「体を鍛える」と聞くと、筋力トレやジョギングなどの運動をしているイメージがあるかと思います。しかし、体を鍛えるには、体に負荷を与え続ける運動だけではなく、その後の入浴や睡眠をはじめとするリカバリーも同じくらいに大事になってきます。
そこで今回は、リカバリーとは具体的にどのようなものかを説明したいと思います。
<監修>
井上智介
島根大学医学部を卒業後、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。
産業医として毎月約40社を訪問し、精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務している。
「体を鍛える」と聞くと、筋力トレやジョギングなどの運動をしているイメージがあるかと思います。しかし、体を鍛えるには、体に負荷を与え続ける運動だけではなく、その後の入浴や睡眠をはじめとするリカバリーも同じくらいに大事になってきます。
そこで今回は、リカバリーとは具体的にどのようなものかを説明したいと思います。
<監修>
井上智介
島根大学医学部を卒業後、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。
産業医として毎月約40社を訪問し、精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務している。
リカバリーと聞くと、すこし専門的な印象を持たれるかもしれません。しかし、運動のあとのクールダウンのことだと思えば、馴染みがあり想像しやすいのではないでしょうか。誰しも、運動後は必ず疲労が蓄積しているので、その疲労回復を行うこと自体がリカバリーなのです。
たしかにトレーニングすることはポジティブなことが多いですが、体にストレスを与え続ける行為でもあります。そのため疲労の回復に力を入れずに放置していると、やはり翌日以降の生活やトレーニングの成果にも影響が出てきます。
現代では、運動の負荷に応じたリカバリーが必要だと考えられており、回復のためにはアクティブレスト(積極的休養)とパッシブレスト(消極的休養)の2つが大切だと言われております。
アクティブレストとはウォーキングやストレッチなどが当てはまります。おそらくテレビでスポーツの試合後に、選手たちが軽いジョギングやストレッチをしている姿を見たことがあるのではないでしょうか。その一方で、パッシブレストとは、睡眠や入浴、マッサージなどによるリカバリーをさします。
リカバリーと聞くと、すこし専門的な印象を持たれるかもしれません。しかし、運動のあとのクールダウンのことだと思えば、馴染みがあり想像しやすいのではないでしょうか。誰しも、運動後は必ず疲労が蓄積しているので、その疲労回復を行うこと自体がリカバリーなのです。
たしかにトレーニングすることはポジティブなことが多いですが、体にストレスを与え続ける行為でもあります。そのため疲労の回復に力を入れずに放置していると、やはり翌日以降の生活やトレーニングの成果にも影響が出てきます。
現代では、運動の負荷に応じたリカバリーが必要だと考えられており、回復のためにはアクティブレスト(積極的休養)とパッシブレスト(消極的休養)の2つが大切だと言われております。
アクティブレストとはウォーキングやストレッチなどが当てはまります。おそらくテレビでスポーツの試合後に、選手たちが軽いジョギングやストレッチをしている姿を見たことがあるのではないでしょうか。その一方で、パッシブレストとは、睡眠や入浴、マッサージなどによるリカバリーをさします。
トレーニングによる疲労と聞くと、筋肉の使い過ぎと思う人も多いでしょう。しかし実際には、筋肉だけではなく、それをコントロールする神経の状態が悪いことで疲労を感じていることもあります。たとえば、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが悪く、夜の睡眠の質が下がり疲労が回復しないケースもあります。
また、もう少し体内を詳細にみると、人間の体を細胞内と細胞外の2つにわけた時、細胞内の代表的なミネラルはカリウムやマグネシウムであり、細胞外はナトリウムやカルシウムになります。
体にトレーニングなどで負荷を与えた時、細胞は酸素を消費して発熱し、エネルギーを消費します。さらに、細胞内の構成要素を変化させることも分かっています。具体的には、細胞の活性化を抑える細胞外にあるカルシウムやナトリウムが、細胞内に入っていくことが分かっております。その結果、細胞の働きが弱くなり、疲労を感じる原因になるのです。
トレーニングによる疲労と聞くと、筋肉の使い過ぎと思う人も多いでしょう。しかし実際には、筋肉だけではなく、それをコントロールする神経の状態が悪いことで疲労を感じていることもあります。たとえば、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが悪く、夜の睡眠の質が下がり疲労が回復しないケースもあります。
また、もう少し体内を詳細にみると、人間の体を細胞内と細胞外の2つにわけた時、細胞内の代表的なミネラルはカリウムやマグネシウムであり、細胞外はナトリウムやカルシウムになります。
体にトレーニングなどで負荷を与えた時、細胞は酸素を消費して発熱し、エネルギーを消費します。さらに、細胞内の構成要素を変化させることも分かっています。具体的には、細胞の活性化を抑える細胞外にあるカルシウムやナトリウムが、細胞内に入っていくことが分かっております。その結果、細胞の働きが弱くなり、疲労を感じる原因になるのです。
どこかに体をぶつけて打撲のようなケガをした時、その患部を冷やすか温めるか悩んだことはありませんか。
特に、急性期とよばれる時期は、患部を冷やして炎症や内出血を抑えることを目標とします。ただ3日ほど経過して、腫れなどがピークをすぎ自然治癒の経過が始まってくると患部を温めるのが正解です。
