AGAの薬には、塗り薬（外用薬）と飲み薬（内服薬）があります。飲み薬を使用するには医師の処方が必要です。クリニックを受診して、医師の診断を受けて処方してもらいましょう。

クリニックを受診する時間がない……、できれば自宅でケアが始められる薬がほしい……という方には、ドラッグストアや薬局などで買える「ミノキシジル」配合の塗り薬（外用薬）があります。ミノキシジルは発毛効果が認められている成分です。その成分について詳しく見ていきましょう。

ミノキシジルは薬剤師の説明を受けて購入する「第１類医薬品」に分類されます。そのため、販売は薬剤師に限られ、販売店では書面による情報提供が義務づけられています。購入の際は必ず薬剤師の説明を受けて、疑問点があればそのままにせず、質問や相談をすることが大切です。

なお、ミノキシジル外用薬をドラッグストアの店舗で購入する場合、以前は薬剤師が勤務している時間しか購入できませんでしたが、現在は、薬剤師のいる薬局・薬店、ドラッグストアのオンラインショップでも購入できるようになっています。時間がない方でも購入しやすく、より便利になりました。

オンラインで注文する際は、サイト上のフォームやメールで、性別や年齢、症状等の必要な情報を送り、薬剤師から提供された情報を確認します。疑問があればメールや電話などで相談もできます。（販売されている店舗によって、購入の手続きが異なる場合もあります。）

AGAは20代後半以降に発症することが多く、加齢によって進行していく進行性の脱毛症です。そのため、気になり始めたらなるべく早い段階で対処することが肝心です。

また、AGAを改善する効果が認められた医薬品は、継続して使用することで効果が現れます。一方、使用をやめると使用する前の状態に戻ってしまうため、対策はなるべく早い段階から、長い目で続けていく必要があります。

そこで、医薬品の適切な継続使用と並行して心がけたいのが「生活習慣の改善」です。加齢を防ぐことはできませんが、エイジングを招きやすい生活習慣を改めることはできます。エイジングに負けない体の健康を保ち続ける「総合力」の向上を目指しましょう。

髪は体の一部であり、髪をつくるのは体です。栄養が隅々まで行きわたった健康な体が、元気な髪を生み出す基本となります。

AGAのセルフケアで欠かせないのが「食事」「睡眠」「運動」「ストレスマネジメント」の４つです。これらはどれも密接に関係し合っています。例えば、強いストレスがかかれば睡眠や食事のサイクルが乱れます。一方、運動をするとストレス発散になり、気持ちよく眠ることができます。この4つのテーマを軸に、総合的なAGA対策に取り組みましょう。

●食事
髪を育てるために必要な栄養素には、タンパク質、ビタミンＣ・Ｂ群、ミネラル（特に亜鉛）などがあります。タンパク質は肉だけでなく、魚や卵、乳製品、豆類などからも合わせて摂りましょう。タンパク質と一緒にぜひ摂りたいのがビタミンＣ・Ｂ群と亜鉛です。ビタミンB群は毛母細胞を活性化させ、発毛を促します。ビタミンCは抗酸化作用があり、細胞の働きを健全に保ち、頭皮の状態を整えてくれます。亜鉛は意識しないと摂取が難しい栄養素です。牡蠣やエビ・カニ・貝などの魚介類や、肉類・魚類に含まれているので、バランスのよい食事を心がけましょう。

●睡眠
髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」は睡眠中に分泌されます。年齢と共に分泌が少なくなる成長ホルモンをしっかり分泌させるためには、毎日平均6～7時間は睡眠をとりたいところです。特に、成長ホルモンの分泌がピークを迎えるのが、眠り始めの3時間です。眠り始めに深い睡眠が持続できるよう、寝る直前までまぶしい光を発するスマートフォンを見ることは避け、スムーズな入眠を心がけましょう。

●運動
適度な運動によって、新しい髪をつくり出す成長ホルモンが放出されます。筋トレとランニングなど有酸素運動を組み合わせた20～30分程度の運動を心がけましょう。運動が苦手な人も、ウォーキングやストレッチなど、できることから始めてみてください。

●ストレスマネジメント
強いストレスを抱えると、細胞や遺伝子を傷つける活性酸素が発生し、栄養や老廃物の循環がスムーズにいかなくなります。ストレスは毛をつくり出す細胞にダメージを与えて老化を早めます。自分なりの楽しみを見つけて、上手にストレス発散しましょう。