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疲労をためない手軽な工夫?疲労回復に役立つクエン酸を上手に取りましょう

夏の暑い時期あたりになると、「クエン酸」という言葉を耳にすることが多くなるかと思います。あなたの周りでも「クエン酸を飲むと元気になる!」と口にしている人もいるかもしれません。

クエン酸はレモンなどの柑橘類をはじめ、梅干しや酢などの酸っぱい食品によく含まれている成分です。クエン酸は、我々にとって容易に摂取できるものであり汎用性が高いことから、その生理作用や摂取方法などについては正確な知識を身に付けておくことが重要です。

今回は、疲労をためない手軽な工夫として期待されており、疲労回復に役立つと言われている「クエン酸」に焦点を当てて説明していきます。

<監修>
甲斐沼孟
国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科。
救急診療のみならず、消化器外科や心臓血管外科、総合診療領域に精通しており、学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行う。

クエン酸とは何か、どのようなものに含まれている?

そもそもクエン酸とは何か、そしてどのようなものに含まれているか知りたい方も多いのではないでしょうか。

専門的に言うと、クエン酸とは細胞内小器官であるミトコンドリア内で働くクエン酸回路(TCA回路とも呼ばれる)を動かす機能を有する8種類の酸のうちの一つです1)。

多くの細胞で、このクエン酸回路を使ったエネルギーの産生が行われており、体を動かすために必要不可欠なエネルギーを作り出しています。クエン酸とは、ずばりこのクエン酸回路内における化学反応をするうえで中心的役割を担っている成分であると言えます。

その他にも、クエン酸自体が持つ酸味そのものが食欲を増進させて、夏バテの対策などの場面においても活躍します。

クエン酸は主に、レモンやみかん、そしてグレープフルーツなどの柑橘類や梅干しなどに含まれる酸味成分を指します。この酸っぱい酸味成分が体内で糖を代謝して、重要なエネルギーに変えてくれるのです。目安として、クエン酸は概ね大きめのレモン1個に約4g、あるいは梅干し1個あたりに約1gが含まれていると言われています。

クエン酸は柑橘系果物の果汁の主成分だけでなく、補助食品(いわゆるサプリメント)としてもさらさらした白色の結晶性の粉末状で市販販売されていることが多く、日常的に簡単に摂取することができます。

クエン酸で期待できる疲労回復効果とは

さて、クエン酸で期待できる効果にはどのようなものがあるのでしょうか。クエン酸には様々な働きあることが知られています。

その中でも、最も知られているのは疲労回復効果であり、クエン酸には実は筋肉部位における乳酸の濃度を低くする作用が知られているのです。

例えば運動をしたあとに身体が疲れている時は、体内に乳酸がたまっている状況が予想できます。そういった時にクエン酸は体内の乳酸成分の分解や新陳代謝を助けてくれる働きがあります。

また、クエン酸には体内に入ったマグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分を効率的に吸収しやすくして、身体の疲労物質を分解して体内の蓄積を防いでくれるキレート作用と呼ばれる反応を示す効果もあります。

一方で、クエン酸による重大な毒性はこれまでに報告されておらず2)、クエン酸が特に細胞の活動に重要な役割がある事実については疑う余地がありません。

クエン酸と相性の良い食材など

クエン酸そのものは摂取しやすいものであることはお話させて頂きましたが、クエン酸と相性の良い食品などはあるのでしょうか。

例えば、ゴボウやレンコンなどの根菜類は、水1リットルにクエン酸の小さじ1杯分(約3g程度)を溶かした水分に浸してつけておくと、黒ずみを防いできれいに仕上がるのでお勧めです。

また、キャベツを茹でる時などにクエン酸をあらかじめ少量お湯に加えておくと独特の臭みが気にならなくなり摂取しやすくなります。

それ以外にも、大根おろしが辛い時にも少量クエン酸を加えると食べやすくなる、あるいは焼酎やウイスキーにごく少しクエン酸を加えると酸味がさらに美味しくなるなどの美味効果を発揮すると言われていますので参考にしてみてください。

クエン酸の効果的な摂取方法やタイミング

クエン酸の理想の摂取タイミングや効果的な摂取方法を紹介します。果たして、クエン酸を摂取する際には運動前と運動後のどちらがいいのでしょうか。

そして、汗をかくと酸っぱいものを通常では欲しくなりますが、クエン酸で補うのが良いのか、あるいは汗をかく前に多めにクエン酸を摂取してもいいのかなどの疑問が浮かびますよね。

疲労回復するなら運動後に摂った方が良いと単純に思う人もいるかもしれませんが、実はクエン酸は運動前に摂る方がおすすめなのです。

なぜならば、運動するためのエネルギーを作り出すために、クエン酸が体内にあるとエネルギーの生成がスムーズに行われるからです。

運動前にクエン酸を体内に取り込むことで、運動中に疲労物質の分解が促進されるので、翌日に疲れを残すことのない良質な運動習慣を送ることができます。

普段から疲れる前にクエン酸を摂っておくことで、エネルギーを効率的に生み出して疲れにくくしてくれることを意識しておきましょう。

疲労回復に効果のあるクエン酸を簡単に摂取する方法は、水にクエン酸を混ぜて飲むというものであり、水250mlにクエン酸をおよそ2.5g混ぜるだけの手順です。クエン酸の摂取頻度に関しては、毎日摂取することをおすすめします。

摂取タイミングについては、寝る前を含めて1日3〜4回程度に分けて摂ると良いとされています。クエン酸は体内に一度に大量に溜めておくことができないという特性を持っており、余った分は体外に排出されてしまう性質がありますので、一度にまとめて多量摂取するのではなく、分散して摂取することで効率的に吸収できるのです。

まとめ

クエン酸とは、普段から馴染みのあるレモンやみかんなどの柑橘類、あるいは梅干しなどに含まれている酸味成分のことです。

クエン酸は、疲労物質である乳酸を体内で分解して新陳代謝を促進してくれる働きを持っています。また、クエン酸には、疲労回復以外にも全身における血流の促進やミネラルの吸収を促すなどの様々な効果があると示されています。

クエン酸は、非常に安全な成分であるために一度に大量摂取しても身体に不調をきたすことはなく、健康を維持するために欠かせない栄養素です。身体にさまざまなメリットをもたらしてくれるクエン酸を積極的に摂取して、前向きな生活習慣を送りましょう。

【参考文献】
1)宮戸健二:クエン酸による細胞機能の調節機構:美容および美白、老化における役割. コスメトロジー研究報告.Vol.26,p117-121,2018.

2)Fiume, M. M. et al. Safety Assessment of Citric Acid, Inorganic Citrate Salts, and Alkyl Citrate Esters as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 33(2 suppl),16S-46S .2014.

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