Hello Challengers! インタビュー企画 Hello Challengers! インタビュー企画
株式会社ダイモン 代表取締役 中島紳一郎 株式会社ダイモン 代表取締役 中島紳一郎

Challenger ⑰

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小さなローバー、大きな未来

小さなローバー、大きな未来

株式会社ダイモン 代表取締役
中島紳一郎

株式会社ダイモン 代表取締役
中島紳一郎

長野県生まれ。 明治大学卒業後、Boschなどで自動車の駆動開発に20年従事。 Audi, TOYOTA 等で標準採用されている4WD駆動機構を発明。 創業以来、月面探査車「YAOKI」の開発を推進し、2022年中にNASAのCLPS(商用月運送サービス)企業との契約締結により、民間企業で世界初、日本で初の月面探査を行う。

長野県生まれ。 明治大学卒業後、Boschなどで自動車の駆動開発に20年従事。 Audi, TOYOTA 等で標準採用されている4WD駆動機構を発明。 創業以来、月面探査車「YAOKI」の開発を推進し、2022年中にNASAのCLPS(商用月運送サービス)企業との契約締結により、民間企業で世界初、日本で初の月面探査を行う。

2022.5.31

2022.5.31

2022.5.31

2022.5.31

──宇宙や宇宙開発に興味を持ったきっかけを教えて下さい。

子どもの頃から、宇宙には漠然と興味を持っていました。アポロ11号の月面着陸のときには、大人たちがすごく盛り上がっていたことを覚えています。
月は気になる存在でした。夜歩いていると、自分にずっとついてくるようにみえる。不思議でした。
小学生の頃に天体に関心を持って、寝転がって夜空を見ていたことがあります。気がついたら朝になっていました。そのときに、「あ、自分は宇宙が好きなんだ」と自覚しました。
高校では、好きな科目は物理オンリーでした。物理はまさにモノの理(ことわり)。モノの現象として実際に役立つんですよね。大学入試も物理一本で勝負しました。
大学は機械工学科に入りました。宇宙も含めて物理が好きでした。そして、機械工学からの縁で、自動車関連機器のメーカーに就職しました。


──株式会社ダイモンを起業されたのは、どのような思いがあったからでしょうか?

そのような中で、2011年、東日本大震災が起きました。すぐ「自分は自動車の開発をしている場合ではない」という強い思いが湧き上がり、その日のうちに会社に行かなくなってしまったのです。 まさに勢いだけで辞めてしまった感じですね…。
原発事故もあったことで自然エネルギーの開発にも進もうかと考えましたが、それだけでは事業として成り立たない。そんな中、ホワイトレーベルスペースジャパン(現・ispace)の月面ローバーの開発に ボランディアで加入したのです。
もともと私はアウディのクワトロ(四輪駆動技術)の開発に従事していましたから、モビリティの開発には興味がありました。そして自分が経験したことがない分野への挑戦にはわくわくしました。
しかし、自身の会社「ダイモン」を立ち上げたので、ispaceにいられるのは3年が限界でした。


──現在開発中の月面ローバー「YAOKI」について、ご紹介いただけますでしょうか。

YAOKI(ヤオキ)は、2022年中に月に到達する予定のローバーです。形としてはラグビーボールに似ているかも知れませんね。YAOKIという名前は「七転び八起き」から来ています。もちろんこれは、 月面の複雑な地形で転倒したりしたとしてもまたちゃんと元に戻ることを意味しているのですが、それと共に、精神的な意味もあります。
YAOKIは、世界初となる民間月面ローバーです。故障しそうな要素を徹底的に排除し、究極のシンプルマシンを作りました。車輪も最小の2輪。まずはともかく、実績を作ることが大事だと思っています。
YAOKIは強度に優れています。100メートル上から落としても壊れません。近い将来、月の縦穴に落として、探査を行いたいですね。
そしてその先の将来には、さらに小型化して、たくさんのYAOKIを月面に送り込みたいです。2025年ころには100機のYAOKIを月面に到達させたい。YAOKIによる月面ネットワークを確立して、資源探査を行うこともできます。

──宇宙や宇宙開発に興味を持ったきっかけを教えて下さい。

子どもの頃から、宇宙には漠然と興味を持っていました。アポロ11号の月面着陸のときには、大人たちがすごく盛り上がっていたことを覚えています。
月は気になる存在でした。夜歩いていると、自分にずっとついてくるようにみえる。不思議でした。
小学生の頃に天体に関心を持って、寝転がって夜空を見ていたことがあります。気がついたら朝になっていました。そのときに、「あ、自分は宇宙が好きなんだ」と自覚しました。
高校では、好きな科目は物理オンリーでした。物理はまさにモノの理(ことわり)。モノの現象として実際に役立つんですよね。大学入試も物理一本で勝負しました。
大学は機械工学科に入りました。宇宙も含めて物理が好きでした。そして、機械工学からの縁で、自動車関連機器のメーカーに就職しました。


──株式会社ダイモンを起業されたのは、どのような思いがあったからでしょうか?

