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株式会社ダイモン 代表取締役 中島紳一郎 株式会社ダイモン 代表取締役 中島紳一郎

Challenger ⑱

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小さないきもの、大きな可能性

小さないきもの、大きな可能性

株式会社ユーグレナ 執行役員 CTO

鈴木健吾

株式会社ユーグレナ 執行役員 CTO

鈴木健吾

1979年生まれ。2005年東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中に株式会社ユーグレナの設立に携わり、共同創業者の一人として研究開発の責任者を担当して現在に至る。微細藻類の一種であるユーグレナの大量培養に関連した技術開発を中心に手掛ける。2016年、博士(農学)学位取得。2019年、博士(医学)学位取得。

理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授(客員)を務める。

著書に『ミドリムシ博士の超・起業思考』(日経BP)がある。

1979年生まれ。2005年東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中に株式会社ユーグレナの設立に携わり、共同創業者の一人として研究開発の責任者を担当して現在に至る。微細藻類の一種であるユーグレナの大量培養に関連した技術開発を中心に手掛ける。2016年、博士(農学)学位取得。2019年、博士(医学)学位取得。

理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授(客員)を務める。

著書に『ミドリムシ博士の超・起業思考』(日経BP)がある。

2022.7.29

2022.7.29

2022.7.29

2022.7.29

──ユーグレナはどのような会社なのですか?

ユーグレナ社は2005年に創業した新しい会社です。私も創業メンバーの一人です。微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下ユーグレナ)を使って、社会の課題を解決することを使命としています。例えばバイオジェット燃料やディーゼル燃料の製造、食品や化粧品の製造などを通して、ユーグレナを基軸に、より持続可能な社会を作っていきたいと考えています。

──ユーグレナはどのような会社なのですか?

ユーグレナ社は2005年に創業した新しい会社です。私も創業メンバーの一人です。微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下ユーグレナ)を使って、社会の課題を解決することを使命としています。例えばバイオジェット燃料やディーゼル燃料の製造、食品や化粧品の製造などを通して、ユーグレナを基軸に、より持続可能な社会を作っていきたいと考えています。

YAOKI YAOKI

「微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」

「微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」

――鈴木さんはどのようなきっかけでユーグレナの研究に興味を持たれたのでしょうか?

高校を卒業して東京大学に進学してから、研究テーマを、自らと社会が両方満足できるようなものにしようと考えていました。そんなとき出会ったのが同じ東大生の出雲さん(出雲充さん、現・株式会社ユーグレナ代表取締役社長)でした。出雲さんは、インターンシップで訪れたバングラデシュで発育不全に陥っている多くの子どもたちを目の当たりにしました。その原因は栄養失調。栄養のバランスが取れていなかったのです。そしてある日、大学で同じサークルの仲間であった出雲さんから、バングラデシュの子どもたちの栄養問題をなんとかして解決できる方法がないか相談を受けました。

そんな中で着目したのがユーグレナでした。地球温暖化問題にも関心があったため、二酸化炭素を固定でき、かつ栄養源にもなるユーグレナを研究テーマにしたのです。さらに大学院修士課程に進んだ頃に、出雲さんとともに会社として社会実装を進めようと起業したのです。


――ユーグレナの宇宙での利用を考え始めたのはいつ頃ですか? それはなぜですか?

ユーグレナは食品として考えると、栄養バランスが取れているという優れた特徴を持っています。さらに宇宙空間では、人間が出す二酸化炭素を吸収して人間が生活する上で必要とする酸素を放出してくれますので、人間が持続的に宇宙に滞在するときには理想的な食料源となります。

ユーグレナを宇宙で活用することについては、すでに2000年頃から大学の先生方の間で研究されていました。ユーグレナ社でも、こういった閉鎖空間で活用することは創業以来ずっと考えていました。ただ、会社としてそれで収益が上がるかどうかが問題でした。

しかし、宇宙開発が進展する中で、それを支える食の研究に対する要望も高まってきました。そこで、JAXAや民間企業が入る形で、将来的にサステナブルな宇宙食料の生産を目指すプログラム「スペースフードX」が2019年にスタートしました。現在ではこれが法人化された「スペースフードスフィア」となり、日本の民間企業や大学等の研究機関の専門家で構成されるチームへと進化して、宇宙での食の生産と利用に関する研究体制が整備されています。

宇宙食のマーケットも2040年頃には形成されてくると考えています。その頃には月で人が生活するようになるでしょうから。生活を維持するための宇宙食、その中でのユーグレナの役割にも一定の合理性があると考えています。

――鈴木さんはどのようなきっかけでユーグレナの研究に興味を持たれたのでしょうか?

