ビタミンB群の一種である“ビタミンB12”は「赤いビタミン」とも呼ばれ、血液を作る“造血作用”があるのが特徴です。
また末梢神経を構成する核酸やリン脂質を増加させる役割を持っており、神経を修復する作用もあります。
このことから眼精疲労や肩こり、神経痛の改善も期待でき、「末梢神経のビタミン」とも呼ばれます。
今回はそんなビタミンB12の働きや、不足しないためのポイントをご紹介します。
<監修>
境 ありさ
管理栄養士取得後、小学校での栄養管理を経験。その後、海外留学、クリニックでの栄養指導を経て、様々な食のあり方に気づく。
食のあり方に「正解」はなく、個々人に応じて食事スタイル、必要な栄養素や量は異なる「分子栄養学」の視点からの食事アドバイスやサポートが強み。
現在は、「食から叶える体質改善」をテーマに「体質改善・腸活アドバイザーArisa」としてファスティング サポート、栄養カウンセリング、記事執筆、趣味であるヨガを関連させた食×ヨガワークショップなどを開催している。
ビタミンB群の一種である“ビタミンB12”は「赤いビタミン」とも呼ばれ、血液を作る“造血作用”があるのが特徴です。
また末梢神経を構成する核酸やリン脂質を増加させる役割を持っており、神経を修復する作用もあります。
このことから眼精疲労や肩こり、神経痛の改善も期待でき、「末梢神経のビタミン」とも呼ばれます。
今回はそんなビタミンB12の働きや、不足しないためのポイントをご紹介します。
<監修>
境 ありさ
管理栄養士取得後、小学校での栄養管理を経験。その後、海外留学、クリニックでの栄養指導を経て、様々な食のあり方に気づく。
食のあり方に「正解」はなく、個々人に応じて食事スタイル、必要な栄養素や量は異なる「分子栄養学」の視点からの食事アドバイスやサポートが強み。
現在は、「食から叶える体質改善」をテーマに「体質改善・腸活アドバイザーArisa」としてファスティング サポート、栄養カウンセリング、記事執筆、趣味であるヨガを関連させた食×ヨガワークショップなどを開催している。
ビタミンB12の役割で特に重要なのが、“補酵素としての働き”です。
“補酵素”とは聞きなれない言葉かもしれませんので、わかりやすく解説します。
私たちの身体は食べたものを分解し、消化吸収、排泄を行い、代謝するために“酵素”を用います。
しかし殆どの場合、この酵素単体だとうまく働きません。その働きをサポートするのが“補酵素”です。
ビタミンB12は、同じビタミンB群の一種である“葉酸”と協力し、以下のような働きをしています。
・ 神経を守り、正常な働きを維持する
・ 赤血球の色素成分であるヘモグロビン、赤血球の合成、血を作る造血作用を担う
・ タンパク質の代謝、新しい細胞を作り出すために必要な細胞内の「核酸」の合成を担う
・ 脳の発達を助ける
ビタミンB12の役割で特に重要なのが、“補酵素としての働き”です。
“補酵素”とは聞きなれない言葉かもしれませんので、わかりやすく解説します。
私たちの身体は食べたものを分解し、消化吸収、排泄を行い、代謝するために“酵素”を用います。
しかし殆どの場合、この酵素単体だとうまく働きません。その働きをサポートするのが“補酵素”です。
ビタミンB12は、同じビタミンB群の一種である“葉酸”と協力し、以下のような働きをしています。
・ 神経を守り、正常な働きを維持する
・ 赤血球の色素成分であるヘモグロビン、赤血球の合成、血を作る造血作用を担う
・ タンパク質の代謝、新しい細胞を作り出すために必要な細胞内の「核酸」の合成を担う
・ 脳の発達を助ける
では、ビタミンB12が不足すると私たちの身体ではどのようなことが起こるのでしょうか。
まず、血液のもとである赤血球が作られず、血液量が減り、貧血の原因となります。
これにより疲れやすい、常に倦怠感を感じる、ふらつきやめまいなどの症状が現れます。
またビタミンB12のメコバラミンと呼ばれる要素は、末梢神経を修復する機能があります。
具体的には、核酸やリン脂質の生成を促進し神経を構成するのをサポートしています。
メコバラミンが不足すると神経の修復が間に合わず、特に神経が多く集まる部位にダメージを与えます。
末梢神経が多く集まる場所としては、脳・脊髄などの中枢神経や目の奥の視神経などが代表例です。
目は、常にピントの調整や視覚情報処理のために視神経を使っています。
つまり常にダメージを受けている状態のため、神経の修復が間に合わないと、目の奥がズンと重く感じるなど、眼精疲労を引き起こします。
末梢神経のダメージは肩こりや首こりの原因の一つでもあり、全身の倦怠感や疲労感にも繋がります。
では、ビタミンB12が不足すると私たちの身体ではどのようなことが起こるのでしょうか。
まず、血液のもとである赤血球が作られず、血液量が減り、貧血の原因となります。
これにより疲れやすい、常に倦怠感を感じる、ふらつきやめまいなどの症状が現れます。
またビタミンB12のメコバラミンと呼ばれる要素は、末梢神経を修復する機能があります。
具体的には、核酸やリン脂質の生成を促進し神経を構成するのをサポートしています。
メコバラミンが不足すると神経の修復が間に合わず、特に神経が多く集まる部位にダメージを与えます。
末梢神経が多く集まる場所としては、脳・脊髄などの中枢神経や目の奥の視神経などが代表例です。
目は、常にピントの調整や視覚情報処理のために視神経を使っています。
つまり常にダメージを受けている状態のため、神経の修復が間に合わないと、目の奥がズンと重く感じるなど、眼精疲労を引き起こします。
末梢神経のダメージは肩こりや首こりの原因の一つでもあり、全身の倦怠感や疲労感にも繋がります。
ビタミンB12は、どんな人に不足しやすいのでしょうか?
