OPEN CLOSE

毎日の健康生活コラム

炭水化物の摂取により中性脂肪値は上がるのか?
脂質も控えるべきか解説

ご飯やパン、麺類など一見すると脂肪とは関係なさそうな炭水化物ですが、中性脂肪値にどのような影響があるか存知でしょうか。 今回は栄養管理士が炭水化物と中性脂肪の関係を解説します。中性脂肪とうまく付き合っていくために、どのように炭水化物や脂質を摂取していけば良いのかも説明しますので、中性脂肪値を気にされている方は是非参考にしてみてください。 <監修>
杉山 典子
女子栄養大学を卒業後、管理栄養士として保育園での食育や栄養管理に従事。
その後行政で特定保健指導などに携わり、現在は分子整合栄養医学に基づくクリニックで栄養指導やサプリメントの相談などを行う。

炭水化物の摂取により中性脂肪は上がるのか?

中性脂肪が高いというのは血液中の中性脂肪の量が増えすぎている状態のことを指します。炭水化物を摂ることでも中性脂肪は増加します。 ご飯やパン、麺類、お菓子などの炭水化物が中心の食事を摂ると食後に血糖値が急上昇します。(食後高血糖)この時、血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが多量に分泌されます。 インスリンは血液中に増えたブドウ糖を筋肉に取り込んでエネルギー源とし、さらにグリコーゲンに変えて筋肉や肝臓に溜め込む働きがあります。肝臓や筋肉がいっぱいになるとインスリンは余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞にため込むようになります。 このようにインスリンの働きによって血糖値は下がりますが、必要以上にインスリンが分泌されてしまうと、中性脂肪がどんどん増えてしまいます。つまり、炭水化物の摂りすぎによって中性脂肪は上昇するということになります。

中性脂肪を下げたい方は炭水化物を控えるべき?

中性脂肪を下げるには、血糖値の上昇を緩やかにしインスリンの分泌を抑えることがポイントとなります。 血糖値の上昇を緩やかにするために、摂取する炭水化物を少量に抑えることが有効です。また、炭水化物の選び方や食べ方を変えるだけでも効果があります。 血糖値の上昇を緩やかにし、中性脂肪の合成を抑える食事のポイントを以下3つご紹介します。

①炭水化物の量を控える

血糖値を急激に上昇させるのは糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)ですので、ご飯やパン、麺類、お菓子などの炭水化物の量を控える必要があります。 特に麺類やどんぶりものは糖質の量がかなり多く、血糖値が急激に上昇しやすいので注意が必要です。麺類やどんぶりものは避け、なるべく定食タイプの食事を心がけ、ご飯は少なめ程度にするとよいでしょう。 健康のために果物や果物ジュースをたくさん取っている方もいるかと思います。果物に含まれる果糖は血糖値をあまり上昇させません。しかし、果糖は分解されることなく速やかに肝臓へ運ばれ、脂肪になってしまいます。果物の摂りすぎには注意が必要です。

②GI値の低い食品を選ぶ

GI値(グリセミック・インデックス)とは、食べたときの血糖値の上がるスピードを食品ごとに数値化したものです。GI値が高い食品ほど血糖値の上がるスピードが速くなり、低い食品ほど血糖値はゆっくりと上昇します。血糖値の急激な上昇を防ぐために、GI値の低い食品を選んで食べましょう。 ご飯の場合、精白米よりも玄米のほうが、GI値が低く、麺類の場合、うどんよりもそばのほうがGI値は低くなります。

③野菜から先に食べる

食べる順番を変えるだけでも血糖値の急な上昇を抑え、中性脂肪の合成を抑えることができます。 食物繊維は糖の吸収を穏やかにする働きがあるため、食後高血糖を防ぐのに役立ちます。食べる順番はサラダやお浸しなど食物繊維を多く含む野菜から先に食べるようにしましょう。

極端な炭水化物の制限には気を付けましょう

中性脂肪を下げるために、炭水化物の量を減らすことは効果的ですが、極端な制限には注意が必要です。長期的に極端な糖質制限を行うことで心疾患のリスクが高まるという報告もあります。 また持病をお持ちの方は、自己流で極端な炭水化物の制限を行うことはとても危険ですので、必ず主治医に相談をしてください。

中性脂肪を下げたい方は炭水化物と脂質どちらを控えるべき?

中性脂肪と表現されるため、油っぽいものを食べると増えるものと誤解されがちですが、前述したとおり、炭水化物の食べすぎでも中性脂肪は上昇します。 中性脂肪を下げたい場合は、脂質よりも炭水化物を控えることが大切です。では、脂質はどれだけ摂っても問題ないかというと、やはり極端に摂りすぎると中性脂肪には影響が出てきてしまいますので揚げ物の摂りすぎなどに気を付けたいところです。逆に中性脂肪を減らすために積極的に取りたい油もあります。 イワシ、サバ、サンマなどの青魚の油にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)という不飽和脂肪酸が多く含まれていています。EPAとDHAは善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やし、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールと中性脂肪を減らすという作用があります。EPA、DHAは加熱に弱い性質があるため、青魚はお刺身など生の状態で食べることをお勧めします。

まとめ

油や脂質と関連して考えがちな中性脂肪ですが、インスリンの効果により炭水化物、つまり糖質から中性脂肪が蓄積されることをご説明しました。 糖質を制限することで中性脂肪を抑制することが可能です。一方で糖質は人間のエネルギー源であるため、制限しすぎるのは危険ですので注意が必要です。 食事の方法や血糖値を緩やかに上昇させる食品を摂るなど、工夫次第で中性脂肪値を上手くコントロールすることが可能です。

一覧に戻る