花粉症対策にメガネは効果あり! 目のかゆみや充血をやわらげよう

花粉症の時期に起こる、目のかゆみ、ゴロゴロする感じ(異物感)、充血、涙が出る、目やになどの目の症状。これは「アレルギー性結膜炎」と呼ばれるもので、近年患者数が増えています。

花粉症と目のはなし

アレルギー性結膜炎という病名にも名前が入っている「結膜」ですが、これは眼球の表面とまぶたの裏側を結んでいる膜のことです。ゴミや花粉などの異物が眼球の裏側に入り込むのを防ぐ役割があります。花粉が目に与える影響として、アレルギー性結膜炎を発症することが挙げられます。
花粉症が原因のアレルギー性結膜炎でもっとも多い症状は、目のかゆみですが、実は目そのものだけでなく、まぶたやまぶたのふちまでかゆくなります。

かゆいので目やまぶたをこすると、ますますかゆくなるのも特徴です。
目やまぶたをこすると、目の粘膜(結膜)などを傷つけてしまうこともあるので、こすらずにかゆみを取る対策や治療を行いましょう。

帰宅したら、目を洗浄したり、洗顔したりして目の周辺の花粉を洗い流しましょう。それでもかゆいときは、冷たいタオルや保冷剤を使った冷却、アレルギー用の点眼薬の使用が効果的です。
ただし、保冷剤を使用するときは直接まぶたに当てず、タオルやハンカチに包んでから使用しましょう。

日本眼科学会がまとめた「アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン 第2版」によると、全人口の15~20%の人がこの病気をもっているのではないかと推測されています。これは1993年の調査に基づいた推定で、アレルギー性疾患の患者さんが年々増えているといわれている現在では、もう少し患者さんが増えているかもしれません。このうち約85%の人が、花粉症が原因のアレルギー性結膜炎だと推測されています。花粉症の季節には毎年多くの人が発症します。

花粉症が原因のアレルギー性結膜炎は、アレルギー性鼻炎(くしゃみ・鼻みず・鼻づまり)と併発することが多いのですが、なかには鼻炎の症状はないという人もいます。

普段使いのメガネでも花粉対策はできます

アレルギー性結膜炎対策として有効なのは、花粉の侵入を防ぐ「フード(防護カバー)」が付いた花粉症用メガネの着用です。普段使いのメガネでも効果はあるので、視力がよくても外出時には、できれば花粉症用メガネ、なければ普段使いのメガネ(伊達メガネ、サングラス)を着用しましょう。

ふだんコンタクトレンズを使用している人には、花粉シーズンだけでもメガネの使用をお勧めします。なぜなら、目とコンタクトレンズの間に花粉が入り込むと、摩擦が起こって炎症を悪化させてしまうおそれがあるからです。
しかし、メガネで生活するのはいやだ、という人は外出のときだけでもサングラスなどをかけて、花粉の侵入を防いでください。

メガネなしの状態に比べれば、普段使いのメガネでも着用することで、目に入る花粉の数を60〜70%ほどカットすることができます。花粉の侵入を防ぐ「フード」(防護カバー)が付いた花粉症用メガネならさらに効果的で、約94%もカットできるというデータがあります。

また、レンズクリーナーを使うとより効果的です。メガネのレンズクリーナーには、汚れを取るだけではなく、花粉やほこりが付着しにくくする帯電防止効果があります。
外出から帰ったら、メガネについた花粉を水道水などで軽く洗い流し、水分をティッシュなどで拭き取ったあと、レンズクリーナーを使用する習慣をつけるとよいかもしれません。ひと手間加えることで、すっきりと快適にメガネを使うことができるでしょう。

ただし、メガネをお湯で洗うのはNGです。レンズ表面の反射防止コートなどがダメージを受けてしまいます。油汚れには、中性洗剤を1滴落として洗うか、メガネ専用の洗浄剤を使いましょう。

