夏の疲れはツボ押しで回復しよう!

疲労回復の手段は今や多くの方法があり、さまざまな情報があふれています。

ここでは、歴史ある東洋医学の見地から、ツボ(経穴)の効果を利用して、身体の疲労回復を図る方法をお伝えします。

デスクワークや会議の合間などの集中力が切れそうなときに、ちょっと知っていると上手にリフレッシュができます。

一日の終わりのツボ押しも、良いリカバリーになります。

今日の疲れを持ち越さないよう、身体の声に耳を傾けて、明日へのエネルギーを取り戻しましょう。

<執筆者プロフィール>
曽我 武史
鍼灸師

TKC BODY DESIGN院長
スポーツメーカーミズノ株式会社での専属トレーナーを経て、2007年よりTKC BODY DESIGN(TKC鍼灸マッサージ治療院)を開院。これまで陸上競技日本代表チームトレーナーとして長年トップアスリートをサポートしてきた。現在は、一般の方々が日常生活で困っている痛みや違和感の治療に従事しながら、スポーツを楽しみたい方々の身体の不調に『的確な治療』と『動き方のアドバイスなど』アスリート現場での経験を生かした専門的な視点からのコンディショニングサポートを行っている。
鍼灸師、あん摩指圧マッサージ師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。著書に『運動しても自己流が一番危ない』『テーピングメソッド』などがある。

ツボ押しで疲労を回復しよう

東洋医学における鍼灸治療の際には、ツボ(経穴)を用いて治療をします。

ツボは人の身体を網羅する経絡(気の路線のようなもの)上にある「気」の出入口で、それぞれ身体の部位や内臓機能と関連があり、その効果はツボによって異なります。

東洋医学の治療では、ツボを鍼・灸や指圧などで刺激することで身体の反応を促し、機能を活性化し、未病(病気を予防すること)や本治(体質を改善し症状を根本から治す)を目的とします。

ただし、治療までいかなくとも、自分でもツボを刺激して血液循環や代謝を促進し、体内に滞った老廃物や「気」を流して疲労回復を図ることは可能です。

手でツボを揉みほぐすも良し、指先で指圧するも良し、指圧棒を使うも良し。

ペンや鉛筆のお尻でも構いません。
堅いなと感じるポイントに少し圧を加えるだけで効果があります。

今回は、ちょっとした隙間時間に自分で押せる、頭部や肩・腕など上半身のツボをご紹介します。

いずれも手の届く範囲ですので、是非実践してみてください。

頭重感・目の疲れに効果のあるツボ

まずは、頭部や顔面、手にあるツボをご紹介します。

知らない間に気になり触っていた、という方も多いかもしれませんね。

太陽(たいよう)

眉尻と目尻の間のくぼみにあります。

肩こりからくる「緊張性頭痛」の軽減に効果的。

目の疲れやかすみ目などにも良いです。

睛明(せいめい)

目頭を2本指でつまむようにして押します。

眼精疲労やドライアイなどに良いです。

デスクワークなど、長い時間、文字や細かいものを見て作業する方におすすめです。

印堂(いんどう)

眉間にあります。
督脈という自律神経と関連する経絡につながっています。

ストレスの多い方におすすめです。

リラックスしたいとき、前頭部に感じる頭痛に効果を期待できます。

合谷(ごうこく)

手の甲の親指と人差し指の骨が交差するところのくぼみにあります。

やや人差し指寄りです。

頭痛・歯痛・目の疲れ・精神的ストレスを感じているときにも効果的。

特に上半身の痛みに役立ちます。

率谷(そっこく)

耳の上、髪の生え際から指2本分上にあります。

肩首のコリ・頭痛・耳鳴り・側頭部の頭痛の軽減に良いです。

食欲不振やホルモンバランスの安定化にも効果を期待できます。

率谷だけでなく、耳の周りを軽く押し揉みすると頭がスッキリします。

肩こり・腕の疲れに効果のあるツボ

頭部・頚部から、上半身に重だるさやコリ感がいつもあって疲労が抜けない方は多いのではないでしょうか。

お仕事の効率アップのためにも、スッキリするツボを押してみましょう。

天柱(てんちゅう)

後頭部、髪の生え際、中央のくぼみから左右に触れる太い筋線維の外側にあります。

肩こり・眼精疲労・めまい・冷え・自律神経の安定に効果的。

頭重感やぼんやりするとき、肩こりで頭に血流が不足している場合などにまず試してほしい一穴です。

風池(ふうち)

天柱よりも1cmほど外側にあります。

頭痛・肩こり・風邪のひきはじめなどに効果的です。

押しながら軽く頭部を後屈させるとしっかり圧が入ります。

首・肩こりのひどい方は、首回りを温めるだけでも効果があります。

肩外兪(けんがいゆ)

肩甲骨の内上角にあり、肩甲挙筋の付着部です。

肩こり・腕の重だるさ、動きが悪いときに押してみましょう。

手が届きにくいときは孫の手などを使うと良いです。

肩の動きが滑らかになり、背筋がシャキッとします。

中府(ちゅうふ)

烏口突起の指一本分下に位置し、小胸筋の線維上です。

猫背の方や嘔吐を伴う肩こりの方、デスクワーク・PCワークが多く、姿勢が丸くなりやすい方に。

巻き肩が原因で、肩に痛みがある方もおすすめです。

押しながら胸を張り、肘を後ろに引くようにすると一層効果的です。

手三里(てさんり)

肘を曲げた際のしわの外側から、手のひらに向かって指3本分の辺り(長橈側手根伸筋の筋繊維上)にあります。

腕がだるい、手首や指の動きが悪い、痛みを感じる時や、寝違えなどで首を痛めてしまったときにも効果的。

圧を加えて前腕をくるくる回すと簡単に刺激を加えられます。

まとめ

痛いところに何気なしに手がいってしまうのは、身体が“手当て”を欲しているサインです。

「疲れたなぁ」と思ったときには、腕や顔・頭周りのツボを刺激して、スッキリしましょう。

今回ご紹介したツボは、東洋医学的に全身の気血を巡らせるための重要なツボであり、西洋医学的に見ても、首・肩こりの原因となる筋肉が、緊張して硬くなりやすいポイントです。

いずれも自分でも手の届く範囲ですので、休憩時間などでも気軽にお試しいただけます。

円皮鍼(極短の長時間貼っておける鍼)の代わりに、小さな植物の種(ポピーシードなど)をテープで貼っておく、なども工夫の一つです。

ツボの効果を利用して、明日も元気に過ごしましょう。

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