「もしかしてわたしって睡眠障害かな…」一人で悩んでいるあなたへ 医師が原因と対策を解説

「もしかしてわたしって睡眠障害かな…」一人で悩んでいるあなたへ 医師が原因と対策を解説 「もしかしてわたしって睡眠障害かな…」一人で悩んでいるあなたへ 医師が原因と対策を解説

誰しも、日中に嫌なことがあって夜までイライラして眠れなかったり、明日のことが気になって眠れなかったりすることもありますよね。

毎晩グッスリと眠れている人は多くはないのだろうとはわかっていても、眠れない日が続くと、昼間の生活にまで影響を及ぼすこともあります。

そのために、まずは睡眠障害とはどのようなものかを知り、どのように対策を取ればよいかご紹介します。

<監修>
井上智介
島根大学医学部を卒業後、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。
産業医として毎月約40社を訪問し、精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務している。

睡眠障害とはどのような状態?

睡眠障害とは、簡単に説明すると“睡眠に対して何かトラブルを抱えている状態”のことを示します。

それは大きく分けると、不眠症、過眠症、睡眠時随伴症(睡眠中に起こるねぼけ行動)の3つに分けることができます。

特にその中でも、不眠症で悩む方が多いです。
また、不眠症の原因は次の5つの要因に分けて考えることが一般的です。

① 生理的な要因
生活習慣や環境が原因で、不眠に至るケースです。

夜勤される方などであれば、仕事が終わってから朝方に寝ることもあるでしょう。

しかし、それは体内時計に逆行する行動でもあり、いくら眠気があってもなかなかグッスリ寝付けない人も多いのです。

また、寝室の室温や湿度が不適切だったり、夜間でも騒音が聞こえるなど環境の要因も含まれます。

② 心理的な要因
不安やイライラすることで、布団に入ったものの、頭が冴えてしまって眠れない状態です。

不眠の原因としてもかなり多いのが特徴的です。

③ 薬理学的な要因
どちらかと言えば、薬は眠たくなるイメージを持つ人が多いかと思います。

しかし、コーヒーに含まれるカフェインやたばこのニコチンのように、覚醒作用があるものもあります。

特にコーヒーは、一度飲むとカフェインの半減期が約6時間あるので、夕方16時以降は飲まないように心がけましょう。

ステロイド薬やパーキンソン病で使う薬には、眠れなくなる副作用が報告されているものもあります。

④ 身体的な要因
体の痛みやかゆみなどの慢性的な不快な身体症状が出ている時は、ぐっすり眠ることができません。

また年齢とともに、体力が低下して、以前のように長い時間の睡眠がとれなかったり、頻尿になって夜中に何度もトイレに行ったりすることで目が覚めることもあります。

⑤ 精神医学的な要因
うつ病などをはじめとする精神的な疾患の症状の1つとして、眠れないといったことがあります。

自分は睡眠障害?自分で確認できるセルフチェック

自分は睡眠障害? 自分で確認できるセルフチェック 自分は睡眠障害? 自分で確認できるセルフチェック

“自分も睡眠障害かも”と思う時があると思います。

このような時は、世界共通で使われている『アテネ不眠尺度』をお勧めします。

これは8つの質問からなる最大24点満点のセルフチェックです。

3点以下なら睡眠障害の心配はなく、4~5点では少し不眠症の疑いがあり、6点~9点の人は不眠症の疑いがあると判断され、10点以上は医師に相談するレベルとなっています。

過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックしましょう。

1.寝床についてから実際に寝るまで、時間がかかりましたか?
  0点 いつもより寝つきは良い
  1点 いつもより少し時間がかかった
  2点 いつもよりかなり時間がかかった
  3点 いつもより非常に時間がかかった、あるいは全く眠れなかった

2.夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?
  0点 問題になるほどのことはなかった
  1点 少し困ることがある
  2点 かなり困っている
  3点 深刻な状態、あるいは全く眠れなかった

3.希望する起床時間より早く目覚めて、それ以降、眠れないことはありましたか?
  0点 そのようなことはなかった
  1点 少し早かった
  2点 かなり早かった
  3点 非常に早かった、あるいは全く眠れなかった

4.夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りていましたか?
  0点 十分である
  1点 少し足りない
  2点 かなり足りない
  3点 全く足りない、あるいは全く眠れなかった

5.全体的な睡眠の質について、どう感じていますか?
  0点 満足している
  1点 少し不満である
  2点 かなり不満である
  3点 非常に不満である、あるいは全く眠れなかった

6.日中の気分はいかがでしたか?
  0点 いつもどおり
  1点 少し滅入った
  2点 かなり滅入った
  3点 非常に滅入った

7.日中の身体的および精神的な活動の状態は、いかがでしたか?
  0点 いつもどおり
  1点 少し低下した
  2点 かなり低下した
  3点 非常に低下した

8.日中の眠気はありましたか?
  0点 全くなかった
  1点 少しあった
  2点 かなりあった
  3点 激しかった

手軽にできる対策法や改善方法

不眠症の改善には、不眠症の原因と思われることを1つずつ改善していくことが、遠回りのように見えて一番の近道になります。

まず寝室の環境として、眩しすぎるならアイマスクをしたり、騒音がひどいなら耳栓をしたりなど対策してみましょう。

また日中の生活リズムは大切なので、3食の時間は出来るだけ同じ時間を心がけましょう。

体内時計が整い、睡眠と覚醒のリズムが整います。

また、寝る時に胃腸が過剰に動かないように、夕食は睡眠の3時間前には食べ終わるように心がけましょう。

睡眠障害は治療できるのか?検査や治療法について

多くの睡眠障害は、睡眠の状況や習慣を聞き取ることで診断することができます。

しかし、問診だけでは診断が出来ない時は、いくつかの検査を行うことがあり、睡眠ポリグラム検査はよく使われます。

これは脳波、心電図、眼球運動、筋電図、呼吸運動、いびきなどを同時に検査する機器で、睡眠障害のタイプなどを確認しています。

体の複数の部位に小さいセンサーをつけて、眠った状態で測定するので1泊2日の入院で検査が必要になります。

また睡眠障害の治療は、原因を把握したうえで、睡眠衛生指導を行っていきます。

それでも改善が見られないような時には、薬物療法や認知行動療法を行います。

まとめ

睡眠障害には、その背景に身体的な疾患や精神的な疾患が隠れていることも珍しくありません。

そのため、早めに気がつき早めに対策することが必要です。

『ちょっと寝られなくてもなんとかなるか』と安易に考えて過ごし続けることは避けましょう。

睡眠に悩みが続く際には、アテネ不眠尺度を使ってセルフチェックし、場合によっては早めの受診も検討し治療していくことが必要です。

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