丈夫なコラーゲンをつくるために! ビタミンCと鉄分も意識して摂ろう

丈夫なコラーゲンをつくるために! ビタミンCと鉄分も意識して摂ろう

コラーゲン

コラーゲンが肌によいと言われるのは、コラーゲンペプチドが細胞にシグナルを送り、細胞を活性化させると考えられているためです。手羽先やウナギ、煮魚の煮こごりなど、コラーゲンを多く含む食品は私たちの身近にたくさんある一方で、1日に必要な量のコラーゲンペプチドを普段の食事だけで摂るのはとても難しいものです。コラーゲンペプチドを効率的に摂る方法や、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCと鉄分との関係性についても詳しく紹介します。

コラーゲンが肌によいと言われるのは、コラーゲンペプチドが細胞にシグナルを送り、細胞を活性化させると考えられているためです。手羽先やウナギ、煮魚の煮こごりなど、コラーゲンを多く含む食品は私たちの身近にたくさんある一方で、1日に必要な量のコラーゲンペプチドを普段の食事だけで摂るのはとても難しいものです。コラーゲンペプチドを効率的に摂る方法や、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCと鉄分との関係性についても詳しく紹介します。

監修
監修
真野博先生 真野博先生
真野博先生
城西大学薬学部医療栄養学科教授
真野博先生
城西大学薬学部医療栄養学科教授

まの・ひろし 東京農業大学農学部農芸化学科卒業。同大学院農学研究科農芸化学専攻博士後期課程修了。明海大学歯学部口腔解剖学講座助手。1998年から東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科講師を経て、2001年から城西大学薬学部医療栄養学科講師。2005年から同准教授、2010年から同教授、現在に至る。1994年より機能性食品の硬組織に与える影響に関する研究に取り組む。専門分野は食品機能学、骨代謝学、分子細胞生物学。著書に『コラーゲン完全バイブル』(幻冬舎)、『「トクホ」のことがよくわかる保健機能食品・サプリメント 基礎と活用』『生活習慣病治療薬・基礎と活用』(いずれも城西大学薬学部医療栄養学科編著、カザン)などがある。

まの・ひろし 東京農業大学農学部農芸化学科卒業。同大学院農学研究科農芸化学専攻博士後期課程修了。明海大学歯学部口腔解剖学講座助手。1998年から東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科講師を経て、2001年から城西大学薬学部医療栄養学科講師。2005年から同准教授、2010年から同教授、現在に至る。1994年より機能性食品の硬組織に与える影響に関する研究に取り組む。専門分野は食品機能学、骨代謝学、分子細胞生物学。著書に『コラーゲン完全バイブル』(幻冬舎)、『「トクホ」のことがよくわかる保健機能食品・サプリメント 基礎と活用』『生活習慣病治療薬・基礎と活用』(いずれも城西大学薬学部医療栄養学科編著、カザン)などがある。

コラーゲンを摂るとからだにどんなよい影響があるの? 

コラーゲンを摂るとからだにどんなよい影響があるの? 

コラーゲンを摂るとからだにどんなよい影響があるの? コラーゲンを摂るとからだにどんなよい影響があるの?

「からだは食べたものでできている」と聞いたことはないでしょうか。人間は食品の栄養素を生命維持や活動エネルギーなどに活用しています。中でも、からだをつくる材料として重要な栄養素の1つが「タンパク質」です。

タンパク質はアミノ酸がつながった非常に大きな分子です。タンパク質の状態では体内に吸収できないため、食品から摂取したタンパク質は、様々な消化酵素によって分解されてから、体内に吸収されます。食べた肉がそのまま自分の肉や血となるわけではないのです。

体内のタンパク質の30%を占めるコラーゲンは、消化・吸収の仕組みが特殊で、アミノ酸が複数つながった「ペプチド」の形で吸収されることが特徴です。食品からコラーゲンを摂っても、そのまま体内でコラーゲンに変わるわけではありません。血液の流れに乗って、ペプチドがからだのすみずみへ巡り、肌のハリやつや、シミの改善といった様々な効果につながると考えられています。

