生活習慣ケアコラム

頭痛や肩こりは要注意?
高血圧の自覚症状とリスクを解説

高血圧は自覚症状が少ないですが、合併症が発症すると頭痛をはじめ、動悸や息切れなどの症状が出てきます。
高血圧による自覚症状がどのような病気と関係があるのか、専門家に詳しく伺いました。


<監修>医師 井上智介先生
島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び臨床研修を修了する。
平成26年からは精神科を中心とした病院にて様々な患者さんと向き合い、その傍らで一部上場企業の産業医としても勤務している。

目次

頭痛や吐き気は要注意?高血圧の自覚症状を解説

高血圧そのものでは、自覚症状がないことが多いのですが、合併症のリスクが高まっている時には症状が表に出てきやすくなります。自覚症状としてよく見られるのは、動悸、息切れや、手足のむくみです。


この理由として、高血圧が続くことで、全身の動脈硬化が進行し、心臓はいつも以上に強い力で全身に血液を送り出すことが必要になります。そのため、徐々に心臓の筋肉が分厚くなり、心肥大と言われる状態になります。


心臓が活動を続けるには、肥大した筋肉に対して、酸素や栄養がより必要になりますが、供給量は変わらないので、相対的には不足してしまいます。そして最終的には心臓の機能が低下します。これが“心不全”と言われる状態です。心不全の結果、動悸、息切れや手足のむくみ等を感じることがあるのです。

高血圧性頭痛とは

一般的な高血圧だけであれば、頭痛や吐き気が起こることはありません。しかし、急激な異常高血圧によって、脳への障害が引き起こされる“高血圧性脳症”では、頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状が起こります。


一気に異常な高血圧が進行すると、脳内の血圧を調整する機能が破綻します。それが脳へと負担となり、脳がむくむことで、頭痛や吐き気などの症状がでます。


もちろん、脳以外にも、腎臓や心臓などの全身の臓器に影響が出て重篤な状態になることもあるので、超緊急に血圧を下げる必要があります。

高血圧を予防、改善する方法

高血圧の予防改善には、たとえ降圧薬を服用していても、生活習慣の改善が必要です。主に改善が必要な以下6点について説明します。


①食塩制限
食塩の摂りすぎが血圧の上昇と関連することは、とても有名です。平成29年の国民健康・栄養調査では、男性10.8g/日 女性が9.1g/日を摂取していると報告されていました。しかし、高血圧治療ガイドライン2019において、高血圧の治療改善には、6g/日未満を目標とすることが推奨されています。


② カリウムの摂取
カリウムはナトリウム(食塩)による血圧の上昇を防止する形で働くので、カリウムを十分に摂取することで、血圧が下がることが期待されます。特に、野菜や果物を積極的に摂取して下さい。ただ糖尿病や腎臓疾患などでカリウムの摂取が制限されている場合は、主治医の指示のもと調整してください。


③適正体重の維持
肥満と高血圧の関係もとても有名であり、各個人のBMI値を、正常範囲に維持することが大切になります。具体的には、BMIが25以上にならぬように、適正体重を維持することが高血圧の予防・改善につながります。


④適切な運動
高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の予防・改善には、軽く息が弾む程度のペースで、早歩きやスロージョギング、ランニングのように有酸素持久性動的運動が推奨されます。


⑤アルコールの制限
アルコールの摂取は、長期に続けると血圧を上昇させる作用があります。 そのため最低でも週2回の休肝日を取りながら適正量を嗜むことが、高血圧の予防・改善になります。


⑥禁煙
タバコを吸う事で、交感神経の活動が活発になり、血管が収縮します。慢性的に続くと、動脈硬化が促進され、その結果高血圧に至ります。それを防ぐために、禁煙が高血圧の予防・改善になります。

まとめ

血圧は身近に血管の状態を測ることができる指標です。高血圧という状態だけでは、そこまで日常生活に影響が出るほどの自覚症状はないかもしれません。


しかし、一度合併症が出た時は、それが命を落とす疾患である可能性もあります。そのためにも、生活習慣の改善を続けて、高血圧を予防、改善をしてみましょう。