生活習慣ケアコラム

空腹時の血糖値の高さとそのリスクついて知っておきましょう

人間の血糖値は食べ物の摂取などにより大きく変動します。そこで食事などの影響を抑え、定期的に測定する指標として空腹時血糖値というものがあります。

この記事では空腹時血糖値の測り方や正常値、血糖値が高い場合のリスクなどを専門医が解説します。

<監修>
山村 聡
九州大学医学部卒。Clinic Le GINZA - 銀座有楽町内科院長・理事長。
昭和大学糖尿病・代謝・内分泌内科助教、東京・群馬・埼玉での糖尿病専門外来を担当したのち現職。診療の傍ら、糖尿病・生活習慣病の啓発、ヘルスケア事業の顧問・監修等を務める。

目次

食後血糖値だけじゃない!空腹時血糖値にも気をつけましょう

健康診断や人間ドックで目にする血糖値。その値は一定ではありません。食事やおやつを食べると上昇し、しばらくすると低下します。運動や入浴によっても血糖値は変動します。

一日の中で、波のように変動する血糖値のうち、比較的変化が小さいタイミングで測定した値が空腹時血糖値です。

正確には10時間以上食事を摂らない状態で測定しますが、一般的な健康診断では、朝ごはんを食べずに採血したものを空腹時血糖値と呼んでいます。

食後血糖値だけでなく、食事の影響を受けていない空腹時血糖値も含めて、自分の血糖値に対する体質や、糖尿病のリスクを判断することが大切です。

どれくらいの値だと要注意?正常な空腹時血糖値とは

空腹時血糖値は80〜90mg/dLが一般的で、40歳以上を対象とする特定健診では、空腹時血糖値100mg/dL以上を特定保健指導の対象としています。

空腹時血糖値が110mg/dL以上となるとメタボリックシンドロームの基準に該当してしまいます。

ご自身の健康診断の結果を見てみましょう。空腹時血糖値が高くなっても、ほとんどの場合、自覚症状はありません。空腹時血糖値が100mg/dL以上の場合、詳しい検査を受けるなど、何らかの対策を取ることが望ましいとされます。

空腹時血糖値が126mg/dL以上となると、糖尿病の診断基準に該当してしまいます。126mg/dL未満でも、空腹時血糖値が110〜125mg/dLの人は「境界型」と呼ばれ、いわゆる糖尿病予備群の状態です。

糖尿病は、血糖値が高いだけでは痛くも痒くもないことがほとんどですが、合併症として様々な病気を引き起こすことも多い病気です。

こうした合併症は、糖尿病予備群の段階から徐々に進行し始めており、糖尿病発症前から空腹時血糖値を下げて、正常値を維持しておくことが大切です。

空腹時血糖値を改善する方法

空腹時血糖値を改善するためのポイントは、食事と運動です。3食バランスよく摂取し、血糖値を上昇させる炭水化物や甘いものの摂りすぎには注意しましょう。

特に夜遅い時間の食事は、夜間の血糖値を下がりにくくし、翌朝の空腹時血糖値を上昇させてしまいます。21時以降の食事は控え、もし夕食が遅くなる場合、ご飯や麺類など炭水化物の量を控えることをおすすめします。

スクワットやダンベルを使ったトレーニングは「レジスタンス運動」と呼ばれ、筋力アップに効果的です。血糖値を消費してくれる筋肉の量が増えると、日常的なエネルギー代謝が上昇し空腹時血糖値の改善に有効と考えられます。

まとめ

空腹時血糖値を正常に保つことは、将来の糖尿病や、それに伴う合併症の予防に重要です。食生活や運動習慣を見直し、生活改善の成果を定期健診・通院などで見極めていきましょう。

参考文献
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」