OPEN CLOSE

毎日の健康生活コラム

飲み会続きに要注意!中性脂肪を増やすアルコールについて解説

健康診断の結果を見たときに、コレステロールや中性脂肪の数字が高くて驚いたことはありませんか。飲み会の多い季節だから仕方ないと不摂生を続けていると、取り返しのつかないことになるかもしれません。 今回は、アルコールと中性脂肪の関係などについて医師に解説していただきました。 <監修>
井上智介
島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び臨床研修を修了する。
平成26年からは精神科を中心とした病院にて様々な患者さんと向き合い、その傍らで一部上場企業の産業医としても勤務している。

中性脂肪が増えると危険なのか

中性脂肪と言えば、悪者なイメージがあるでしょう。そもそも中性脂肪とは、体の中の脂質であり、体を動かすためのエネルギーの源です。具体的な役割として、人間が飢餓状態になったときに、エネルギーを溜め込んだり、体温を一定に保ったりすることなどが挙げられます。 しかし、中性脂肪が多すぎると、腸の血管からあふれ出てしまい、周囲の臓器や血管に徐々に溜まってしまいます。その結果、血液がドロドロになって、血管の壁にも中性脂肪がへばりつき、動脈硬化につながります。動脈硬化が進行すると、血管が詰まったり切れたりしやすくなるため、心筋梗塞や脳卒中になるリスクが跳ね上がるのです。 そのため、中性脂肪は適正な数値の範囲でコントロールすることが重要です。

アルコールの飲み過ぎは中性脂肪が増える原因に!

中性脂肪と一言で言っても、肝臓で合成されるものもあれば、飲食によって体の外から入ってくるものもあります。アルコールを飲むと、肝臓でアルコールが代謝されます。ただし、大量のアルコールを飲むと、その代謝に伴って、肝臓での中性脂肪の合成が進み、必要以上に中性脂肪が作られてしまうのです。 アルコール単体で適量の飲酒であれば、中性脂肪が上がることはないと言われています。しかし、中性脂肪は、アルコール以上にそのとき一緒に食べているおつまみの影響を受けるため注意が必要です。中性脂肪は糖質によって増えるため、白米や麺類など、炭水化物の取り過ぎにも気をつけましょう。

特に注意したいアルコール・お酒

「酒は百薬の長」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。かつては、適量のアルコールは、体にとってポジティブに働くと考えられていました。しかし、アルコールにはたくさんの種類があり、個人によって分解能力も異なるため、どのようなお酒をどれくらい飲めば体にとって良い作用となるか曖昧でした。 しかし、2018年8月に世界的に有名な医学雑誌である『LANCET』に掲載された論文で、少量の飲酒であっても、病気のリスクが上がることが発表されました。1990年~2016年の間で、アルコール飲酒量とアルコールが原因で起こりうる死亡との関係を調べた結果、『アルコール飲酒量ゼロが、一番健康リスクが少ない』と報告されたのです。

中性脂肪が気になる場合アルコールはどれくらいまで摂取してよい?

前述したように、アルコール飲酒量ゼロが一番健康リスクが少ないです。しかし、今まで頻繁に飲酒していた方が、急に飲酒量をゼロにすることは難しいでしょう。 実は、先ほど紹介した論文では、適切な飲酒量であれば、心筋梗塞など、血管の病気のリスクは下がるとされています。しかし、それ以上に結核やがんなど他の重篤な病気の発症リスクがあるため、健康面を考えたら飲酒量はゼロにしたほうがよいという結論になっています。 そこで、飲酒量がゼロにできない方がまずやるべきことは、アルコール飲酒量を適量に抑えることでしょう。 ここで言うアルコールの適量とは、厚生労働省が『健康日本21』において定めた、純アルコール換算で「1日に20gまで」が一般的な基準だと考えられます。しかし、2018年4月に『LANCET』において、「死亡リスクを高めない飲酒量は、純アルコール換算で週に100gまで」と発表されています。中性脂肪が気になる人は、週に純アルコール量換算100gまでの飲酒量を意識しましょう。 純アルコール量は、次の公式ですぐに計算できます。
『お酒の量(ml) × アルコール度数/100 ×0.8(アルコールの比重)= 純アルコール量(g)』
例えば、アルコール度数5%の500mlビール(ロング缶)に含まれる純アルコール量は、
500ml × 5/100(=5%) × 0.8 = 20g となります。

まとめ

中性脂肪が増えすぎると、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるため、正常範囲内に抑えましょう。また、お酒を飲むときは、おつまみにも注意して、糖質を取り過ぎないようにしてください。 健康のことを考えると、飲酒量はゼロが理想です。しかし、飲み会が続くシーズンでは難しいでしょう。そのようなときは、まず週に純アルコール量換算100gまでに調整してください。これからも健康を考えながら、お酒とよいお付き合いをしていきましょう。

一覧に戻る