内臓脂肪を減らすためには、どのようにすればよいのでしょうか?「太る」には、必ず理由があります。「食事量」や「運動量」など、今の太りやすい生活習慣を見直すことで、やせるヒントが見つかります。まずはセルフチェックをして、自分の肥満の原因を探ることが第一歩。誰でも簡単に取り組める、4つの改善法も紹介します。
内臓脂肪を減らすためには、どのようにすればよいのでしょうか?「太る」には、必ず理由があります。「食事量」や「運動量」など、今の太りやすい生活習慣を見直すことで、やせるヒントが見つかります。まずはセルフチェックをして、自分の肥満の原因を探ることが第一歩。誰でも簡単に取り組める、4つの改善法も紹介します。
監修
監修
結核予防会 総合健診推進センター所長
宮崎 滋 先生(みやざき・しげる)
結核予防会 総合健診推進センター所長
宮崎 滋 先生(みやざき・しげる)
1971年東京医科歯科大学医学部卒業。医学博士。糖尿病、肥満症、メタボリックシンドロームの治療に従事。東京医科歯科大学医学部臨床教授、東京逓信病院外来統括部長・内科部長・副院長を経て2015年より現職。日本内科学会認定医・指導医、日本肥満学会副理事長・評議員など。編著書は『ダイエットの方程式』(主婦と生活社)、『肥満症教室』(新興医学出版社)など多数。
1971年東京医科歯科大学医学部卒業。医学博士。糖尿病、肥満症、メタボリックシンドロームの治療に従事。東京医科歯科大学医学部臨床教授、東京逓信病院外来統括部長・内科部長・副院長を経て2015年より現職。日本内科学会認定医・指導医、日本肥満学会副理事長・評議員など。編著書は『ダイエットの方程式』(主婦と生活社)、『肥満症教室』(新興医学出版社)など多数。
内臓脂肪を減らすためには、なぜ内臓脂肪がついてしまったのか、内臓脂肪がついた原因から探る必要があります。内臓脂肪がついたことには理由があり、その答えは自分の行動にあります。自分の生活習慣を振り返り、当てはまるものをチェックしてみましょう。
【食習慣】
□ 早食い
□ 満腹になるまで食べる
□ 朝食を抜くことが多い
□ 外食や弁当が多い
□ 濃い味や脂っこい味が好き
□ 晩ごはんの量が多い
□ 夜遅く食べることがある
□ 間食をする
【生活リズム】
□ 寝不足
□ 昼夜逆転など寝る時間がまちまち
□ ストレスが多い
□ 喫煙している
□ 家族も太っている
【身体活動】
□ 運動不足
□ デスクワーク中心
□ テレワークなど、ほとんど家から出ない生活
□ 通勤の駅などではエスカレーターを使い、階段は使わない
□ 体を動かすのが好きではない
あなたは幾つチェックがついたでしょうか。チェックが多かったものに、内臓脂肪が増えた原因のヒントがあります。
内臓脂肪を減らすためには、なぜ内臓脂肪がついてしまったのか、内臓脂肪がついた原因から探る必要があります。内臓脂肪がついたことには理由があり、その答えは自分の行動にあります。自分の生活習慣を振り返り、当てはまるものをチェックしてみましょう。
【食習慣】
□ 早食い
□ 満腹になるまで食べる
□ 朝食を抜くことが多い
□ 外食や弁当が多い
□ 濃い味や脂っこい味が好き
□ 晩ごはんの量が多い
□ 夜遅く食べることがある
□ 間食をする
【生活リズム】
□ 寝不足
□ 昼夜逆転など寝る時間がまちまち
□ ストレスが多い
□ 喫煙している
□ 家族も太っている
【身体活動】
□ 運動不足
□ デスクワーク中心
□ テレワークなど、ほとんど家から出ない生活
□ 通勤の駅などではエスカレーターを使い、階段は使わない
□ 体を動かすのが好きではない
あなたは幾つチェックがついたでしょうか。チェックが多かったものに、内臓脂肪が増えた原因のヒントがあります。
肥満の原因が分かったら、生活習慣の改善に取り組みましょう。
肥満の原因が分かったら、生活習慣の改善に取り組みましょう。
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
① 記録と振り返りの習慣
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
① 記録と振り返りの習慣
「食習慣」に多くチェックが入った人は、食べたものと体重を毎日記録してみましょう。
体重の記録が習慣化されると、どういう時に体重が増えるのか、何を食べると太るのかなど、肥満につながるよくない生活習慣が分かってきます。
休日の後に体重が増えている人は、休日にドカ食いしていませんか? 外食が続くと体重が増える人は、いつもより食べ過ぎているかもしれません。
