レモンバームの活用法。メディカルハーブならではの注意点は

レモンバームの活用法。メディカルハーブならではの注意点は

レモンバーム
レモンバームの活用法。メディカルハーブならではの注意点は レモンバームの活用法。メディカルハーブならではの注意点は

レモンバームはメディカルハーブとしても位置づけられるハーブです。

ハーブは気の遠くなるような昔から人々の間で利用されてきた植物ですが、レモンバームにはどのような作用があるのでしょうか?レモンバームの魅力をはじめ、身近で楽しむための育て方や、ハーブティーでの楽しみ方もご紹介します。

また、メディカルハーブならではの注意点、その活用の仕方もご紹介します。

レモンバームはメディカルハーブとしても位置づけられるハーブです。

ハーブは気の遠くなるような昔から人々の間で利用されてきた植物ですが、レモンバームにはどのような作用があるのでしょうか?レモンバームの魅力をはじめ、身近で楽しむための育て方や、ハーブティーでの楽しみ方もご紹介します。

また、メディカルハーブならではの注意点、その活用の仕方もご紹介します。

監修

監修

日比野佐和子先生 医療法人康梓会Y‘sサイエンスクリニック広尾統括院長・大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 特任准教授 日比野佐和子先生 医療法人康梓会Y‘sサイエンスクリニック広尾統括院長・大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 特任准教授
渡辺肇子先生
薬剤師 オフィスパナケイア代表
渡辺肇子先生
薬剤師 オフィスパナケイア代表

わたなべ はつこ 薬剤師。

北里大学薬学部製薬学科卒業。外資系製薬会社勤務を経て、1999年、メディカルハーブ広報センターを設立。NPO 日本メディカルハーブ協会(旧メディカルハーブ広報センター)理事。一般社団法人 ハーブティーブレンドマイスター協会 理事。
「メディカルハーブ安全性ハンドブック」(東京堂出版)監訳。「ハーブティー大事典」(ナツメ社)監修。
植物療法の分野における臨床、研究、教育の三本柱を基本構想としながら、
西洋医学と代替療法のよりよい共存と、統合医療の発展を目指して活動中。

わたなべ はつこ 薬剤師。

北里大学薬学部製薬学科卒業。外資系製薬会社勤務を経て、1999年、メディカルハーブ広報センターを設立。NPO 日本メディカルハーブ協会(旧メディカルハーブ広報センター)理事。一般社団法人 ハーブティーブレンドマイスター協会 理事。
「メディカルハーブ安全性ハンドブック」(東京堂出版)監訳。「ハーブティー大事典」(ナツメ社)監修。
植物療法の分野における臨床、研究、教育の三本柱を基本構想としながら、
西洋医学と代替療法のよりよい共存と、統合医療の発展を目指して活動中。

レモンバームはメディカルハーブ

レモンバームはメディカルハーブ

今回取り上げている「レモンバーム」には、シトラール、シトロネラールなどの精油成分、タンニン類、フェノール類(ロスマリン酸、カフェ酸)など多くの成分が含まれており、その機能は、精神の高ぶりを鎮めたり、頭痛や腹痛などをやわらげたり、さらには抗アレルギーや抗菌、抗ウイルス、抗酸化、抗うつ、そして美容面へのはたらきなど多岐にわたります。

上記のような作用を持つレモンバームはメディカルハーブと位置付けられますが、それはなぜでしょうか?

メディカルハーブは、健康管理や病気の予防、治療などを行うときに、人体にもともと備わっている「自然治癒力」を利用する療法で使われる植物のことをいいます。

この自然治癒力とは、人の心身の調和バランスを整える力のこと。そしてメディカルハーブは、穏やかに作用する多くの成分が含まれているため、一点集中ではなく全身にバランスよく働いてくれるのです。

レモンバームもまた、穏やかに作用する多くの成分が含まれており、全身の調和バランスを整えるメディカルハーブと位置付けられるのです。

ハーブは香草や薬草とも言いますが、人々は長い間、植物を香りづけに利用したり、薬として使用したりしていました。

紀元1世紀という遠い昔に記された『薬物誌』という本のなかには1000種近くの自然の生薬が取り上げられており、そのうち半数以上の600種が植物薬でした。この『薬物誌』は19世紀に入るまで各国の医師や学者の参考にされるなど、長きにわたって植物学・薬草学の権威となっています。

