コラーゲン

年齢と体内コラーゲンの関係

カルシウムが骨の量を高め、コラーゲンが骨の質を高めている
年齢によってコラーゲンはどう変化するのでしょうか?
コラーゲンは健康や美容に欠かせない成分として古くから注目されています。皮膚や骨などの組織を形成し、私たちの体のさまざまな機能を整えてくれています。

お肌のハリやみずみずしさ、そして骨や関節のしなやかさなどを保ちながらいつまでも美しく丈夫な体であり続けるために、このコラムでは年齢による体の変化とコラーゲンとの関わりについてご紹介します。

<監修>

管理栄養士・公認スポーツ栄養士 山田志織
管理栄養士・公認スポーツ栄養士
山田志織


食品メーカーやヘルスケア企業、スポーツ現場での勤務を経て独立。現在は生活習慣病の予防・改善プログラムに従事すると共に、学生アスリートやスポーツ愛好家への栄養サポートをおこなうなど食やスポーツの分野で活動中。

目次

年齢による体への影響

基底層の細胞は14日で角質層へ、さらに14日で剥がれ落ちる
生きていく上でどうしても避けられないのが加齢です。

人は年齢を重ねるごとに体にさまざまな変化が現れてきます。
体力の低下を感じるようになったり、基礎代謝が落ちて体重が増えやすくなってきたりするなど、身をもって加齢を実感することも多くなってきます。

人の体は生まれた時から常に体内で新陳代謝がくり返されています。新陳代謝とは古くなった細胞が新しい細胞に作り替えられることです。

ターンオーバーという言葉にすると馴染みが深いでしょうか。
体内の細胞は部位によって新陳代謝のペースが異なり、皮膚の細胞は約28日周期、筋肉の細胞は約2か月周期、骨の細胞は約3か月周期で新しいものに生まれ変わっているとされています。

ケガをしても日が経つにつれて自然に治癒していくのはこの新陳代謝の働きによるものです。

しかし年齢を重ねるにつれてこの新陳代謝の速度や機能が低下していき、「傷が治りにくくなった」「跡が残るようになった」「シワやたるみが生じてきた」など若い頃には気にならなかった不調が感じられるようになってきます。

また、酸化ストレスによって細胞が傷つけられていくことも、体の老化を進行させ、あらゆる機能の低下を招く原因になります。

年齢による体内コラーゲンの変化

コラーゲンは皮膚の形成や潤い、ハリ、弾力などの機能を担っています。

皮膚の内部に真皮という層がありますが、その中の線維芽細胞の働きによってコラーゲンが新たに作り出されており、ハリや弾力性を高めるなどの働きをしているのです。

しかし年齢を重ねるとともに細胞の数が減ったり細胞そのものの働きに衰えが生じたりすると、体内でのコラーゲンの合成力が衰えていってしまいます。
また、体内のコラーゲンは紫外線によっても影響を受けることがわかっており、長い年月にわたって繰り返し日光にさらされることにより皮膚のコラーゲンが減少することが明らかになっています。

この現象は光老化といわれ、シワやたるみの原因とされています。

さらに女性は閉経期になると女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。

エストロゲンはコラーゲンの合成を促進する働きがあるため、分泌量が低下することで体内のコラーゲンはさらに減少しやすくなります。

皮膚に存在するコラーゲンの量は60歳代になると20歳代の半分になるという研究データがあり、お肌のハリやみずみずしさは年齢を重ねるとともにどんどん失われていくことがわかっています。

年齢を重ねても若くて美しいお肌を保っていくためには、日々の生活の中で上手にコラーゲンをとり入れ体内での合成を高めていくことが大切です。

年齢によって体内コラーゲンが減少すると

コラーゲンは皮膚の若さを保ってくれる以外にも体内でさまざまな働きをしています。次のような症状の予防に役立っています。

●骨粗しょう症予防

カルシウムが骨の量を高め、コラーゲンが骨の質を高めている
コラーゲンは骨の形成にも重要な役割を担っています。カルシウムが骨の量を高めるのに対し、コラーゲンは骨の質を高めているのです。

加齢による細胞の劣化によってコラーゲンの質が悪くなると、骨内でのカルシウムとの相性が悪くなり丈夫な骨を作れなくなってしまいます。



●関節の老化予防、炎症の改善

コラーゲンは関節軟骨の主要成分
コラーゲンは関節軟骨の主要な成分であり、関節にスムーズな動作をもたらしています。

コラーゲンの合成が低下すると軟骨細胞での代謝がうまくいかなくなり、硬くて動きにくくなったり少しの衝撃で傷みやすくなったりします。

近年ではコラーゲン摂取による膝の痛みの改善効果も実証されています。



●動脈硬化の予防

コラーゲンは動脈壁にも含まれている
血管年齢という言葉があるように、日々の生活習慣の積み重ねにより血管が老化していくことがよく知られています。

コラーゲンは動脈壁にも含まれ、血管の弾力性の維持や傷を修復する働きをしているため、血管の若さを保つ上でも大切な存在といえます。

コラーゲンの減少や質が低下してしまうと血管が弱くもろくなり、動脈硬化をより進行させてしまう原因になります。



●眼の老化や疾患の予防

目の組織にもコラーゲンが含まれている
視力低下や白内障など、加齢は眼にも影響を及ぼします。

コラーゲンは眼の角膜や水晶体、硝子体などにも含まれているため、これらの部分に質の良いコラーゲンが存在することで、老眼や年齢を重ねることによる眼の疾患の進行を抑えることに役立つとされています。

まとめ

年齢による体内コラーゲンの変化、外部要因のコラーゲンへの影響、そして身体への影響についてご紹介いたしました。

コラーゲン量は目に見えて把握できるものではないため、体内に十分なコラーゲンがあるか気づきにくいところです。

肌や体の不調を感じた際に、今回ご紹介した項目に当てはまるかチェックしてみてください。

コラーゲンは人の体のさまざまな組織に存在し、私たちが健康で若々しくあるために役立っています。

加齢にともなう体の機能低下は避けられないことですが、少しでもそれを和らげながら充実した毎日を送り続けられるよう、規則正しい生活習慣はもちろん、いつもの生活の中にコラーゲンを意識的にとり入れることも考えてみませんか?