毎日の体重の変化をグラフ化すると、その変化は一目瞭然。試しに、1週間の体重増減をグラフにしてみましょう。記録が面倒な人でも、自動でグラフ化してくれるスマートフォンのアプリなどもあるので、利用すれば簡単に始められます。
「食習慣」に多くチェックが入った人は、食べたものと体重を毎日記録してみましょう。
体重の記録が習慣化されると、どういう時に体重が増えるのか、何を食べると太るのかなど、肥満につながるよくない生活習慣が分かってきます。
休日の後に体重が増えている人は、休日にドカ食いしていませんか? 外食が続くと体重が増える人は、いつもより食べ過ぎているかもしれません。
毎日の体重の変化をグラフ化すると、その変化は一目瞭然。試しに、1週間の体重増減をグラフにしてみましょう。記録が面倒な人でも、自動でグラフ化してくれるスマートフォンのアプリなどもあるので、利用すれば簡単に始められます。
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
② 食事の習慣
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
② 食事の習慣
太る理由のほとんどは、摂取カロリーの量と消費カロリー量のバランスの崩れが原因です。食事の習慣は、以下の5つのコツで変えることができます。
●食品表示でエネルギー量を見る癖をつける
最初に、自分が日々の活動で消費する「基礎代謝量」から、1日の適正な摂取カロリー量を把握しておきましょう。それを超えないように食べる習慣が大切です。そんな時に役立つのが「食品表示」です。食品を買う際は、食品表示に記載されたエネルギー量を見る癖をつけましょう。
摂取カロリーを意識する習慣がつくと、コンビニで昼食を買う際も、高カロリーの「かつ丼」ではなく、栄養バランスの取れた「幕の内弁当」を選ぶなど、カロリーの摂り過ぎを防ぐことができます。
●ごはん大きめ一口分減らしてみる
食生活の改善におすすめの方法が、「ごはん一口分(大きめ)減らす」というもの。
たった1口分でも、毎食減らせば減量効果が期待できます。例えば、主食のご飯を毎食、「一口分(大きめ)」に相当する約50g(80kcal)減らします。これを30日続けると、1カ月後には脂肪約1kg(7200 kcal)分の減量が可能です。3カ月続けると、お腹やせの理想とされる「体重の3%減」を無理なく達成できます。
ごはんを残すのに抵抗がある方は、最初から1口分減らしておくか、小さめの茶わんに替えてみましょう。また、外食でも「ごはん少なめ」と注文するとよいでしょう。
●野菜から食べ、食物繊維を多く摂る
太る理由のほとんどは、摂取カロリーの量と消費カロリー量のバランスの崩れが原因です。食事の習慣は、以下の5つのコツで変えることができます。
●食品表示でエネルギー量を見る癖をつける
最初に、自分が日々の活動で消費する「基礎代謝量」から、1日の適正な摂取カロリー量を把握しておきましょう。それを超えないように食べる習慣が大切です。そんな時に役立つのが「食品表示」です。食品を買う際は、食品表示に記載されたエネルギー量を見る癖をつけましょう。
摂取カロリーを意識する習慣がつくと、コンビニで昼食を買う際も、高カロリーの「かつ丼」ではなく、栄養バランスの取れた「幕の内弁当」を選ぶなど、カロリーの摂り過ぎを防ぐことができます。
●ごはん大きめ一口分減らしてみる
食生活の改善におすすめの方法が、「ごはん一口分(大きめ)減らす」というもの。
たった1口分でも、毎食減らせば減量効果が期待できます。例えば、主食のご飯を毎食、「一口分(大きめ)」に相当する約50g(80kcal)減らします。これを30日続けると、1カ月後には脂肪約1kg(7200 kcal)分の減量が可能です。3カ月続けると、お腹やせの理想とされる「体重の3%減」を無理なく達成できます。
ごはんを残すのに抵抗がある方は、最初から1口分減らしておくか、小さめの茶わんに替えてみましょう。また、外食でも「ごはん少なめ」と注文するとよいでしょう。
●野菜から食べ、食物繊維を多く摂る
食事の順番にもコツがあります。「野菜→肉や魚→ごはんなどの主食」の順に食べましょう。最初にたっぷりの野菜を食べると、主食に入る前にお腹が膨れるため、その後の食事の量が減って、食べ過ぎを防げます。
また、野菜の水溶性食物繊維が水に溶け、その後に食べた物の吸収が穏やかになるため、血糖値が緩やかに上がって緩やかに下がることになり、空腹が長時間抑えられます。
●よくかんで食べる
「早食い」は食べ過ぎの元です。早食いを防ぐためにも、かむ回数を意識的に増やしましょう。よくかむことで、腹八分目でも満腹に感じられます。一口ごとに箸を置いて、ゆっくり食べるのを意識することも効果的です。
