筋肉にエネルギーを蓄えるカーボローディングとは?内容と実践方法を紹介します

筋肉にエネルギーを蓄えるカーボローディングとは?内容と実践方法を紹介します 筋肉にエネルギーを蓄えるカーボローディングとは?内容と実践方法を紹介します

運動するときに、自分の理想とするパフォーマンスを保つためには、エネルギー源としての糖質の補給がとても大切です。身体に蓄えた糖質(グリコーゲン)と脂質(体脂肪)を燃焼させることで、エネルギーを生み出します。より長くスタミナを維持し、パフォーマンスを最大限に発揮するための栄養摂取についてお伝えします。

<監修>
小野織恵
生活習慣病、慢性腎臓病、透析療法の栄養相談実績は20年で延べ1万件以上。
患者と医療従事者のための慢性腎臓病の勉強会を開催。
健康・栄養のスペシャリストチーム【co.surge】の一員として特定保健指導、オリジナルレシピ開発にも活躍の場を広げる。

カーボローディングとは何か

人間が体に蓄えられるエネルギーの代表として脂肪があります。脂肪はたくさん貯蔵が出来る利点がある反面、運動下においてエネルギーとして使用されるまでには時間がかかります。それに対し、グリコーゲンは分解が容易で速やかに吸収されやすい性質があり、スポーツの場面において大変有効なエネルギーとなります。しかしながら、貯蔵できる量が少ないという欠点もあります。

そこでグリコーゲンをより多く体に貯蔵し、運動エネルギーとして利用するために考え出された方法が「カーボローディング(グリコーゲンローディング)」と呼ばれる栄養摂取方法です。炭水化物(糖質)は英語で「carbohydrates(カーボハイドレイト)」といい、カーボローディングは炭水化物(糖質)を積み込む、装填するという意味の造語です。

カーボローディングはどのような競技やスポーツに向いているか

高い持久性を必要とするスポーツは、エネルギーを大量に消費するため、グリコーゲンの貯蔵量は成績に大きな影響を及ぼします。カーボローディングはマラソンや自転車ロードレース、トライアスロンなど1時間または20km以上走行する種目に対して有効とされています。

カーボローディングの具体的な実践方法

カーボローディングの具体的な実践方法 カーボローディングの具体的な実践方法

大会(試合)の約1週間前から運動量を減らし、グリコーゲンの消費を抑えつつ、3日前から糖質の割合を高め、グリコーゲンを体内に蓄える方法が現在推奨されている方法です。カーボローディングを行うことによって、筋肉、肝臓中のグリコーゲン量をおよそ2〜3倍に増加させることが可能です。

【大会一週間前からの具体的なカーボローディング実践方法】

大会(試合)日を基準とした時期 運度量 食事 目的
約1週間前〜4日前 減らす 通常(混合食)
通常のエネルギー比の食事(糖質50~60%, たんぱく質10~15%, 脂質25~30%)
体内
グリコーゲンを維持
3日前
2日前〜前日 減らす・休む 高糖質食
通常のエネルギー比の食事(糖質70~80%, たんぱく質10~15%, 脂質10~20%)
体内
グリコーゲンを蓄積

 

通常食から高糖質食に切り替える際は、脂質を減らし、主食の米、うどん、パン、パスタ、もち、いも類などの摂取比率を上げます。試合当日の朝食は、試合開始時刻から逆算して3~4時間前までに済ませましょう。内容的にはおにぎりや脂肪の少ないパン、うどんを主食とした内容にします。試合開始が午後または昼食時間にさしかかる場合には、試合の2~3時間前におにぎり、脂肪の少ないパン、バナナ、カステラなどの軽食を取っても良いでしょう。

 

カーボローディングの注意点

大会前数日間は、運動量を減らすか休み本番前にグリコーゲンを減らさない行動が大切です。また、ビタミンやミネラルは、運動時に多く消費されてしまうので、普段と同様に不足しないように摂りましょう。

まとめ

体内にグリコーゲンを効率よく貯蔵する方法として、カーボローディングについてお伝えしました。グリコーゲンが運動の際にとても重要な働きをすることがご理解頂けたかと思います。本格的な競技として行わない場合や持久系の競技でない場合でも、運動後は糖質、たんぱく質、ビタミンをしっかり補給しコンディションを整えることが、長期的にパフォーマンスを上げていくと言えるはずです。

【参考文献】
・日本スポーツ協会 アスリートの栄養摂取と食生活