「脱・乗り物酔い」のための小さな習慣

「脱・乗り物酔い」のための小さな習慣

「脱・乗り物酔い」のための小さな習慣 「脱・乗り物酔い」のための小さな習慣

乗り物酔いの原因は様々。体調や体質、環境、ストレスも影響します。
予防法や対処法は様々ありますが、日頃から体の感覚や調子を整えておくことでもつらさを軽減することも可能です。
乗り物酔いを起こしにくい体になるための、日常的に取り組める訓練や運動、生活習慣の見直しをご紹介します。
体質だからと諦めず、「脱・乗り物酔い」に向けてぜひ毎日続けてみてください。

乗り物酔いの原因は様々。体調や体質、環境、ストレスも影響します。
予防法や対処法は様々ありますが、日頃から体の感覚や調子を整えておくことでもつらさを軽減することも可能です。
乗り物酔いを起こしにくい体になるための、日常的に取り組める訓練や運動、生活習慣の見直しをご紹介します。
体質だからと諦めず、「脱・乗り物酔い」に向けてぜひ毎日続けてみてください。

平衡感覚を鍛える訓練・運動

平衡感覚を鍛える訓練・運動

乗り物酔いには脳だけでなく、耳や目、鼻、足の筋肉・関節、自律神経といった様々な体の器官がかかわっています。

これらの器官で得た揺れや振動、光やにおいなどの情報は小脳へと届けられます。小脳にある前庭小脳が情報を整理して大脳へと伝達。それを元に大脳が適切な判断を下して体を動かします。
しかし、各器官から送られてくる情報の内容にズレがあると前庭小脳が混乱し、情報の整理・伝達も乱れて大脳が適切な判断を下せなくなります。それが乗り物酔いへとつながるのです。

子供が乗り物酔いしやすいのはこの前庭小脳がまだ成長段階にあり、自律神経も整いにくい状態にあるからです。大人になるにつれ刺激に対する経験値が増え、さらに20歳を過ぎれば前庭小脳の老化が始まって反応が鈍くなることから、乗り物酔いをしにくくなります。

しかし、前庭小脳の反応の強さ・弱さは人それぞれ。睡眠不足、空腹、急ブレーキ・急発進、読書の4つがそろえば大人でも約9割が乗り物酔いするというデータもあり、酔いやすさにはその日の体調や心的・外的要因が影響することが分かっています。

●頭を振る訓練

乗り物酔いには脳だけでなく、耳や目、鼻、足の筋肉・関節、自律神経といった様々な体の器官がかかわっています。

これらの器官で得た揺れや振動、光やにおいなどの情報は小脳へと届けられます。小脳にある前庭小脳が情報を整理して大脳へと伝達。それを元に大脳が適切な判断を下して体を動かします。
しかし、各器官から送られてくる情報の内容にズレがあると前庭小脳が混乱し、情報の整理・伝達も乱れて大脳が適切な判断を下せなくなります。それが乗り物酔いへとつながるのです。

子供が乗り物酔いしやすいのはこの前庭小脳がまだ成長段階にあり、自律神経も整いにくい状態にあるからです。大人になるにつれ刺激に対する経験値が増え、さらに20歳を過ぎれば前庭小脳の老化が始まって反応が鈍くなることから、乗り物酔いをしにくくなります。

しかし、前庭小脳の反応の強さ・弱さは人それぞれ。睡眠不足、空腹、急ブレーキ・急発進、読書の4つがそろえば大人でも約9割が乗り物酔いするというデータもあり、酔いやすさにはその日の体調や心的・外的要因が影響することが分かっています。