●お酒は適量以内、毎日飲まない
お酒は適量であれば飲んでも構いませんが、飲み過ぎたり、夜遅くに「酒のつまみ」を同時に摂っていたりすると、脂肪がつきやすくなります。
「お酒は適量以上に飲まない」「毎日飲まず、週2、3日は休肝日を設ける」など、お酒とのつき合いを工夫しましょう。また、お酒の合間に飲む「チェイサー」として、お酒と同量の水を用意して、お酒と同量の水分を摂る習慣をつけましょう。
食事の順番にもコツがあります。「野菜→肉や魚→ごはんなどの主食」の順に食べましょう。最初にたっぷりの野菜を食べると、主食に入る前にお腹が膨れるため、その後の食事の量が減って、食べ過ぎを防げます。
また、野菜の水溶性食物繊維が水に溶け、その後に食べた物の吸収が穏やかになるため、血糖値が緩やかに上がって緩やかに下がることになり、空腹が長時間抑えられます。
●よくかんで食べる
「早食い」は食べ過ぎの元です。早食いを防ぐためにも、かむ回数を意識的に増やしましょう。よくかむことで、腹八分目でも満腹に感じられます。一口ごとに箸を置いて、ゆっくり食べるのを意識することも効果的です。
●お酒は適量以内、毎日飲まない
お酒は適量であれば飲んでも構いませんが、飲み過ぎたり、夜遅くに「酒のつまみ」を同時に摂っていたりすると、脂肪がつきやすくなります。
「お酒は適量以上に飲まない」「毎日飲まず、週2、3日は休肝日を設ける」など、お酒とのつき合いを工夫しましょう。また、お酒の合間に飲む「チェイサー」として、お酒と同量の水を用意して、お酒と同量の水分を摂る習慣をつけましょう。
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
③ 生活リズムの習慣
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
③ 生活リズムの習慣
肥満は、1日の生活リズムとも深くかかわっています。下記のポイントを意識して、規則正しい生活に変えていきましょう。
●睡眠で生活リズムを整える
睡眠と肥満の関係については、様々な研究が行われており、睡眠時間が少ない人ほど肥満リスクが高い※ことが明らかになっています。
睡眠のリズムが崩れると、自律神経やホルモン分泌に異常を来し、高カロリーで脂肪・糖質の多い食べ物が欲しくなって、食べる量も増えてしまうのです。睡眠不足も太る元だということを知り、生活リズムを整えていきましょう。
肥満は、1日の生活リズムとも深くかかわっています。下記のポイントを意識して、規則正しい生活に変えていきましょう。
●睡眠で生活リズムを整える
睡眠と肥満の関係については、様々な研究が行われており、睡眠時間が少ない人ほど肥満リスクが高い※ことが明らかになっています。
睡眠のリズムが崩れると、自律神経やホルモン分泌に異常を来し、高カロリーで脂肪・糖質の多い食べ物が欲しくなって、食べる量も増えてしまうのです。睡眠不足も太る元だということを知り、生活リズムを整えていきましょう。
※出典: Ness et al.JLR 2019;60(11):1935-1945
※出典: Ness et al.JLR 2019;60(11):1935-1945
●脂肪がつきやすい時間帯の食事を避ける
●脂肪がつきやすい時間帯の食事を避ける
人間に備わっている体内時計の仕組みを食生活に応用した「時間栄養学」によると、肥満には「食べる時間」が大きく関係しています。同じものを同じ量食べたとしても、時間帯によって脂肪がつきやすい時間帯と、そうでない時間帯があるのです。
内臓脂肪を減らしたければ、夕食はできるだけ21時までに済ませましょう。特にNGなのが「寝る前に食べる」ことです。仕事の都合で、どうしても帰宅が遅くなる人は、夕方に少し食べて、帰宅後は軽く済ませる「分食」をするとよいでしょう。
●禁煙、ストレスを軽減する
「たばこをやめると太る」という思い込みは誤りです。喫煙者に肥満が多いという研究結果があり、喫煙はむしろ内臓脂肪蓄積のリスクを増大させます。内臓脂肪ダイエットを機に、禁煙に取り組みましょう。
また、ストレスや心配事が多いと、食べることでストレスを解消しがちです。思い当たる人は、散歩や趣味など、食べる以外の楽しみを見つけて、食べ過ぎを防ぎましょう。
人間に備わっている体内時計の仕組みを食生活に応用した「時間栄養学」によると、肥満には「食べる時間」が大きく関係しています。同じものを同じ量食べたとしても、時間帯によって脂肪がつきやすい時間帯と、そうでない時間帯があるのです。
