生活習慣ケアコラム

血糖値について

血糖値が高いと、動脈硬化などさまざまな病気を併発することがあります。予防・改善には、こまめに運動し、過食を避けることが大切です。
糖の吸収を抑える食物繊維を積極的に摂り、バランスのよい食事を心がけましょう。

目次

血糖値が高くなると?

エネルギーとして使われなかったブドウ糖が血液中にあふれる状態、高血糖の状態が続くと糖尿病となります。

空腹時血糖値が126mg/dL以上の場合、また、2時間後血糖値が200mg/dL以上の場合は、糖尿病と診断されます。
ただし、空腹時血糖値が110~126mg/dL未満、2時間後血糖値が140~200mg/dL未満の場合は境界型とされ、放っておくと糖尿病に移行する可能性が高くなります。

血糖値がやや高め程度だからと軽視せず、必ず早めに治療や改善を始めてください。糖尿病克服の第一歩は、本人だけでなく、家族とともに糖尿病に対する正しい知識を持つことです。

血糖値対策は「血糖値やや高め」から

血糖値が正常値内の場合でも、100mg/dLを超えると注意が必要です。
血糖値とは、血液中を流れるブドウ糖の量のこと。

早朝、空腹時の測定値が110mg/dL未満であること、また、空腹時にブドウ糖溶液を飲み、2時間後の測定値が140mg/dL未満で正常型とされます。

>> 高血糖とは

高血糖の怖さとは?

高血糖とは、ブドウ糖の血中濃度が高い状態のことを言います。

高血糖になると、血中の糖が全身の血管を傷つけ、動脈硬化を引き起こします。健康な人の場合、食後に血糖値が上昇してもインスリンの働きによって徐々に下がっていきます。
しかし、インスリンの分泌量が足りなかったり働きが悪いと、血液中に流れるブドウ糖を肝臓や筋肉などの細胞に取り込みにくくなります。するとブドウ糖が増え続けて高血糖状態となります。そのとき膵臓はより多くのインスリンを分泌しようと懸命に働きますがだんだん疲弊し、インスリンの分泌機能が衰えます。

結果として血液中のブドウ糖が増え過ぎてしまい、糖尿病にいたるのです。


血液中のブドウ糖の過剰な増加は、血管の内側を傷つける原因となる活性酸素の発生を促進します。傷ついた血管内膜にコレステロールなどがたまり、血管壁が厚く硬くなると動脈硬化につながります。

高血糖の怖さは、全身の血管に負担をかけ、腎臓、末梢神経などの病気や、動脈硬化による心臓や脳の病気を併発することにあるのです。


【高血糖による動脈硬化のメカニズム】
●分泌されたインスリンが正常に働く、健康な状態
 ⇒ブドウ糖が細胞に取り込まれ、エネルギーとなる

●インスリンが十分に分泌されない、働きが悪い状態
 ⇒ブドウ糖の増え過ぎが活性酸素の発生を促進し、血管内膜を損傷
 ⇒傷ついた血管内膜にコレステロールなどがたまる
 ⇒血管壁が硬く厚くなり、動脈硬化が進行する


高血糖の発症には、肥満や食べ過ぎ、運動不足、ストレス過多など、生活習慣が深く関係していると言われます。
遺伝的な要因の場合もありますが、生活習慣の乱れは血糖値をコントロールするインスリンの働きを悪化させ、血糖値が上がりやすい状態へみちびきます。

糖尿病の治療について

【糖尿病の診断法】
病院では糖尿病の診断にあたって、おもに次の2つの検査を行います。

空腹時血糖値…
早朝、空腹のまま採血して血糖値を測定。
110mg/dL未満が正常型。

随時血糖値…
空腹時にブドウ糖溶液を飲み、2時間後に血糖値を測定。140mg/dL未満が正常型。

空腹時血糖値が126mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上の場合、糖尿病と診断されます。
また、糖尿病ではありませんが、放っておくと糖尿病に移行する可能性が高いのが境界型。境界型は空腹時血糖値が110~126mg/dL未満、随時血糖値が 140~200mg/dL未満です。


