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子どもの頭痛の特徴は?適切に対処するために知っておきたいこと

大人でも頭痛が起きたらつらいですよね。でも、子どもはそのつらさをうまく表現できないかもしれません。

まだ話すことができない乳幼児にも起こり得る頭痛。

大人の頭痛との違いを知り、適切に対処できるようにしましょう。

<監修>
藤田光江先生

北海道大学医学部卒業。北海道社会保険病院、新千里病院(現 済生会千里病院)などを経て、1980年から筑波学園病院小児科部長、2010年定年退職後、同病院および東京クリニック小児・思春期頭痛外来で診療。 

目次

子ども・思春期にはどんな頭痛が起こるの?

子どもの頭痛で外来での受診が最も多いのは、片頭痛です。

男女別の有病率を見ると年齢によって傾向があり、3〜7歳では男児に起こりやすく、7〜11歳では男女同数、15歳では女子に起こりやすくなっています。

子どもの片頭痛の多くは軽いものですが、まれに、毎回嘔吐を伴う重い頭痛発作のある子どももいます。

次に外来受診の多いのが、緊張型頭痛です。特に小学校高学年〜高校生の思春期になると、1カ月に15回以上の頻度で起き3カ月以上続く慢性緊張型頭痛が起きやすくなります。

気をつけなければいけないのが、何らかの疾患が原因で起こる二次性頭痛です。

発熱のある頭痛の場合は、間違いなく二次性頭痛と考えられます。かぜなどの感染症の他、嘔吐が伴えば「髄膜炎」、けいれんや意識障害が伴えば「脳炎」の可能性が疑われます。

発熱がない場合は、もやもや病や脳腫瘍、子どもではまれですが、くも膜下出血などの可能性があります。

このように二次性頭痛は重篤な病気が原因になっている場合もあるので、症状の度合いや緊急性、頭痛以外の症状を見極めて、適切に医療機関を受診するようにしましょう。

子どもの片頭痛はどんな症状が起こるの?

子どもは片頭痛が起こると、日常的な行動ができなくなったり、吐き気や嘔吐を伴ったりすることがあります。頻度としては月に3〜4日以内で、発症してから3日以内には治りますが、多くの子どもは睡眠により軽快し、翌朝に持ち越さないため、学校の欠席は少ないです。

つらい片頭痛ですが、子どもは「頭が痛い」と表現するとは限りません。片頭痛が起きた時の子どもでよく見られるのが、いつも元気だったのに黙りがちになる、食欲がない、光や音を避けるため暗く静かな部屋にこもるなどの行動です。

子どもの様子が何か変だと思ったら、「どうしたの?」と問いかけ、症状について丁寧に聞き出すことが大切です。

子どもの片頭痛の誘因は?

子どもの片頭痛の誘因として、最も多いとされているのが睡眠不足です。小学校高学年になると塾通いが始まり、就寝時間が遅くなって片頭痛が起こるケースが見られます。

大人の片頭痛と同様、強い光や気圧の変化、人混みや匂いも原因に。チーズや揚げ物、ヨーグルトなどの食べ物も、片頭痛の引き金になることがあります。

片頭痛は遺伝性の強い疾患で、特に母親の遺伝を受け継ぎやすいとされています。

面白いことに、頭痛の誘因食品が親子で共通することもあり、チーズで片頭痛を起こす母親の子どもは、同じようにチーズを食べると片頭痛を起こす、という話も聞きます。

子どもの緊張型頭痛の特徴は?

子どもの緊張型頭痛は、近年ではスマートフォンや電子メディアの使い過ぎで姿勢が悪くなり、肩や背中のこりから起こったり、習い事や学校でのストレスが原因で起こったりするケースが見られます。

だらだらと続くのが特徴ですが、片頭痛のように日常的な行動ができなくなるほどの強い症状ではありません。また、悪心や嘔吐などの症状もありません。起こる頻度は、1カ月に1日未満の人もいれば、半月以上起こる人もいます。

子どもの頭痛に、大人はどう対応したらよいの?

子どもの片頭痛は、薬で治療という方法もありますが、まずは家庭でできる薬に頼らない「非薬物療法」から始めることがすすめられます。その基本は、早寝、早起き、朝ごはん。適度な運動をして、正しい姿勢を心がけることです。

子どもの場合は寝不足が原因になっていることが多いので、十分な睡眠をとるようにしましょう。また、片頭痛の誘因となる食品や光、匂いなどを避けることも大切です。

こうした努力をしても改善が見られない場合は、鎮痛薬による治療を考えましょう。

子どもの緊張型頭痛の場合は、だらだらと続く頭痛のため、鎮痛薬を使用するタイミングが分からず、子どもでは薬が効いた感触もはっきりしません。そのため、薬を使用せず日常生活の環境を整える「非薬物療法」が第一とされています。

このように、子どもの頭痛は、片頭痛か緊張型頭痛かによって対応が変わってきます。子どもは大人のように正しく症状を伝えられない可能性もあるので、普段の様子をしっかり観察しておくことが大切ですね。