食欲不振とはどんな状態?原因も解説

食欲不振とはどんな状態?原因も解説

食欲不振とはどんな状態?原因も解説 食欲不振とはどんな状態?原因も解説

ついつい食べ過ぎてしまう人がいる一方で、食欲不振に悩む人も少なくありません。食べたい気持ちはあっても、「たくさん食べられない」「いざ食べようとするとすぐお腹いっぱいになる」のには、どのような原因があるのでしょうか。食欲不振の原因や疑われる胃腸の病気、その他の病気の可能性について解説します。

ついつい食べ過ぎてしまう人がいる一方で、食欲不振に悩む人も少なくありません。食べたい気持ちはあっても、「たくさん食べられない」「いざ食べようとするとすぐお腹いっぱいになる」のには、どのような原因があるのでしょうか。食欲不振の原因や疑われる胃腸の病気、その他の病気の可能性について解説します。

[監修者]

[監修者]

江田 証(えだ あかし)先生 江田 証(えだ あかし)先生

医学博士
江田 証(えだ あかし)先生

医学博士
江田 証(えだ あかし)先生

【監修者肩書】
医学博士 / 医療法人社団信証会 江田クリニック院長 

【プロフィール詳細】
1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒業。日本消化器病学会奨励賞受賞。
日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染症認定医。米国消化器病学会インターナショナルメンバーを務める。日本抗加齢医学会専門医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界初、米国消化器病学会で発表し、英文誌の巻頭論文として発表。全国から訪れる多くの患者の診療と多数の胃カメラおよび大腸カメラ検査を行っている。
著書に、日本初の小腸の健康本である『小腸を強くすれば病気にならない』(インプレス)、『なんだかよくわからない「お腹の不調」はこの食事で治せる!世界が認めた低FODMAP(フォドマップ)食事法』(PHP研究所)などがある。

【監修者肩書】
医学博士 / 医療法人社団信証会 江田クリニック院長 

【プロフィール詳細】
1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒業。日本消化器病学会奨励賞受賞。
日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染症認定医。米国消化器病学会インターナショナルメンバーを務める。日本抗加齢医学会専門医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界初、米国消化器病学会で発表し、英文誌の巻頭論文として発表。全国から訪れる多くの患者の診療と多数の胃カメラおよび大腸カメラ検査を行っている。
著書に、日本初の小腸の健康本である『小腸を強くすれば病気にならない』(インプレス)、『なんだかよくわからない「お腹の不調」はこの食事で治せる!世界が認めた低FODMAP(フォドマップ)食事法』(PHP研究所)などがある。

(1)食欲不振とは?

(1)食欲不振とは?


(1)食欲不振とは? (1)食欲不振とは?

食欲不振とは、食べていないにもかかわらず食欲が出ない、お腹がすかない状態を指します。「食べたい気持ちはあっても、食べてみたら少ししか食べられない」という状態も食欲不振の1つです。

通常、長い時間食事を摂らないと血糖値が下がります。すると空っぽな胃が収縮し、脳の視床下部にある摂食中枢が刺激されて「お腹がすいた」と感じます。お腹がすいた時に「グー」とお腹が鳴るのは、この時に胃が収縮する音です。しかし、何らかの理由で食欲を感じにくくなっている状態を「食欲不振」といいます。

食欲不振は多くの人が経験する症状であり、その程度や期間には個人差があります。多くの場合は一時的なもので、数日以内には食欲を感じるようになります。数日以上にわたって食事の量が減り、食欲がない状態が続く場合は、身体や心の問題が背景にあるかもしれません。食欲がなくなる原因は様々で、複数の原因が重なっていることもあります。

食欲不振とは、食べていないにもかかわらず食欲が出ない、お腹がすかない状態を指します。「食べたい気持ちはあっても、食べてみたら少ししか食べられない」という状態も食欲不振の1つです。

通常、長い時間食事を摂らないと血糖値が下がります。すると空っぽな胃が収縮し、脳の視床下部にある摂食中枢が刺激されて「お腹がすいた」と感じます。お腹がすいた時に「グー」とお腹が鳴るのは、この時に胃が収縮する音です。しかし、何らかの理由で食欲を感じにくくなっている状態を「食欲不振」といいます。

食欲不振は多くの人が経験する症状であり、その程度や期間には個人差があります。多くの場合は一時的なもので、数日以内には食欲を感じるようになります。数日以上にわたって食事の量が減り、食欲がない状態が続く場合は、身体や心の問題が背景にあるかもしれません。食欲がなくなる原因は様々で、複数の原因が重なっていることもあります。

(2)食欲不振が起きる原因は?

