エラグ酸を多く含む食品は? 上手に摂るポイントも知っておこう

エラグ酸を多く含む食品は?上手に摂るポイントも知っておこう エラグ酸を多く含む食品は?上手に摂るポイントも知っておこう

エラグ酸は、医療や美容の分野で注目されているポリフェノールの1つ。近年の研究によって、その多様で優れた働きが明らかになってきました。今回は、エラグ酸を多く含む食品や上手な摂り方について、また、エラグ酸に期待される健康効果についてもご紹介します。

<監修>
管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー
小池ゆみえ先生

管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー 小池ゆみえ先生 管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー 小池ゆみえ先生

こいけ・ゆみえ 管理栄養士として病院に約10年勤務したのちフリーランスとなり、その後大手乳業メーカーで健康相談や病院・クリニックでの食事指導、専門学校の講師、企業のセミナー講師、雑誌や広報誌への健康レシピの執筆・監修など幅広く活動中。スポーツ栄養ではプロ野球選手、大学や高校野球部のサポートやスポーツ小学生の保護者への食事アドバイスを行う。

(1)ポリフェノールの一種「エラグ酸」とは?

エラグ酸(Ellagic acid)は、植物に含まれるポリフェノールの一種 エラグ酸(Ellagic acid)は、植物に含まれるポリフェノールの一種

エラグ酸(Ellagic acid)は、植物に含まれるポリフェノールの一種です。19世紀にフランスの科化学者によって発見され、日本では1996年に厚生省(現 厚生労働省)から医薬部外品としての認可を受け、さらに食品としての安全性が確認されたことから、2003年には食品添加物としても認可されています。

ポリフェノールは、植物が紫外線や害虫、ウイルスなどの外敵から自分の身を守るためにつくり出す成分で、強い抗酸化作用をもつのが特徴です。

抗酸化作用とは、体に有害な活性酸素の働きを抑える作用のことをいいます。活性酸素は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が変化してできるもので、細菌やウイルスを撃退する役割を担っています。ところが、必要以上に増加すると正常な細胞や遺伝子を攻撃(酸化)してしまい、生活習慣病やがんを引き起こしたり、体の老化を進めたりする原因となると考えられています。

ポリフェノールは強い抗酸化作用を持つ ポリフェノールは強い抗酸化作用を持つ

ポリフェノールは、この有害な活性酸素を除去する作用や、活性酸素によって傷ついた組織や細胞を修復する作用をもつことから、生活習慣病予防や老化予防に有効な機能性成分として注目されています。

(2)エラグ酸を多く含む食品は?

エラグ酸は様々な野菜や果物に含まれていますが、エラグ酸を特に多く含む食品は、ザクロやベリー類、ナッツ類です。エラグ酸を多く含む食品について、具体的にご紹介しましょう。

●ザクロ……カリウムの他、タンニンやプニカラジン、アントシアニン、レスベラトロール、エラグ酸などのポリフェノール含有量が高く、フルーツ果汁の中で抗酸化作用はトップクラスといわれる。

ザクロは、エラグ酸を多く含む食品のひとつ ザクロは、エラグ酸を多く含む食品のひとつ

●いちご……ビタミンCや食物繊維が豊富。エラグ酸の他、フラボノイド、アントシアニン、フェノール酸などの抗酸化成分を含む。

イチゴにもエラグ酸が含まれる イチゴにもエラグ酸が含まれる

●ラズベリー……ビタミンE、カリウム、鉄、クエン酸、食物繊維が豊富。ポリフェノールとしては、エラグ酸やアントシアニンを含み、抗酸化作用が高い。

●ブラックベリー……アントシアニン、ビタミンC・Eが豊富。エラグ酸は、ベリー類の中ではトップの含有量といわれ、抗酸化作用が非常に高い。

●クランベリー……ビタミンC、食物繊維が豊富で、フラボノイド、エラグ酸などのポリフェノールを含む。

クランベリーにもエラグ酸が含まれる クランベリーにもエラグ酸が含まれる

●ぶどう……種と皮にレスベラトロール、エラグ酸などのポリフェノールが豊富。紫のぶどうのほうが緑のぶどうより抗酸化物質の種類も量も多く含まれる。

ぶどうにもエラグ酸が含まれる ぶどうにもエラグ酸が含まれる

●くるみ……タンパク質、ビタミンE、マグネシウム、食物繊維の他、動脈硬化の予防や血流改善に役立つα-リノレン酸が豊富。ベリー類以外ではエラグ酸を最も多く含む。

くるみにもエラグ酸が含まれる くるみにもエラグ酸が含まれる

●ペカンナッツ……ビタミンE、マンガン、亜鉛、食物繊維などが豊富。オレイン酸やα-リノレン酸などの不飽和脂肪酸をバランスよく含む。

ペカンナッツにもエラグ酸が含まれる ペカンナッツにもエラグ酸が含まれる

●クコの実……ビタミンB1・B2・C、β-カロテン、ニコチン酸、抗酸化力が高いカロテノイド(植物がもつ色素成分)の一種ゼアキサンチン、ポリフェノールのルチン、タンニンなど豊富な栄養が含まれる。

クコの実にもエラグ酸が含まれる クコの実にもエラグ酸が含まれる

(3)エラグ酸を摂れるおすすめの食べ方は?

