春のヒノキ花粉症! 症状を知って早めに対策しよう

ヒノキ花粉症の人は、スギ花粉症を併発することも多く、長く憂鬱な春を過ごしている人も少なくありません。さらに、スギとヒノキの花粉症がある場合、症状が重くなるという指摘もあります。効果的に花粉症対策をすることで、できるだけ快適にヒノキ花粉の季節を過ごしましょう。

春はヒノキ花粉症に注意

ヒノキ花粉症は、スギ花粉症と並ぶ春の代表的な花粉症です。
スギ花粉症がある人のうち約7割の人が、ヒノキ花粉にもアレルギー症状を起こすといわれています。もちろん、スギ花粉には反応しないヒノキ花粉症だけの人もいますが、それは少数派です。
現在、ヒノキ花粉に反応しないスギ花粉症の人も、ヒノキ花粉に注意する必要があります。例えば関東エリアの場合、4月中旬でほとんどのスギ花粉症の人は症状が治まりますが、ゴールデンウィーク過ぎまで症状が続く場合は、ヒノキ花粉症も併発している可能性があります。
その場合、ヒノキ花粉の飛散中はしっかりと対策をするようにしましょう。

ヒノキ花粉の特徴

ヒノキは、ヒノキ風呂や桶、枡などの材料にも使われるほか、古くから日本の建築に欠かせない材料です。『古事記』のなかでは、スサノオノミコトが抜いた胸毛がヒノキになり、「これは宮殿をつくるのに適している」と宣ったという記述があります。奈良時代にはすでにヒノキを使った建物があったということですね。
ヒノキは成長すると高さが20〜30mになり、大きいものでは50mにもなります。花は雄花と雌花があり、雄花だけに花粉があります。
ヒノキ花粉の大きさは、スギ花粉(直径28〜45μm)よりもやや小さく、だいたい直径30〜40μm(1mmの30分の1くらい)です。
風に乗って飛散する性質はスギ花粉と同じで、風の状態によってはヒノキ花粉も数kmから数十kmも遠くに飛んでいきます。そのため、ヒノキの木がほとんどない都会にも大量にヒノキ花粉が飛来し、アレルギー症状を引き起こす原因になるのです。

ヒノキ

ヒノキ花粉症の主な症状

ヒノキ花粉症の症状は、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりというアレルギー性鼻炎の症状が中心で、目の症状もみられます。スギ花粉症と同様と考えてよいでしょう。
くしゃみは、花粉が鼻の中に入ると、すぐに連続して出るのが特徴。鼻みずは、水のようにさらっとしています。
目の充血、かゆみ、涙が出るなど、アレルギー性結膜炎の症状もよく見られます。
そのほかに、頭痛、喉のイガイガ、皮膚のかゆみ、集中力の低下や不眠、全身のだるさなどが、出現することもあります。
スギ花粉症を合併していると、症状が重くなる傾向があるので注意しましょう。

すぐにできるヒノキ花粉症対策!

花粉症を悪化させる原因は、アレルギーを引き起こす花粉をたくさん浴びてしまうこと。つまり、ヒノキ花粉症の対策の基本は、ヒノキ花粉を浴びないことと、体内に侵入させないことです。外出中はもちろんのこと、家の中でもきちんと対策することで、症状は軽くなるでしょう。

外出するときの花粉症対策

外出するときの花粉症対策をいくつか紹介します。

花粉飛散状況をチェック

ヒノキ花粉の飛散状況も、「環境省花粉観測システム はなこさん」でリアルタイムに知ることができます。
花粉の飛散量をチェックして、多い日のお出かけでは、さまざまなグッズを活用して花粉から身を守りましょう!

マスクを付ける

花粉が入り込む隙間を作らないためには、顔の大きさに合うマスクを選ぶこと、そして、正しく付けることが大切です。

【立体型マスクの正しい付け方】

顔にフィットさせ、ノーズピースを鼻の形に合わせる

【プリーツ型マスクの正しい付け方】

1.プリーツを上下に伸ばし、マスクを広げる
2.顔に当ててノーズピースを鼻の形に合わせ、マスクをあごの下まで伸ばす
3.顔にフィットさせながら、耳にゴムひもをかける

メガネを使用する

目のかゆみなどで悩まされている人は、花粉が目に入るのを防ぐ「フード」がついた花粉症用メガネがおすすめですが、普通のメガネ(伊達メガネやサングラス)でも、花粉の侵入を防ぐ効果は期待できます。