【糖尿病治療の基本は】
糖尿病は高脂肪食や過食、運動不足、過度のストレスなどが関わって発症する病気です。
これらの生活習慣を改善し、きちんと血糖値をコントロールすれば、健康な人と変わらない日常生活を送ることができます。

ですから、糖尿病の治療は「食事療法」と「運動療法」が基本となります。これらによって改善しない場合は「薬物療法」を行います。


【食事対策】
食事対策というと「制限が多く、空腹を我慢するのがつらい」というイメージを持つ人が多いようですが、適正なエネルギー量で栄養バランスのとれた食事を3食きちんと摂る「健康食」が、食事対策の基本です。

まず、主治医に相談して、1日に摂取してよいエネルギー量を決めます。その上で、糖質、タンパク質、脂質の3大栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、食物繊維を十分に摂ることが大切です。

糖尿病の食事対策をスムーズに行うために、次のことを心がけてください。

・毎食ごとに野菜や食物繊維の多い食物(海藻、きのこなど)をたっぷり摂る。
・甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない。
・果物を食べ過ぎない。
・素材の味を生かした薄味にする。
・アルコールは適量に。
・多いと感じたら残す。
・ひとり分ずつ、取り分けて食べる。
・ながら食い、まとめ食いはやめる。
・よく噛み、ゆっくり食べる。
・朝・昼・夕食をきちんと摂り、ほぼ等しいエネルギーを摂取するようにする。
・遅い夕食は避け、就寝前の3時間は食べない。
・おもな食品のエネルギーを知る。

正しい対策のために

【必要エネルギーの求め方】
正しく食事対策を行うためには、自分の適正体重と日常生活に合った必要エネルギーを把握することが大切です。そのためには、自分の適正体重を知っておきましょう。

適正体重(kg)=身長(m)の二乗×22
例)身長が160cmの人の場合…… 1.6(m)×1.6(m)×22=約56(kg)

必要エネルギーは標準体重と、体を動かす程度(身体活動量)によって決まります。

必要エネルギー(kcal)=標準体重(kg)×身体活動量(kcal)

軽いデスクワークがおもな人、幼児がいない専業主婦など、座っていることが多い仕事25~30kcal
中くらいサービス業、育児中の主婦など、立っていることが多い仕事30~35kcal
やや重い農耕作業、建設業、運搬業など、肉体労働を行う仕事35~40kcal
重い建設作業現場、スポーツ選手など、重い肉体労働を行う仕事40kcal~

例)身長が160cmのデスクワークの人の場合……56(kg)×25(kcal)=1400 kcal 1日に約1400kcalのエネルギー摂取が必要となります。このエネルギー量に従い、栄養バランスのとれた食事を摂るようにしましょう。


必要エネルギー早見表
身長
(cm)
標準
体重
(kg)
×20
kcal
/kg
×25
kcal
/kg
×30
kcal
/kg
×35
kcal
/kg
15049.5990124014901730
15552.91060132015901850
160 56.31130141016901970
16559.91200150018002100
170 63.61270159019102220
17567.41350169020202360
18071.31430178021402500


運動は肥満を解消し、ブドウ糖の消費を高めて血糖値を下げるとともに、インスリンの働きを活性化する効果があります。

さらに、血液循環や心肺機能を促進したり、ストレス解消にも有効です。場所を選ばず、ひとりで続けられる、ウォーキングなどの運動を選びましょう。運動の強さは「少し 汗ばみ、隣の人と楽に会話できる程度」が目安です。

運動の効果は約2日間持続するので、最低でも1日おきに行うようにしましょう。

また、筋肉を鍛えると基礎代謝が高まり、日常生活の中でもカロリーが自然と消費されやすい体質をつくることができます。ウォーキングだけでなく、ダンベルや腹筋・背筋運動などを取り入れるのもおすすめです。

ただし、血糖値が著しく高い場合や、すでに合併症が進行している人は控える必要があります。まずは主治医に相談してください。