上田有希子先生
上田有希子先生
乾燥肌になるのは、なにも顔だけではありません。全身のさまざまな部位でも乾燥が起こります。各部位の乾燥肌の原因を知り、保湿ケアなどの適切な対応を施すことが大切です。今回は、乾燥しやすい全身の部位や対策について解説していきます。
乾燥肌になるのは、なにも顔だけではありません。全身のさまざまな部位でも乾燥が起こります。各部位の乾燥肌の原因を知り、保湿ケアなどの適切な対応を施すことが大切です。今回は、乾燥しやすい全身の部位や対策について解説していきます。
全身の中で乾燥しやすい部位は、首やデコルテ、わき腹など体のサイド、肘、手、膝、脛、かかとです。また、顔も目元や頬、口元などは乾燥しやすいです。これらの乾燥しやすい部位に共通しているのは、「皮脂腺」という、皮脂を分泌する組織が少ないという点です。「皮脂腺」は、毛穴の根本にあり、毛穴を通って分泌された皮脂は、汗などの水分と混ざると乳化し、皮膚の表面をコーティングする「皮脂膜」をつくります。この膜は、皮膚のバリア機能として、皮膚の水分の蒸発を抑えてくれる保湿面で機能するだけでなく、酸性なので殺菌作用をもち肌を守ってくれます。「皮脂腺」が少ない部位は、皮脂自体の分泌量が少なくなるだけでなく、この「膜」が作られにくいことで、水分が蒸発しやすく、外部からの刺激や菌が侵入・繁殖しやすいため、あらゆる肌トラブルを誘発しやすくなります。また、乾燥した肌はしわなどのエイジングサインができやすいので、美容面でも保湿ケアはとても重要です。
全身の中で乾燥しやすい部位は、首やデコルテ、わき腹など体のサイド、肘、手、膝、脛、かかとです。また、顔も目元や頬、口元などは乾燥しやすいです。これらの乾燥しやすい部位に共通しているのは、「皮脂腺」という、皮脂を分泌する組織が少ないという点です。「皮脂腺」は、毛穴の根本にあり、毛穴を通って分泌された皮脂は、汗などの水分と混ざると乳化し、皮膚の表面をコーティングする「皮脂膜」をつくります。この膜は、皮膚のバリア機能として、皮膚の水分の蒸発を抑えてくれる保湿面で機能するだけでなく、酸性なので殺菌作用をもち肌を守ってくれます。「皮脂腺」が少ない部位は、皮脂自体の分泌量が少なくなるだけでなく、この「膜」が作られにくいことで、水分が蒸発しやすく、外部からの刺激や菌が侵入・繁殖しやすいため、あらゆる肌トラブルを誘発しやすくなります。また、乾燥した肌はしわなどのエイジングサインができやすいので、美容面でも保湿ケアはとても重要です。
全身の中でも、顔(特に目元や口元)首やデコルテ、わき腹など体のサイド、肘、手、膝、脛、かかとは、特に乾燥しやすい部位。
全身の中でも、顔(特に目元や口元)首やデコルテ、わき腹など体のサイド、肘、手、膝、脛、かかとは、特に乾燥しやすい部位。
〈目元〉
〈目元〉
目元は皮膚が薄く、水分を蓄えにくいうえ、目をこすったりアイメイクを落とすためにオイル系のクレンジング剤を使用したりといった外からの摩擦・刺激を受けやすく、乾燥しやすい場所です。目元は繊細なため、ごしごし擦らないように気をつけ、スキンケアの最後に目元専用クリームや美容液をプラスして入念にケアをするとよいでしょう。
目元は皮膚が薄く、水分を蓄えにくいうえ、目をこすったりアイメイクを落とすためにオイル系のクレンジング剤を使用したりといった外からの摩擦・刺激を受けやすく、乾燥しやすい場所です。目元は繊細なため、ごしごし擦らないように気をつけ、スキンケアの最後に目元専用クリームや美容液をプラスして入念にケアをするとよいでしょう。
〈口元〉
〈口元〉
目元同様、皮膚が薄く、皮脂腺も少ないのが口元です。会話や食事、歯磨きなどよく動かす部位でもあり、摩擦・刺激を受けやすい場所でもあります。唇はリップクリームなどで日頃からケアするだけでなく、スキンケアの際は、口元も意識して保湿を十分に行うことを忘れないようにしましょう。
目元同様、皮膚が薄く、皮脂腺も少ないのが口元です。会話や食事、歯磨きなどよく動かす部位でもあり、摩擦・刺激を受けやすい場所でもあります。唇はリップクリームなどで日頃からケアするだけでなく、スキンケアの際は、口元も意識して保湿を十分に行うことを忘れないようにしましょう。
〈首・デコルテ〉
〈首・デコルテ〉
