エラグ酸ってどんな成分? 体の中での働きや健康効果を解説

エラグ酸ってどんな成分? 体の中での働きや健康効果を解説

エラグ酸ってどんな成分?体の中での働きや健康効果を解説 エラグ酸ってどんな成分?体の中での働きや健康効果を解説

植物由来の機能成分であるエラグ酸。これまで、エラグ酸は主に美白効果が知られていましたが、近年、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用などが分かり始め、注目を浴びています。今回は、お腹の脂肪が気になり始めた人にも役立つエラグ酸の基本情報をお伝えします。

植物由来の機能成分であるエラグ酸。これまで、エラグ酸は主に美白効果が知られていましたが、近年、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用などが分かり始め、注目を浴びています。今回は、お腹の脂肪が気になり始めた人にも役立つエラグ酸の基本情報をお伝えします。

<監修>
管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー
小池ゆみえ先生

<監修>
管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー
小池ゆみえ先生

管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー 小池ゆみえ先生 管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー 小池ゆみえ先生

こいけ・ゆみえ 管理栄養士として病院に約10年勤務したのちフリーランスとなり、その後大手乳業メーカーで健康相談や病院・クリニックでの食事指導、専門学校の講師、企業のセミナー講師、雑誌や広報誌への健康レシピの執筆・監修など幅広く活動中。スポーツ栄養ではプロ野球選手、大学や高校野球部のサポートやスポーツ小学生の保護者への食事アドバイスを行う。

こいけ・ゆみえ 管理栄養士として病院に約10年勤務したのちフリーランスとなり、その後大手乳業メーカーで健康相談や病院・クリニックでの食事指導、専門学校の講師、企業のセミナー講師、雑誌や広報誌への健康レシピの執筆・監修など幅広く活動中。スポーツ栄養ではプロ野球選手、大学や高校野球部のサポートやスポーツ小学生の保護者への食事アドバイスを行う。

(1)エラグ酸はポリフェノールの一種

(1)エラグ酸はポリフェノールの一種

エラグ酸はポリフェノールの一種 エラグ酸はポリフェノールの一種

エラグ酸は植物の苦みや色素の成分であるポリフェノールの一種で、ザクロなどに豊富に含まれています。

●ポリフェノールとは
ポリフェノールは、植物が光合成することで生成される物質で、苦みや色素、アクなどの元となっている成分です。自然界には8000種以上あるといわれ、苦みや渋みが強く、色の濃い野菜や果物などに多く含まれています。

代表的なポリフェノールには、緑茶に含まれるカテキンや、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンなどがあります。これらのポリフェノールは種類によって働きが異なりますが、いずれも優れた「抗酸化作用」をもつのが特徴です。

抗酸化作用とは、活性酸素の働きを抑える作用をいいます。活性酸素は通常の運動や呼吸によってもつくられ、体に有用な働きもしますが、必要以上に生成されてしまうと正常な細胞を傷つけ、動脈硬化、がん、老化、免疫機能の低下などを引き起こすと考えられています。

こうした活性酸素の害から体を守り、健康の維持・増進に役立つことから、ポリフェノールはサプリメントなどにも応用されています。

代表的なポリフェノールと多く含む食品>
・カテキン……緑茶、紅茶
・アントシアニン……赤ワイン、ブルーベリー
・イソフラボン……大豆
・クルクミン……ターメリック
・ルチン……そば、玉ねぎ、かんきつ類
・カカオポリフェノール……ココア、チョコレート
・ヘスペリジン……かんきつ類

エラグ酸は植物の苦みや色素の成分であるポリフェノールの一種で、ザクロなどに豊富に含まれています。

●ポリフェノールとは
ポリフェノールは、植物が光合成することで生成される物質で、苦みや色素、アクなどの元となっている成分です。自然界には8000種以上あるといわれ、苦みや渋みが強く、色の濃い野菜や果物などに多く含まれています。

代表的なポリフェノールには、緑茶に含まれるカテキンや、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンなどがあります。これらのポリフェノールは種類によって働きが異なりますが、いずれも優れた「抗酸化作用」をもつのが特徴です。

抗酸化作用とは、活性酸素の働きを抑える作用をいいます。活性酸素は通常の運動や呼吸によってもつくられ、体に有用な働きもしますが、必要以上に生成されてしまうと正常な細胞を傷つけ、動脈硬化、がん、老化、免疫機能の低下などを引き起こすと考えられています。

