生活習慣ケアコラム

血糖値とは何か?
正常値、上昇する仕組みを分かりやすく解説

血糖値は身体の健康を測る上で重要な指標となります。今回は血糖値の変動や正常値などの血糖値の基本を解説します。

血糖値が高いことにより進行する糖尿病やその対策等についてもまとめて紹介していきます。


<監修>医師 井上智介先生
島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び臨床研修を修了する。
平成26年からは精神科を中心とした病院にて様々な患者さんと向き合い、その傍らで一部上場企業の産業医としても勤務している。

目次

空腹時と食後では値が違う?血糖値とは何か

血液中のグルコースの濃度を、血糖値といいます。
私達は、生きていくうえで食事をします。その食事には、パンやご飯、麺など炭水化物が含まれます。

この炭水化物である糖分は、体の中で消化吸収されて、ブドウ糖(グルコース)になり、血液中に入って体のエネルギーになっていきます。その血液中のグルコースの濃度が血糖値というわけです。

そのため、健康な人であっても、空腹時と食後の血糖値は変わってきます。
ただし、健康的な人は、血糖値は一定の幅で変化しますが、糖尿病の人であれば、その振れ幅が大きくなって、異常な高血糖にもなりえます。

血糖値の正常値と上昇する仕組み

健康な人は、食事で血糖値が上昇しても、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されて、血糖値が過剰に上がり過ぎずに、上限140 mg/dLを目安としてコントロールされています。

そして、食事が終了してから2時間程経過すると、血糖値は空腹時の値にあたる70-110mg/dLに戻ります。

しかし、糖尿病と言われる人は、このインスリンの分泌の量が少なかったり、インスリンの反応が悪かったりして、食後2時間経過しても、血糖値が下がらない状態が続きます。

食後高血糖とは何か

健康診断などで、血糖値を測定する時は、食事前に測定することが多いですね。
そのため、自分の食後の血糖値を把握していない人も多いのが現状です。

空腹時の血糖値が正常範囲であり、糖尿病の診断を受けていない人でも、食後に140 mg/dL以上に上昇している人もいます。

このように食後に血糖値が上昇すると、細胞から有害な活性酸素が発生して、最終的には血管の動脈硬化を進行させます。その結果、血管の壁が壊れて切れたり、詰まりやすくなったりと、危険な状態になります。

血糖値を下げるために必要な食事・生活習慣

食後の高血糖を防ぐために、糖質がゆっくりと吸収される食材を選びましょう。
その判断基準として、GI(グリセミック・インデックス)という指標があります。
これは、その食材の炭水化物50gを摂取した時に、どれくらいのスピードで血糖値が上がるかを示した数値です。

血糖値の上昇率が一番高いグルコースを100とした時の、血糖値の上昇率を数値で表します。
食後の血糖値を上げないためには、ゆっくりと糖質が吸収されることが望まれるので、GI値が低い食材を選択することになります。

例えば、ほとんどの魚介類、豆類、野菜類、海藻類が低GIです。
また麺類でも、うどんやパスタより、蕎麦のほうが低GI値であり、低GI値の全粒粉を使ったパスタ、パンもあります。1つの基準として、GI値55以下の食材を選ぶようにしましょう。

血糖値が低いことは問題なのか

血糖値が低いことは、かなり大きな問題になります。
血糖値が70mg/dL以下であると、交感神経が刺激されるような症状が出てきます。
例えば、動悸や冷や汗、指が震えたり、気持ちが悪くなったりします。

さらに血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの重要な臓器がエネルギー不足の状態になります。
その結果、意識が朦朧としたり、何回もあくびが出たり、頭痛やめまいがひどくなったりします。
さらに血糖値が低下してしまうと、痙攣や、完全に意識が無くなることもあります。

高い値だけに注意しがちな血糖値ですが、低すぎないかにも注意を払うようにしましょう。

まとめ

血糖値が高い場合、初期の段階では自覚症状もないため、健康診断などで指摘されても放置してしまっている方も多いのではないでしょうか。

しかし、血糖値が高い状態が続くと血管へのダメージが大きくなり、最終的には、脳や心臓などの血管に悪い影響がでる可能性が上がります。

だからこそ、何かあってからでは遅く、早めに対処する必要があります。血糖値をもっと身近なものと捉えてみてください。