脂質を摂取しなさすぎるとエネルギー不足に?運動する人に理想的なPFCバランスのメニューを紹介

脂質を摂取しなさすぎるとエネルギー不足に?運動する人に理想的なPFCバランスのメニューを紹介 脂質を摂取しなさすぎるとエネルギー不足に?運動する人に理想的なPFCバランスのメニューを紹介

ダイエットなどのために特定の栄養、例えば脂質や糖質を極端に制限したり、または過剰に摂取したりすることは健康を損なう可能性がありお勧めできません。健全な食生活を送り、健康を維持するためにはバランスがとても大切なのです。それぞれの栄養素のバランスを意識してみましょう。

<監修>
足立未華

大学で食品化学、大学院で有機化学と分子生物学を学び、植物の特定のタンパク質に関する研究に従事。
健康食品素材、機能性食品等サプリメントに関すること、食品添加物などの安全性、薬機法、化粧品(医薬部外品含む)などの分野を中心に活動している。

PFCバランスとはなにか?それぞれ何を指している?

生命維持に欠かせないエネルギー産生栄養素であるタンパク質(Protein)、炭水化物(Carbohydrate)、脂質(Fat)、の頭文字をとって、PCF、その摂取比率をPCFバランスと言います。

タンパク質は筋肉のみならず、爪や髪の毛、皮膚を形成しています。体内で働くホルモンや、神経伝達物質の生成にはタンパク質の構成成分であるアミノ酸が必要です。不足すると髪や血管が傷み、筋肉の減少を招くなど健康が損なわれます。

脂質にもたくさんの働きがあります。タンパク質と炭水化物が1gあたり4kcalのエネルギーとなるのに対し、脂質は1gあたりで9kcalのエネルギーを生み出します。女性ホルモンのエストロゲンは脂質から作られますし、皮下脂肪は臓器を守り、細胞膜や核膜を構成しています。ビタミンDなどは脂溶性ビタミンと呼ばれ脂質と同時に摂ることで効果的に吸収されます。また、魚油や植物に多く含まれる不飽和脂肪酸は血中の中性脂肪やコレステロールを低下させると言われています。

炭水化物は糖質と食物繊維に分類されます。糖質のひとつであるブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源です。不足すると意識障害が起こることもあります。食物繊維は水に溶ける水溶性と溶けない不溶性に分けられます。水溶性食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑えたり、コレステロールなどの体外排出を助けたりします。不溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸を刺激して便通をスムーズにします。

自身にそれぞれどれだけ必要か計算してみよう

自身にそれぞれどれだけ必要か計算してみよう 自身にそれぞれどれだけ必要か計算してみよう

厚生労働省はエネルギー比率で目標摂取量を明示しています。

18~49歳の男女では、タンパク質が13~20%、脂質は20~30%(うち飽和脂肪酸は7%以下)、炭水化物は50~60%とされています。
※飽和脂肪酸はエネルギー源ですが、過剰摂取では、中性脂肪やLDLコレステロールの増加を促し、生活習慣病のリスクが高まります。

例えば18~49歳の男性、身体活動レベルがⅢ(力仕事を行っていたり、普段から運動の習慣がある)の場合、一日当たりの推定エネルギー必要量は3,050kcal、よってタンパク質は100~155g、脂質は65~100g(飽和脂肪酸は23g以下)炭水化物は380~460g程度の摂取が目安です。エネルギーの摂取をこのバランスで行うことが理想的です。

脂質を摂るのが心配?上手な摂り方はある?

脂質は摂取すると”太る”というようなマイナスイメージがつきものですが、前述の通り非常に重要な栄養成分で、欠かすことはできません。特に血中の中性脂肪やコレステロールを低下させる役割の不飽和脂肪酸を意識して摂取することをお勧めします。

オリーブ油にはオレイン酸が、青魚にはDHAやEPAなど不飽和脂肪酸が含まれています。1日1食は魚料理を取り入れたいものです。手軽に摂取するために缶詰等を利用するのもよい方法です。

また、中鎖脂肪酸(MCT)は脂肪になりにくい脂質として注目されています。一般的な油とは異なり、直接肝臓に運ばれて素早くエネルギーとして分解されます。ココナッツやパームなどヤシ科の植物油に含まれています。普段の食生活の中では摂りづらいのが難点ですが、MCTオイルとしてスーパー等で購入できます。注意点としては、通常の料理油のように炒める、揚げるなどの調理法では煙が出て危険なので用いることはできません。そのまま飲み物に混ぜたり、サラダにかけたりなど常温で使用する必要があります。エネルギーは他の脂質と同じく9kcal/gです。このことを心得て、いずれにしても摂り過ぎには注意するようにしてください。

PFCバランスを意識したメニューを紹介

現代日本の食生活においては炭水化物と脂質は比較的摂りやすいので、タンパク質の摂取を意識するとバランスが取れることが多いです。

例えばいつもの食事に少し変化を持たせるだけでも効果的です。いくつか例を挙げてみます。

・唐揚を蒸し鶏やサラダチキンに変更
 飽和脂肪酸を減らしてタンパク質を摂取できます

・白身魚を青魚(サバ、イワシなど)に変更
 不飽和脂肪酸の摂取ができます

・白米を五穀米に変更
 炭水化物が控えめになり余分な糖質の摂取を防ぎます

食事メニューにおいて、1食1食について常にPCFバランスを気にする必要はありません。まずは朝食・昼食・夕食トータルでおおまかに調整するように心がけてみてください。

【参考文献】
・日本人の食事摂取基準(2020年版) エネルギー生産栄養素バランス

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