レモンバームは2000年以上も前から養蜂植物として栽培されてきたハーブです。現代においても、レモンバームは、ハーブガーデンの香りの主役として日常的に活用されています。

葉っぱをこするとさわやかな柑橘系の香りが広がるレモンバームは、遠い昔から「人を喜ばせるハーブ」として、食品や飲み物の香りづけ、料理の材料に使われていました。

また、今回の発見はレモンバームの知られざる一面で、古くからは、レモンバームはマイルドな不安症や不眠の改善、消化促進のために用いられてきました。

レモンバームの機能性の研究は現在もさまざまに進められています。レモンバームの主成分が、シトラール、シトロネラールなどの精油成分、タンニン類、フェノール類（ロスマリン酸、カフェ酸）などで構成されていることが明らかになりました。

レモンバームはそれらの作用によって、精神の高ぶりを鎮めたり、頭痛や腹痛などをやわらげたりすること、さらには、抗アレルギーや抗菌、抗ウイルス、抗酸化、抗うつなども期待されており、注目を集めています。レモンバームは、ヨーロッパでは治療にも用いられるなど、その安全性も確認されています。

もちろん、レモンバームは健康な人にとっても有効で、普段から気持ちを穏やかに過ごすためのハーブティーにも使われています。

肌を美しく整え、動きやすい身体をつくってくれる大事な組織「コラーゲン」も、年齢や紫外線によって減り、また、年齢を経ると産生する力も衰えます。劣化したコラーゲンはもう再生しないのでしょうか？

劣化したコラーゲンの再生で注目されているハーブが「レモンバーム」です。

近年、研究機関では、紫外線のダメージによって劣化したコラーゲンを、なんとか再生・再構築できないかという研究が進められてきました。そして、コラーゲンの産生促進作用を促してくれる植物エキスを特定。それがレモンバームエキスであることが研究によって解明されたのです。

その仕組みを説明しましょう。

紫外線の影響で発生した活性酸素によって劣化したコラーゲンが細胞外で蓄積されると、いわゆる「光老化」、皮膚の老化が進行してしまいます。しかし、この劣化したコラーゲンを細胞内に取り込み、さらにコラーゲン産生のための環境を整えてあげると、コラーゲンを再び生み出す力が回復するというもの。言い方を変えると、劣化したコラーゲンが新しいコラーゲンへ生まれ変わる「コラーゲンのサステナビリティ」ですね。この循環、取り込む力と再生する力を仲介するのが「レモンバームエキス」であるという大きな発見です。

レモンバームエキスの存在によって、コラーゲンの循環再生サイクルが可能になり、ひいてはエイジングケアにつながるといううれしいニュース。今後もさらに研究が進み、レモンバームの秘めたる新しい力の発見が期待されています。

いつまでも若々しく、そして元気に身体を動かしていたい。多くの人がそう願っていると思います。そのためには、コラーゲンが皮膚や骨、関節などで滑らかに働くことがとても大切です。

残念ながら、コラーゲンは劣化したり減少したりしてしまう運命にありますが、それをなんとか押しとどめようとする働きがレモンバームにあることが分かりました。劣化したコラーゲンから新生コラーゲンへの循環を助ける、注目のレモンバームエキス。益々の研究が待たれます。これからもレモンバームの新しい力に期待しましょう！