首は皮脂腺が少ないため乾燥しやすく、乾燥が進むと横じわが目立ちやすくなります。また、首から胸元までのデコルテも同様に乾燥しやすいので注意が必要です。顔のスキンケアの際、首からデコルテまで一緒に保湿ケアをすると良いでしょう。入浴後にボディ用の保湿アイテムでケアをするのもよいでしょう。また、紫外線は乾燥の原因にもなりますので、外出時は、顔だけでなく、首やデコルテ部分にも日焼け止めを塗ることを忘れないようにしましょう。
首は皮脂腺が少ないため乾燥しやすく、乾燥が進むと横じわが目立ちやすくなります。また、首から胸元までのデコルテも同様に乾燥しやすいので注意が必要です。顔のスキンケアの際、首からデコルテまで一緒に保湿ケアをすると良いでしょう。入浴後にボディ用の保湿アイテムでケアをするのもよいでしょう。また、紫外線は乾燥の原因にもなりますので、外出時は、顔だけでなく、首やデコルテ部分にも日焼け止めを塗ることを忘れないようにしましょう。
〈手〉
〈手〉
手は衣服に守られていない分、紫外線や外気の乾燥などの影響を受けやすい部位です。コロナ禍では、頻回の手洗い・手指消毒により、皮脂も水分も奪われて、特に乾燥を招いて皮膚トラブルを生じやすい場所です。手を洗った後は、ハンドクリームで保湿ケアをしっかり行うことが大切です。手はクリームがとれてしまいやすいので、一日の中でも、こまめに、クリームを塗ることもとても大切です。また、紫外線の多い時期の外出には、手や腕にも日焼け止めを塗りましょう。
手は衣服に守られていない分、紫外線や外気の乾燥などの影響を受けやすい部位です。コロナ禍では、頻回の手洗い・手指消毒により、皮脂も水分も奪われて、特に乾燥を招いて皮膚トラブルを生じやすい場所です。手を洗った後は、ハンドクリームで保湿ケアをしっかり行うことが大切です。手はクリームがとれてしまいやすいので、一日の中でも、こまめに、クリームを塗ることもとても大切です。また、紫外線の多い時期の外出には、手や腕にも日焼け止めを塗りましょう。
〈肘〉
〈肘〉
肘も皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部位のひとつ。衣服との摩擦、夏の紫外線、頬杖による圧迫など外からの刺激が多いのも、肘の特徴です。皮膚は刺激に対して厚く固くなることで抵抗し、やがて色素沈着が起こって黒ずみの原因になります。肘が乾燥すると黒ずみも進むので、保湿ケアを行い、頬杖をよくつくなどのクセがある人は意識して頬杖をつかないようにして、摩擦や圧迫といった刺激を受けないように気をつけるようにしましょう。黒ずみの改善には、入浴時にスクラブ剤を使ってやさしくマッサージしながら古い角質を取り除き、入浴後はよく保湿をしましょう。
肘も皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部位のひとつ。衣服との摩擦、夏の紫外線、頬杖による圧迫など外からの刺激が多いのも、肘の特徴です。皮膚は刺激に対して厚く固くなることで抵抗し、やがて色素沈着が起こって黒ずみの原因になります。肘が乾燥すると黒ずみも進むので、保湿ケアを行い、頬杖をよくつくなどのクセがある人は意識して頬杖をつかないようにして、摩擦や圧迫といった刺激を受けないように気をつけるようにしましょう。黒ずみの改善には、入浴時にスクラブ剤を使ってやさしくマッサージしながら古い角質を取り除き、入浴後はよく保湿をしましょう。
〈膝〉
〈膝〉
膝も、肘と同様に皮脂腺が少ないため、乾燥肌になりやすい部位のひとつ。また、衣服との摩擦、膝をつくなど刺激や圧迫を受けやすいため、黒ずんだりゴワゴワと皮膚が厚くなりやすい部位です。入浴時にはやさしく洗い、入浴後はボディ用の保湿アイテムでしっかりケアをするのが大切です。
膝も、肘と同様に皮脂腺が少ないため、乾燥肌になりやすい部位のひとつ。また、衣服との摩擦、膝をつくなど刺激や圧迫を受けやすいため、黒ずんだりゴワゴワと皮膚が厚くなりやすい部位です。入浴時にはやさしく洗い、入浴後はボディ用の保湿アイテムでしっかりケアをするのが大切です。
〈すね〉
〈すね〉
足の中でも特に乾燥しやすいのが脛です。白い粉をふく状態になったり、よく見ると肌表面に亀裂が入っていたりすることもあります。乾燥肌対策としては、入浴時タオルは使わずに石鹸の泡でやさしく洗い、入浴後はあまり時間をおかず、ボディ用の保湿アイテムでケアをしましょう。
