肌のたるみを引き起こす原因は?

肌のたるみを引き起こす原因は?

たるみ

顔・頬・あごなどのフェイスラインや顔の表面全体が下方に垂れ下がってしまう「たるみ」。その原因には、加齢による衰えや、肌の水分量の減少などが関係しているといわれます。たるみが生じると、どうしても老けた印象を与えがちで、そのことが悩みになっている人も多いのではないでしょうか。この記事では肌の大きな悩みの1つである、肌のたるみの原因について解説します。

顔・頬・あごなどのフェイスラインや顔の表面全体が下方に垂れ下がってしまう「たるみ」。その原因には、加齢による衰えや、肌の水分量の減少などが関係しているといわれます。たるみが生じると、どうしても老けた印象を与えがちで、そのことが悩みになっている人も多いのではないでしょうか。この記事では肌の大きな悩みの1つである、肌のたるみの原因について解説します。

監修
監修
平田雅子先生 平田雅子先生
平田雅子先生
皮膚科専門医
平田雅子先生
皮膚科専門医

ひらた・まさこ 日本大学医学部卒業。「私のクリニック目白」理事長兼院長。2003年10月に民間として日本で初めて、皮膚科、内科、心療内科など、複数の女性専門診療科目を有する「私のクリニック目白」を開設。女性のための家庭医・プライマリーケアを理念に女性専門医療に携わっている。著書に『水だけ洗顔で、一生美肌!』(小学館)、『肌がみるみる綺麗になる!大人の「スキンケア」新法則』(三笠書房)、監修書に『皮膚のトラブルが治らないときの本』(小学館)などがある。

ひらた・まさこ 日本大学医学部卒業。「私のクリニック目白」理事長兼院長。2003年10月に民間として日本で初めて、皮膚科、内科、心療内科など、複数の女性専門診療科目を有する「私のクリニック目白」を開設。女性のための家庭医・プライマリーケアを理念に女性専門医療に携わっている。著書に『水だけ洗顔で、一生美肌!』(小学館)、『肌がみるみる綺麗になる!大人の「スキンケア」新法則』(三笠書房)、監修書に『皮膚のトラブルが治らないときの本』(小学館)などがある。

これってもしかして肌のたるみ? たるみが出やすい場所は?

これってもしかして肌のたるみ? たるみが出やすい場所は?

たるみが出やすい場所は? たるみが出やすい場所は?

たるみとは、肌の構造の緩みにより、肌全体が下方に垂れ下がった状態のこと。近年では、美容皮膚科での相談件数がシミに次いで多いといわれることもあります。

たるみは全身に生じますが、特に気になるのが顔。その中でも、たるみが出やすい場所は、だいたい決まっています。

たるみとは、肌の構造の緩みにより、肌全体が下方に垂れ下がった状態のこと。近年では、美容皮膚科での相談件数がシミに次いで多いといわれることもあります。

たるみは全身に生じますが、特に気になるのが顔。その中でも、たるみが出やすい場所は、だいたい決まっています。

●目の下のたるみ

●目の下のたるみ

目の下のたるみ 目の下のたるみ

目の下がたるむのは、肌や目の周りの筋肉の衰えが影響しているといわれています。これらが衰えることで、目の周りについている脂肪を支えきれず、たるんだ状態になるのが特徴です。目の下のクマだと思っていたら、実はたるみだった……ということも。

目の下がたるむのは、肌や目の周りの筋肉の衰えが影響しているといわれています。これらが衰えることで、目の周りについている脂肪を支えきれず、たるんだ状態になるのが特徴です。目の下のクマだと思っていたら、実はたるみだった……ということも。

●ほうれい線

●ほうれい線

ほうれい線 ほうれい線

頬と唇の間に生じる溝を、ほうれい線といいます。肌に元々存在しているシワの一種に分類されることもありますが、実は頬と唇周辺、それぞれの部位にかかる重力に差があることでたるみが生じ、ほうれい線になるといわれています。

頬と唇の間に生じる溝を、ほうれい線といいます。肌に元々存在しているシワの一種に分類されることもありますが、実は頬と唇周辺、それぞれの部位にかかる重力に差があることでたるみが生じ、ほうれい線になるといわれています。

