運動をする前と後にストレッチを行うと、ケガや筋肉痛を予防することができます。このストレッチは、家の中ででもできるものが多いので、ウォーキングに出かける前や、普段の空き時間に軽い運動習慣として行うと、筋肉はどんどん柔軟になり、活性化していきます。
このコラムでは、筋肉痛予防のためのストレッチ方法についてお伝えします。
運動をする前と後にストレッチを行うと、ケガや筋肉痛を予防することができます。このストレッチは、家の中ででもできるものが多いので、ウォーキングに出かける前や、普段の空き時間に軽い運動習慣として行うと、筋肉はどんどん柔軟になり、活性化していきます。
このコラムでは、筋肉痛予防のためのストレッチ方法についてお伝えします。
<監修>
<監修>
橋本三四郎先生
南新宿整形外科リハビリテーションクリニック院長
日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション認定医/日本リウマチ財団登録医
橋本三四郎先生
南新宿整形外科リハビリテーションクリニック院長
日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション認定医/日本リウマチ財団登録医
久留米大学大学院卒業。カリフォルニア大学サンディエゴ校、米国スクリプス研究所主任研究員。2001年ハシモトクリニック開院。日本医科大学病院整形外科・リウマチ外科非常勤講師を経て、2012年南新宿整形外科リハビリテーションクリニックを開院。著書に「あきらめないでひざの痛み」「こうすれば膝痛は治せる!」
久留米大学大学院卒業。カリフォルニア大学サンディエゴ校、米国スクリプス研究所主任研究員。2001年ハシモトクリニック開院。日本医科大学病院整形外科・リウマチ外科非常勤講師を経て、2012年南新宿整形外科リハビリテーションクリニックを開院。著書に「あきらめないでひざの痛み」「こうすれば膝痛は治せる!」
筋肉痛を予防するために、運動の前後にはストレッチが大切です。ではストレッチとはいったいどういうもので、どんな効果があるのでしょう。
筋肉を脱力させて伸びやすくし、筋肉の緊張をほぐす一般的な方法が「ストレッチ」です。
筋肉をうっかり強く伸ばしたときに、ビリビリっという刺激的な痛みを感じたことがありませんか?この痛みは伸張反射によるもの。伸張反射とは、それ以上長く伸びないように筋肉を収縮させる脊髄反射です。ところが、この反射は筋肉の脱力を邪魔するものなので、いちいち反射されていたままでは、なかなか筋肉の緊張をほぐせません。
そこで、じっくり筋肉を伸ばすストレッチが有効になるのです。
ストレッチでじわじわ筋肉を伸ばしていくと、いつのまにか筋肉の長さの変化をキャッチする受容器の反応が鈍くなり、伸張反応が起こりにくくなるのです。こうなれば、筋肉の脱力が進んで伸びやすくなり、関節可動域も広がり、柔軟性も向上し、筋肉痛になりにくい身体になります。
さらに、ストレッチには筋肉内部の血液循環を促進する効果もあるので、筋肉にとってはうれしい限りのストレッチ効果、ということが言えますね。
筋肉痛を予防するために、運動の前後にはストレッチが大切です。ではストレッチとはいったいどういうもので、どんな効果があるのでしょう。
筋肉を脱力させて伸びやすくし、筋肉の緊張をほぐす一般的な方法が「ストレッチ」です。
筋肉をうっかり強く伸ばしたときに、ビリビリっという刺激的な痛みを感じたことがありませんか?この痛みは伸張反射によるもの。伸張反射とは、それ以上長く伸びないように筋肉を収縮させる脊髄反射です。ところが、この反射は筋肉の脱力を邪魔するものなので、いちいち反射されていたままでは、なかなか筋肉の緊張をほぐせません。
そこで、じっくり筋肉を伸ばすストレッチが有効になるのです。
ストレッチでじわじわ筋肉を伸ばしていくと、いつのまにか筋肉の長さの変化をキャッチする受容器の反応が鈍くなり、伸張反応が起こりにくくなるのです。こうなれば、筋肉の脱力が進んで伸びやすくなり、関節可動域も広がり、柔軟性も向上し、筋肉痛になりにくい身体になります。
さらに、ストレッチには筋肉内部の血液循環を促進する効果もあるので、筋肉にとってはうれしい限りのストレッチ効果、ということが言えますね。
筋肉に柔軟性をつけることで、いつどんな運動をしても筋肉痛になりにくい身体をつくることができます。そのためには継続的にストレッチを行うことも大切です。
筋肉はストレッチで何度も伸ばされることを繰り返されると、しだいに弾性が弱まって、伸びやすい筋肉ができてきます。さらに、ストレッチは筋肉だけでなく、周囲の結合組織である靭帯なども伸ばしていくことになり、身体の柔軟性はますます増していきます。なぜなら、靭帯などの主成分はコラーゲン。このコラーゲンは常に動かすことをしていないと、コラーゲンの線維同士が橋をかけたように結合してしまうという性質を持つからです。そうなると可動領域は広がりません。