こうした活性酸素の害から体を守り、健康の維持・増進に役立つことから、ポリフェノールはサプリメントなどにも応用されています。

代表的なポリフェノールと多く含む食品>
・カテキン……緑茶、紅茶
・アントシアニン……赤ワイン、ブルーベリー
・イソフラボン……大豆
・クルクミン……ターメリック
・ルチン……そば、玉ねぎ、かんきつ類
・カカオポリフェノール……ココア、チョコレート
・ヘスペリジン……かんきつ類

(2)美白成分としてよく知られるエラグ酸

(2)美白成分としてよく知られるエラグ酸

美白成分としてよく知られるエラグ酸 美白成分としてよく知られるエラグ酸

エラグ酸は19世紀に発見されて以来、様々に活用されてきました。特に美容の分野では、美白成分としてよく知られています。

日焼けによって肌が黒くなったり、シミができたりするのは、肌の中にあるメラノサイトという細胞でつくられるメラニン色素が原因です。メラニン色素が生成される過程には、チロシナーゼと呼ばれる酵素が大きくかかわっています。エラグ酸には、このチロシナーゼの働きを抑える作用があるため、メラニン色素をつくりにくくして日焼けなどによる色素沈着を防ぎ、シミを予防すると考えられています。

現在、エラグ酸は美白に有効な成分であると承認され、医薬部外品として化粧品に表示させることが許可されています。

エラグ酸は19世紀に発見されて以来、様々に活用されてきました。特に美容の分野では、美白成分としてよく知られています。

日焼けによって肌が黒くなったり、シミができたりするのは、肌の中にあるメラノサイトという細胞でつくられるメラニン色素が原因です。メラニン色素が生成される過程には、チロシナーゼと呼ばれる酵素が大きくかかわっています。エラグ酸には、このチロシナーゼの働きを抑える作用があるため、メラニン色素をつくりにくくして日焼けなどによる色素沈着を防ぎ、シミを予防すると考えられています。

現在、エラグ酸は美白に有効な成分であると承認され、医薬部外品として化粧品に表示させることが許可されています。

(3)エラグ酸には、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる機能も!

(3)エラグ酸には、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる機能も!

エラグ酸には、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる機能も エラグ酸には、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる機能も

これまではもっぱら美容分野で応用されてきたエラグ酸ですが、近年は研究が進み、健康に役立つ様々な効果が分かってきました。そのうちの1つが、エラグ酸のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を低下させる機能です。

●LDL(悪玉)コレステロールとは
コレステロールは、全身の細胞を包む細胞膜の材料となる他、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、胆汁酸などの材料にもなる成分で、2~3割が食事から摂り入れられ、7~8割は糖や脂肪を使って肝臓などで合成されます。

コレステロールは脂なので、そのままの形では水に溶けません。そこでリポタンパク質という運送トラックに乗って血液中に溶け込み、必要な場所に運ばれ利用されます。このリポタンパク質の1つが「LDL(低比重リポタンパク質)」で、肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ役割をもっています。これに対し、余ったコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割をするのが「HDL(高比重リポタンパク質)」で、LDLとHDLの両者が適正なバランスで存在することが大切とされています。

LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」、HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれますが、運搬役であるリポタンパク質が違うだけで、コレステロール自体に善悪があるということではありません。しかし、血液中のLDLコレステロールが増え過ぎた場合、血管内にコレステロールがたまって動脈硬化を進めてしまい、心筋梗塞や脳梗塞などを発症させる要因となるため、“悪玉”と呼ばれる所以になっています。このように血液中にLDLコレステロールが増え過ぎている状態は「高LDLコレステロール血症」といい、脂質異常症の1つです。

●中性脂肪とは
中性脂肪は活動のエネルギー源となる脂質で、別名を「トリグリセライド」ともいいます。

中性脂肪には、食事によって腸管から取り込まれるものと、食事で摂った脂肪が分解された「脂肪酸」や、ブドウ糖や果糖などの「糖質」を材料にして肝臓で合成されるものがあります。 コレステロールと同様に水に溶けないため、VLDL(超低密度リポタンパク質)の形で血液中に送り出され、全身の組織でエネルギーとして利用されますが、使われなかった余剰分が皮下や内臓の周りの脂肪細胞に蓄えられます。こうして体にたまった皮下脂肪や内臓脂肪のことを、一般に「体脂肪」と呼んでいます。