(2)食欲不振が起きる原因は?


食欲不振は主に日常生活上の原因で起こる場合と、病気が原因の場合があります。考えられる原因について詳しく見ていきましょう。

食欲不振は主に日常生活上の原因で起こる場合と、病気が原因の場合があります。考えられる原因について詳しく見ていきましょう。

日常生活上の原因

日常生活上の原因

①ストレス

①ストレス

ストレス ストレス

精神的なストレスによる悲しみや不安、焦燥感を日常的に抱えている人や、抑うつ状態にある人は、自律神経が乱れて摂食中枢がうまく機能せず、食欲を感じにくくなります。食べても味がしない味覚障害を起こすこともあります。ストレスによって胃の運動機能が低下すると、胃の膨らみが悪くなって消化不良を起こしたり、胃酸が出過ぎたりして胃の痛みを感じやすくなり、食べる量も減ってしまいます。

精神的なストレスによる悲しみや不安、焦燥感を日常的に抱えている人や、抑うつ状態にある人は、自律神経が乱れて摂食中枢がうまく機能せず、食欲を感じにくくなります。食べても味がしない味覚障害を起こすこともあります。ストレスによって胃の運動機能が低下すると、胃の膨らみが悪くなって消化不良を起こしたり、胃酸が出過ぎたりして胃の痛みを感じやすくなり、食べる量も減ってしまいます。

②不規則な生活

②不規則な生活

不規則な生活 不規則な生活

生活リズムの乱れや不規則な生活は自律神経を乱し、食欲不振を招きます。夜遅くにご飯を食べたら、翌朝胃もたれや胃痛がして朝食を摂れなかった……という経験のある人は多いのではないでしょうか。胃は深夜から明け方にかけての就寝時に、胃に残った食べ物のカスや細胞のはげ落ちたものなどを腸へと送り出しています。夜遅くに何か食べてしまうと胃の中のそうじができず、胃に食べ物が残って胃もたれなどが起こってしまいます。睡眠不足や夜間の食事、飲酒は胃に負担がかかるため、食欲不振につながります。

生活リズムの乱れや不規則な生活は自律神経を乱し、食欲不振を招きます。夜遅くにご飯を食べたら、翌朝胃もたれや胃痛がして朝食を摂れなかった……という経験のある人は多いのではないでしょうか。胃は深夜から明け方にかけての就寝時に、胃に残った食べ物のカスや細胞のはげ落ちたものなどを腸へと送り出しています。夜遅くに何か食べてしまうと胃の中のそうじができず、胃に食べ物が残って胃もたれなどが起こってしまいます。睡眠不足や夜間の食事、飲酒は胃に負担がかかるため、食欲不振につながります。

③季節の変わり目、夏バテ

③季節の変わり目、夏バテ

季節の変わり目、夏バテ 季節の変わり目、夏バテ

季節の変わり目は自律神経が乱れやすく、健康な人でも体調管理が難しい時期です。特に、近年は初夏でも猛暑日が続くなど、変化に身体が対応できず、夏バテによる食欲不振に悩む人も増えています。室内と室外の激しい温度差なども自律神経の乱れにつながり、だるさや疲労感、食欲不振などの症状が生じます。

暑さで食欲が減退しがちな夏は冷たい麺類などの食事に偏りがちですが、冷たいものを摂り過ぎると胃の血流が低下して、ますます胃腸機能の低下を招きます。食べ物の消化・吸収がうまく行えなくなると食欲不振に陥り、栄養が不足してしまいます。

季節の変わり目は自律神経が乱れやすく、健康な人でも体調管理が難しい時期です。特に、近年は初夏でも猛暑日が続くなど、変化に身体が対応できず、夏バテによる食欲不振に悩む人も増えています。室内と室外の激しい温度差なども自律神経の乱れにつながり、だるさや疲労感、食欲不振などの症状が生じます。

