皆さんは、熱中症になりやすい諸々の条件や周囲の環境を知っていますか。
運動中は平時に比べてそもそも熱中症に陥りやすいのか、トレーニング中に熱中症になりやすいメカニズムを知りたい、あるいは熱中症を予防するための注意点などを詳しく解説していきます。
<監修>
甲斐沼孟
国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科。
救急診療のみならず、消化器外科や心臓血管外科、総合診療領域に精通しており、学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行う。
皆さんは、熱中症になりやすい諸々の条件や周囲の環境を知っていますか。
運動中は平時に比べてそもそも熱中症に陥りやすいのか、トレーニング中に熱中症になりやすいメカニズムを知りたい、あるいは熱中症を予防するための注意点などを詳しく解説していきます。
<監修>
甲斐沼孟
国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科。
救急診療のみならず、消化器外科や心臓血管外科、総合診療領域に精通しており、学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行う。
熱中症というのはもっとも重篤な暑熱障害の一つとされており、直接的に死亡につながる危険性が極めて高い疾患と言われています。
従来は高熱の炎天下で長時間作業している場所で多く熱中症が発生して労働災害としても認識されてきました。近年では猛暑の影響もありスポーツ活動中に熱中症になるといった報道もよく見かけるようになりました。
特に普段から、暑さに弱い人は熱中症になりやすいために急激に無理な運動をしないように心がけましょう。また、肥満傾向の方は熱中症を発症する割合が多いというデータもあり特に注意が必要です。
※(参考:環境省熱中症予防情報サイト 熱中症環境保健マニュアル)
また風邪気味である、あるいは下痢などで脱水状態になっている際などの体調不良時には熱中症になりやすいので要注意です。
利尿作用がある内服薬を服用していたり、糖尿病や腎疾患など特定の疾病を患っている方も、運動をするとより脱水状態になりやすく、塩分不足に陥ることがあります。
熱中症というのはもっとも重篤な暑熱障害の一つとされており、直接的に死亡につながる危険性が極めて高い疾患と言われています。
従来は高熱の炎天下で長時間作業している場所で多く熱中症が発生して労働災害としても認識されてきました。近年では猛暑の影響もありスポーツ活動中に熱中症になるといった報道もよく見かけるようになりました。
特に普段から、暑さに弱い人は熱中症になりやすいために急激に無理な運動をしないように心がけましょう。また、肥満傾向の方は熱中症を発症する割合が多いというデータもあり特に注意が必要です。
※(参考:環境省熱中症予防情報サイト 熱中症環境保健マニュアル)
また風邪気味である、あるいは下痢などで脱水状態になっている際などの体調不良時には熱中症になりやすいので要注意です。
利尿作用がある内服薬を服用していたり、糖尿病や腎疾患など特定の疾病を患っている方も、運動をするとより脱水状態になりやすく、塩分不足に陥ることがあります。
運動活動中は多量の発汗が伴うために体液および塩分欠乏による熱疲労が生じます。そして、熱疲労が生じると体の生理的な体温調節機能が低下してしまい、すぐに体温が上昇、運動を継続することが難しくなり熱中症に繋がるのです。
スポーツ時における熱中症発生の主な要因には、周りの環境、運動する人の身体的な特徴、そしてスポーツ内容などが挙げられ、その中でひとつでもバランスが崩れてしまうと熱中症になりやすいと言われています。
例えば、外気温が35度以上の環境下における炎天下の運動は原則中止とされています。
通例では、身体が暑さに慣れるまで1週間程度かかると言われており、暑い中でのトレーニングは実質的な効果が上げられずに余分に体力も消耗しやすいです。