●マリオネットライン

●マリオネットライン

マリオネットライン マリオネットライン

ほうれい線に続くように、口角からあごに伸びるラインのことです。人形劇で使われるあやつり人形にそのような線があることから、こう呼ばれます。マリオネットラインは、肌がたるんで垂れ下がることによって生じるといわれています。

ほうれい線に続くように、口角からあごに伸びるラインのことです。人形劇で使われるあやつり人形にそのような線があることから、こう呼ばれます。マリオネットラインは、肌がたるんで垂れ下がることによって生じるといわれています。

●二重あご

●二重あご

二重あご 二重あご

フェイスラインがたるみ、あごが二重になったように見える状態のこと。体重の増加などによる脂肪のつき過ぎが二重あごの原因であることはよく知られていますが、実は加齢によりフェイスラインが緩むことで、二重あごになることもあるのです。顔の下半分は重力の影響を受けやすく、それが関係しているといわれています。

フェイスラインがたるみ、あごが二重になったように見える状態のこと。体重の増加などによる脂肪のつき過ぎが二重あごの原因であることはよく知られていますが、実は加齢によりフェイスラインが緩むことで、二重あごになることもあるのです。顔の下半分は重力の影響を受けやすく、それが関係しているといわれています。

たるみの原因は? 加齢だから仕方がない?

たるみの原因は? 加齢だから仕方がない?

肌をたるませる原因の1つは、肌の真皮(しんぴ)層と呼ばれる部分の構造の変化 肌をたるませる原因の1つは、肌の真皮(しんぴ)層と呼ばれる部分の構造の変化

このように肌をたるませる原因の1つは、肌の真皮(しんぴ)層と呼ばれる部分の構造の変化だということが分かっています。

肌は、表皮、真皮、皮下組織という3つの層から成り立っています。このうち、最も厚みがあって、肌の弾力や潤いに関係しているのが真皮です。真皮はコラーゲンやエラスチンなどの線維からできていて、それら線維のすき間を、水分を保持するヒアルロン酸などが埋め、肌の弾力や潤いを保っています。

コラーゲンやエラスチンは、加齢によって減少し、それと共に真皮はどんどん薄くなっていきます。例えば10代と50代とでは、真皮の厚さが1mmくらい違うといわれることも。そのように真皮が薄くなることの他、体内の活性酸素が活発化したり(酸化)、食事などから摂取した余分な糖質が体内のタンパク質などと結びついて細胞などを劣化させたりすること(糖化)も、コラーゲンの質の低下につながり、肌の弾力を失わせます。

このような肌の変化に加え、筋肉や骨の衰え、脂肪、むくみなど、様々なことが影響して、たるみは生じているのですが、そうは言っても加齢による影響が大きいことは否めません。そのため、「年齢を重ねると、たるみが出るのは仕方ない」と、諦めてしまう人もいるでしょう。確かに加齢の影響は大きいですが、だからといって対策が全くできないわけではありません。実は、たるみにかかわる原因の中には、自分で対策できることもあるのです。

このように肌をたるませる原因の1つは、肌の真皮(しんぴ)層と呼ばれる部分の構造の変化だということが分かっています。

肌は、表皮、真皮、皮下組織という3つの層から成り立っています。このうち、最も厚みがあって、肌の弾力や潤いに関係しているのが真皮です。真皮はコラーゲンやエラスチンなどの線維からできていて、それら線維のすき間を、水分を保持するヒアルロン酸などが埋め、肌の弾力や潤いを保っています。

コラーゲンやエラスチンは、加齢によって減少し、それと共に真皮はどんどん薄くなっていきます。例えば10代と50代とでは、真皮の厚さが1mmくらい違うといわれることも。そのように真皮が薄くなることの他、体内の活性酸素が活発化したり(酸化)、食事などから摂取した余分な糖質が体内のタンパク質などと結びついて細胞などを劣化させたりすること(糖化)も、コラーゲンの質の低下につながり、肌の弾力を失わせます。