温めることで血流が良くなり、患部に止血や修復に必要な物質や栄養が十分に届くことを目標とするためです。
このようなケガは筋肉や血管の損傷です。実は、トレーニングによる疲労も、ケガまではいかない程度の筋肉や血管に負担がかかっています。そのため、先ほどの治療を入浴で代用することで、疲労回復につなげることができます。
具体的には、温水と冷水の交互浴です。しかし、家の中にバスタブを2つ準備できる人は少ないかと思いますので、 現実的にはシャワーとバスタブを使った方法が有効です。シャワーでは冷水、バスタブには38℃程度のお湯を準備しましょう。最初は1分間ほど全身を冷水で冷やします。そのあとは、バスタブのお湯に30秒間浸かり、すぐに30秒間の冷水シャワーを浴びることを繰り返していきます。これを1セットとして、慣れないうちは3セットを目標にし、最高10セットできるように目指してください。
どこかに体をぶつけて打撲のようなケガをした時、その患部を冷やすか温めるか悩んだことはありませんか。
特に、急性期とよばれる時期は、患部を冷やして炎症や内出血を抑えることを目標とします。ただ3日ほど経過して、腫れなどがピークをすぎ自然治癒の経過が始まってくると患部を温めるのが正解です。
温めることで血流が良くなり、患部に止血や修復に必要な物質や栄養が十分に届くことを目標とするためです。
このようなケガは筋肉や血管の損傷です。実は、トレーニングによる疲労も、ケガまではいかない程度の筋肉や血管に負担がかかっています。そのため、先ほどの治療を入浴で代用することで、疲労回復につなげることができます。
具体的には、温水と冷水の交互浴です。しかし、家の中にバスタブを2つ準備できる人は少ないかと思いますので、 現実的にはシャワーとバスタブを使った方法が有効です。シャワーでは冷水、バスタブには38℃程度のお湯を準備しましょう。最初は1分間ほど全身を冷水で冷やします。そのあとは、バスタブのお湯に30秒間浸かり、すぐに30秒間の冷水シャワーを浴びることを繰り返していきます。これを1セットとして、慣れないうちは3セットを目標にし、最高10セットできるように目指してください。
睡眠中には、トレーニングで破損した筋肉などの体の組織を修復、再生する働きをもつ成長ホルモンが大量に分泌されています。
さらに、睡眠中は副交感神経が働いており、全身の疲労からの回復力を高めています。そのため、疲労回復には、睡眠がとても大切です。
年齢によっても必要な睡眠時間は異なってきますが、1つの目安として最低でも7時間は睡眠をとるようにしてください。もちろん、日によっては睡眠時間が短くなることがあるかもしれません。しかし、そのような日でも、必ず6時間以上の睡眠をとるように心がけましょう。
さらに、睡眠の良さは「時間×質」で評価されるため、いくら睡眠時間が十分であっても睡眠の質が悪ければ、台無しになってしまいます。
睡眠の質を上げるためには、先ほどの入浴を上手く利用してください。先ほどの交互浴を、就寝の90分前には終了して、浴室から出るようにしましょう。この入浴によって、深部体温が約1℃上昇します。この上がった体温が約60分をかけて、ゆっくりと下がる時に自然な睡魔がやってきます。またこの就寝前の60分はリラックスする時間にあてるようにして、スマホやPCの操作はしないようにしてください。
電子機器からの出るブルーライトを浴びると、覚醒の働きがあるコルチゾールが分泌されて、良質な睡眠ができなくなってしまいます。その時間は、読書や音楽、アロマなどで自分が穏やかに過ごすことを意識してください。
睡眠中には、トレーニングで破損した筋肉などの体の組織を修復、再生する働きをもつ成長ホルモンが大量に分泌されています。
さらに、睡眠中は副交感神経が働いており、全身の疲労からの回復力を高めています。そのため、疲労回復には、睡眠がとても大切です。
年齢によっても必要な睡眠時間は異なってきますが、1つの目安として最低でも7時間は睡眠をとるようにしてください。もちろん、日によっては睡眠時間が短くなることがあるかもしれません。しかし、そのような日でも、必ず6時間以上の睡眠をとるように心がけましょう。
さらに、睡眠の良さは「時間×質」で評価されるため、いくら睡眠時間が十分であっても睡眠の質が悪ければ、台無しになってしまいます。
睡眠の質を上げるためには、先ほどの入浴を上手く利用してください。先ほどの交互浴を、就寝の90分前には終了して、浴室から出るようにしましょう。この入浴によって、深部体温が約1℃上昇します。この上がった体温が約60分をかけて、ゆっくりと下がる時に自然な睡魔がやってきます。またこの就寝前の60分はリラックスする時間にあてるようにして、スマホやPCの操作はしないようにしてください。
電子機器からの出るブルーライトを浴びると、覚醒の働きがあるコルチゾールが分泌されて、良質な睡眠ができなくなってしまいます。その時間は、読書や音楽、アロマなどで自分が穏やかに過ごすことを意識してください。
誰もが、トレーニングをやるなら出来るだけ効率よく効果的に行いたいと思うでしょう。しかし、実際には運動そのものだけではなく、毎回しっかりリカバリーさせることも大切になります。
リカバリーの方法は様々ありますが、パッシブレストは、かなり日常的な動作に組み込まれています。だからこそ、少しの工夫でリカバリーにつなげることができるので、まずは出来るところからチャレンジしてください。
誰もが、トレーニングをやるなら出来るだけ効率よく効果的に行いたいと思うでしょう。しかし、実際には運動そのものだけではなく、毎回しっかりリカバリーさせることも大切になります。
リカバリーの方法は様々ありますが、パッシブレストは、かなり日常的な動作に組み込まれています。だからこそ、少しの工夫でリカバリーにつなげることができるので、まずは出来るところからチャレンジしてください。