が影響することから、女性は特に血中のエストロゲン量が急に減る排卵期や生理前・生理中に片頭痛になりやすくなります。生理周期に合わせて無理をしない生活を心がけましょう。また、気圧の変化も頭痛を誘発するので、天気予報を確認しながら、低気圧の時は無理をしないことも大切です。

●ストレスから解放された時に注意
片頭痛はストレスから解放された時に起こりやすいという特徴があります。ストレスを受けている時は収縮していた脳の血管が、ストレスから解放されると一気に拡張し、三叉神経を刺激するためです。忙しい平日よりもホッとする休日に片頭痛が起こりやすいのはこうした理由によります。平日の寝不足や休日の寝過ぎも頭痛を誘発するので、規則正しい生活を心がけましょう。

●血管を拡張させる栄養素は過剰に摂らない

頭痛もちの人は血管を拡張させる栄養素は過剰に摂らない 頭痛もちの人は血管を拡張させる栄養素は過剰に摂らない

赤ワインやオリーブオイルなどに多く含まれる「ポリフェノール」、チーズや柑橘(かんきつ)系の果物に多く含まれる「チラミン」、ハムやソーセージなどに含まれる「亜硝酸ナトリウム」は、いずれも脳の血管を拡張させる作用があり、片頭痛を引き起こしやすいため摂り過ぎないように気をつけましょう。一切口にしないというのは現実的ではないので、摂り過ぎないようにする、あるいは赤ワインとチーズとハムを一緒に食べるなど、誘発しやすい食材を重ねて摂らないように心がけるとよいでしょう。

<片頭痛を誘発しやすい栄養素>
ポリフェノール(赤ワイン・オリーブオイルなど)
チラミン(チーズ・柑橘類など)
亜硝酸ナトリウム(ハム・ソーセージなど)
グルタミン酸(うまみ調味料など)
等。

●片頭痛に役立つ栄養素を積極的に
一方、片頭痛に役立つ栄養素が、脳血管や脳の神経細胞を安定させる作用がある「マグネシウム」「ビタミンB2」「カルシウム」「食物繊維」です。マグネシウムを多く含む海藻類や大豆類、ビタミンB2を多く含む肉類や魚介類、カルシウムを多く含む乳製品、食物繊維を多く含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。和食の献立を意識すると、これらの栄養素をバランスよく摂ることができます。

●片頭痛が起きてしまった時の対処法
片頭痛が起きてしまったら、体を動かすと痛みが悪化してしまうので、暗い静かな場所で横になり、安静を保つことが基本。また、痛む部分を冷やして血管を収縮させることで、痛みを和らげることができます。温めると逆効果になるので注意しましょう。

赤ワインやオリーブオイルなどに多く含まれる「ポリフェノール」、チーズや柑橘(かんきつ)系の果物に多く含まれる「チラミン」、ハムやソーセージなどに含まれる「亜硝酸ナトリウム」は、いずれも脳の血管を拡張させる作用があり、片頭痛を引き起こしやすいため摂り過ぎないように気をつけましょう。一切口にしないというのは現実的ではないので、摂り過ぎないようにする、あるいは赤ワインとチーズとハムを一緒に食べるなど、誘発しやすい食材を重ねて摂らないように心がけるとよいでしょう。

<片頭痛を誘発しやすい栄養素>
ポリフェノール(赤ワイン・オリーブオイルなど)
チラミン(チーズ・柑橘類など)
亜硝酸ナトリウム(ハム・ソーセージなど)
グルタミン酸(うまみ調味料など)
等。

●片頭痛に役立つ栄養素を積極的に
一方、片頭痛に役立つ栄養素が、脳血管や脳の神経細胞を安定させる作用がある「マグネシウム」「ビタミンB2」「カルシウム」「食物繊維」です。マグネシウムを多く含む海藻類や大豆類、ビタミンB2を多く含む肉類や魚介類、カルシウムを多く含む乳製品、食物繊維を多く含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。和食の献立を意識すると、これらの栄養素をバランスよく摂ることができます。

●片頭痛が起きてしまった時の対処法
片頭痛が起きてしまったら、体を動かすと痛みが悪化してしまうので、暗い静かな場所で横になり、安静を保つことが基本。また、痛む部分を冷やして血管を収縮させることで、痛みを和らげることができます。温めると逆効果になるので注意しましょう。

頭痛もちの人は受診が大切です

頭痛もちの人は受診が大切です


頭痛もちの人は受診が大切です 頭痛もちの人は受診が大切です

「頭痛もち」の人の中でも、以下のように片頭痛の特徴が見られる場合は、頭痛の専門医がいる医療機関を受診し、相談しましょう。

<片頭痛の特徴>
・発作時は寝込んでしまうほどの痛み
・体を動かすと痛みが悪化する
・吐き気や嘔吐(おうと)を伴う
・光や音、においに敏感になる

頭痛が起きる時にこのような症状があれば、片頭痛である可能性が高いでしょう。また、慢性頭痛の1つに、肩や首の筋肉のこりによる血行不良から起きる緊張型頭痛もありますが、緊張型頭痛は片頭痛と併発することもあり、両方に悩む人も少なくありません。

片頭痛は、市販薬で表面的には痛みを緩和できても、根本的な解決にはつながらず、服用を繰り返すことで脳の過敏性が高まりやすいため、まずは受診することが大切です。上記に当てはまらない場合も、適切な受診をおすすめします。

やむを得ず市販薬を使用する場合は、痛みのもとを抑えるだけでなく、大脳への痛みの伝達(伝わり)を防ぐ成分を配合している薬を選ぶのも一案です。ただし、月に10回以上、市販の頭痛薬をのまないといられない人は明らかに使用過多で、「脳過敏症候群」のリスクが高まっていると考えられます。早めに頭痛専門医を受診しましょう。

「頭痛もち」の人の中でも、以下のように片頭痛の特徴が見られる場合は、頭痛の専門医がいる医療機関を受診し、相談しましょう。

<片頭痛の特徴>
・発作時は寝込んでしまうほどの痛み
・体を動かすと痛みが悪化する
・吐き気や嘔吐(おうと)を伴う
・光や音、においに敏感になる

頭痛が起きる時にこのような症状があれば、片頭痛である可能性が高いでしょう。また、慢性頭痛の1つに、肩や首の筋肉のこりによる血行不良から起きる緊張型頭痛もありますが、緊張型頭痛は片頭痛と併発することもあり、両方に悩む人も少なくありません。

片頭痛は、市販薬で表面的には痛みを緩和できても、根本的な解決にはつながらず、服用を繰り返すことで脳の過敏性が高まりやすいため、まずは受診することが大切です。上記に当てはまらない場合も、適切な受診をおすすめします。

やむを得ず市販薬を使用する場合は、痛みのもとを抑えるだけでなく、大脳への痛みの伝達(伝わり)を防ぐ成分を配合している薬を選ぶのも一案です。ただし、月に10回以上、市販の頭痛薬をのまないといられない人は明らかに使用過多で、「脳過敏症候群」のリスクが高まっていると考えられます。早めに頭痛専門医を受診しましょう。