エラグ酸をはじめとするポリフェノールは加熱や乾燥に強く、加熱調理してもその損失が少ないのが特徴です。また、水に溶けやすい性質があるので比較的短時間で作用しますが、効果は持続しないので、一度にたくさん摂るのではなく、毎日こまめに摂取するのがポイントです。

エラグ酸を多く含む食品として様々なフルーツを前段でご紹介しましたが、フルーツには旬があり、手に入らない時季もあるので、その場合は保存のきくドライフルーツや冷凍での利用が便利です。

エラグ酸を摂れるおすすめの食べ方 エラグ酸を摂れるおすすめの食べ方

夕方の小腹が空いた時などにフルーツやナッツを摂ると、エラグ酸だけでなく不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取にもなり、お菓子よりカロリーと脂質は抑えられます。その他にも、ナッツやドライフルーツ入りの簡単蒸しパンやホットケーキで朝ごはんにしたり、ヨーグルトやサラダにトッピングしたりと、エラグ酸を多く含む食品を継続的に摂取できるように、いろいろな方法で楽しみましょう。

ただし、フルーツには果糖が、ナッツには油脂が多く含まれ、摂り過ぎれば中性脂肪の増加につながるため、適量を摂るように心がけましょう。また、1つの食品に偏らず、いろいろな種類の食品からポリフェノールを摂取することは、栄養バランスの観点においても大切です。

(4)エラグ酸を食品で摂り切れない場合はサプリメントも一案

エラグ酸を食品で摂り切れない場合はサプリメントでも エラグ酸を食品で摂り切れない場合はサプリメントでも

フルーツやナッツを毎日摂ることが現実的に難しい人や、アレルギーなどの理由で摂れない人、健康のために確実に一定量のエラグ酸を摂りたい人は、サプリメントの活用も一案です。

サプリメントのパッケージには、「LDLコレステロール/中性脂肪を低下させる」など機能が表示されているので、自分の目的に合ったものを選びましょう

いくらサプリメントを摂っても、食生活が乱れていれば十分な効果は得られません。まずは日頃の食事内容を見直して、主食、主菜、副菜を基本に栄養バランスのよい食事を摂り、その上でサプリメントを利用することが大切です。コレステロールや中性脂肪が気になる場合は、運動習慣も取り入れるようにしましょう。

(5)エラグ酸にはどんなうれしい効果があるの?

エラグ酸については近年研究が進み、次のような効果が分かってきました。

●コレステロール・中性脂肪を低下させる効果

エラグ酸にはコレステロール・中性脂肪を低下させる効果 エラグ酸にはコレステロール・中性脂肪を低下させる効果

LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪は、体内で増え過ぎると動脈硬化を進め、脳梗塞や心筋梗塞など心血管疾患を発症させる要因となります。エラグ酸は、肝臓でコレステロールから胆汁酸への分解・異化を促したり中性脂肪の産生を抑制したりすることで、血液中のLDLコレステロール量や中性脂肪量を低下させます。この効果のため、脂肪の減少を目的としたサプリメントなどに関与成分として用いられています。

●美白効果

エラグ酸には美白効果 エラグ酸には美白効果

日焼けやシミには、肌の色素細胞(メラノサイト)に存在する「チロシナーゼ」という酵素がかかわっています。エラグ酸はチロシナーゼの働きを抑えることにより、メラニン色素をつくりにくくし、美白効果を発揮します。医薬部外品の美白有効成分としても承認されています。

●その他の効果

まだ試験管内や動物実験の段階ですが、インスリンの分泌を阻害するレジスチンと呼ばれるホルモンの分泌を抑える働きが確認され、糖尿病の予防・改善効果が期待されています。また、がん細胞の増殖を抑制する効果も報告され、今後の研究成果が待たれるところです。

(6)まとめ

エラグ酸は優れた抗酸化作用をもち、生活習慣病の予防・改善、美白など様々な効果が期待できるポリフェノールです。まだ研究途上のため、今後さらにいろいろな作用が明らかになる可能性があります。毎日の食生活にエラグ酸を多く含む食品を意識的に取り入れ、健康と美容にそのパワーを活かしていきましょう。