毎日使っているスマートフォン(以下スマホ)やパソコン。
1日中傍に置いて、ついつい見てしまう……という方も多いのではないでしょうか。
スマホ依存は「脳疲労」を引き寄せ、悪化すると体の不調にまでつながってしまうのです。
情報社会の今だからこそ、覚えておきたい情報機器との健やかな付き合い方をお伝えします。
<監修>
奥村 歩先生(おくむらメモリークリニック 院長)
医学博士。「もの忘れ外来」を中心に認知症やうつ病の診療を多く手がけ、これまでに10万人以上の脳を診断。著書に『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』(青春出版社)、『「朝ドラ」を観なくなった人は、なぜ認知症になりやすいのか?』(幻冬舎)など多数。
毎日使っているスマートフォン(以下スマホ)やパソコン。
1日中傍に置いて、ついつい見てしまう……という方も多いのではないでしょうか。
スマホ依存は「脳疲労」を引き寄せ、悪化すると体の不調にまでつながってしまうのです。
情報社会の今だからこそ、覚えておきたい情報機器との健やかな付き合い方をお伝えします。
<監修>
奥村 歩先生(おくむらメモリークリニック 院長)
医学博士。「もの忘れ外来」を中心に認知症やうつ病の診療を多く手がけ、これまでに10万人以上の脳を診断。著書に『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』(青春出版社)、『「朝ドラ」を観なくなった人は、なぜ認知症になりやすいのか?』(幻冬舎)など多数。
スマホを多用しているとなりやすい脳疲労。
まずは、スマホの依存度をセルフチェックしてみましょう。
✔︎ スマホはいつでも手に取れる場所にスタンバイ
✔︎ 1分の時間があればスマホを取り出す
✔︎ 思い出せない名前などがあると、
すぐスマホで検索する
✔︎ バスの時刻表はスマホで「写真」を撮る
✔︎ 初めての場所にスマホなしでたどり着く自信はない
✔︎ 調べ物はほぼスマホやPCに頼っている
✔︎ 年中忙しく、時間に追われている
✔︎ 情報に乗り遅れることに不安がある
✔︎ スマホの着信音やバイブレーションの
空耳が聞こえることがある
✔︎ 夜、布団の中でもスマホを見ている
▶︎該当する項目が
0〜2個→青信号
3〜5個→黄色信号
6個以上→赤信号
スマホを多用しているとなりやすい脳疲労。
まずは、スマホの依存度をセルフチェックしてみましょう。
✔︎ スマホはいつでも手に取れる場所にスタンバイ
✔︎ 1分の時間があればスマホを取り出す
✔︎ 思い出せない名前などがあると、
すぐスマホで検索する
✔︎ バスの時刻表はスマホで「写真」を撮る
✔︎ 初めての場所にスマホなしでたどり着く自信はない
✔︎ 調べ物はほぼスマホやPCに頼っている
✔︎ 年中忙しく、時間に追われている
✔︎ 情報に乗り遅れることに不安がある
✔︎ スマホの着信音やバイブレーションの
空耳が聞こえることがある
✔︎ 夜、布団の中でもスマホを見ている
▶︎該当する項目が
0〜2個→青信号
3〜5個→黄色信号
6個以上→赤信号
セルフチェックの結果はいかがでしたか?
黄色信号〜赤信号の方が多かったのではないでしょうか。
スマホの使い過ぎが習慣化すると、情報のインプットが多過ぎて「脳疲労」の状態に陥り、脳の情報処理機能が低下してしまいます。
人間は受け取る情報を脳の「前頭前野」という部分で処理していますが、大きく分けて
① 浅く考える機能
② 深く考える機能
③ ぼんやりと考える機能
の3つがあります。
絶えずスマホを見て情報をインプットしていると、①の「浅く考える機能」ばかりを使うことになり、脳はヘトヘトに疲れてしまいます。
一方、②③の機能は使われずにフリーズしてしまいます。
最近の研究では、③の「ぼんやりと考える」行為が脳にとって大変重要な役割をもつことが分かってきました。
この時、情報の整理や分析を行ったり、人間の本質に関わる思考を培ったりしているのです。
この機能がフリーズしてしまうと、自分を客観視できなくなり、手近な快楽に流されやすくなります。
そのため脳が疲れているほどスマホの使用時間は長くなって依存度が高くなりやすく、さらに疲れるという悪循環を起こしてしまうのです。
セルフチェックの結果はいかがでしたか?