内臓脂肪を減らしたければ、夕食はできるだけ21時までに済ませましょう。特にNGなのが「寝る前に食べる」ことです。仕事の都合で、どうしても帰宅が遅くなる人は、夕方に少し食べて、帰宅後は軽く済ませる「分食」をするとよいでしょう。
●禁煙、ストレスを軽減する
「たばこをやめると太る」という思い込みは誤りです。喫煙者に肥満が多いという研究結果があり、喫煙はむしろ内臓脂肪蓄積のリスクを増大させます。内臓脂肪ダイエットを機に、禁煙に取り組みましょう。
また、ストレスや心配事が多いと、食べることでストレスを解消しがちです。思い当たる人は、散歩や趣味など、食べる以外の楽しみを見つけて、食べ過ぎを防ぎましょう。
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
④ 身体運動を増やす習慣
【内臓脂肪を減らす生活習慣】
④ 身体運動を増やす習慣
食事量を減らすと同時に、体を動かす時間を増やす習慣も大切です。
●座っている時間を減らし、テキパキ動く
テレビやエアコンのリモコンなど、必要なものを全て手に届く範囲にそろえて、1日のほとんどを歩かずに過ごしていると、太っても仕方がありません。
特別な運動を始めるよりも、まずはいつもの生活を見直して、活動量を増やしましょう。今より座っている時間を減らし、体を動かす時間を増やすだけでも、やせやすい習慣が身につきます。まずは、「座ってばかりいないで立ち上がる」「面倒くさがらずにテキパキ動く」ことから始めてみましょう。
●ながら運動をする
食事量を減らすと同時に、体を動かす時間を増やす習慣も大切です。
●座っている時間を減らし、テキパキ動く
テレビやエアコンのリモコンなど、必要なものを全て手に届く範囲にそろえて、1日のほとんどを歩かずに過ごしていると、太っても仕方がありません。
特別な運動を始めるよりも、まずはいつもの生活を見直して、活動量を増やしましょう。今より座っている時間を減らし、体を動かす時間を増やすだけでも、やせやすい習慣が身につきます。まずは、「座ってばかりいないで立ち上がる」「面倒くさがらずにテキパキ動く」ことから始めてみましょう。
●ながら運動をする
座ってテレビを見ずに、踏み台昇降をしながら見る、歯磨きをしながらかかと上げ……など、何かをするついでに体を動かす「ながら運動」を習慣にしましょう。
掃除や洗濯物干しといった家事の時間も、運動の時間に変えることができます。洗濯物を干しながらスクワットをしたり、全身を使って床磨きをしたりすれば、かなりの運動量になります。
通勤や外出時に電車に乗っている人は、なるべく座らず、つり革につかまってつま先立ちをするのもよいでしょう。オフィスにいる間も「30分に1回は立ち上がって歩く」「上体ひねりのストレッチをする」など、ながら運動を実践してみましょう。
●10分からでも効果あり
運動が苦手な人も、1日10分の運動から始めてみましょう。わずか10分程度の運動でも体重を減らし、血糖値を下げる効果があります。仕事や家事の合間の10分なら、無理なく継続できるのではないでしょうか。
座ってテレビを見ずに、踏み台昇降をしながら見る、歯磨きをしながらかかと上げ……など、何かをするついでに体を動かす「ながら運動」を習慣にしましょう。
掃除や洗濯物干しといった家事の時間も、運動の時間に変えることができます。洗濯物を干しながらスクワットをしたり、全身を使って床磨きをしたりすれば、かなりの運動量になります。
通勤や外出時に電車に乗っている人は、なるべく座らず、つり革につかまってつま先立ちをするのもよいでしょう。オフィスにいる間も「30分に1回は立ち上がって歩く」「上体ひねりのストレッチをする」など、ながら運動を実践してみましょう。
●10分からでも効果あり
運動が苦手な人も、1日10分の運動から始めてみましょう。わずか10分程度の運動でも体重を減らし、血糖値を下げる効果があります。仕事や家事の合間の10分なら、無理なく継続できるのではないでしょうか。
内臓脂肪を減らすためには、内臓脂肪がついた原因から探る必要があります。内臓脂肪が増えた理由は、必ず自分の生活習慣の中にあります。まずは、今回ご紹介したチェックリストでその原因を見つけてみましょう。太りやすい生活習慣を見直し、内臓脂肪を減らす生活習慣に切り替えていくこと。小さなことから変えていくことが第一歩です。
内臓脂肪を減らすためには、内臓脂肪がついた原因から探る必要があります。内臓脂肪が増えた理由は、必ず自分の生活習慣の中にあります。まずは、今回ご紹介したチェックリストでその原因を見つけてみましょう。太りやすい生活習慣を見直し、内臓脂肪を減らす生活習慣に切り替えていくこと。小さなことから変えていくことが第一歩です。