研究者の間では、コラーゲンペプチドが線維芽細胞(皮膚)や軟骨細胞(関節)など、細胞に何らかのシグナル(命令)を出して、細胞を活性化させるという考え方が主流になっています。細胞がコラーゲンを活発につくり出すための環境を整えたり、肌に弾力を与えるヒアルロン酸の成長を促したりするための命令を、コラーゲンペプチドが発信しているという考え方です。

「からだは食べたものでできている」と聞いたことはないでしょうか。人間は食品の栄養素を生命維持や活動エネルギーなどに活用しています。中でも、からだをつくる材料として重要な栄養素の1つが「タンパク質」です。

タンパク質はアミノ酸がつながった非常に大きな分子です。タンパク質の状態では体内に吸収できないため、食品から摂取したタンパク質は、様々な消化酵素によって分解されてから、体内に吸収されます。食べた肉がそのまま自分の肉や血となるわけではないのです。

体内のタンパク質の30%を占めるコラーゲンは、消化・吸収の仕組みが特殊で、アミノ酸が複数つながった「ペプチド」の形で吸収されることが特徴です。食品からコラーゲンを摂っても、そのまま体内でコラーゲンに変わるわけではありません。血液の流れに乗って、ペプチドがからだのすみずみへ巡り、肌のハリやつや、シミの改善といった様々な効果につながると考えられています。

研究者の間では、コラーゲンペプチドが線維芽細胞(皮膚)や軟骨細胞(関節)など、細胞に何らかのシグナル(命令)を出して、細胞を活性化させるという考え方が主流になっています。細胞がコラーゲンを活発につくり出すための環境を整えたり、肌に弾力を与えるヒアルロン酸の成長を促したりするための命令を、コラーゲンペプチドが発信しているという考え方です。

効率的に摂るカギは、コラーゲンペプチドの摂取

効率的に摂るカギは、コラーゲンペプチドの摂取

効率的に摂るカギは、コラーゲンペプチドの摂取 効率的に摂るカギは、コラーゲンペプチドの摂取

「美肌にはコラーゲン」、これは女性の間ではすでに広く知られている定説です。実際にコラーゲンの効果を実感している方も多くいらっしゃるでしょう。

フカヒレスープや手羽先、煮魚の煮こごり、豚骨ラーメンのスープなど、いわゆる「ゼラチン」としてのコラーゲンは、私たちの身近にあります。しかし、先ほども述べたように、これらは直接肌のコラーゲンに変わるわけではありません。

コラーゲンを効率的に摂るためのカギは、食品から摂取したコラーゲンを体内の消化酵素で分解し、コラーゲンペプチドとして吸収されることです。

「美肌にはコラーゲン」、これは女性の間ではすでに広く知られている定説です。実際にコラーゲンの効果を実感している方も多くいらっしゃるでしょう。

フカヒレスープや手羽先、煮魚の煮こごり、豚骨ラーメンのスープなど、いわゆる「ゼラチン」としてのコラーゲンは、私たちの身近にあります。しかし、先ほども述べたように、これらは直接肌のコラーゲンに変わるわけではありません。

コラーゲンを効率的に摂るためのカギは、食品から摂取したコラーゲンを体内の消化酵素で分解し、コラーゲンペプチドとして吸収されることです。

コラーゲンを効率的に摂るためのカギは、コラーゲンペプチドとして吸収されることです。 コラーゲンを効率的に摂るためのカギは、コラーゲンペプチドとして吸収されることです。

今までの研究から、肌にとってプラスの作用が認められる、1日に必要なコラーゲンペプチドの摂取量は5gと言われています。私たちがよく口にする食品にどのくらいコラーゲンペプチドが含まれているかというと、実はごくわずかに過ぎません。

今までの研究から、肌にとってプラスの作用が認められる、1日に必要なコラーゲンペプチドの摂取量は5gと言われています。私たちがよく口にする食品にどのくらいコラーゲンペプチドが含まれているかというと、実はごくわずかに過ぎません。

食品中のコラーゲンペプチドの量 食品中のコラーゲンペプチドの量

例えば、手羽先や煮こごりを毎日100g摂ったとしても、1日に5gのコラーゲンペプチドを摂ることはできません。コラーゲンペプチドを摂るために、これらの食品を大量に摂ると、油の摂り過ぎでカロリー摂取量も増えて、肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまいます。