このように、植物の医学的な利用の歴史は、遥かいにしえの時代にはじまり、現代も「メディカルハーブ」として脈々と受け継がれています。

今回取り上げている「レモンバーム」には、シトラール、シトロネラールなどの精油成分、タンニン類、フェノール類(ロスマリン酸、カフェ酸)など多くの成分が含まれており、その機能は、精神の高ぶりを鎮めたり、頭痛や腹痛などをやわらげたり、さらには抗アレルギーや抗菌、抗ウイルス、抗酸化、抗うつ、そして美容面へのはたらきなど多岐にわたります。

上記のような作用を持つレモンバームはメディカルハーブと位置付けられますが、それはなぜでしょうか?

メディカルハーブは、健康管理や病気の予防、治療などを行うときに、人体にもともと備わっている「自然治癒力」を利用する療法で使われる植物のことをいいます。

この自然治癒力とは、人の心身の調和バランスを整える力のこと。そしてメディカルハーブは、穏やかに作用する多くの成分が含まれているため、一点集中ではなく全身にバランスよく働いてくれるのです。

レモンバームもまた、穏やかに作用する多くの成分が含まれており、全身の調和バランスを整えるメディカルハーブと位置付けられるのです。

ハーブは香草や薬草とも言いますが、人々は長い間、植物を香りづけに利用したり、薬として使用したりしていました。

紀元1世紀という遠い昔に記された『薬物誌』という本のなかには1000種近くの自然の生薬が取り上げられており、そのうち半数以上の600種が植物薬でした。この『薬物誌』は19世紀に入るまで各国の医師や学者の参考にされるなど、長きにわたって植物学・薬草学の権威となっています。

このように、植物の医学的な利用の歴史は、遥かいにしえの時代にはじまり、現代も「メディカルハーブ」として脈々と受け継がれています。

レモンバームはメディカルハーブ レモンバームはメディカルハーブ

メディカルハーブを活用するときの注意点

メディカルハーブを活用するときの注意点

メディカルハーブは古くから人々に長く使われ、いわば「検証」を受けた薬用植物といってもいいでしょう。そのなかには現代科学で効果が裏付けられたものも多くあり、ヨーロッパの国々では一般的な治療に処方されているものもあります。

ただしその活用については注意点もあります。ときには心身に強く作用してしまう場合や、ハーブと医薬品の組み合わせによっては相互作用が生じ、よくない結果をもたらすこともあるからです。

まずは専門家の話に耳を傾けること。そして用量に注意し、異なる複数のハーブを自分勝手に組み合わせることは避けましょう。

メディカルハーブは古くから人々に長く使われ、いわば「検証」を受けた薬用植物といってもいいでしょう。そのなかには現代科学で効果が裏付けられたものも多くあり、ヨーロッパの国々では一般的な治療に処方されているものもあります。

ただしその活用については注意点もあります。ときには心身に強く作用してしまう場合や、ハーブと医薬品の組み合わせによっては相互作用が生じ、よくない結果をもたらすこともあるからです。

まずは専門家の話に耳を傾けること。そして用量に注意し、異なる複数のハーブを自分勝手に組み合わせることは避けましょう。

レモンバームの楽しみ方「育てる」

レモンバームの楽しみ方「育てる」

レモンバームは長い歴史の中で、メディカルハーブとして心と身体の不調に役立ってきた植物ですが、ここではもうひとつのレモンバームの活用法、植物として育てる楽しみをお伝えしたいと思います。

明るい緑色を持つレモンバームの葉は、庭やプランター、花壇などに植えると周囲を明るく彩る植栽になります。可憐な葉っぱだけではなく、夏には白を基調とした小さな花をたくさん咲かせます。しかもとても強い植物なので、初心者でもカンタンに育てられるメディカルハーブです。

レモンバームは苗から育てるのが一般的で、植え付けは春の4月ごろか、初秋の9月頃がタイミングです。育てる用土にはこだわる必要がありません。ただし極度の乾燥は嫌いますので、保水性の良い土を選びましょう。日当たりは、強すぎず少なすぎず。半日陰でも丈夫に育ちます。