暑さで食欲が減退しがちな夏は冷たい麺類などの食事に偏りがちですが、冷たいものを摂り過ぎると胃の血流が低下して、ますます胃腸機能の低下を招きます。食べ物の消化・吸収がうまく行えなくなると食欲不振に陥り、栄養が不足してしまいます。

食欲不振の原因となる病気

食欲不振の原因となる病気

食欲不振の原因となる病気 食欲不振の原因となる病気

①便秘・下痢(過敏性腸症候群)

①便秘・下痢(過敏性腸症候群)

便秘や下痢は食欲不振の原因の1つです。便秘が続くとお腹が張って苦しくなり、食欲不振を招きます。下痢が続くと脱水や栄養障害、肛門の周りに痛みや炎症が起きて、心身共に負担がかかります。便秘や下痢が長期間続く場合は、過敏性腸症候群の可能性もあるため専門の医療機関を受診することが大切です。

過敏性腸症候群は腸そのものには異常はないのに腹痛、下痢、便秘を繰り返す病気です。日本人の10人に1人が発症しているともいわれ、精神的な不安や緊張が自律神経の乱れにつながり、腸の運動や消化液などの分泌活動が過剰になって下痢や便秘を引き起こします。他にも感染性腸炎にかかった後の腸内環境の悪化や小腸内で分解・吸収されにくい糖類の影響なども原因と考えられています。20~40代の働く世代に多く見られ、男性は下痢、女性は便秘になりやすい傾向があります。

便秘や下痢は食欲不振の原因の1つです。便秘が続くとお腹が張って苦しくなり、食欲不振を招きます。下痢が続くと脱水や栄養障害、肛門の周りに痛みや炎症が起きて、心身共に負担がかかります。便秘や下痢が長期間続く場合は、過敏性腸症候群の可能性もあるため専門の医療機関を受診することが大切です。

過敏性腸症候群は腸そのものには異常はないのに腹痛、下痢、便秘を繰り返す病気です。日本人の10人に1人が発症しているともいわれ、精神的な不安や緊張が自律神経の乱れにつながり、腸の運動や消化液などの分泌活動が過剰になって下痢や便秘を引き起こします。他にも感染性腸炎にかかった後の腸内環境の悪化や小腸内で分解・吸収されにくい糖類の影響なども原因と考えられています。20~40代の働く世代に多く見られ、男性は下痢、女性は便秘になりやすい傾向があります。

②機能性ディスペプシア

②機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアも食欲不振につながる病気です。胃の不調があるにもかかわらず、検査では異常が見つからないため、かつては「気のせい」と言われてしまうこともありました。最近は胃の病気の1つと捉えて診断し、健康保険による治療が可能です。主な症状は胃の痛み、胃が熱くなる灼熱感、胃もたれ、すぐにお腹がいっぱいになる早期満腹感などです。胃の膨らみが悪く、胃酸に反応して痛みを感じやすいことなどが主な原因ですが、ストレスも原因の1つです。日本人の少なくとも10人に1人が発症しているという報告もあり、特に若い女性に多い疾患です。

機能性ディスペプシアも食欲不振につながる病気です。胃の不調があるにもかかわらず、検査では異常が見つからないため、かつては「気のせい」と言われてしまうこともありました。最近は胃の病気の1つと捉えて診断し、健康保険による治療が可能です。主な症状は胃の痛み、胃が熱くなる灼熱感、胃もたれ、すぐにお腹がいっぱいになる早期満腹感などです。胃の膨らみが悪く、胃酸に反応して痛みを感じやすいことなどが主な原因ですが、ストレスも原因の1つです。日本人の少なくとも10人に1人が発症しているという報告もあり、特に若い女性に多い疾患です。

③逆流性食道炎

③逆流性食道炎

以前は日本人には少ない病気でしたが、食事の欧米化などにより患者数は増加傾向にあります。特に、中高年の太り気味の男性に多く見られます。胃液の中に含まれる強い酸性の胃酸が食道に逆流して、食道に炎症が起こる病気で、胸やけや胸の痛み、のどや口まで酸っぱいものがこみあげてくる呑酸(どんさん)、のどが焼けるような感覚などが主な症状です。咳や不眠など様々な症状につながることがあります。