サケやブリなどコラーゲンが豊富で低カロリーの魚を利用するなど、料理法を工夫して毎日摂れる人なら、食品から摂取することもできなくはありませんが、現実的には簡単ではないでしょう。加えて、煮魚などの煮こごりなどゼラチンの形でコラーゲンを摂取しても、コラーゲンペプチドと比較すると消化吸収が悪く、約半分は排出されてしまいます。

例えば、手羽先や煮こごりを毎日100g摂ったとしても、1日に5gのコラーゲンペプチドを摂ることはできません。コラーゲンペプチドを摂るために、これらの食品を大量に摂ると、油の摂り過ぎでカロリー摂取量も増えて、肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまいます。

サケやブリなどコラーゲンが豊富で低カロリーの魚を利用するなど、料理法を工夫して毎日摂れる人なら、食品から摂取することもできなくはありませんが、現実的には簡単ではないでしょう。加えて、煮魚などの煮こごりなどゼラチンの形でコラーゲンを摂取しても、コラーゲンペプチドと比較すると消化吸収が悪く、約半分は排出されてしまいます。

おすすめなのは、昔の日本人のように魚を丸ごと食べることですが、骨や皮まで食べるといった食習慣がない現代人は、サプリメントで摂るのが効率的です。粉末やタブレット、ドリンクなどいろいろなタイプのサプリメントが販売されていますので、自分の好みやライフスタイルに合ったものを選んで、手軽に上手に補給するとよいでしょう。

おすすめなのは、昔の日本人のように魚を丸ごと食べることですが、骨や皮まで食べるといった食習慣がない現代人は、サプリメントで摂るのが効率的です。粉末やタブレット、ドリンクなどいろいろなタイプのサプリメントが販売されていますので、自分の好みやライフスタイルに合ったものを選んで、手軽に上手に補給するとよいでしょう。

コラーゲンの生成には、体内に十分な量のビタミンCも必要

コラーゲンの生成には、体内に十分な量のビタミンCも必要

コラーゲンの生成には、体内に十分な量のビタミンCも必要 コラーゲンの生成には、体内に十分な量のビタミンCも必要

コラーゲンペプチドはサプリで補うことが効率的ですが、ただサプリを摂ればいいわけではありません。コラーゲンの生成にはビタミンCが欠かせないからです。コラーゲン特有のアミノ酸である「ヒドロキシプロリン」がつくり出されるためには、ある酵素が働いて水酸化させる必要があります。その酵素はビタミンCと鉄がないと働きません。

「ヒドロキシプロリン」はコラーゲンならではの丈夫な線維組織をつくる「もと」となるアミノ酸です。もし、体内のビタミンCが不足していると、つくられるコラーゲンはとても不安定なものになってしまいます。

だからといって、コラーゲンペプチドとビタミンCのサプリを必ず同時に摂る必要はありません。大事なのは、コラーゲンを合成する時に、からだの中にビタミンCが足りているかどうかです。厚生労働省が推奨している1日に必要とするビタミンCの食事摂取基準は18歳以上で100mg。普段から野菜や果物などをバランスよく食べて、十分摂取できていれば同時摂取の必要はありません。

ただ、日頃から食事が不規則で、ビタミンCが不足しているかもしれないと自覚のある方は、サプリメントで補うなど意識して摂るように心がけましょう。

コラーゲンペプチドはサプリで補うことが効率的ですが、ただサプリを摂ればいいわけではありません。コラーゲンの生成にはビタミンCが欠かせないからです。コラーゲン特有のアミノ酸である「ヒドロキシプロリン」がつくり出されるためには、ある酵素が働いて水酸化させる必要があります。その酵素はビタミンCと鉄がないと働きません。

「ヒドロキシプロリン」はコラーゲンならではの丈夫な線維組織をつくる「もと」となるアミノ酸です。もし、体内のビタミンCが不足していると、つくられるコラーゲンはとても不安定なものになってしまいます。

