疲れのメカニズムを知っていますか?
疲労回復するための3つの方法

毎日の仕事や家事、育児、運動などで疲れが溜まっていませんか?

疲労が蓄積すると、体調は悪化し、思考能力の低下にもつながります。

今回は疲れのメカニズムと疲労回復するための方法について、松浦恵先生にお伺いしました。

<監修>
松浦恵先生
北海道大学医学部卒業後、大学病院、小児病院などで勤務したのち、東京医科歯科大学大学院を卒業。研究を続けながら、成長発達、思春期、内分泌疾患を中心に、健診や予防接種も含めた臨床に携わっている。

そもそも疲れとは?

「疲れ」は「疲労」とも呼びますが、日本疲労学会では

「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」

と定義されています。

疲れを感じているときは、心身に過度な負荷がかかっている状態です。

疲れは、痛みや発熱と同様に

「これ以上、負荷がかかった状態が続くと体に害が及びます」

という人間が生命を維持するために感じるサインです。

心身の活動を抑えることで体を守ろうとしている状態であるとも言えます。

疲れが発生するメカニズム

近年の脳科学研究により、疲れの発生メカニズムが徐々に解明されてきています。

心身に負荷がかかると、

・副交感神経機能の低下
・酸化ストレスの増加
・修復エネルギー産生の低下
・サイトカインによる炎症と神経伝達機能の抑制


という反応がおき、これらが疲労を起こしています。

疲労は、「末梢性疲労」と「中枢性疲労」に分類することができます。

末梢性疲労

末梢性疲労は、体の疲れです。

体を動かし続けると、筋肉では蓄えられたエネルギーが枯渇し、血流は悪くなり、神経から筋肉の神経伝達が遅れるようになって、筋肉のパフォーマンスは低下します。

また、運動によって傷ついた筋肉では炎症が起き、筋肉痛といった症状となって現れます。

中枢性疲労

中枢性疲労は、脳の疲れです。

必ずしも脳や体を使った程度とは比例せず、心理的・精神的な疲れによるものです。

例えば、過度な緊張や長時間続く会議の後などには、ぐったり疲れを感じることがあるでしょう。

ストレスの感じ方は、中枢性疲労の発生に強く関連しているのです。

ストレス刺激が脳内で大きくなると、筋肉の疲労と同じような反応が起き、次第に脳細胞がダメージを受けて疲労を感じるようになります。

疲労回復する3つの方法とは?
1. 良質な睡眠をとる

睡眠は脳や体の休息時間であり、疲労を回復させるために一番重要です。

質の良い睡眠をとるために、以下の3点を意識しましょう。

① 適度な運動をする
② 入浴で体を温めリラックスする
③ 眠る3時間ほど前までに食事を済ませる

2. バランスのとれた食生活に気をつける

3食バランスよく、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。

糖質、脂質、タンパク質のバランスに加え、ミネラルやビタミン類もしっかり摂りましょう。

3.生活リズムを整える

生活リズムが不規則になると、睡眠の質の低下や、食生活の乱れにもつながります。

ONとOFFとメリハリをつけ、意識して休息時間を確保することが大切です。

疲れているときに摂りたい成分

疲れているときは、ビタミンB群やカルシウム、鉄といったミネラルは特に意識して摂ると良いでしょう。

ビタミンB群は、エネルギーの代謝に重要な機能を持っています。

カルシウムは、骨だけではなく細胞の機能を正常に保つために必要で、不足している人が多いとされています。

鉄分も酸素を運ぶ赤血球を作るために重要で、カルシウムと並んで不足しがちな栄養素のひとつです。

また、疲れたときは甘いものが欲しくなりますが、糖質の摂りすぎはビタミンB群の欠乏につながるため注意が必要です。

まとめ

厚生労働省の調査では、日本で疲労感を自覚している人の割合は、就労人口の約6割にのぼると報告されています。

疲労には、運動だけではなく環境ストレス、精神ストレス、睡眠要因などが複雑に関わっています。

慢性的な疲労は、思考能力や注意力の低下、行動量の低下、眼のかすみ、頭痛、肩こり、腰痛などの症状を引き起こします。

疲労を感じたときは、早めに十分な休息や睡眠をとることが大切です。

十分な休息をとっても疲労が回復しない、全身のだるさや倦怠感が長く続くときは、その背景に何らかの病気がある可能性があります。

早めに医療機関を受診することも必要です。

よく読まれている関連記事