花粉症対策メガネの選び方

レンズ部分が大きめで、顔との隙間が小さいものを選びましょう。
花粉症対策としてメガネをかける場合は、目に入る花粉の数を減らすことが目的です。レンズ部分が小さいものや、顔との隙間が大きいものでは、十分な効果が得られません。

目は花粉症の影響をとくに受けやすい

目はアレルギーの症状が出やすい場所といえます。
目にアレルギー症状が出やすい3つの理由
①直接外界と接しているため、花粉が入りやすい
②花粉に含まれるアレルギーを引き起こす物質(抗原)が、涙で溶けやすい
③目の粘膜(結膜)は免疫細胞や毛細血管が豊富で、炎症を起こしやすい

ほかにも鼻や口を通して体内に入り込んだ花粉により、全身にアレルギー反応が起こり、その結果、目に症状が出ることもあります。

ドライアイの人は花粉症を発症しやすい

涙は感動したときや悲しいときだけ流れるものではありません。実は目を守るのに欠かせないのが涙で、その量が不足したり、涙の成分バランスが崩れたりした状態をドライアイといいます。ドライアイになると涙が均等に行きわたらなくなり、目の表面が傷つきやすく炎症が起こりやすくなります。
また、涙には目の表面の汚れを洗い流す働きがありますが、ドライアイになり涙が不足すると、花粉が洗い流されにくくなり、結膜でアレルギー反応が起こりやすくなります。

アレルギー性結膜炎とドライアイの症状はよく似ているので、目のかゆみやゴロゴロとした異物感、充血といった症状が長く続く場合は眼科を受診して、どちらの病気なのか診断してもらうことが必要です。
しかし、なかには花粉症によるアレルギー性結膜炎であると同時にドライアイでもある人がいて、その場合症状を悪化させてしまうおそれがあります。ドライアイとアレルギー性結膜炎を併発している場合は、どちらの治療も並行して進める必要があります。

目の炎症が強い場合には、抗炎症作用のあるステロイドの目薬を使うことがありますが、こちらは眼科で処方してもらわなくてはなりません。長期に使用すると副作用として緑内障になる心配があるため、使用中は眼圧のチェックなどの検査が必要です。

花粉メガネで花粉症対策!

花粉から目をガードするなら、花粉症用のメガネが最強のアイテムです。花粉の侵入を防ぐ「フード」が顔にフィットし、大きな隙間ができないものを選びましょう。

マスク併用時のメガネの曇り対策

メガネとマスクを併用するとメガネが曇って困る! というお悩みを多くの人が抱えています。そんなときの強い味方が、レンズの曇り止めです。お出かけ前のひと手間で、メガネの曇りを改善し、視界良好! 快適に過ごすことができるでしょう。

また、メガネのレンズ部分が冷えていると、息との温度差が生じて曇りやすくなるので、かける前にメガネを人肌程度にあたためておくのもよいでしょう。

また、最近はさまざまなタイプのマスクが開発され、メガネが曇らないようにマスクと鼻の隙間をなくすクッション付きのものなどが市販されています。
普通のプリーツ型マスクでも、マスクの上部を内側に少し折ったり、ティッシュを1枚折って中にいれたりすると、メガネが曇りにくくなるそうです。

教えてくれた先生

松脇 由典 先生
松脇 由典 先生
医療法人社団 恵芳会
松脇クリニック品川 院長
耳鼻咽喉科・アレルギー科医師
松脇クリニック品川
【略歴】
1994年3月
東京慈恵会医科大学 医学部 医学科卒業
1994年5月
東京慈恵会医科大学付属病院にて研修開始
2006年8月
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科講座 講師
医療法人社団恵芳会 松脇クリニック品川 
理事長
現在に至る
【学会】

日本耳鼻咽喉科学会・専門医/日本アレルギー学会・専門医/日本鼻科学会
耳鼻咽喉科臨床学会/耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会/
品川気道アレルギー研究会・代表
アレルギー・好酸球研究会

【賞罰】
平成24年
日本鼻科学会 第19回学会賞
平成18年
米国アレルギー喘息免疫学会 
Featured presentation
平成17年
東京慈恵会医科大学 金杉賞