生活習慣ケアコラム

食後に血圧が下がる?
食後低血圧の原因と症状、治療方法

食後に血圧が下がることを食後低血圧と呼びます。めまいなどの症状が出ることもあります。
食後低血圧は食事の見直しで予防することもできます。今回は食後低血圧の原因と対策について専門家に伺いました。

<監修>医師 新道 悠先生
千葉大学医学部卒業。
2018年までは福岡県の病院で総合診療医として内科全般を専門に地域医療に貢献。
その後、米国の医師免許を取得し、2019年からは米国のニューヨーク マンハッタンにある病院にて内科医師として勤務。
米国内科学会、日本プライマリケア学会所属。

目次

正しい血圧測定方法と血圧の推移

最近は、自宅や職場などで日頃から血圧測定を行っている方も多くなっていると思います。自動血圧計の使用方法は簡単ですが、正しい測り方をしないと、せっかく血圧を測っても正確な値が得られないので、以下の3つの注意点を測定時に確認しましょう。

① 血圧計のカフ(腕に巻く部分)を心臓の高さに保つ
血圧の正確性を高めるため、腕で測定するもの(手首の血圧計ではなく)を使用しましょう。

② 安静座位の状態で測定する
血圧は1~2分の間隔をおいて2回測定し、平均値を血圧値とします。

③ 環境の調整
血圧を測るときには静かな環境を整え、適温室温(暑すぎず寒すぎず)に調節しましょう。背もたれがある椅子に足を組まずに座りましょう。(足を組むと血圧は上がります) 会話をしないように気をつけましょう。測定前に喫煙・飲酒・カフェイン摂取しないように心がけましょう。

血圧は1日の中でも時間帯によって変動します。正常の場合、夜間の血圧は昼間の覚醒時に比較して、10~20%低下するとされています。このように時間帯によって血圧は変動しやすいので、自宅で血圧を測定する場合は一定の時間帯に測ることが望ましいです。

血圧の測定は、一般的には朝(起床後1時間以内、排尿後、朝の食事/内服前)と夕(就寝前)の測定が推奨されています。

食後に血圧が下がる食後低血圧とは?原因と症状

比較的稀ではありますが、食後に血圧が下がりやすい傾向の方がいます。これは「食後低血圧」と呼ばれ、食後1~2時間の間に収縮期血圧(血圧の上の方)に20mmHg以上の低下が見られます。

一般的には糖尿病の患者さん、ご高齢の方、その他の自律神経の障害のある方などで見られることが多いです。

食後に消化のために消化器系へ血液が移動した後、本来ならば交感神経(自律神経の一つ)が作動して血圧を保ちますが、この自律神経の反応がうまく機能せず血圧が下がることが原因と考えられています。

そのほかにも、食後のインスリンや、血管作動性の消化管ペプチドの放出が血管抵抗性を下げることで、血圧が下がるなどの原因も可能性があるとされています。

血圧が下がっていても無症状の方もいますが、ふらつき・めまい感・失神・転倒などの症状が出現する可能性があります。

食後低血圧の治療方法

食後の血圧低下が頻繁に起こる場合には、まず食事の見直しから行っていきます。
食事の際には、以下のような点に気をつけましょう。

・過度の量の食事摂取を避ける
・炭水化物を少なめにする
・アルコールの摂取を避ける
・食事と一緒に飲水も心がける
・食べた直後の急な起立や活動を避ける

そのほかにも、体の小さいご高齢の方などでは、脱水傾向があると血圧が下がりやすくなるので、こまめな水分補給を心がけることも重要です。

そして、他の病気などで血圧を下げやすくする薬(利尿薬、降圧薬、狭心症薬、前立腺肥大薬、抗うつ薬など)を飲んでいる場合は、状況に応じて、薬の調整も必要になります。担当の医師にも相談すると良いでしょう。

食後に血圧が上がるケースもある?高血圧の要因と種類

食後の血圧低下について述べましたが、実際には高血圧をお持ちの方の方がずっと多いと思います。

高血圧の要因としては、加齢・肥満・塩分の過剰摂取・アルコールの過剰摂取・運動不足などの生活習慣などが原因の「一次性高血圧症」と、腎疾患、睡眠時無呼吸症、内分泌疾患、薬剤などによる原因で血圧が上がる「二次性高血圧症」に分類されます。

よく見られるのは「一次性高血圧症」の方です。この一次性高血圧症を改善するには生活習慣の見直しを行うことが重要です。それでも血圧がなかなか下がらない場合は別の原因である可能性があるため、病院での検査が必要です。

まとめ

今回は、食後低血圧をテーマに、血圧の正しい測定の仕方や、食後低血圧の原因・症状・対応方法などをまとめました。食後低血圧の症状のある方は、その改善に向けて参考にしてみてください。