以前は日本人には少ない病気でしたが、食事の欧米化などにより患者数は増加傾向にあります。特に、中高年の太り気味の男性に多く見られます。胃液の中に含まれる強い酸性の胃酸が食道に逆流して、食道に炎症が起こる病気で、胸やけや胸の痛み、のどや口まで酸っぱいものがこみあげてくる呑酸(どんさん)、のどが焼けるような感覚などが主な症状です。咳や不眠など様々な症状につながることがあります。

(3)その他の食欲不振を引き起こす病気とは

(3)その他の食欲不振を引き起こす病気とは


(3)その他の食欲不振を引き起こす病気とは (3)その他の食欲不振を引き起こす病気とは

食欲不振を引き起こす原因は他にも、次のような病気や薬の影響などが考えられます。

食欲不振を引き起こす原因は他にも、次のような病気や薬の影響などが考えられます。

①慢性胃炎(ピロリ菌胃炎)

①慢性胃炎(ピロリ菌胃炎)

胃粘膜に炎症が繰り返し起こる状態です。主な症状には胃の不快感、胃もたれや食後の腹痛、食欲不振、吐き気などがあります。原因の多くはピロリ菌の感染で、ピロリ菌の除菌によって症状が大きく改善するケースも多くあります。ピロリ菌が除菌されれば、ピロリ菌が原因の胃潰瘍やや十二指腸潰瘍、ポリープ、胃がんの発症予防にもつながります。

胃粘膜に炎症が繰り返し起こる状態です。主な症状には胃の不快感、胃もたれや食後の腹痛、食欲不振、吐き気などがあります。原因の多くはピロリ菌の感染で、ピロリ菌の除菌によって症状が大きく改善するケースも多くあります。ピロリ菌が除菌されれば、ピロリ菌が原因の胃潰瘍やや十二指腸潰瘍、ポリープ、胃がんの発症予防にもつながります。

②胃潰瘍・十二指腸潰瘍

②胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍は胃酸によって胃の粘膜がただれて深く傷つく病気です。腹痛や吐き気などの症状が現われて、重症になると潰瘍から出血したり、胃に穴が開いたりすることもあります。40~60代に多い病気で、薬物治療を基本に、重症の場合は外科手術を行います。

十二指腸潰瘍は胃酸による攻撃に粘膜が耐えきれなくなり、十二指腸の粘膜がただれたり、削れてきたりする病気です。主な原因はストレスや食事、喫煙、ピロリ菌などで、20~40代の男性に多く見られます。治療法は胃潰瘍と同じくピロリ菌除菌と薬物治療が中心になります。胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時や早朝に痛みが起きることが多いという違いがあります。

胃潰瘍は胃酸によって胃の粘膜がただれて深く傷つく病気です。腹痛や吐き気などの症状が現われて、重症になると潰瘍から出血したり、胃に穴が開いたりすることもあります。40~60代に多い病気で、薬物治療を基本に、重症の場合は外科手術を行います。

十二指腸潰瘍は胃酸による攻撃に粘膜が耐えきれなくなり、十二指腸の粘膜がただれたり、削れてきたりする病気です。主な原因はストレスや食事、喫煙、ピロリ菌などで、20~40代の男性に多く見られます。治療法は胃潰瘍と同じくピロリ菌除菌と薬物治療が中心になります。胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時や早朝に痛みが起きることが多いという違いがあります。

③甲状腺機能低下症

③甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌量が低下する病気です。甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を盛んにするなど大切な役割をもっています。初期や軽度の場合はほとんど症状がありませんが、次第に無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘、食欲不振などの症状を引き起こします。男女比は1:10程度と女性に多く見られ、年齢的には30~40代が中心です。

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌量が低下する病気です。甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を盛んにするなど大切な役割をもっています。初期や軽度の場合はほとんど症状がありませんが、次第に無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘、食欲不振などの症状を引き起こします。男女比は1:10程度と女性に多く見られ、年齢的には30~40代が中心です。

④がん(胃がん・すい臓がん・大腸がんなど)

④がん(胃がん・すい臓がん・大腸がんなど)

がんそのものや手術・薬物療法、放射線治療など治療の影響で食欲がなくなることがあります。特に、胃やすい臓、大腸など消化器系のがんの症状として、食欲不振や吐き気などが見られることもあります。