だからといって、コラーゲンペプチドとビタミンCのサプリを必ず同時に摂る必要はありません。大事なのは、コラーゲンを合成する時に、からだの中にビタミンCが足りているかどうかです。厚生労働省が推奨している1日に必要とするビタミンCの食事摂取基準は18歳以上で100mg。普段から野菜や果物などをバランスよく食べて、十分摂取できていれば同時摂取の必要はありません。

ただ、日頃から食事が不規則で、ビタミンCが不足しているかもしれないと自覚のある方は、サプリメントで補うなど意識して摂るように心がけましょう。

女性に不足しがちな鉄分も重要

女性に不足しがちな鉄分も重要

コラーゲンの生成には、女性に不足しがちな鉄分も重要 コラーゲンの生成には、女性に不足しがちな鉄分も重要

コラーゲンをつくるためには鉄分も必要です。鉄分はビタミンCと同様に、コラーゲン生成の手助けをしてくれます。鉄分も必ず一緒に摂る必要はありませんが、からだにある鉄分を使うので、十分な量があることが大切です。

厚生労働省が推奨する1日に必要な鉄分の摂取量は、月経のある成人女性で10.5~11.0mg。妊娠期初期・授乳期は+2.5mg、中期・後期は+9.5mgといわれています(『日本人の食事摂取基準』2020年版)。しかし、理想的な食事をしている人でも1日約10 mgの鉄分しか摂れていないのが現状です。

鉄分は特に女性に不足しがちな栄養素で、月経があるほとんどの女性は鉄不足と言っても過言ではありません。月に1度の出血と共に、鉄分が体の外に排出されてしまうため、「かくれ貧血」の人も多く、日頃から鉄分を意識して摂る必要があります。

コラーゲンをつくるためには鉄分も必要です。鉄分はビタミンCと同様に、コラーゲン生成の手助けをしてくれます。鉄分も必ず一緒に摂る必要はありませんが、からだにある鉄分を使うので、十分な量があることが大切です。

厚生労働省が推奨する1日に必要な鉄分の摂取量は、月経のある成人女性で10.5~11.0mg。妊娠期初期・授乳期は+2.5mg、中期・後期は+9.5mgといわれています(『日本人の食事摂取基準』2020年版)。しかし、理想的な食事をしている人でも1日約10 mgの鉄分しか摂れていないのが現状です。

鉄分は特に女性に不足しがちな栄養素で、月経があるほとんどの女性は鉄不足と言っても過言ではありません。月に1度の出血と共に、鉄分が体の外に排出されてしまうため、「かくれ貧血」の人も多く、日頃から鉄分を意識して摂る必要があります。

コラーゲンペプチドとビタミンC、鉄分で美肌へ

コラーゲンペプチドとビタミンC、鉄分で美肌へ

肌のことを気にしてコラーゲンペプチドの摂取を検討されている方は、ビタミンCや鉄分など、コラーゲン生成に欠かせない他の栄養素にも目を向けることが大切です。いずれも普段の食事だけでは補うことが難しい栄養素ですから、サプリメントを上手に活用して補給するとよいでしょう。

ご紹介してきたように、コラーゲンを効率的に摂取するためには、コラーゲンペプチドの形で摂ることがポイントです。コラーゲンペプチドは食事から摂ることが難しいため、サプリメントなどを上手に活用しましょう。

また、コラーゲンの生成にはからだの中に十分なビタミンCと鉄分があることも必要です。ビタミンCと鉄分は、共に現代人には不足しがちな栄養素ですから、美肌を目指すなら併せて意識して摂りましょう。

肌のことを気にしてコラーゲンペプチドの摂取を検討されている方は、ビタミンCや鉄分など、コラーゲン生成に欠かせない他の栄養素にも目を向けることが大切です。いずれも普段の食事だけでは補うことが難しい栄養素ですから、サプリメントを上手に活用して補給するとよいでしょう。

ご紹介してきたように、コラーゲンを効率的に摂取するためには、コラーゲンペプチドの形で摂ることがポイントです。コラーゲンペプチドは食事から摂ることが難しいため、サプリメントなどを上手に活用しましょう。

また、コラーゲンの生成にはからだの中に十分なビタミンCと鉄分があることも必要です。ビタミンCと鉄分は、共に現代人には不足しがちな栄養素ですから、美肌を目指すなら併せて意識して摂りましょう。