レモンバームの特徴である爽やかなレモンの香りは、花が咲く前と後では、咲いた後の香りの方が弱くなる傾向にありますので、葉を収穫するために栽培する場合は、花が咲く前がオススメです。

いずれにせよ丈夫で育てやすいレモンバームは、ハーブ栽培の初心者向けの植物です。香りも風味も良いので、植えておくだけはもちろん、生の葉で料理の香りづけやハーブティーにしたり、乾燥させて保存したりすることも可能です。乾燥させる場合は、開花直前に株元から15cmで刈り、束ねて乾燥させるとよいでしょう。

身近で美しい葉色や香り、手触りを楽しむことができるこのようなガーデニングは、身体的にも精神的にもよい効果をもたらします。こうした「植物を育てる環境」は、“ 園芸療法 ”として医療や介護の現場でも取り入れられているほどです。

レモンバームは長い歴史の中で、メディカルハーブとして心と身体の不調に役立ってきた植物ですが、ここではもうひとつのレモンバームの活用法、植物として育てる楽しみをお伝えしたいと思います。

明るい緑色を持つレモンバームの葉は、庭やプランター、花壇などに植えると周囲を明るく彩る植栽になります。可憐な葉っぱだけではなく、夏には白を基調とした小さな花をたくさん咲かせます。しかもとても強い植物なので、初心者でもカンタンに育てられるメディカルハーブです。

レモンバームは苗から育てるのが一般的で、植え付けは春の4月ごろか、初秋の9月頃がタイミングです。育てる用土にはこだわる必要がありません。ただし極度の乾燥は嫌いますので、保水性の良い土を選びましょう。日当たりは、強すぎず少なすぎず。半日陰でも丈夫に育ちます。

レモンバームの特徴である爽やかなレモンの香りは、花が咲く前と後では、咲いた後の香りの方が弱くなる傾向にありますので、葉を収穫するために栽培する場合は、花が咲く前がオススメです。

いずれにせよ丈夫で育てやすいレモンバームは、ハーブ栽培の初心者向けの植物です。香りも風味も良いので、植えておくだけはもちろん、生の葉で料理の香りづけやハーブティーにしたり、乾燥させて保存したりすることも可能です。乾燥させる場合は、開花直前に株元から15cmで刈り、束ねて乾燥させるとよいでしょう。

身近で美しい葉色や香り、手触りを楽しむことができるこのようなガーデニングは、身体的にも精神的にもよい効果をもたらします。こうした「植物を育てる環境」は、“ 園芸療法 ”として医療や介護の現場でも取り入れられているほどです。

レモンバームの楽しみ方「育てる」 レモンバームの楽しみ方「育てる」

レモンバームの楽しみ方「ハーブティー」

レモンバームの楽しみ方「ハーブティー」

レモンバームを手軽に楽しむ身近な利用法の、その最たる方法はハーブティーでしょう。

乾燥した葉を使い、高い薬効が期待できるドライハーブティーと、生の葉を使い、フレッシュな香りもふくよかに楽しめるフレッシュハーブティーがありますが、レモンバームは、そのどちらのタイプでもおいしいお茶を入れることができます。もし、より鎮静、抗菌などの作用を求めるならフレッシュなものを利用するのがおすすめですが、お好みに応じて使い分け、香りを楽しみながらゆっくりいただきましょう。

淹れ方のコツとしていちばん大事な点は、沸騰したお湯を使うこと。そしてしっかり抽出するために蓋を閉めゆっくり蒸らすことです。

 

【ホットでのレモンバームティーの楽しみ方】

レモンバームの生葉5〜6枚、あるいは乾燥した葉小さじ1に、熱湯カップ1を注ぎ、3〜5分間蒸らしてからこします。

お好みでハチミツなどの甘味を加えてもOK。ミントを添えるとさわやかさが引き立ちます。1日数回、ゆっくり楽しみましょう。

 

【アイスでのレモンバームティーの楽しみ方】

大きなピッチャーかボウルに、乾燥したレモンバームの葉を小さじ1、乾燥ペパーミント小さじ1、カモミールの花小さじ1を入れ、熱湯4カップを注いで攪拌します。10分間蒸らしてからこして、清潔なピッチャーに移しましょう。最後に蜂蜜大さじ1と氷1〜2カップを加えれば、暑い日に最適な飲みものになりますよ。