そのような中で、2011年、東日本大震災が起きました。すぐ「自分は自動車の開発をしている場合ではない」という強い思いが湧き上がり、その日のうちに会社に行かなくなってしまったのです。 まさに勢いだけで辞めてしまった感じですね…。
原発事故もあったことで自然エネルギーの開発にも進もうかと考えましたが、それだけでは事業として成り立たない。そんな中、ホワイトレーベルスペースジャパン(現・ispace)の月面ローバーの開発に ボランディアで加入したのです。
もともと私はアウディのクワトロ(四輪駆動技術)の開発に従事していましたから、モビリティの開発には興味がありました。そして自分が経験したことがない分野への挑戦にはわくわくしました。
しかし、自身の会社「ダイモン」を立ち上げたので、ispaceにいられるのは3年が限界でした。


──現在開発中の月面ローバー「YAOKI」について、ご紹介いただけますでしょうか。

YAOKI(ヤオキ)は、2022年中に月に到達する予定のローバーです。形としてはラグビーボールに似ているかも知れませんね。YAOKIという名前は「七転び八起き」から来ています。もちろんこれは、 月面の複雑な地形で転倒したりしたとしてもまたちゃんと元に戻ることを意味しているのですが、それと共に、精神的な意味もあります。
YAOKIは、世界初となる民間月面ローバーです。故障しそうな要素を徹底的に排除し、究極のシンプルマシンを作りました。車輪も最小の2輪。まずはともかく、実績を作ることが大事だと思っています。
YAOKIは強度に優れています。100メートル上から落としても壊れません。近い将来、月の縦穴に落として、探査を行いたいですね。
そしてその先の将来には、さらに小型化して、たくさんのYAOKIを月面に送り込みたいです。2025年ころには100機のYAOKIを月面に到達させたい。YAOKIによる月面ネットワークを確立して、資源探査を行うこともできます。

YAOKI YAOKI

――将来に向けての夢や目標を教えて下さい。

人類は、進化の過程で宇宙へと進出していくしかないと思っています。そしてまずは、いちばん近い天体である月に行くしかありません。そのときにはロボットとの協力関係が必要になります。
おそらく将来の宇宙空間では、少数の人類に、多数のロボットがパートナーとして協力関係を築いているようになっているはずです。そして、そういう社会を作っていきたいと思っています。
YAOKIはリモートコントロールで動きます。これは、月面に「バーチャルで行く」ことと同じです。いずれ月面を含めたメタバースやアバターが普通になる時代が来る。そうなれば「誰もが月面に気軽に行ける」時代になります。
「夢があっていいですね」ではなく、思い描いたものが現実となり、そのために自分自身が夢に没頭していく。夢を突き抜けていくことこそが重要だと思います。生きている意味を体感できることは幸せなことだと思います。


――宇宙分野に興味を持っている方に向けて、メッセージをお願いします。

私はまさに自分一人で、ロボット開発、ローバー開発を行ってきました。その原動力は、まさに宇宙が好きであったことではないかと思っています。
夢を追っていっても収益が得られるとは限りません。でも、没頭していると、その中からみえてくるものがあります。
好きなものがあったら、ぜひ自分を信じ切ってやってみるのはいかがでしょうか。
自分が信じるものに突き進んでいくと、どうしても周りに迷惑がかかってしまいます。そういうとき、最近は割り切って「気持ちよく迷惑をかけよう」と思っています。
そして私自身は「気持ちよく迷惑をかけてもらう」側になります。いつか、ちゃんと助けられる側として、恩返しをしていきますので。

――将来に向けての夢や目標を教えて下さい。

人類は、進化の過程で宇宙へと進出していくしかないと思っています。そしてまずは、いちばん近い天体である月に行くしかありません。そのときにはロボットとの協力関係が必要になります。
おそらく将来の宇宙空間では、少数の人類に、多数のロボットがパートナーとして協力関係を築いているようになっているはずです。そして、そういう社会を作っていきたいと思っています。
YAOKIはリモートコントロールで動きます。これは、月面に「バーチャルで行く」ことと同じです。いずれ月面を含めたメタバースやアバターが普通になる時代が来る。そうなれば「誰もが月面に気軽に行ける」時代になります。
「夢があっていいですね」ではなく、思い描いたものが現実となり、そのために自分自身が夢に没頭していく。夢を突き抜けていくことこそが重要だと思います。生きている意味を体感できることは幸せなことだと思います。


――宇宙分野に興味を持っている方に向けて、メッセージをお願いします。

私はまさに自分一人で、ロボット開発、ローバー開発を行ってきました。その原動力は、まさに宇宙が好きであったことではないかと思っています。
夢を追っていっても収益が得られるとは限りません。でも、没頭していると、その中からみえてくるものがあります。
好きなものがあったら、ぜひ自分を信じ切ってやってみるのはいかがでしょうか。
自分が信じるものに突き進んでいくと、どうしても周りに迷惑がかかってしまいます。そういうとき、最近は割り切って「気持ちよく迷惑をかけよう」と思っています。
そして私自身は「気持ちよく迷惑をかけてもらう」側になります。いつか、ちゃんと助けられる側として、恩返しをしていきますので。

オンラインインタビューの様子 オンラインインタビューの様子

<編集長からの一言>
中島紳一郎さん、私もイベントを中心に何度かご一緒させていただいているのですが、内に秘めた熱さがステキなんですよね。今回のインタビューでは、 小さい頃から宇宙好きだったとおっしゃっていますが、その変わらぬ思いがきっと今の原動力になっているのではないかと思います。 YAOKIが月面に到達したときには、ぜひ一緒に見守り、喜び合いたいですね。

<編集長からの一言>
中島紳一郎さん、私もイベントを中心に何度かご一緒させていただいているのですが、内に秘めた熱さがステキなんですよね。今回のインタビューでは、 小さい頃から宇宙好きだったとおっしゃっていますが、その変わらぬ思いがきっと今の原動力になっているのではないかと思います。 YAOKIが月面に到達したときには、ぜひ一緒に見守り、喜び合いたいですね。

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