体に有用な働きもする中性脂肪ですが、増え過ぎると肥満を招いて様々な生活習慣病の原因となったり、脂肪肝や急性膵炎などを引き起こしたりします。また、血液中の中性脂肪が過剰になると、HDLコレステロールとLDLコレステロールのバランスが崩れ、LDLコレステロールが増えて動脈硬化を進めてしまうことになります。血液中に中性脂肪が増え過ぎた状態は「高トリグリセライド血症」と呼ばれ、やはり脂質異常症の1つに数えられています。

これまではもっぱら美容分野で応用されてきたエラグ酸ですが、近年は研究が進み、健康に役立つ様々な効果が分かってきました。そのうちの1つが、エラグ酸のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を低下させる機能です。

●LDL(悪玉)コレステロールとは
コレステロールは、全身の細胞を包む細胞膜の材料となる他、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、胆汁酸などの材料にもなる成分で、2~3割が食事から摂り入れられ、7~8割は糖や脂肪を使って肝臓などで合成されます。

コレステロールは脂なので、そのままの形では水に溶けません。そこでリポタンパク質という運送トラックに乗って血液中に溶け込み、必要な場所に運ばれ利用されます。このリポタンパク質の1つが「LDL(低比重リポタンパク質)」で、肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ役割をもっています。これに対し、余ったコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割をするのが「HDL(高比重リポタンパク質)」で、LDLとHDLの両者が適正なバランスで存在することが大切とされています。

LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」、HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれますが、運搬役であるリポタンパク質が違うだけで、コレステロール自体に善悪があるということではありません。しかし、血液中のLDLコレステロールが増え過ぎた場合、血管内にコレステロールがたまって動脈硬化を進めてしまい、心筋梗塞や脳梗塞などを発症させる要因となるため、“悪玉”と呼ばれる所以になっています。このように血液中にLDLコレステロールが増え過ぎている状態は「高LDLコレステロール血症」といい、脂質異常症の1つです。

●中性脂肪とは
中性脂肪は活動のエネルギー源となる脂質で、別名を「トリグリセライド」ともいいます。

中性脂肪には、食事によって腸管から取り込まれるものと、食事で摂った脂肪が分解された「脂肪酸」や、ブドウ糖や果糖などの「糖質」を材料にして肝臓で合成されるものがあります。 コレステロールと同様に水に溶けないため、VLDL(超低密度リポタンパク質)の形で血液中に送り出され、全身の組織でエネルギーとして利用されますが、使われなかった余剰分が皮下や内臓の周りの脂肪細胞に蓄えられます。こうして体にたまった皮下脂肪や内臓脂肪のことを、一般に「体脂肪」と呼んでいます。

体に有用な働きもする中性脂肪ですが、増え過ぎると肥満を招いて様々な生活習慣病の原因となったり、脂肪肝や急性膵炎などを引き起こしたりします。また、血液中の中性脂肪が過剰になると、HDLコレステロールとLDLコレステロールのバランスが崩れ、LDLコレステロールが増えて動脈硬化を進めてしまうことになります。血液中に中性脂肪が増え過ぎた状態は「高トリグリセライド血症」と呼ばれ、やはり脂質異常症の1つに数えられています。

(4)エラグ酸がLDLコレステロールや中性脂肪に作用するメカニズムとは?

(4)エラグ酸がLDLコレステロールや中性脂肪に作用するメカニズムとは?

エラグ酸がLDLコレステロールや中性脂肪に作用するメカニズムとは エラグ酸がLDLコレステロールや中性脂肪に作用するメカニズムとは

エラグ酸がどのように作用してLDLコレステロールや中性脂肪を低下させるのか、現在のところ次のように考えられています。

●LDL(悪玉)コレステロールに作用するメカニズム
コレステロールは血液中から肝臓に取り込まれ、その一部は酵素の働きによって胆汁酸に変化し、体外へ排出されます。
エラグ酸はこの過程で、①血液中から肝臓への取り込みを促進し、②肝臓でコレステロールから胆汁酸への分解・異化を促進することで、LDLコレステロールの低下を助けると考えられています。

エラグ酸がどのように作用してLDLコレステロールや中性脂肪を低下させるのか、現在のところ次のように考えられています。

●LDL(悪玉)コレステロールに作用するメカニズム
コレステロールは血液中から肝臓に取り込まれ、その一部は酵素の働きによって胆汁酸に変化し、体外へ排出されます。
エラグ酸はこの過程で、①血液中から肝臓への取り込みを促進し、②肝臓でコレステロールから胆汁酸への分解・異化を促進することで、LDLコレステロールの低下を助けると考えられています。