●頭を振る訓練

頭を振る訓練 頭を振る訓練

50㎝先の動かない物を見つめながら、頭を①左右に30度ずつ振る、②上下に30度ずつ振る、③左右に30度ずつ傾ける。①~③を各10往復、1日2回行う。

●目を動かす訓練

50㎝先の動かない物を見つめながら、頭を①左右に30度ずつ振る、②上下に30度ずつ振る、③左右に30度ずつ傾ける。①~③を各10往復、1日2回行う。

●目を動かす訓練

目を動かす訓練 目を動かす訓練

50cm先にある、①左右に30㎝離れた2つの点、②上下に30㎝離れた2つの点を、頭を動かさずに交互に見つめる。①、②を各10往復、1日2回行う。

●体勢を変える訓練

50cm先にある、①左右に30㎝離れた2つの点、②上下に30㎝離れた2つの点を、頭を動かさずに交互に見つめる。①、②を各10往復、1日2回行う。

●体勢を変える訓練

体勢を変える訓練 体勢を変える訓練

①仰向けに寝ている状態から起き上がる、②左右に寝返りを打つ、③椅子に座った状態から立ち上がる。①~③を各10往復、1日2回行う。

●足を動かす運動

①仰向けに寝ている状態から起き上がる、②左右に寝返りを打つ、③椅子に座った状態から立ち上がる。①~③を各10往復、1日2回行う。

●足を動かす運動

足を動かす運動 足を動かす運動

①「足を閉じて立つ」と「片方の足のつま先にもう片方の足のかかとをつけて立つ」を、目を開いた状態と閉じた状態で各5~10分、1日2回行う。

②足踏みを、目を開いた状態と閉じた状態で各50~100歩、1日2回行う。

●四股を踏む運動

①「足を閉じて立つ」と「片方の足のつま先にもう片方の足のかかとをつけて立つ」を、目を開いた状態と閉じた状態で各5~10分、1日2回行う。

②足踏みを、目を開いた状態と閉じた状態で各50~100歩、1日2回行う。

●四股を踏む運動

四股を踏む運動 四股を踏む運動

①背筋を伸ばして足を開き、股を割って膝に手をそろえる。

②足を上げる時はできるだけ高くゆっくりと上げる。

③足を下ろし、反対側の足を同じように上げる。①~③を朝10回、夜40回行う。

①背筋を伸ばして足を開き、股を割って膝に手をそろえる。

②足を上げる時はできるだけ高くゆっくりと上げる。

③足を下ろし、反対側の足を同じように上げる。①~③を朝10回、夜40回行う。

自律神経を整えるための生活習慣

自律神経を整えるための生活習慣

自律神経を整えるための生活習慣 自律神経を整えるための生活習慣

体からの様々な情報は自律神経を通じて前庭小脳、そして大脳に届けられ、大脳からの指示も自律神経を通じて体全体に伝えられます。自律神経が乱れると、この情報伝達がうまくいかず、乗り物酔いの原因に。規則正しくストレスをためない生活で自律神経を整えておくことは、乗り物酔いの改善に有効です。

<自律神経を整える暮らしのコツ>
●ゆっくり鼻から吸って口から吐き出す深い呼吸をして、副交感神経の働きを高める。
●朝決まった時間に起きて太陽の光を浴び、交感神経と副交感神経を切り替える。
●日中は20分以上のウォーキングなど軽めの運動を行い、副交感神経の働きを促す。
●夜はゆっくりと半身浴を行うことで心身の緊張をほぐし、副交感神経を優位にする。
●睡眠を十分にとり自律神経の乱れをリセットする。

体からの様々な情報は自律神経を通じて前庭小脳、そして大脳に届けられ、大脳からの指示も自律神経を通じて体全体に伝えられます。自律神経が乱れると、この情報伝達がうまくいかず、乗り物酔いの原因に。規則正しくストレスをためない生活で自律神経を整えておくことは、乗り物酔いの改善に有効です。

<自律神経を整える暮らしのコツ>
●ゆっくり鼻から吸って口から吐き出す深い呼吸をして、副交感神経の働きを高める。
●朝決まった時間に起きて太陽の光を浴び、交感神経と副交感神経を切り替える。
●日中は20分以上のウォーキングなど軽めの運動を行い、副交感神経の働きを促す。
●夜はゆっくりと半身浴を行うことで心身の緊張をほぐし、副交感神経を優位にする。
●睡眠を十分にとり自律神経の乱れをリセットする。

胃腸を強くするための生活習慣

胃腸を強くするための生活習慣

胃腸を強くするための生活習慣 胃腸を強くするための生活習慣

乗り物酔いの症状に胃の不快感や吐き気があります。胃腸が弱っていると、その症状がひどくなる場合も。一方、胃腸が健やかな状態であれば、乗り物酔いによる胃の不快症状の予防・軽減につながります。ポイントは胃腸に負担をかけない食事の内容と食べ方。胃腸も自律神経がコントロールしていますので、「自律神経を整えるための生活習慣」と一緒にチェックしてください。

<胃腸を強くする食事のコツ>
●食事は規則正しく、一口30回を目安によくかんで食べる。
●栄養バランスのよい食事を摂る。
●冷たい物の摂り過ぎで胃腸を冷やさない。
●暴飲暴食をしない。

乗り物酔いの症状に胃の不快感や吐き気があります。胃腸が弱っていると、その症状がひどくなる場合も。一方、胃腸が健やかな状態であれば、乗り物酔いによる胃の不快症状の予防・軽減につながります。ポイントは胃腸に負担をかけない食事の内容と食べ方。胃腸も自律神経がコントロールしていますので、「自律神経を整えるための生活習慣」と一緒にチェックしてください。

<胃腸を強くする食事のコツ>
●食事は規則正しく、一口30回を目安によくかんで食べる。
●栄養バランスのよい食事を摂る。
●冷たい物の摂り過ぎで胃腸を冷やさない。
●暴飲暴食をしない。

監修プロフィール

監修プロフィール

坂田 英明(さかた・ひであき)先生 坂田 英明(さかた・ひであき)先生

川越耳科学クリニック院長
坂田 英明(さかた・ひであき)先生
耳鼻科医。埼玉医科大学医学部卒業後、目白大学保健医療学部教授等を経て、2015年に耳鳴り・めまい・難聴の治療を主にした川越耳科学クリニックを開設。YouTube「めまいにさよなら」でも情報を発信。

川越耳科学クリニック院長
坂田 英明(さかた・ひであき)先生
耳鼻科医。埼玉医科大学医学部卒業後、目白大学保健医療学部教授等を経て、2015年に耳鳴り・めまい・難聴の治療を主にした川越耳科学クリニックを開設。YouTube「めまいにさよなら」でも情報を発信。