このような肌の変化に加え、筋肉や骨の衰え、脂肪、むくみなど、様々なことが影響して、たるみは生じているのですが、そうは言っても加齢による影響が大きいことは否めません。そのため、「年齢を重ねると、たるみが出るのは仕方ない」と、諦めてしまう人もいるでしょう。確かに加齢の影響は大きいですが、だからといって対策が全くできないわけではありません。実は、たるみにかかわる原因の中には、自分で対策できることもあるのです。

たるみの三大原因「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」をブロック

たるみの三大原因「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」をブロック

たるみの三大原因「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」 たるみの三大原因「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」

加齢の他に、たるみを生じさせる原因といわれているのが、「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」の3つです。これらは、たるみの三大原因と呼ばれることも。それぞれ、どのように影響しているのか、チェックしてみましょう。

 

●たるみの三大原因「乾燥」

乾燥は肌の大敵。さきほどもお話ししたように、乾燥が進むと肌のハリや弾力が失われ、たるみやシワが生じてしまいます。乾燥を防ぐには、真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの保水成分を補うことに加え、肌の外側の層=表皮をケアすることが重要です。表皮に潤いを与え、真皮層の水分が肌から失われないように保湿して、肌の乾燥、そして、たるみを防ぎましょう。

 

●たるみの三大原因「紫外線」

紫外線は肌の老化に大きく関係しています。紫外線を浴びると、肌表面の表皮が軽いやけどを負ったような状態(日焼け)になる他、表皮の下にある真皮層のコラーゲンやエラスチンなどが破壊され、肌全体を下から支える力が弱まってしまいます。その結果、たるみが生じてしまうのです。このような紫外線による肌への影響は「光老化」と呼ばれます。しっかりと紫外線対策をして光老化を防ぐことは、たるみの予防にもつながります。

 

●たるみの三大原因「筋肉の衰え」

加齢は、肌の弾力を失わせるだけでなく、肌を支える筋肉や骨も萎縮させます。特に、顔にある表情筋という筋肉が加齢の影響で衰えると、顔全体がたるんだ印象になることも。表情筋以外に、後頭部から背中にかけて広がっている僧帽(そうぼう)筋という筋肉が衰えることも、顔のたるみに影響するといわれます。背中や首の筋肉をストレッチなどでゆっくりと伸ばしたり、表情筋のエクササイズをしたりすると、筋肉が柔らかくなり、たるみが生じるスピードを緩やかにできるはずです。

加齢の他に、たるみを生じさせる原因といわれているのが、「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」の3つです。これらは、たるみの三大原因と呼ばれることも。それぞれ、どのように影響しているのか、チェックしてみましょう。

 

●たるみの三大原因「乾燥」

乾燥は肌の大敵。さきほどもお話ししたように、乾燥が進むと肌のハリや弾力が失われ、たるみやシワが生じてしまいます。乾燥を防ぐには、真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの保水成分を補うことに加え、肌の外側の層=表皮をケアすることが重要です。表皮に潤いを与え、真皮層の水分が肌から失われないように保湿して、肌の乾燥、そして、たるみを防ぎましょう。

 

●たるみの三大原因「紫外線」

紫外線は肌の老化に大きく関係しています。紫外線を浴びると、肌表面の表皮が軽いやけどを負ったような状態(日焼け)になる他、表皮の下にある真皮層のコラーゲンやエラスチンなどが破壊され、肌全体を下から支える力が弱まってしまいます。その結果、たるみが生じてしまうのです。このような紫外線による肌への影響は「光老化」と呼ばれます。しっかりと紫外線対策をして光老化を防ぐことは、たるみの予防にもつながります。

 

●たるみの三大原因「筋肉の衰え」

加齢は、肌の弾力を失わせるだけでなく、肌を支える筋肉や骨も萎縮させます。特に、顔にある表情筋という筋肉が加齢の影響で衰えると、顔全体がたるんだ印象になることも。表情筋以外に、後頭部から背中にかけて広がっている僧帽(そうぼう)筋という筋肉が衰えることも、顔のたるみに影響するといわれます。背中や首の筋肉をストレッチなどでゆっくりと伸ばしたり、表情筋のエクササイズをしたりすると、筋肉が柔らかくなり、たるみが生じるスピードを緩やかにできるはずです。