・ベジタリアンやビーガン など菜食主義の人
基本的にビタミンB12は、“動物性の食品にのみ“含まれています。
私たちの身体はビタミンB12を貯蔵することができるため、数週間など一定の期間、動物性の食品を絶つなどの食生活をおくらない限り不足することはあまりありません。
しかし厳格に「動物性食品を食べない」生活を続けているとビタミンB12は不足してしまいます。
・胃酸の分泌が少ない人
胃酸は食べたものが胃の中に運ばれると、結合している栄養素を分解し、吸収しやすくします。
ビタミンB12は、肉などに含まれるタンパク質と結合したまま胃の中に運ばれるのですが、胃酸の分泌が少ないことで、それらをうまく切り離すことができず体内に吸収できなくなってしまうのです。
日本人はもともと胃酸の分泌量が少ないと言われており、更に暴飲暴食、ピロリ菌感染、加齢によってその分泌は低下します。
ビタミンB12は、どんな人に不足しやすいのでしょうか?
・ベジタリアンやビーガン など菜食主義の人
基本的にビタミンB12は、“動物性の食品にのみ“含まれています。
私たちの身体はビタミンB12を貯蔵することができるため、数週間など一定の期間、動物性の食品を絶つなどの食生活をおくらない限り不足することはあまりありません。
しかし厳格に「動物性食品を食べない」生活を続けているとビタミンB12は不足してしまいます。
・胃酸の分泌が少ない人
胃酸は食べたものが胃の中に運ばれると、結合している栄養素を分解し、吸収しやすくします。
ビタミンB12は、肉などに含まれるタンパク質と結合したまま胃の中に運ばれるのですが、胃酸の分泌が少ないことで、それらをうまく切り離すことができず体内に吸収できなくなってしまうのです。
日本人はもともと胃酸の分泌量が少ないと言われており、更に暴飲暴食、ピロリ菌感染、加齢によってその分泌は低下します。
具体的に、1日あたりに摂取したいビタミンB12の量と豊富な食材をご紹介します。
成人男女のビタミンB12の1日あたりの摂取目安量は2.4μgです。
例えば、ビタミンB12が豊富な“あさりの水煮”であれば1日に約3.8gを食べることで補うことができます。
※あさり水煮は、100gあたり約64μgのビタミンB12が含まれます
その他、ビタミンB12は基本的に動物性の肉や、魚介類に含まれています。
100gあたりの含有量で比べてみると、しじみやあさりなどの貝類に多いですが、さんまやいわしなどの青魚、牛・豚・鶏肉のレバーでも十分に補うことができます。
例外的に海苔などの海藻類にも含まれるのですが、これは海藻類の表面に付着した微生物に由来していると言われています。動物性食品に比べると、その量は少ないので留意しましょう。
具体的に、1日あたりに摂取したいビタミンB12の量と豊富な食材をご紹介します。
成人男女のビタミンB12の1日あたりの摂取目安量は2.4μgです。
例えば、ビタミンB12が豊富な“あさりの水煮”であれば1日に約3.8gを食べることで補うことができます。
※あさり水煮は、100gあたり約64μgのビタミンB12が含まれます
その他、ビタミンB12は基本的に動物性の肉や、魚介類に含まれています。
100gあたりの含有量で比べてみると、しじみやあさりなどの貝類に多いですが、さんまやいわしなどの青魚、牛・豚・鶏肉のレバーでも十分に補うことができます。
例外的に海苔などの海藻類にも含まれるのですが、これは海藻類の表面に付着した微生物に由来していると言われています。動物性食品に比べると、その量は少ないので留意しましょう。
ビタミンB12を手軽に摂れる、お手軽レシピ2品をご紹介します。
ビタミンB12を手軽に摂れる、お手軽レシピ2品をご紹介します。
材料(2人分)
作り方
1.玉ねぎとじゃがいもは皮をむいて、1cm角にカット。あさりの水煮は、煮汁と中身を分けておく