運動強度が強ければ強いほどに生体内における熱産生が多く活発化され、熱中症に陥る危険性も相対的に高くなります。激しいランニング訓練や急激なダッシュの繰り返しなどの活動で熱中症が多く発生していると言われていますし、防具や厚手の衣服を着用するラグビーや剣道等のスポーツでも起こりやすくなります。
また、熱中症は屋外だけではなく室内でも発症する恐れがあります。
屋外のようにそこまで外気温が高くなくても室内の湿度が極めて高い場合には熱中症が発生しやすいと言われており、室内環境にいると口渇感(のどの渇き)を自覚的に感じにくいのも熱中症リスクを高める助長要因になっています。
ですから、喉が渇いていると思っていなくても、屋内外に関わらず、長時間の練習や長期作業をする際には、こまめな水分補給を意識してするようにしましょう。
運動活動中は多量の発汗が伴うために体液および塩分欠乏による熱疲労が生じます。そして、熱疲労が生じると体の生理的な体温調節機能が低下してしまい、すぐに体温が上昇、運動を継続することが難しくなり熱中症に繋がるのです。
スポーツ時における熱中症発生の主な要因には、周りの環境、運動する人の身体的な特徴、そしてスポーツ内容などが挙げられ、その中でひとつでもバランスが崩れてしまうと熱中症になりやすいと言われています。
例えば、外気温が35度以上の環境下における炎天下の運動は原則中止とされています。
通例では、身体が暑さに慣れるまで1週間程度かかると言われており、暑い中でのトレーニングは実質的な効果が上げられずに余分に体力も消耗しやすいです。
運動強度が強ければ強いほどに生体内における熱産生が多く活発化され、熱中症に陥る危険性も相対的に高くなります。激しいランニング訓練や急激なダッシュの繰り返しなどの活動で熱中症が多く発生していると言われていますし、防具や厚手の衣服を着用するラグビーや剣道等のスポーツでも起こりやすくなります。
また、熱中症は屋外だけではなく室内でも発症する恐れがあります。
屋外のようにそこまで外気温が高くなくても室内の湿度が極めて高い場合には熱中症が発生しやすいと言われており、室内環境にいると口渇感(のどの渇き)を自覚的に感じにくいのも熱中症リスクを高める助長要因になっています。
ですから、喉が渇いていると思っていなくても、屋内外に関わらず、長時間の練習や長期作業をする際には、こまめな水分補給を意識してするようにしましょう。
熱中症は高温環境下で起こる身体の変化を理解すれば予防対策を講じやすくなります。熱中症の予防は簡単に言うと大きく短期的な対策と長期的な対策に分けられます。
短期的な対処法としては脱水状態をいかに軽減させることができるかです。
そのため、運動して汗をたくさんかいた時には、失われた水分と同時に塩分(ナトリウム)も積極的に補給するように努めましょう。日本スポーツ協会が推奨している補給すべき飲料水としては、0.1~0.2%の食塩水と糖質をバランス良く含まれたものが効果的と言われており、特に汗で失った水分に相当する量を出来る限り摂取することが理想的とされています。
また熱中症の長期的な対策としてはいかに効率的に暑さに慣れることができるか、が重要なポイントとなります。
これまでの調査研究によると、熱中症は10時から16時の間に多く発生しているのみならず、梅雨明けなど急に季節的に暑くなり、身体が十分にその暑さについていけない時により頻繁に発生すると言われています。
ですから、身体が暑さに慣れないうちはいきなりトップギアに入れずに激しい運動をできるだけ避けるようにしましょう。軽めのエクササイズを意識して短時間で済む運動を最初にすることで徐々に身体を慣らしていきましょう。
熱中症を予防するとともに、効果的なトレーニングに励むという観点からも、小まめに水分補給をする、かつ少なくとも30分に一度は休憩をはさみ、運動量や運動の継続時間を調節しながら持続可能な運動スケジュールを考えるようにしましょう。
休憩そのものは、上昇しすぎた体温を下げる効果があり、なおかつ水分の補給をする時間を設けるといった2つの目的を意識して小まめに取り入れましょう。
なるべく休憩自体は風通しが良いとされる涼しい日陰でとるように心がけて、その際に汗で濡れた服装を着替えたり、冷やしたタオルなどで体を拭くことも効率的に体温を下げ快適になることが出来ます。
