血圧について詳しく知ろう

血圧について詳しく知ろう 血圧について詳しく知ろう

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行しやすい病気の一つです。女性は男性に比べて健康診断の受診率が低く、高血圧になるまで気づかないこともしばしば。
血圧高めの状態になったら対策をすることが重要です。

血圧とは?

血圧とは、心臓が血液を動脈に送り出すときの圧力のことです。血圧は常に変動しています。変動は大きく分けて次のような要因によって起こります。

●1日の変動……
血圧は、朝、起床時に大きく上がり、昼食時にピークに達します。夕方以降少しずつ低下し、睡眠時は最も低い状態で安定します。

●日常的な行動……
運動時はもちろん、食事や飲酒、入浴、トイレなど日常的な行動でも血圧が上がります。喫煙、ストレス、喜怒哀楽などの興奮状態でも上がります。

●環境……
寒暖の差が大きい(温度差10度以上)のときや季節の変わり目、冬の寒さによるストレスなどで血圧は上がります。冬のお風呂場など、冬場は体温をのがさないよう血管が収縮しやすいため、急激に血圧が上昇することもあります。

血圧の変動幅は、通常10~30mmHgです。
しかし、血圧の高い人や高齢者ほど、血管の弾力性がなく、血圧の上昇が起こりやすい傾向にあるので、十分な注意が必要です。

血圧が高くなると

血圧が通常より高い状態が続くことを高血圧と言います。

血管をホースで例えるならば、通常の血圧が自然にホースから水が出ている状態とすると、高血圧はホースをぐっと握って勢いよく水が出ている状態と言えます。高めの血圧が血管に負担がかかることがお分かりいただけるでしょう。

年齢と共に血管の老化が進むと、血管の弾力がなくなり血圧は上がりやすくなります。高めの血圧を放置すると血管の老化に拍車をかけ、動脈硬化などを招く原因になります。

40歳を過ぎたら血圧が上がらないようにコントロールし、血管の若さを保つセルフケアを始めましょう。

血圧の分類

【収縮期血圧と拡張期血圧】

血圧を血圧計で測ると、2種類の数字が表示されるのはご存知でしょうか?

数字の大きい方(上の血圧・最高血圧)は心臓が収縮した時の血圧(収縮期血圧)で、数字の小さい方(下の血圧・最低血圧)は心臓が膨らんだ時の血圧(拡張期血圧)です。
心臓が収縮した時に動脈に圧力がかかるため血圧の数字が大きくなり、心臓が拡張した時には動脈は元に戻るので血圧の数字は小さくなります。

【診察室血圧と家庭血圧】
血圧は、測る状況や場所などによって変わりやすいため、診察室で測る場合の基準となる「診察室血圧」と、家庭で日々測る場合の基準となる「家庭血圧」の2つの基準が設けられています。

診察室血圧については、正常血圧は収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満とされ、高血圧は収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上で診断されます。(高血圧治療ガイドライン2019)

高血圧は、心臓や血管など循環器にかかわる病気が発症する可能性が高まっている状態ですが、年齢が若かったり、高血圧以外に病気と診断されていない場合は、高血圧と診断される数値でも低リスクと判断される場合もあります。

しかし、生活習慣病や循環器等に疾患があると、高血圧を下回る高値血圧(診察室血圧で収縮期血圧130~139mmHgまたは拡張期血圧80~89mmHg)でも高リスクと判定されます。


高血圧と診断されない数値だから、と、安心するのは危険です。
正常血圧の方は、血圧が上がらないような生活の維持を、正常血圧を超えてしまったら、生活習慣を見直し、血圧を下げる取り組みを始めましょう。

診断室血圧と家庭血圧 診断室血圧と家庭血圧

高めの血圧を対策する

高めの血圧を対策するには、食事や運動、ストレス解消が重要です。

太りすぎないように適正体重を維持すること、適度な運動など生活習慣の改善はもちろん、最大の危険因子とされる塩分の摂り過ぎにご注意を!

食生活を工夫し上手に塩分をコントロールするようにしましょう。