インナーケアとして、食事や睡眠でコラーゲンを増やす

インナーケアとして、食事や睡眠でコラーゲンを増やす

インナーケアとして、食事や睡眠でコラーゲンを増やす インナーケアとして、食事や睡眠でコラーゲンを増やす

たるみの予防には保湿やUVケア、エクササイズといったケア以外に、内側からのケアも重要です。食事などで栄養をしっかり摂る、睡眠を十分にとるなどして、体の中からもたるみを予防していきましょう。

 

●食事

肌の真皮層にあるコラーゲンを増やし、弾力のある肌にすることは、たるみの防止に効果的です。それには食事が大切。食事でコラーゲンを増やすには、大きく2つの方法があります。

1つはコラーゲンのもととなるタンパク質を摂取すること。タンパク質は、体内でアミノ酸に分解され、コラーゲンのもととなります。もう1つはコラーゲンが含まれた食品を食べること。食べたコラーゲンがそのまま肌のコラーゲンになるわけではありませんが、胃で分解されてコラーゲンペプチドという形になると、細胞に何らかのシグナル(命令)を送って活性化させ、コラーゲンの新陳代謝を促していることが、最近の研究で分かってきています。コラーゲンの生成に重要な役割を果たす、ビタミンCや鉄分も一緒に摂取しておくと、さらに効果的です。

 

●睡眠

肌のたるみを加速させないためには、肌の健康状態を保つことが大切。そのためには、睡眠をしっかりとることが欠かせません。睡眠中には「成長ホルモン」と呼ばれるホルモンが分泌され、全身の疲労回復に一役買ってくれる他、肌のターンオーバーの正常化やコラーゲンの生成も促してくれます。そんな成長ホルモンを分泌させるには、眠り始めの3時間に、深くぐっすり眠ることが重要。眠る前にスマホを見続けるなど、眠りが浅くなるような習慣はやめて、しっかりと睡眠をとることを目指しましょう。

たるみの予防には保湿やUVケア、エクササイズといったケア以外に、内側からのケアも重要です。食事などで栄養をしっかり摂る、睡眠を十分にとるなどして、体の中からもたるみを予防していきましょう。

 

●食事

肌の真皮層にあるコラーゲンを増やし、弾力のある肌にすることは、たるみの防止に効果的です。それには食事が大切。食事でコラーゲンを増やすには、大きく2つの方法があります。

1つはコラーゲンのもととなるタンパク質を摂取すること。タンパク質は、体内でアミノ酸に分解され、コラーゲンのもととなります。もう1つはコラーゲンが含まれた食品を食べること。食べたコラーゲンがそのまま肌のコラーゲンになるわけではありませんが、胃で分解されてコラーゲンペプチドという形になると、細胞に何らかのシグナル(命令)を送って活性化させ、コラーゲンの新陳代謝を促していることが、最近の研究で分かってきています。コラーゲンの生成に重要な役割を果たす、ビタミンCや鉄分も一緒に摂取しておくと、さらに効果的です。

 

●睡眠

肌のたるみを加速させないためには、肌の健康状態を保つことが大切。そのためには、睡眠をしっかりとることが欠かせません。睡眠中には「成長ホルモン」と呼ばれるホルモンが分泌され、全身の疲労回復に一役買ってくれる他、肌のターンオーバーの正常化やコラーゲンの生成も促してくれます。そんな成長ホルモンを分泌させるには、眠り始めの3時間に、深くぐっすり眠ることが重要。眠る前にスマホを見続けるなど、眠りが浅くなるような習慣はやめて、しっかりと睡眠をとることを目指しましょう。

まとめ

まとめ

肌のたるみを引き起こす三大原因「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」と、インナーケア「食事」「睡眠」での対応についてご紹介しました。このように、たるみを引き起こす原因を知り、それにあった対策を取ることで、肌のたるみを遅らせることが可能なこともあります。ご自身の肌状態や体調に合わせて、できることから試してみてはいかがでしょうか。

肌のたるみを引き起こす三大原因「乾燥」「紫外線」「筋肉の衰え」と、インナーケア「食事」「睡眠」での対応についてご紹介しました。このように、たるみを引き起こす原因を知り、それにあった対策を取ることで、肌のたるみを遅らせることが可能なこともあります。ご自身の肌状態や体調に合わせて、できることから試してみてはいかがでしょうか。