つばの広い帽子をかぶる

髪の毛への花粉の付着を防ぐには、帽子をかぶるのが効果的です。また、髪の毛が長い人はまとめた方が、花粉の付着がより少なくなります。

衣類への花粉の付着を防ぐ

花粉が付着しにくい、ツルツルした素材のコートなどを選びましょう。衣服を洗濯するときは、柔軟剤を使うと静電気の発生を抑えられるので、花粉が付着しにくくなります。

帰宅したときの花粉症対策

帰宅したときには家の中に花粉を持ち込まないことが大切です。そのためには、次のことを意識して習慣づけましょう。

衣類についた花粉をよく払う

家の中に花粉を持ち込まないように、玄関前で花粉を払い落としましょう。

帰宅後は洗顔とうがいをする

メガネやマスクでガードしていても、顔や口の中、のどにつく花粉を完全にシャットアウトすることはできません。帰宅したらすぐに付着した花粉を洗い流すことで、症状の緩和が期待できます。
可能でしたら、シャワーを浴びて全身を洗い流すとよいでしょう。

洗顔で目の周囲を洗う

目の症状が強い人は、帰宅後すぐに洗顔をしましょう。まつ毛や結膜などの目の周囲に付いた花粉を洗い流すと、目の症状が軽減します。

鼻洗浄(鼻うがい)をする

鼻うがいは、アレルゲン除去作用だけではなく、鼻粘膜の炎症を抑える効果があるといわれ、花粉飛散が早期の段階から行うと、効果的だといわれています。帰宅後すぐに行うと、鼻の粘膜に付いた花粉が洗い流され、すっきりします。

鼻洗浄の方法
  1. ①生理食塩水(0.9%の食塩水)を人肌(36~38℃くらい)に温め、洗浄器に入れます。
  2. ②洗浄器のノズルを鼻にあて、前かがみになって「エー」と声を出しながら洗浄します。洗浄後の液は、鼻や口から出てくるので、洗面台で行いましょう。

洗浄するときに強い圧をかけると、耳が痛くなることがありますので、ご注意ください。

室内における花粉症対策

外から花粉を持ち込まないように努力しても、完全に防止することはできません。室内に侵入してきた花粉には次のような対策を講じましょう。

こまめに掃除をする

花粉症シーズン中はとくに掃除をこまめに行い、室内に入り込んだ花粉を取り除きましょう。
掃除機は、排気循環式のものを利用すると、排気で花粉が舞うのを防止できます。また、床の水拭きも効果的です。

空気清浄機を使用する

花粉症対策として空気清浄機を効率的に使うのなら、寝室の枕元に置き、24時間稼働させるのがよいでしょう。できれば高性能HEPAフィルター付きのものを選びましょう。

部屋の換気は夜から早朝にかけて行う

ヒノキ花粉もスギ花粉と同様に、昼頃と夕方の17時頃が飛散のピークだと考えられるので、部屋の換気はその時間を避けてください。夜から早朝にかけて、レースのカーテンを閉めたまま、窓を10cmほど開けると、花粉の侵入を最低限にすることができます。

洗面所やトイレのマットはこまめに洗う

家の中で、意外と花粉がたまりやすいのが、狭い場所で服を脱ぎ着する洗面所やトイレです。ヒノキ花粉のシーズンは毛足の長いマットは避け、頻繁に洗濯しましょう。

洗濯物は室内干し

花粉が飛散しているシーズンに、洗濯物を外に干すのはNG。布団も、お日様に当てるのはしばらく我慢して、布団乾燥機を使って湿気を取りましょう。

花粉症(アレルギー)は慢性疾患

花粉が飛ぶシーズンになると毎年発症する花粉症は、慢性疾患の1つです。スギ花粉、ヒノキ花粉の両方にアレルギーがあると、症状が重くなる傾向があり、その期間が長いので、対策をしっかり行うことが望まれます。
花粉症では、症状の影響で不眠や集中力の低下などの弊害が起こることがあり、その場合は学業や仕事に支障を来たします。また、花粉を避けるために外出を控えるなど、行動を制限せざるを得ない人も少なくありません。
花粉症は、対策と治療が必要な慢性疾患――そう理解して適切な対応をすれば、パフォーマンスを落とすことなく、花粉の季節でも快適に活動的に過ごせるでしょう。

教えてくれた先生

松脇 由典 先生
松脇 由典 先生
医療法人社団 恵芳会
松脇クリニック品川 院長
耳鼻咽喉科・アレルギー科医師
松脇クリニック品川
【略歴】
1994年3月
東京慈恵会医科大学 医学部 医学科卒業
1994年5月
東京慈恵会医科大学付属病院にて研修開始
2006年8月
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科講座 講師
医療法人社団恵芳会 松脇クリニック品川 
理事長
現在に至る
【学会】

日本耳鼻咽喉科学会・専門医/日本アレルギー学会・専門医/日本鼻科学会
耳鼻咽喉科臨床学会/耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会/
品川気道アレルギー研究会・代表
アレルギー・好酸球研究会

【賞罰】
平成24年
日本鼻科学会 第19回学会賞
平成18年
米国アレルギー喘息免疫学会 
Featured presentation
平成17年
東京慈恵会医科大学 金杉賞