熱中症は高温環境下で起こる身体の変化を理解すれば予防対策を講じやすくなります。熱中症の予防は簡単に言うと大きく短期的な対策と長期的な対策に分けられます。
短期的な対処法としては脱水状態をいかに軽減させることができるかです。
そのため、運動して汗をたくさんかいた時には、失われた水分と同時に塩分(ナトリウム)も積極的に補給するように努めましょう。日本スポーツ協会が推奨している補給すべき飲料水としては、0.1~0.2%の食塩水と糖質をバランス良く含まれたものが効果的と言われており、特に汗で失った水分に相当する量を出来る限り摂取することが理想的とされています。
また熱中症の長期的な対策としてはいかに効率的に暑さに慣れることができるか、が重要なポイントとなります。
これまでの調査研究によると、熱中症は10時から16時の間に多く発生しているのみならず、梅雨明けなど急に季節的に暑くなり、身体が十分にその暑さについていけない時により頻繁に発生すると言われています。
ですから、身体が暑さに慣れないうちはいきなりトップギアに入れずに激しい運動をできるだけ避けるようにしましょう。軽めのエクササイズを意識して短時間で済む運動を最初にすることで徐々に身体を慣らしていきましょう。
熱中症を予防するとともに、効果的なトレーニングに励むという観点からも、小まめに水分補給をする、かつ少なくとも30分に一度は休憩をはさみ、運動量や運動の継続時間を調節しながら持続可能な運動スケジュールを考えるようにしましょう。
休憩そのものは、上昇しすぎた体温を下げる効果があり、なおかつ水分の補給をする時間を設けるといった2つの目的を意識して小まめに取り入れましょう。
なるべく休憩自体は風通しが良いとされる涼しい日陰でとるように心がけて、その際に汗で濡れた服装を着替えたり、冷やしたタオルなどで体を拭くことも効率的に体温を下げ快適になることが出来ます。
運動中は通常よりも熱中症になりやすいため、普段からその熱中症のメカニズムや予防策を深く知ることが重要です。暑い季節には、運動する前に吸湿性のある素材や通気性が優れたスポーツ服を選択しましょう。
そして、炎天下で万が一にも激しい運動をする際には、できるだけ帽子をかぶって直射日光を十分に避けましょう。
出来る事ならば、暑い時期にスポーツに励むときは、なるべく涼しい時間を選んで水分補給を小まめにしながら運動を行うように心がけましょう。
また決して無理に長時間に渡って急激な運動を続けることはせずに、少しずつでも休憩の時間を確保しましょう。
仮に運動中に少しでも体調が悪くなったら、自分の状態をできるだけ多くの周囲の人に伝えて、迅速に運動を中止する勇気を持ちましょう。
くれぐれも熱中症の重症化を防ぐためには早期発見、早期対応して適切に治療に繋げることが非常に重要です。
【参考文献】
・森本武利:運動時の熱中症予防.体力科学.2007年56巻1号p. 9-10.
・上條義一郎:実践!熱中症対策 -運動時における熱中症予防とその機序について-.体力科学. 2016年65巻1号p. 20.
運動中は通常よりも熱中症になりやすいため、普段からその熱中症のメカニズムや予防策を深く知ることが重要です。暑い季節には、運動する前に吸湿性のある素材や通気性が優れたスポーツ服を選択しましょう。
そして、炎天下で万が一にも激しい運動をする際には、できるだけ帽子をかぶって直射日光を十分に避けましょう。
出来る事ならば、暑い時期にスポーツに励むときは、なるべく涼しい時間を選んで水分補給を小まめにしながら運動を行うように心がけましょう。
また決して無理に長時間に渡って急激な運動を続けることはせずに、少しずつでも休憩の時間を確保しましょう。
仮に運動中に少しでも体調が悪くなったら、自分の状態をできるだけ多くの周囲の人に伝えて、迅速に運動を中止する勇気を持ちましょう。
くれぐれも熱中症の重症化を防ぐためには早期発見、早期対応して適切に治療に繋げることが非常に重要です。
【参考文献】
・森本武利:運動時の熱中症予防.体力科学.2007年56巻1号p. 9-10.
・上條義一郎:実践!熱中症対策 -運動時における熱中症予防とその機序について-.体力科学. 2016年65巻1号p. 20.