黄色信号〜赤信号の方が多かったのではないでしょうか。
スマホの使い過ぎが習慣化すると、情報のインプットが多過ぎて「脳疲労」の状態に陥り、脳の情報処理機能が低下してしまいます。
人間は受け取る情報を脳の「前頭前野」という部分で処理していますが、大きく分けて
① 浅く考える機能
② 深く考える機能
③ ぼんやりと考える機能
の3つがあります。
絶えずスマホを見て情報をインプットしていると、①の「浅く考える機能」ばかりを使うことになり、脳はヘトヘトに疲れてしまいます。
一方、②③の機能は使われずにフリーズしてしまいます。
最近の研究では、③の「ぼんやりと考える」行為が脳にとって大変重要な役割をもつことが分かってきました。
この時、情報の整理や分析を行ったり、人間の本質に関わる思考を培ったりしているのです。
この機能がフリーズしてしまうと、自分を客観視できなくなり、手近な快楽に流されやすくなります。
そのため脳が疲れているほどスマホの使用時間は長くなって依存度が高くなりやすく、さらに疲れるという悪循環を起こしてしまうのです。
脳疲労に陥ると前頭前野の情報処理機能全体が低下するため、今までやってきたことができなくなったり、実際の生活のパフォーマンスが落ちたりします。
それでは、具体的な症状を見てみましょう。
●うっかりミスが増える
①の「浅く考える機能」の処理能力低下で、
・物忘れが多くなる
・約束を忘れる
・うっかりミスが増える
・つまらないことに固執する
などといったことが起こりやすくなります。
●感情コントロール力の低下
②の「深く考える機能」が低下することで、
・思考力、判断力、集中力、意欲が低下
・イライラしやすくなる
・キレやすくなる
・やたらと涙が出る
など思考や感情に関わる支障が出てきます。
●自律神経の乱れで身体的な不調も
前頭前野の働きが悪くなると、心身を整えるカギとなる自律神経も乱れるため、多くの人が慢性的な疲れ、頭痛、めまい、不眠、腰痛、冷え、便秘、腹痛といった身体的な不調を伴います。
この状態を放置すれば、かなりの人がうつ病に移行していきます。
脳疲労に陥ると前頭前野の情報処理機能全体が低下するため、今までやってきたことができなくなったり、実際の生活のパフォーマンスが落ちたりします。
それでは、具体的な症状を見てみましょう。
●うっかりミスが増える
①の「浅く考える機能」の処理能力低下で、
・物忘れが多くなる
・約束を忘れる
・うっかりミスが増える
・つまらないことに固執する
などといったことが起こりやすくなります。
●感情コントロール力の低下
②の「深く考える機能」が低下することで、
・思考力、判断力、集中力、意欲が低下
・イライラしやすくなる
・キレやすくなる
・やたらと涙が出る
など思考や感情に関わる支障が出てきます。
●自律神経の乱れで身体的な不調も
前頭前野の働きが悪くなると、心身を整えるカギとなる自律神経も乱れるため、多くの人が慢性的な疲れ、頭痛、めまい、不眠、腰痛、冷え、便秘、腹痛といった身体的な不調を伴います。
この状態を放置すれば、かなりの人がうつ病に移行していきます。
とはいえ、スマホやPCなどのIT機器が欠かせなくなった社会では、全く使わないということも現実的ではありませんよね。
デジタルとアナログのバランスをほどよく保つ「脳の健康のための6つの習慣」を毎日に取り入れ、繰り返していくことが大切です。
●ボーッとする時間をつくる
1日5分でもよいので何もせずボーッとしましょう。難しい場合は、ぶらぶら散歩したり、何も考えずに体を動かすのも有効。
●しっかりアウトプットする
アウトプットするということは、自分の中で一度情報を整理すること。
スマホを使う時も「◯◯について調べる」などしっかり目的をもって利用しましょう。
●「手間のかかる方法」を選ぶ
メールではなく、あえて手書きで手紙を書くなど、時々でよいので日常生活の中で自分の手足を動かして行う方法を取り入れるようにしましょう。
●本は本屋へ買いに行く
ネットではなく店に行って購入するなど「リアルな質感」を伴った行為が大事。
レストラン選びもグルメサイトに頼らず、自分の勘や嗅覚を頼りに探してみましょう。
●脳によい栄養素を摂る
良質なタンパク質、ビタミンB群、鉄、オメガ3系の脂質(DHAやEPA)を食事でバランスよく摂りましょう。
サプリメントやドリンク剤などで補給するのも手。
●睡眠を大切にする
睡眠中は、疲労物質を代謝したり脳細胞を修復したりといったメンテナンス作業が行われています。どんなに忙しくても睡眠の確保を最優先にしましょう。
以上の「アナログ」習慣こそが、脳の元気のもと。
忙しい毎日の中で、少しデジタル・デトックスの時間を持つことが、脳の健やかさにつながります。
ぜひ、できるところから試してみてくださいね。
とはいえ、スマホやPCなどのIT機器が欠かせなくなった社会では、全く使わないということも現実的ではありませんよね。
デジタルとアナログのバランスをほどよく保つ「脳の健康のための6つの習慣」を毎日に取り入れ、繰り返していくことが大切です。
●ボーッとする時間をつくる
1日5分でもよいので何もせずボーッとしましょう。難しい場合は、ぶらぶら散歩したり、何も考えずに体を動かすのも有効。
●しっかりアウトプットする
アウトプットするということは、自分の中で一度情報を整理すること。
スマホを使う時も「◯◯について調べる」などしっかり目的をもって利用しましょう。
●「手間のかかる方法」を選ぶ
メールではなく、あえて手書きで手紙を書くなど、時々でよいので日常生活の中で自分の手足を動かして行う方法を取り入れるようにしましょう。
●本は本屋へ買いに行く
ネットではなく店に行って購入するなど「リアルな質感」を伴った行為が大事。
レストラン選びもグルメサイトに頼らず、自分の勘や嗅覚を頼りに探してみましょう。
●脳によい栄養素を摂る
良質なタンパク質、ビタミンB群、鉄、オメガ3系の脂質(DHAやEPA)を食事でバランスよく摂りましょう。
サプリメントやドリンク剤などで補給するのも手。
●睡眠を大切にする
睡眠中は、疲労物質を代謝したり脳細胞を修復したりといったメンテナンス作業が行われています。どんなに忙しくても睡眠の確保を最優先にしましょう。
以上の「アナログ」習慣こそが、脳の元気のもと。
忙しい毎日の中で、少しデジタル・デトックスの時間を持つことが、脳の健やかさにつながります。
ぜひ、できるところから試してみてくださいね。