EPAは中性脂肪を下げるのに効果的?
作用するメカニズムと摂取のポイント

EPAは中性脂肪を下げるのに効果的?
作用するメカニズムと摂取のポイント

EPAは中性脂肪を下げるのに効果的? 作用するメカニズムと摂取のポイント EPAは中性脂肪を下げるのに効果的? 作用するメカニズムと摂取のポイント

脂肪といっても様々な種類の脂肪が存在します。中でも青魚などに含まれるEPAは中性脂肪などの血管にリスクをもたらす脂肪を減らす効果があるとして注目されています。

今回はEPAを掘り下げて、EPAとは何か、中性脂肪に作用するメカニズム、また摂取する際のポイントなどをご説明します。

<監修>
新道 香菜子
鹿児島大学医学部卒業。
2年間の研修医終了後、手術麻酔に従事し、2016年に麻酔科専門医を取得。
その後緩和ケア医として従事し、1年間在宅医療に携わる。
日本麻酔科学会、緩和ケア学会所属

脂肪といっても様々な種類の脂肪が存在します。中でも青魚などに含まれるEPAは中性脂肪などの血管にリスクをもたらす脂肪を減らす効果があるとして注目されています。

今回はEPAを掘り下げて、EPAとは何か、中性脂肪に作用するメカニズム、また摂取する際のポイントなどをご説明します。

<監修>
新道 香菜子
鹿児島大学医学部卒業。
2年間の研修医終了後、手術麻酔に従事し、2016年に麻酔科専門医を取得。
その後緩和ケア医として従事し、1年間在宅医療に携わる。
日本麻酔科学会、緩和ケア学会所属

EPAを知る前に!身体に良い脂肪・悪い脂肪の違い、分かりますか?

EPAを知る前に!身体に良い脂肪・悪い脂肪の違い、分かりますか?

脂肪酸とは、炭素・水素・酸素分子などが特定の構造で結びついた化学物質のことですが、簡単に言うと「あぶら」です。ゴマ油・コーン油などと言われるように、植物にも含まれますし、お肉や魚など動物にも含まれます。それぞれのあぶらによって、どのような脂肪酸が含まれているかは異なります。

それぞれのあぶらには良いところ・悪いところがあります。絶対にこれが体に良い・悪いということはなく、また体に良いとはいってもいくら食べてもいいわけではありませんし、悪いとされるあぶらも、完全に排除しなければならないわけではありません。

一般的に体に悪いと言われやすいあぶらに、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸があります。肉、乳製品、卵、加工食品・インスタント食品・お菓子などに含まれていることが多く、摂りすぎると血管の硬化などを起こしやすくなると言われています。

また一般的に健康に良いとされるのが、不飽和脂肪酸です。化学構造によってオメガ3系、6系、9系などと呼ばれることもあり、オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・ドコサヘキサエン酸(DHA)・エイコサペンタエン酸(EPA)などとも呼ばれます。

先ほども述べましたが、これらのあぶらについて、いくらたくさん摂っても、健康に全く問題がないというわけではありません。例えばオメガ6脂肪酸は、取りすぎると心臓の病気などに関係していると言われています。

脂肪酸とは、炭素・水素・酸素分子などが特定の構造で結びついた化学物質のことですが、簡単に言うと「あぶら」です。ゴマ油・コーン油などと言われるように、植物にも含まれますし、お肉や魚など動物にも含まれます。それぞれのあぶらによって、どのような脂肪酸が含まれているかは異なります。

それぞれのあぶらには良いところ・悪いところがあります。絶対にこれが体に良い・悪いということはなく、また体に良いとはいってもいくら食べてもいいわけではありませんし、悪いとされるあぶらも、完全に排除しなければならないわけではありません。

一般的に体に悪いと言われやすいあぶらに、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸があります。肉、乳製品、卵、加工食品・インスタント食品・お菓子などに含まれていることが多く、摂りすぎると血管の硬化などを起こしやすくなると言われています。

また一般的に健康に良いとされるのが、不飽和脂肪酸です。化学構造によってオメガ3系、6系、9系などと呼ばれることもあり、オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・ドコサヘキサエン酸(DHA)・エイコサペンタエン酸(EPA)などとも呼ばれます。

先ほども述べましたが、これらのあぶらについて、いくらたくさん摂っても、健康に全く問題がないというわけではありません。例えばオメガ6脂肪酸は、取りすぎると心臓の病気などに関係していると言われています。

魚に含まれている注目の成分・EPAとは何か

魚に含まれている注目の成分・EPAとは何か

エイコサペンタエン酸(EPA)は、オメガ3系不飽和脂肪酸(ω-3、n-3系とも呼ばれる)の一つです。オメガ3系不飽和脂肪酸には、EPAのほか、ドコサヘキサエン酸(DHA)やα―リノレン酸などがあります。

EPAやDHAは、魚に多く含まれるとされ、サバ・イワシなどの青魚、鮭などにも含まれています。魚やアザラシなどを食べているイヌイットでは、脂肪をたくさん食べているにもかかわらず、心臓に関する疾患が非常に少ないことから、EPAに注目が集まりました。