高校を卒業して東京大学に進学してから、研究テーマを、自らと社会が両方満足できるようなものにしようと考えていました。そんなとき出会ったのが同じ東大生の出雲さん(出雲充さん、現・株式会社ユーグレナ代表取締役社長)でした。出雲さんは、インターンシップで訪れたバングラデシュで発育不全に陥っている多くの子どもたちを目の当たりにしました。その原因は栄養失調。栄養のバランスが取れていなかったのです。そしてある日、大学で同じサークルの仲間であった出雲さんから、バングラデシュの子どもたちの栄養問題をなんとかして解決できる方法がないか相談を受けました。

そんな中で着目したのがユーグレナでした。地球温暖化問題にも関心があったため、二酸化炭素を固定でき、かつ栄養源にもなるユーグレナを研究テーマにしたのです。さらに大学院修士課程に進んだ頃に、出雲さんとともに会社として社会実装を進めようと起業したのです。


――ユーグレナの宇宙での利用を考え始めたのはいつ頃ですか? それはなぜですか?

ユーグレナは食品として考えると、栄養バランスが取れているという優れた特徴を持っています。さらに宇宙空間では、人間が出す二酸化炭素を吸収して人間が生活する上で必要とする酸素を放出してくれますので、人間が持続的に宇宙に滞在するときには理想的な食料源となります。

ユーグレナを宇宙で活用することについては、すでに2000年頃から大学の先生方の間で研究されていました。ユーグレナ社でも、こういった閉鎖空間で活用することは創業以来ずっと考えていました。ただ、会社としてそれで収益が上がるかどうかが問題でした。

しかし、宇宙開発が進展する中で、それを支える食の研究に対する要望も高まってきました。そこで、JAXAや民間企業が入る形で、将来的にサステナブルな宇宙食料の生産を目指すプログラム「スペースフードX」が2019年にスタートしました。現在ではこれが法人化された「スペースフードスフィア」となり、日本の民間企業や大学等の研究機関の専門家で構成されるチームへと進化して、宇宙での食の生産と利用に関する研究体制が整備されています。

宇宙食のマーケットも2040年頃には形成されてくると考えています。その頃には月で人が生活するようになるでしょうから。生活を維持するための宇宙食、その中でのユーグレナの役割にも一定の合理性があると考えています。

YAOKI YAOKI

――いま、ユーグレナの宇宙利用研究で取り組まれていることを教えて下さい。

基本的には2つに分かれます。

1つは、宇宙空間でユーグレナを育てることができる実証です。実際に宇宙空間へユーグレナを持ち込み、育てるための小型の培養装置の開発を進めています。もう1つは、宇宙に行った際に高効率でユーグレナを育てることができる技術です。

これらを実現していくためには、ユーグレナの品種改良が必要になってくるでしょう。また、水と光源をどのように設置するかも課題です。それを解決したあとに利用段階ということになります。

 

――鈴木さんの将来に向けての夢や目標を教えて下さい。


私は2040年に、ユーグレナとともに宇宙へと旅立ちたいと思っています。

そのためには何ができるか、ということを考えています。そしてその一つは、「それまで自分が健康である」ということです。さらには、長期の宇宙滞在にも耐えられるような体作りも必要でしょう。

ユーグレナ社としてもヘルスケア研究に力を入れていますが、そのフィードバック先としては、まさに、宇宙に行きたい自分自身が1番かと思っています。

――いま、ユーグレナの宇宙利用研究で取り組まれていることを教えて下さい。

基本的には2つに分かれます。

1つは、宇宙空間でユーグレナを育てることができる実証です。実際に宇宙空間へユーグレナを持ち込み、育てるための小型の培養装置の開発を進めています。もう1つは、宇宙に行った際に高効率でユーグレナを育てることができる技術です。