LDL(悪玉)コレステロールを低下させるメカニズム LDL(悪玉)コレステロールを低下させるメカニズム

●中性脂肪に作用するメカニズム
食事で摂った脂肪は小腸で吸収されたのち、肝臓で脂肪酸に分解されます。脂肪酸はさらに分解されてエネルギーとして使われる一方、小腸で吸収された余剰分の糖質と共に中性脂肪を合成し血液中に送り出されます。
エラグ酸はこの過程で、①脂肪酸から中性脂肪がつくられるのを抑え、②肝臓での脂肪酸の分解を促進してエネルギー消費を高めることで、血液中の中性脂肪量の低下を助けると考えられています。

●中性脂肪に作用するメカニズム
食事で摂った脂肪は小腸で吸収されたのち、肝臓で脂肪酸に分解されます。脂肪酸はさらに分解されてエネルギーとして使われる一方、小腸で吸収された余剰分の糖質と共に中性脂肪を合成し血液中に送り出されます。
エラグ酸はこの過程で、①脂肪酸から中性脂肪がつくられるのを抑え、②肝臓での脂肪酸の分解を促進してエネルギー消費を高めることで、血液中の中性脂肪量の低下を助けると考えられています。

中性脂肪を低下させるメカニズム 中性脂肪を低下させるメカニズム

(5)エラグ酸を摂るには?

(5)エラグ酸を摂るには?

エラグ酸は植物だけがつくり出せる成分で、人の体内で生成することができないため、食べ物から補う必要があります。 エラグ酸は植物だけがつくり出せる成分で、人の体内で生成することができないため、食べ物から補う必要があります。

エラグ酸は植物だけがつくり出せる成分で、人の体内で生成することができないため、食品から補う必要があります。

エラグ酸を多く含む食べ物は、ザクロやベリー類、ナッツ類などです。これらの食品はエラグ酸の他にもビタミンやミネラル、食物繊維など健康に役立つ成分が豊富。日常の食事や小腹がすいた時のおやつに積極的に取り入れましょう。

<エラグ酸を多く含む食品>
・ザクロ
・ベリー類……
ブラックベリー、ラズベリー、クランベリー、いちごなど
・ナッツ類……くるみ、ペカンナッツ、アーモンド、カシューナッツなど

ただし、果物やナッツ類の食べ過ぎはコレステロールや中性脂肪の増加につながるので、適量を摂ることが大事です。コレステロール値や中性脂肪値が気になる場合は、エラグ酸のサプリメントを活用するのも1つの方法です。

エラグ酸は植物だけがつくり出せる成分で、人の体内で生成することができないため、食品から補う必要があります。

エラグ酸を多く含む食べ物は、ザクロやベリー類、ナッツ類などです。これらの食品はエラグ酸の他にもビタミンやミネラル、食物繊維など健康に役立つ成分が豊富。日常の食事や小腹がすいた時のおやつに積極的に取り入れましょう。

<エラグ酸を多く含む食品>
・ザクロ
・ベリー類……
ブラックベリー、ラズベリー、クランベリー、いちごなど
・ナッツ類……くるみ、ペカンナッツ、アーモンド、カシューナッツなど

ただし、果物やナッツ類の食べ過ぎはコレステロールや中性脂肪の増加につながるので、適量を摂ることが大事です。コレステロール値や中性脂肪値が気になる場合は、エラグ酸のサプリメントを活用するのも1つの方法です。

(6)まとめ

(6)まとめ

ポリフェノールの中ではまだ知名度が低いものの、優れた抗酸化作用をもち、健康に役立つ働きが期待できるエラグ酸。コレステロール値や中性脂肪値が気になる方や肥満を改善したい方は、バランスのよい食事や適度な運動など生活習慣の見直しを行った上で、エラグ酸を取り入れてみるとよいでしょう。

ポリフェノールの中ではまだ知名度が低いものの、優れた抗酸化作用をもち、健康に役立つ働きが期待できるエラグ酸。コレステロール値や中性脂肪値が気になる方や肥満を改善したい方は、バランスのよい食事や適度な運動など生活習慣の見直しを行った上で、エラグ酸を取り入れてみるとよいでしょう。