 

アイスでもホットでも、レモンバームのハーブティーは、緊張が続いてリラックスしたいときや、ストレスが原因の胃腸の不調がみられるとき、質のよい眠りを得たいときなどにおススメ。

また発汗作用があるので、風邪を引いたときや気管支炎などの熱っぽさがあるときにも症状緩和が期待できます。この場合はホットで楽しみましょう。

レモンの香りのマイルドな味わいが素敵な「レモンバームのハーブティー」。気持ち穏やかな毎日を過ごすため、ふだんの暮らしのちょっとした隙間に、取り入れるのもよいでしょう。

レモンバームを手軽に楽しむ身近な利用法の、その最たる方法はハーブティーでしょう。

乾燥した葉を使い、高い薬効が期待できるドライハーブティーと、生の葉を使い、フレッシュな香りもふくよかに楽しめるフレッシュハーブティーがありますが、レモンバームは、そのどちらのタイプでもおいしいお茶を入れることができます。もし、より鎮静、抗菌などの作用を求めるならフレッシュなものを利用するのがおすすめですが、お好みに応じて使い分け、香りを楽しみながらゆっくりいただきましょう。

淹れ方のコツとしていちばん大事な点は、沸騰したお湯を使うこと。そしてしっかり抽出するために蓋を閉めゆっくり蒸らすことです。

 

【ホットでのレモンバームティーの楽しみ方】

レモンバームの生葉5〜6枚、あるいは乾燥した葉小さじ1に、熱湯カップ1を注ぎ、3〜5分間蒸らしてからこします。

お好みでハチミツなどの甘味を加えてもOK。ミントを添えるとさわやかさが引き立ちます。1日数回、ゆっくり楽しみましょう。

 

【アイスでのレモンバームティーの楽しみ方】

大きなピッチャーかボウルに、乾燥したレモンバームの葉を小さじ1、乾燥ペパーミント小さじ1、カモミールの花小さじ1を入れ、熱湯4カップを注いで攪拌します。10分間蒸らしてからこして、清潔なピッチャーに移しましょう。最後に蜂蜜大さじ1と氷1〜2カップを加えれば、暑い日に最適な飲みものになりますよ。

 

アイスでもホットでも、レモンバームのハーブティーは、緊張が続いてリラックスしたいときや、ストレスが原因の胃腸の不調がみられるとき、質のよい眠りを得たいときなどにおススメ。

また発汗作用があるので、風邪を引いたときや気管支炎などの熱っぽさがあるときにも症状緩和が期待できます。この場合はホットで楽しみましょう。

レモンの香りのマイルドな味わいが素敵な「レモンバームのハーブティー」。気持ち穏やかな毎日を過ごすため、ふだんの暮らしのちょっとした隙間に、取り入れるのもよいでしょう。

レモンバームの楽しみ方「ハーブティー」 レモンバームの楽しみ方「ハーブティー」

まとめ

まとめ

レモンバームは、見た目は小さく、何気ない緑の葉ですが、精神の高ぶりを鎮めたり、頭痛や腹痛などをやわらげたり、さらには抗アレルギーや抗菌、抗ウイルス、抗酸化、抗うつとして、穏やかに作用するさまざまな成分が含まれており、そこに秘めたる力は実に大きいものです。

レモンバームは用途もさまざまなので、身近にあると頼もしいハーブです。お庭やコンテナガーデンで栽培して、美しさと香りを楽しみ、ときにはハーブティーにして心を癒す、そんな生活も楽しめます。

レモンバームは、見た目は小さく、何気ない緑の葉ですが、精神の高ぶりを鎮めたり、頭痛や腹痛などをやわらげたり、さらには抗アレルギーや抗菌、抗ウイルス、抗酸化、抗うつとして、穏やかに作用するさまざまな成分が含まれており、そこに秘めたる力は実に大きいものです。

レモンバームは用途もさまざまなので、身近にあると頼もしいハーブです。お庭やコンテナガーデンで栽培して、美しさと香りを楽しみ、ときにはハーブティーにして心を癒す、そんな生活も楽しめます。