つまりストレッチには、身体全体を柔らかくし、動きやすくする効果があるのです。
筋肉に柔軟性をつけることで、いつどんな運動をしても筋肉痛になりにくい身体をつくることができます。そのためには継続的にストレッチを行うことも大切です。
筋肉はストレッチで何度も伸ばされることを繰り返されると、しだいに弾性が弱まって、伸びやすい筋肉ができてきます。さらに、ストレッチは筋肉だけでなく、周囲の結合組織である靭帯なども伸ばしていくことになり、身体の柔軟性はますます増していきます。なぜなら、靭帯などの主成分はコラーゲン。このコラーゲンは常に動かすことをしていないと、コラーゲンの線維同士が橋をかけたように結合してしまうという性質を持つからです。そうなると可動領域は広がりません。
つまりストレッチには、身体全体を柔らかくし、動きやすくする効果があるのです。
じっくり、ゆっくり、反動をつけずに筋肉を伸ばしていく運動が、静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)です。一般的に認知されているストレッチのほとんどは、この静的ストレッチ。アキレス腱伸ばし、腿伸ばしなどが、その代表例です。
筋肉痛の予防には、運動の前後に適宜このストレッチを取り入れるとよいでしょう。
じっくり、ゆっくり、反動をつけずに筋肉を伸ばしていく運動が、静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)です。一般的に認知されているストレッチのほとんどは、この静的ストレッチ。アキレス腱伸ばし、腿伸ばしなどが、その代表例です。
筋肉痛の予防には、運動の前後に適宜このストレッチを取り入れるとよいでしょう。
膝を伸ばしたまま、上体を前屈させた体勢で静止します。
膝関節と股関節をまたぐハムストリングを、脱力した状態でじっくり伸ばすことのできるストレッチです。
膝を伸ばしたまま、上体を前屈させた体勢で静止します。
膝関節と股関節をまたぐハムストリングを、脱力した状態でじっくり伸ばすことのできるストレッチです。
静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)に対して動的ストレッチ(ダイナミック・ストレッチ)というものもあります。
これは、多関節を使う反動をつけた運動のこと。スキップしたりリズミカルに身体を動かしたり、あるいは、腕、脚、上体を前後左右に振ったり、大きく回したりしながら全身の筋肉をほぐしていくものです。おなじみのラジオ体操も、動的ストレッチにあたります。
動かせる範囲でめいっぱい、勢いよく腕や脚などを大きく動かすことで、腕や脚自体の重さが負荷となり、筋肉を伸ばしていきます。
この動的ストレッチには、もうひとつ、筋肉の温度を高めるという効果もあります。
筋肉は血流が悪いと30℃近くまで温度を下げてしまうと言われますが、身体を動かして筋温を上げていくと、筋収縮のパフォーマンスが上がっていきます。筋温を1℃上げるだけで生体反応速度は20%高まるという研究結果※もあるとか。 つまり、文字どおりウォーミングアップに適したストレッチが、この動的ストレッチなのです。柔軟性を高め、ウォーミングアップをしっかりすることが、筋肉痛の予防につながります。
(※コペンハーゲン大学Asmussen Asmussen E, 1945)
静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)に対して動的ストレッチ(ダイナミック・ストレッチ)というものもあります。
これは、多関節を使う反動をつけた運動のこと。スキップしたりリズミカルに身体を動かしたり、あるいは、腕、脚、上体を前後左右に振ったり、大きく回したりしながら全身の筋肉をほぐしていくものです。おなじみのラジオ体操も、動的ストレッチにあたります。
動かせる範囲でめいっぱい、勢いよく腕や脚などを大きく動かすことで、腕や脚自体の重さが負荷となり、筋肉を伸ばしていきます。
この動的ストレッチには、もうひとつ、筋肉の温度を高めるという効果もあります。
筋肉は血流が悪いと30℃近くまで温度を下げてしまうと言われますが、身体を動かして筋温を上げていくと、筋収縮のパフォーマンスが上がっていきます。筋温を1℃上げるだけで生体反応速度は20%高まるという研究結果※もあるとか。 つまり、文字どおりウォーミングアップに適したストレッチが、この動的ストレッチなのです。柔軟性を高め、ウォーミングアップをしっかりすることが、筋肉痛の予防につながります。
(※コペンハーゲン大学Asmussen Asmussen E, 1945)
両腕を振る勢いを使って上体を大きく前後に振ります。