エゴマ(荏胡麻)やアマニ(亜麻仁)といった植物に含まれるαーリノレン酸は、体内で一部がEPAに変化すると言われています。

エイコサペンタエン酸(EPA)は、オメガ3系不飽和脂肪酸(ω-3、n-3系とも呼ばれる)の一つです。オメガ3系不飽和脂肪酸には、EPAのほか、ドコサヘキサエン酸(DHA)やα―リノレン酸などがあります。

EPAやDHAは、魚に多く含まれるとされ、サバ・イワシなどの青魚、鮭などにも含まれています。魚やアザラシなどを食べているイヌイットでは、脂肪をたくさん食べているにもかかわらず、心臓に関する疾患が非常に少ないことから、EPAに注目が集まりました。

エゴマ(荏胡麻)やアマニ(亜麻仁)といった植物に含まれるαーリノレン酸は、体内で一部がEPAに変化すると言われています。

中性脂肪を下げるのに効果的?EPAが作用するメカニズム

中性脂肪を下げるのに効果的?EPAが作用するメカニズム

EPAは、肝臓から血液中に中性脂肪が出て行くことを防ぎ、また血液中の中性脂肪が消えていくことを促すことで、中性脂肪を下げる効果があると言われています。肝臓の中の中性脂肪も減らしていく効果があるとされています。

中性脂肪値が高い場合、中性脂肪を高くするような、肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を避け、EPAを多く含む青魚などの食品を心がけて摂取することが大切です。

EPAは、肝臓から血液中に中性脂肪が出て行くことを防ぎ、また血液中の中性脂肪が消えていくことを促すことで、中性脂肪を下げる効果があると言われています。肝臓の中の中性脂肪も減らしていく効果があるとされています。

中性脂肪値が高い場合、中性脂肪を高くするような、肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を避け、EPAを多く含む青魚などの食品を心がけて摂取することが大切です。

EPAを摂取する際のポイント

EPAを摂取する際のポイント

EPAを摂取する際のポイント EPAを摂取する際のポイント

EPAは中性脂肪を下げると言われていますが、魚油を取りすぎると、げっぷ・吐き気・鼻血・軟便などを引き起こすことがあると言われています。

青魚を食べる場合、焼く・煮るなどの調理中にあぶらが流れ出てしまうこともあり、生に近い状態で食べるなどの工夫も考えられますが、加熱しない状態で食べる場合には食中毒にも注意が必要となります。

アメリカのFDA(厚生労働省に似た公的機関)によると、サプリメントからの摂取は、DHAとEPAを合わせて1日2gを超えないようにとされています。

また、血液がサラサラになる効果があるため、手術を控えている人や、血液が止まりにくい持病がある人、血液をサラサラにするほかの薬をすでに使用している人などには向かない場合もあります。

EPAを含む薬やサプリメントを利用する場合、吸収効率をよくするために、油を含む食事と一緒、もしくは食直後に摂ることが勧められています。

EPAは中性脂肪を下げると言われていますが、魚油を取りすぎると、げっぷ・吐き気・鼻血・軟便などを引き起こすことがあると言われています。

青魚を食べる場合、焼く・煮るなどの調理中にあぶらが流れ出てしまうこともあり、生に近い状態で食べるなどの工夫も考えられますが、加熱しない状態で食べる場合には食中毒にも注意が必要となります。

アメリカのFDA(厚生労働省に似た公的機関)によると、サプリメントからの摂取は、DHAとEPAを合わせて1日2gを超えないようにとされています。

また、血液がサラサラになる効果があるため、手術を控えている人や、血液が止まりにくい持病がある人、血液をサラサラにするほかの薬をすでに使用している人などには向かない場合もあります。

EPAを含む薬やサプリメントを利用する場合、吸収効率をよくするために、油を含む食事と一緒、もしくは食直後に摂ることが勧められています。

まとめ

まとめ

健康診断や人間ドックで中性脂肪値が高いと分かった場合、食事・運動・喫煙・アルコールなどの生活習慣を見直します。

それらの対策と合わせ、中性脂肪を高くするような、肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を避け、EPAを多く含む青魚などの食品を心がけて摂取することが大切です。先にも述べた通り、EPAなどであればいくら摂ってもいいというわけではなく、日常的に適量を摂取し続けていく必要があります。

▪参考文献
・日本脂質栄養学会
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
・国立循環器研究センター
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準
・動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス
・“Fish oil and glycemic control in diabetes. A meta-analysis.” Diabetes Care. 1998;21(4):494. Friedberg et. al.
・“Safety and efficacy of Omacor in severe hypertriglyceridemia.” J Cardiovasc Risk. 1997 Oct;4(5-6):385-91. Harris et. al.

健康診断や人間ドックで中性脂肪値が高いと分かった場合、食事・運動・喫煙・アルコールなどの生活習慣を見直します。

それらの対策と合わせ、中性脂肪を高くするような、肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を避け、EPAを多く含む青魚などの食品を心がけて摂取することが大切です。先にも述べた通り、EPAなどであればいくら摂ってもいいというわけではなく、日常的に適量を摂取し続けていく必要があります。

▪参考文献
・日本脂質栄養学会
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
・国立循環器研究センター
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準
・動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス
・“Fish oil and glycemic control in diabetes. A meta-analysis.” Diabetes Care. 1998;21(4):494. Friedberg et. al.
・“Safety and efficacy of Omacor in severe hypertriglyceridemia.” J Cardiovasc Risk. 1997 Oct;4(5-6):385-91. Harris et. al.