生活習慣ケアコラム

高血圧を予防・改善したい方へ!
生活習慣(食事・運動)で気をつけるべきポイント

多くの日本人の悩みにもなっている高血圧。高血圧が続くと動脈などの疾患に繋がることがあります。

高血圧の予防や改善には日頃の食事や運動を見直すことが有効です。今回は栄養管理の専門家が高血圧対策として意識するべき生活習慣を解説します。

<監修> 杉山典子
女子栄養大学を卒業後、管理栄養士として保育園での食育や栄養管理に従事。
その後行政で特定保健指導などに携わり、現在は分子整合栄養医学に基づくクリニックで、栄養指導やサプリメントの相談などを行う

目次

高血圧の原因とは?

日本人の40~50代の3人に1人、60歳以上の2人に1人が高血圧と言われています。

高血圧は原因が特定できない「本態性高血圧」と病気によって起こる「二次性高血圧」があります。日本人の8~9割の高血圧は「本態性高血圧」です。本態性高血圧の発症はいくつかの遺伝子が関係していることが分かっていますが、遺伝ですべての人が高血圧になるわけでなく、生活習慣が大きく関係しています。

高血圧の原因として考えられている生活習慣の例として以下が挙げられます。

・塩分の摂りすぎ
・暴飲暴食
・過剰な飲酒
・精神的なストレス
・自律神経のアンバランス
・運動不足
・喫煙
・野菜・海藻・果物不足(ビタミンやミネラル不足)


など。

おすすめの食べ物・飲み物を紹介!
高血圧を予防・改善するための食事

高血圧の食事療法で注目されているのがアメリカで研究されたDASH食です。
Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法)の略語で、高血圧の高い改善効果が期待できます。

DASH食は塩分と炭水化物を控えて、カリウム・カルシウム・マグネシウムと食物繊維、タンパク質を増やすという内容です。この3つのミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム)は塩分(ナトリウム)を排泄する効果があります。

細胞内のナトリウム濃度が上がるとそれを薄めようとして血液に水分が入り、循環血液量が増え、血圧が上がります。この原理からナトリウムを排泄することは血圧を下げることに繋がります。


また、カリウム・カルシウム・マグネシウムはどれか1種類だけ摂れば良いわけでなく、3つのミネラルをバランスよく摂ることが大切です。
ミネラル豊富な食材としては、野菜や果物、海藻類やナッツ、大豆製品などがありますが、大豆製品はこの3つのミネラルをバランスよく含む食材です。


DASH食に加えて食材の持つ降圧効果を利用することもおすすめです。そばに含まれる「ルチン」というポリフェノールは血管を丈夫にして、血圧と血糖値を下げる作用があります。

イカやタコに含まれる「タウリン」は、腎臓の働きを促進して血圧を正常にする働きがあります。飲み物では緑茶がおすすめです。緑茶に含まれるGABAやカテキンに血圧を下げる働きがあります。

力みすぎには要注意
高血圧を予防・改善するための運動

高血圧を予防、改善する運動としては全身を使う有酸素運動が適しています。普段の生活の中で可能な散歩やウォーキング、ストレッチなどを無理のない範囲で行うこと良いでしょう。

ストレッチで筋肉と一緒に血管を伸ばして、血液が流れやすい状態になると、血圧の低下にもつながります。

重いものを持ち上げる運動や、負荷が大きく息をつめて力む運動は急に血圧が上昇し、心臓に負担がかかるため高血圧の対策としては適していません。

その他高血圧を予防改善するための生活習慣

食事や運動以外での高血圧対策としては以下のようなものがあります。

・深呼吸やゆったりとした腹式呼吸
高血圧の人は呼吸が浅く回数が多い傾向にあります。腹式呼吸のような深い呼吸をすると血圧を下げる生理活性物質が多く作られるようになります。
また、深い呼吸には自律神経の作用を整える効果があります。吐く息を長くすることにより、副交感神経が優位になり血圧が下がることが報告されています。

・良質な睡眠をとる
寝不足になると、交感神経が刺激されるため、血管が収縮して心拍出量が増加し、血圧が上がりやすくなります。

・急激な温度変化を減らす
血圧は温度の変化に敏感で、温度差が10度以上ある場所の移動で急激に体を冷やすと末梢神経が収縮して血圧が上がります。
特に首の後ろは温度の変化に敏感なため、寒い日などは外出の時だけでなく、室内でも首を温めておくことが大切です。

まとめ

高血圧は動脈硬化を招き、多くの病気の原因になります。しかし、高血圧の原因は生活習慣によるものが大きいため、生活習慣の見直しをすることで血圧を下げることが可能です。

まずできることから日頃の生活を見直し、高血圧の予防と改善に取り組んでみましょう。