次に膝を伸ばしたまま勢いよく前屈します。この動きでハムストリングが瞬間的に伸びます。
この繰り返しストレッチでは、ハムストリングに加え、お尻や上半身の筋群も一緒にほぐすことができます。
両腕を振る勢いを使って上体を大きく前後に振ります。
次に膝を伸ばしたまま勢いよく前屈します。この動きでハムストリングが瞬間的に伸びます。
この繰り返しストレッチでは、ハムストリングに加え、お尻や上半身の筋群も一緒にほぐすことができます。
ボーリングでも野球 でも、バドミントンやフットサルでも、どんな運動でもその前後にはストレッチを行い、ケガと筋肉痛を予防しましょう。
ボーリングでも野球 でも、バドミントンやフットサルでも、どんな運動でもその前後にはストレッチを行い、ケガと筋肉痛を予防しましょう。
ウォーミングアップは、筋肉の機能や柔軟性を高め、動かしやすくすることを目的にします。また、身体をしっかり温め、筋肉の収縮パフォーマンスを高めます。
はじめに静的ストレッチ、次に動的ストレッチの順で行うとよいでしょう。
ウォーミングアップは、筋肉の機能や柔軟性を高め、動かしやすくすることを目的にします。また、身体をしっかり温め、筋肉の収縮パフォーマンスを高めます。
はじめに静的ストレッチ、次に動的ストレッチの順で行うとよいでしょう。
1)静的ストレッチ
1)静的ストレッチ
ウォーミングアップの最初は関節の可動域を広げる運動を行います。各部位を適度に10〜20秒程度伸ばしていきます。コツは、身体の下から上への伸張です。
ウォーミングアップの最初は関節の可動域を広げる運動を行います。各部位を適度に10〜20秒程度伸ばしていきます。コツは、身体の下から上への伸張です。
「後ろ膝曲げ伸ばし」
「後ろ膝曲げ伸ばし」
「両脚裏もも伸ばし」
「両脚裏もも伸ばし」
「膝倒し腰ひねり」
「膝倒し腰ひねり」
2)動的ストレッチ
2)動的ストレッチ
静的ストレッチでじっくりと筋肉を伸ばした後は、リズミカルに手脚や上体を大きく振る、ひねるなどの動的ストレッチで筋肉を伸ばし、温めていきます。
両手・両脚を広げては引き寄せながら横に進む「サイドステップ」、腕を曲げ、両ひじを回しながらスキップする「ひじ回し」などを組み合わせましょう。
静的ストレッチでじっくりと筋肉を伸ばした後は、リズミカルに手脚や上体を大きく振る、ひねるなどの動的ストレッチで筋肉を伸ばし、温めていきます。
両手・両脚を広げては引き寄せながら横に進む「サイドステップ」、腕を曲げ、両ひじを回しながらスキップする「ひじ回し」などを組み合わせましょう。
「サイドステップ」
「サイドステップ」
「トゥタッチ」
「トゥタッチ」
「ヒールタッチ」
「ヒールタッチ」
「ひじ回し」
「ひじ回し」
運動後のクールダウンでは、運動前に行った(1)の静的ストレッチを行います。筋肉疲労を緩和させ、筋力を回復し、筋肉の分解を防ぐ目的があります。
ストレッチ後、筋肉に痛みや熱感がある場合はアイシングで冷やしますが、落ち着いてきたら、蒸しタオルなどで温めるとよいでしょう。
運動後のクールダウンでは、運動前に行った(1)の静的ストレッチを行います。筋肉疲労を緩和させ、筋力を回復し、筋肉の分解を防ぐ目的があります。
ストレッチ後、筋肉に痛みや熱感がある場合はアイシングで冷やしますが、落ち着いてきたら、蒸しタオルなどで温めるとよいでしょう。
筋肉痛予防のために、ストレッチについてその具体的な方法をご紹介しました。
ここで紹介した運動前の動的ストレッチは、よくサッカー選手が準備運動として行なっている「ブラジル体操」というものです。もちろん、これをラジオ体操に変えても、動的ストレッチであることには変わりありません。
いずれにせよ、運動前後のこうしたストレッチの有無が、筋肉痛になるかならないかを大きく左右します。たとえ子どもの運動会での駆けっこ参戦であっても、多少なりとも身体を動かしてから参加しましょう。普段から運動習慣を持たない人がいきなり走ると、たいていの場合、転ぶか、後日筋肉痛に悩まされるものです。『自身の筋肉は意外と衰えているのだ』と思い、ストレッチに励みましょう。
筋肉痛予防のために、ストレッチについてその具体的な方法をご紹介しました。
ここで紹介した運動前の動的ストレッチは、よくサッカー選手が準備運動として行なっている「ブラジル体操」というものです。もちろん、これをラジオ体操に変えても、動的ストレッチであることには変わりありません。
いずれにせよ、運動前後のこうしたストレッチの有無が、筋肉痛になるかならないかを大きく左右します。たとえ子どもの運動会での駆けっこ参戦であっても、多少なりとも身体を動かしてから参加しましょう。普段から運動習慣を持たない人がいきなり走ると、たいていの場合、転ぶか、後日筋肉痛に悩まされるものです。『自身の筋肉は意外と衰えているのだ』と思い、ストレッチに励みましょう。