胃がんは胃粘膜内の細胞から発生するがんで、ピロリ菌による胃壁の細胞の遺伝子損傷が主な原因です。胃粘膜だけでなく、胃壁やその外側までがんに侵されて、周辺の臓器にまで広がっていくこともあります。膵臓(すいぞう)がんは膵臓にできるがんです。多くは膵管(すいかん)の細胞から発生します。がんが発生しても症状が出にくく、早期発見は簡単ではありません。進行すると腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、腰や背中の痛みなどが起こります。

大腸がんは大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。早期段階では自覚症状がほとんどありません。進行すると血便、下痢と便秘の繰り返し、お腹が張る、腹痛、貧血、体重減少などの症状が出ることが多くなります。

がんそのものや手術・薬物療法、放射線治療など治療の影響で食欲がなくなることがあります。特に、胃やすい臓、大腸など消化器系のがんの症状として、食欲不振や吐き気などが見られることもあります。

胃がんは胃粘膜内の細胞から発生するがんで、ピロリ菌による胃壁の細胞の遺伝子損傷が主な原因です。胃粘膜だけでなく、胃壁やその外側までがんに侵されて、周辺の臓器にまで広がっていくこともあります。膵臓(すいぞう)がんは膵臓にできるがんです。多くは膵管(すいかん)の細胞から発生します。がんが発生しても症状が出にくく、早期発見は簡単ではありません。進行すると腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、腰や背中の痛みなどが起こります。

大腸がんは大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。早期段階では自覚症状がほとんどありません。進行すると血便、下痢と便秘の繰り返し、お腹が張る、腹痛、貧血、体重減少などの症状が出ることが多くなります。

⑤持病の薬の副作用など

⑤持病の薬の副作用など

持病の薬の副作用など 持病の薬の副作用など

抗菌薬や抗がん剤、鎮痛剤など持病の薬剤の副作用によっても食欲不振が引き起こされることがあります。

抗菌薬や抗がん剤、鎮痛剤など持病の薬剤の副作用によっても食欲不振が引き起こされることがあります。

⑥うつ病などの心療内科的疾患

⑥うつ病などの心療内科的疾患

気分の落ち込みや不安、喜びや興味の減退など、精神的なストレスによる心の病気によっても、食欲不振が引き起こされます。ストレスによって自律神経のバランスが乱れて、胃腸などの消化機能がうまく働かず、食欲が湧かなくなるためです。日本では100万人以上のうつ病患者がいるともいわれています。

気分の落ち込みや不安、喜びや興味の減退など、精神的なストレスによる心の病気によっても、食欲不振が引き起こされます。ストレスによって自律神経のバランスが乱れて、胃腸などの消化機能がうまく働かず、食欲が湧かなくなるためです。日本では100万人以上のうつ病患者がいるともいわれています。

(4)食欲不振が続く場合は医療機関へ

(4)食欲不振が続く場合は医療機関へ


前述したように、食欲不振には様々な原因があります。セルフケアで改善しなければ、症状に合わせて専門医の診療を受けましょう。症状別に受診すべき診療科を紹介します。

前述したように、食欲不振には様々な原因があります。セルフケアで改善しなければ、症状に合わせて専門医の診療を受けましょう。症状別に受診すべき診療科を紹介します。

①胃腸の病気が疑われる場合は、「消化器内科」へ

①胃腸の病気が疑われる場合は、「消化器内科」へ

胃腸の病気が疑われる場合は、「消化器内科」へ 胃腸の病気が疑われる場合は、「消化器内科」へ

胃痛や胃もたれなど胃腸の不調があり、繰り返し起こっている場合は、胃腸の病気が疑われます。慢性胃炎を長く放っておくと胃潰瘍や胃がんに、逆流性食道炎は食道がんにかかるリスクが高くなるので、消化器内科を受診して、専門医の診断・検査を受けましょう。

また、機能性ディスペプシアは検査をしても「異常なし」と言われて終わることもあります。過去に医療機関で「問題ない」「様子を見ましょう」と言われた人も、不調が続いているなら必ず胃腸科や消化器科など胃腸の問題を専門的に扱う診療科を受診しましょう。

胃痛や胃もたれなど胃腸の不調があり、繰り返し起こっている場合は、胃腸の病気が疑われます。慢性胃炎を長く放っておくと胃潰瘍や胃がんに、逆流性食道炎は食道がんにかかるリスクが高くなるので、消化器内科を受診して、専門医の診断・検査を受けましょう。