足の中でも特に乾燥しやすいのが脛です。白い粉をふく状態になったり、よく見ると肌表面に亀裂が入っていたりすることもあります。乾燥肌対策としては、入浴時タオルは使わずに石鹸の泡でやさしく洗い、入浴後はあまり時間をおかず、ボディ用の保湿アイテムでケアをしましょう。
〈かかと〉
〈かかと〉
かかとも、特に乾燥が目立つ部位。皮脂腺がほとんどなく角質が厚いため、乾燥することで表面に深い亀裂が入りやすく、皮膚もゴワゴワになります。また、歩行時には一番荷重がかかる場所でもあり、皮膚が厚くなりやすい場所です。もともと水分や皮脂膜が少ないうえに、こうした外からの刺激が加わるため、乾燥が進み、角質がどんどん厚く固くなってしまうのです。対策としては、入浴時に足用のスクラブを使って古い角質を取り除きます。保湿ケアは、入浴後すぐに行うことが大切。ガサガサした状態を放っておくと、角質層が分厚くなって、ひどくなるとひび割れが生じて、ときに痛みがでることもあるので、注意しましょう。
かかとも、特に乾燥が目立つ部位。皮脂腺がほとんどなく角質が厚いため、乾燥することで表面に深い亀裂が入りやすく、皮膚もゴワゴワになります。また、歩行時には一番荷重がかかる場所でもあり、皮膚が厚くなりやすい場所です。もともと水分や皮脂膜が少ないうえに、こうした外からの刺激が加わるため、乾燥が進み、角質がどんどん厚く固くなってしまうのです。対策としては、入浴時に足用のスクラブを使って古い角質を取り除きます。保湿ケアは、入浴後すぐに行うことが大切。ガサガサした状態を放っておくと、角質層が分厚くなって、ひどくなるとひび割れが生じて、ときに痛みがでることもあるので、注意しましょう。
お肌がカサカサして乾燥した状態をそのままにしておくことで、生じやすい病気もあります。乾燥肌はバリア機能が低下しているため、細菌やウイルスが侵入しやすいため、皮膚の感染症が起こりやすくなります。たとえば、ヘルペスや、細菌性の蜂窩織炎ほうかしきえんという病気があります。また、じんましんなどのアレルギー性の病気も起こりやすくなります。
毎日の保湿ケアや紫外線対策だけでなく、バランスの良い食事や良質な睡眠、適度な運動など健康的な生活を送り、日頃から全身の乾燥を防ぐようにすることが大切です。それでも乾燥肌になりやすい皮膚の病気(アトピー性皮膚炎など)である可能性がありますので、気になる場合は皮膚科を受診して相談してみましょう。
お肌がカサカサして乾燥した状態をそのままにしておくことで、生じやすい病気もあります。乾燥肌はバリア機能が低下しているため、細菌やウイルスが侵入しやすいため、皮膚の感染症が起こりやすくなります。たとえば、ヘルペスや、細菌性の蜂窩織炎ほうかしきえんという病気があります。また、じんましんなどのアレルギー性の病気も起こりやすくなります。
毎日の保湿ケアや紫外線対策だけでなく、バランスの良い食事や良質な睡眠、適度な運動など健康的な生活を送り、日頃から全身の乾燥を防ぐようにすることが大切です。それでも乾燥肌になりやすい皮膚の病気(アトピー性皮膚炎など)である可能性がありますので、気になる場合は皮膚科を受診して相談してみましょう。
乾燥肌はシワや湿疹、かゆみだけでなく、しわなどのエイジングサインの原因となり、ときに感染症などの病気を招くこともあります。ご紹介したように、乾燥しやすい部位は、特に、保湿クリームを使って日々よく保湿し、乾燥しらずの肌を目指しましょう。毎日の積み重ねが大切です。
ケアをしていても全身の乾燥がなかなか改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。
乾燥肌はシワや湿疹、かゆみだけでなく、しわなどのエイジングサインの原因となり、ときに感染症などの病気を招くこともあります。ご紹介したように、乾燥しやすい部位は、特に、保湿クリームを使って日々よく保湿し、乾燥しらずの肌を目指しましょう。毎日の積み重ねが大切です。
ケアをしていても全身の乾燥がなかなか改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。