これらを実現していくためには、ユーグレナの品種改良が必要になってくるでしょう。また、水と光源をどのように設置するかも課題です。それを解決したあとに利用段階ということになります。

 

――鈴木さんの将来に向けての夢や目標を教えて下さい。


私は2040年に、ユーグレナとともに宇宙へと旅立ちたいと思っています。

そのためには何ができるか、ということを考えています。そしてその一つは、「それまで自分が健康である」ということです。さらには、長期の宇宙滞在にも耐えられるような体作りも必要でしょう。

ユーグレナ社としてもヘルスケア研究に力を入れていますが、そのフィードバック先としては、まさに、宇宙に行きたい自分自身が1番かと思っています。

YAOKI YAOKI

――いま宇宙分野に興味を持っている方へのメッセージをお願いします。

私は最初、宇宙業界って敷居がすごく高いと思っていたのですね。しかし、宇宙業界の人たちとやり取りするようになると、どんな細かいことに関してもすごく詳しく教えてくれるのです。「予想外に」開かれた世界だなということを強く感じました。

皆さんも宇宙業界というと「自分には関係なさそう」と思われるかも知れませんが、コミュニケーションを取っていくと、実は自分に関係するところがみえてきたりします。そのようなことが宇宙開発の裾野を広げていくことにつながっていくのではないでしょうか。

みんなでワイワイと楽しく、何かを作っていくことが大切なのかな、そんなことを思っています。

――いま宇宙分野に興味を持っている方へのメッセージをお願いします。

私は最初、宇宙業界って敷居がすごく高いと思っていたのですね。しかし、宇宙業界の人たちとやり取りするようになると、どんな細かいことに関してもすごく詳しく教えてくれるのです。「予想外に」開かれた世界だなということを強く感じました。

皆さんも宇宙業界というと「自分には関係なさそう」と思われるかも知れませんが、コミュニケーションを取っていくと、実は自分に関係するところがみえてきたりします。そのようなことが宇宙開発の裾野を広げていくことにつながっていくのではないでしょうか。

みんなでワイワイと楽しく、何かを作っていくことが大切なのかな、そんなことを思っています。

オンラインインタビューの様子 オンラインインタビューの様子

リポビタンD 指定医医薬部外品 疲労回復、集中力の維持・改善

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<インタビュー後は、みんなで記念撮影。向かって上段右より時計回りに、株式会社ユーグレナ 鈴木健吾さん、山下登己雄さん、安藤久人さん。編集長 寺薗淳也さん>

<インタビュー後は、みんなで記念撮影。向かって上段右より時計回りに、株式会社ユーグレナ 鈴木健吾さん、山下登己雄さん、安藤久人さん。編集長 寺薗淳也さん>

<編集長からの一言>
私自身はユーグレナというと、まっ先に思い浮かぶのが「バイオ燃料」でした。ニュースでも報じられていることもありますが、サステナブル(持続可能)という目標は、地球環境問題だけではなく、宇宙開発にも重要な課題です。そんな中でのインタビュー。鈴木さんはありとあらゆる分野に好奇心を抱き、それをエネルギーに変換していく人だなと強く感じました。2040年、私たちは月面でユーグレナを元にした食料で力強く探査を進めている…そんな未来図を頭の中に思い浮かべています。

<編集長からの一言>
私自身はユーグレナというと、まっ先に思い浮かぶのが「バイオ燃料」でした。ニュースでも報じられていることもありますが、サステナブル(持続可能)という目標は、地球環境問題だけではなく、宇宙開発にも重要な課題です。そんな中でのインタビュー。鈴木さんはありとあらゆる分野に好奇心を抱き、それをエネルギーに変換していく人だなと強く感じました。2040年、私たちは月面でユーグレナを元にした食料で力強く探査を進めている…そんな未来図を頭の中に思い浮かべています。

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