また、機能性ディスペプシアは検査をしても「異常なし」と言われて終わることもあります。過去に医療機関で「問題ない」「様子を見ましょう」と言われた人も、不調が続いているなら必ず胃腸科や消化器科など胃腸の問題を専門的に扱う診療科を受診しましょう。

②ストレスがあり抑うつ状態の場合は、「精神科」や「心療内科」へ

②ストレスがあり抑うつ状態の場合は、「精神科」や「心療内科」へ

ストレスがあり抑うつ状態の場合は、「精神科」や「心療内科」へ ストレスがあり抑うつ状態の場合は、「精神科」や「心療内科」へ

食欲不振の原因がストレスによるものだと見当がつく場合は、精神科や心療内科を受診するとよいでしょう。胃腸の機能は自分の意思にかかわらず働く自律神経によって調整されています。恐怖や不安、危険など強いストレスがかかると自律神経が乱れて胃の運動が低下したり、胃酸の刺激に敏感になる知覚過敏が起こったりするなど、胃腸の機能異常が生じます。

消化器内科を受診し、胃の機能異常を改善する薬を服用しても症状が改善しない、精神的な不安感が強い場合は、ストレスやうつ病など心療内科的疾患の可能性があります。その場合は抗不安剤や抗うつ薬などを併用することもあります。

食欲不振の原因がストレスによるものだと見当がつく場合は、精神科や心療内科を受診するとよいでしょう。胃腸の機能は自分の意思にかかわらず働く自律神経によって調整されています。恐怖や不安、危険など強いストレスがかかると自律神経が乱れて胃の運動が低下したり、胃酸の刺激に敏感になる知覚過敏が起こったりするなど、胃腸の機能異常が生じます。

消化器内科を受診し、胃の機能異常を改善する薬を服用しても症状が改善しない、精神的な不安感が強い場合は、ストレスやうつ病など心療内科的疾患の可能性があります。その場合は抗不安剤や抗うつ薬などを併用することもあります。

③持病の薬剤の副作用などが考えられる場合は、「かかりつけ医に相談」

③持病の薬剤の副作用などが考えられる場合は、「かかりつけ医に相談」

持病の薬剤の副作用などが考えられる場合は、「かかりつけ医に相談」 持病の薬剤の副作用などが考えられる場合は、「かかりつけ医に相談」

食欲不振は薬の副作用によって起こることもあります。食欲不振を招く薬には以下のようなものがあります。

・痛み止め
・強心剤
・抗がん剤
・向精神薬
・抗うつ薬
・抗生物質
・漢方薬

薬が原因で食欲不振になった可能性がある場合は、まずはかかりつけ医に相談しましょう。特に複数の持病がある高齢者は、薬の副作用の影響で食欲不振になることがあります。かかりつけ医に相談して、薬の調整をしてもらうとよいでしょう。

食欲不振は薬の副作用によって起こることもあります。食欲不振を招く薬には以下のようなものがあります。

・痛み止め
・強心剤
・抗がん剤
・向精神薬
・抗うつ薬
・抗生物質
・漢方薬

薬が原因で食欲不振になった可能性がある場合は、まずはかかりつけ医に相談しましょう。特に複数の持病がある高齢者は、薬の副作用の影響で食欲不振になることがあります。かかりつけ医に相談して、薬の調整をしてもらうとよいでしょう。

まとめ

まとめ


食欲不振の原因は、不規則な生活やストレスなど生活上の原因から、胃腸の病気や薬の副作用、精神的な要因まで実に様々です。人によっては複数の原因によって食欲不振が生じている可能性もあります。食欲不振が長く続く場合は、思わぬ大病が隠れていることもあります。症状に応じた医療機関を速やかに受診して原因を調べ、早期発見・早期治療に努めましょう。

食欲不振の原因は、不規則な生活やストレスなど生活上の原因から、胃腸の病気や薬の副作用、精神的な要因まで実に様々です。人によっては複数の原因によって食欲不振が生じている可能性もあります。食欲不振が長く続く場合は、思わぬ大病が隠れていることもあります。症状に応じた医療機関を速やかに受診して原因を調べ、早期発見・早期治療に努めましょう。

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