OPEN CLOSE

「コロナストレス頭痛」にどう対処する?

新型コロナウイルスの感染拡大によって社会不安が増している今、ストレスを感じることが増えていませんか?

筑波大学が行った全国調査(※)によれば、「感染拡大でストレスを感じた」と回答した人は、実に8割以上にのぼることが明らかになりました。

ストレスが頭痛の大きな原因の1つになることはよく知られていますが、今や多くの人が、「コロナストレス頭痛」を抱えやすい状況にあると言えるでしょう。

「コロナストレス頭痛」の原因と対処法を知って、まだまだ続くこの状況をうまく乗り切っていきましょう。

<監修>
丹羽潔先生(にわファミリークリニック院長・東京頭痛クリニック理事長)
日本頭痛学会認定指導医。東海大学医学部卒業後、ドイツ・米国の大学にて神経内科を学ぶ。東海大学神経内科専任講師を経て、05年、にわファミリークリニックを開設。15年、専門医のみによる日本初の頭痛専門クリニックを開く。

目次

「コロナストレス頭痛」の原因はさまざま

東京頭痛クリニックの丹羽潔先生によれば、新型コロナウイルスの感染拡大によって、診療の現場では「コロナによるストレスで頭痛が悪化した」という人が増えていると言います。

その原因は、感染への恐怖から、緊急事態宣言以降に増えたテレワーク中の家族とのいざこざなど十人十色。その特徴的な原因と対処法を伺いました。

原因1 感染への見えない恐怖が片頭痛をもたらす

人間の恐怖心は、主に神経伝達物質の1つで別名“幸せホルモン”と呼ばれる「セロトニン(5-HT)」がコントロールしています。

セロトニンには分子の型(サブタイプ)が5種類あり、不安や恐怖心に関わる型、頭痛に関与する型、他にも摂食や吐き気に関わる型などがあります。

この中の1つ「5-HT2」という型は、頭痛と恐怖心の両方に関わります。そのため、「新型コロナウイルスにかかったらどうしよう……?」「ここにも、あそこにもウイルスが付着しているかも……?」と常に不安や恐怖にさいなまれていると、セロトニンが消費されて不足してしまい、結果的に片頭痛が引き起こされてしまうのです。

人によって恐怖心の度合いは異なります。感染対策を決して侮ってはいけませんが、過剰な恐怖心に翻弄され過ぎてしまうのも頭痛のもとです。冷静に正確な情報を選び取り、「正しく怖がる」ことを心に留めておきましょう。

原因2 家族のテレワークで片頭痛が悪化

コロナ禍で増えたテレワーク。家事育児の負担に加えて、夫がいつも家にいることで自分のペースが乱されてイライラする……という女性も少なくありません。夫婦ともにテレワークの場合も、仕事とプライベートが侵食しあうことでギスギスした雰囲気に……。

こうしたストレスから些細なことで夫婦や家族との口喧嘩が増え、片頭痛を抱えてしまう人もいます。これは愛情ホルモンであるオキシトシンやセロトニンが急速に減少してしまうせい。オキシトシンやセロトニンが急激に減ると、片頭痛を引き起こしやすくなります。

家族と四六時中一緒では、どんなに仲が良くても息が詰まってしまうもの。自分一人になれる時間やスペースを意識して確保することが大切です。

原因3 「コロナごもり」と買い物スタイルの変化で緊張型頭痛に

家にこもりがちで体を動かすことが減り、筋力が低下していませんか? 首から肩にかけての筋力が弱くなると、少ない筋力で頭や腕を支えることになり、首から肩甲骨周りが緊張状態となって血行不良になります。それが首コリや肩コリを引き起こし、緊張型頭痛につながってしまうのです。

さらにコロナで買い物のスタイルも変化しました。スーパーに行く回数を減らすために、1回の買い物量が多くなってはいませんか? 重い荷物を持つことで腕や肩、首のコリが進むと、緊張型頭痛が起きやすくなってしまいます。

自宅にいてもできるストレッチや筋力トレーニングを取り入れて、筋力の低下を防ぐことから始めましょう。

原因4 「愚痴が言えない」ことで片頭痛になる!?

気のおけない友人とお茶することもできず、ストレスを抱えていても「グチる(愚痴を言う)」ことさえできない日々……。

実は、グチるという行為は、猿などに代表される「グルーミング(毛づくろい)」の行動と似ており、このグルーミング的行動・言動は、セロトニンを増やすことが証明されています。

セロトニンの減少は片頭痛を引き起こすので、愚痴を言うことも実は立派な片頭痛対策なのです。「リモートお茶会・飲み会」など、オンラインも上手に使いながら、愚痴を言い合える機会を作ることも大切です。

急激なストレスからの解放にはご用心

感染に注意しながらではありますが、徐々に旅行や食事に行く機会、イベントなどの楽しい機会も増えてきています。

しかし、ここで注意したいのが急激なストレスからの解放です。気持ちはとても楽しいはずなのに、急なストレスの解放が脳への刺激となり、片頭痛の原因になってしまうこともあるのです。コロナストレスからの解放は自分のペースで、ゆっくりと……を心がけましょう。

なかなか抜けないストレス頭痛は「コロナうつ」かも

心が欝々とした状態は、片頭痛を悪化させる大きな要因になります。頭痛が続き、休んでもストレスがたまる一方で、疲れも抜けない……という状態が続いているなら、それはもしかしたら「コロナうつ」かもしれません。早めに専門医に相談することも大切です。

いかがでしたか。長期化する新型コロナウイルスへの対応で、どうしてもストレスが溜まってしまいがちな今、上手に「コロナストレス頭痛」を回避していきましょう。

(※)筑波大学「新型コロナウイルス感染症に関わるメンタルヘルス全国調査」
https://plaza.umin.ac.jp/~dp2012/covid19survey.html