2.鍋を中火で熱しバターをひき、玉ねぎ→じゃがいもの順で炒める
3.玉ねぎに火が通ったら、2に薄力粉を少しずつ加え、馴染んだら水とあさりの水煮の煮汁を50ml加える
4.じゃがいもが煮えたら、あさりの水煮の中身、ミックスベジタブル、牛乳、粉チーズ、コンソメを加え、弱火でゆっくり煮る(沸騰直前で火を止める)
5.器に盛り、お好みでパセリとブラックペッパーを散らす
ポイント
ビタミンB12が豊富なあさりと粉チーズを使用。
ビタミンB12は、調理することで煮汁に成分が溶け出てしまうため、スープにすることで、栄養素を逃さず摂取することができます。
材料(2人分)
作り方
1.玉ねぎとじゃがいもは皮をむいて、1cm角にカット。あさりの水煮は、煮汁と中身を分けておく
2.鍋を中火で熱しバターをひき、玉ねぎ→じゃがいもの順で炒める
3.玉ねぎに火が通ったら、2に薄力粉を少しずつ加え、馴染んだら水とあさりの水煮の煮汁を50ml加える
4.じゃがいもが煮えたら、あさりの水煮の中身、ミックスベジタブル、牛乳、粉チーズ、コンソメを加え、弱火でゆっくり煮る(沸騰直前で火を止める)
5.器に盛り、お好みでパセリとブラックペッパーを散らす
ポイント
ビタミンB12が豊富なあさりと粉チーズを使用。
ビタミンB12は、調理することで煮汁に成分が溶け出てしまうため、スープにすることで、栄養素を逃さず摂取することができます。
材料(2人分)
作り方
1. 鶏レバーは一口大にカットし、水を張ったボウルに入れ、しばらく冷蔵庫に置き、取り出して流水でよく洗い水気をきる
2. ジッパー付きの袋に1とAの材料を加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫に入れて味を染み込ませる
3. バットに片栗粉を広げ、キッチンペーパーで水気を拭き取った2にまぶす
4. 揚げ油を170度に熱し、3を加え、中身にしっかりと火が通るまで両面返しながら揚げる
5. お皿に盛り、カットしたレモンを添えて完成
ポイント
唐揚げにすることで栄養素を逃さず摂取できます。
レモン汁をかけて食べることで、胃酸の分泌を促し、更に胃の中でのビタミンB12の吸収も高めます。
材料(2人分)
作り方
1. 鶏レバーは一口大にカットし、水を張ったボウルに入れ、しばらく冷蔵庫に置き、取り出して流水でよく洗い水気をきる
2. ジッパー付きの袋に1とAの材料を加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫に入れて味を染み込ませる
3. バットに片栗粉を広げ、キッチンペーパーで水気を拭き取った2にまぶす
4. 揚げ油を170度に熱し、3を加え、中身にしっかりと火が通るまで両面返しながら揚げる
5. お皿に盛り、カットしたレモンを添えて完成
ポイント
唐揚げにすることで栄養素を逃さず摂取できます。
レモン汁をかけて食べることで、胃酸の分泌を促し、更に胃の中でのビタミンB12の吸収も高めます。
ビタミンB12は私たちの身体にとって重要な役割を果たしており、不足すると血液の生成や神経系に悪影響をもたらします。
肉、魚など主食を意識しながらバランスの良い食事を心がけることが重要です。
食事のバランスが崩れたと感じることがあれば、あさりやレバーなどビタミンB12が豊富に含まれる食材を用いたレシピを活用して、しっかり補給しましょう。
ビタミンB12は私たちの身体にとって重要な役割を果たしており、不足すると血液の生成や神経系に悪影響をもたらします。
肉、魚など主食を意識しながらバランスの良い食事を心がけることが重要です。
食事のバランスが崩れたと感じることがあれば、あさりやレバーなどビタミンB12が豊富に含まれる食材を用いたレシピを活用して、しっかり補給しましょう。