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AGA(男性型脱毛症)とは?

ヘアケアについて
男性型脱毛症(AGA)とは?治療するクリニックや治療薬、治療期間などを説明します 男性型脱毛症(AGA)とは?治療するクリニックや治療薬、治療期間などを説明します

「最近抜け毛が増えた」 「おでこが広くなった気がする」 そんなことに気づいた時、自分は男性型脱毛症(AGA)ではないかと心配になると思います。

まずはAGAについて正しく知って、自分の髪の毛をセルフチェックしてみましょう。AGAは効果が認められている治療法があります。そのため、早めに治療をすればAGAの進行を止めることも期待できます。今回はAGAのメカニズムとAGAかどうかのセルフチェックの方法、AGAの治療法について解説します。

<監修>
金城 里美

東京医科歯科大学卒業。
大学病院で研修医として研鑽を積んだ後、皮膚科医として、大学病院、総合病院で7年間勤務。
あらゆる皮膚疾患の治療を行う。その後、内科・皮膚科クリニックで美容皮膚科の分野にも携わる。
現在、総合病院の皮膚科で勤務。三児の母。

男性型脱毛症(AGA)とはどのような状態か


<AGAが起こるメカニズム>

AGAには男性ホルモンが関わっています。
男性ホルモンである「テストステロン」は、毛根にある「5αリダクターゼ」という酵素によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変えられます。

髪の毛の産生と成長の場所は、毛根にある「毛乳頭」という部分ですが、DHTが毛乳頭にある男性ホルモン受容体に結合すると、髪の毛の産生と成長を止めるように働きます。それによってAGAが起こります。

DHTが結合する男性ホルモン受容体は前頭部から頭頂部の毛根にあり、側頭部、後頭部の毛根にはほとんどありません。そのため、AGAは前頭部から頭頂部にかけて薄毛が起こります。

<AGAによる髪の毛の変化>

正常な髪の毛は、以下のようなヘアサイクルを繰り返しています。

 

ヘアサイクル 髪の毛の状態 期間/頭皮全体の割合
①成長期 古い髪の毛が抜けた後、新しい髪の毛が生えて「太く」「長く」成長する期間。 約2~6年
髪の毛全体の90%
②退行期 髪の毛の成長が止まり、休止期を迎える準備段階。 約2~3週間
髪の毛全体の1%
③休止期 髪の毛の成長が完全に止まり、新たな成長期が来る前に髪の毛が抜け落ちる時期。 約3~4ヶ月
髪の毛全体の10%

 

AGAになるとDHTの働きにより、成長期の髪の毛がすぐに退行期に移ってしまいます。そのため、髪の毛は十分に成長せず「細く」「短く」産毛のようになります(「軟毛化」といいます)。そして、休止期になり抜け落ちてしまいます。

こんな状態ならAGA?
自分がAGAか判断するポイント


AGAかどうか自身で確認するためのチェック項目を挙げます。多くの項目に当てはまった場合、AGAの可能性が考えられます。

point

  • 抜け毛が徐々に増えてきた。
  • おでこが広くなった。
  • 頭頂部のボリュームが減った。
  • 髪の毛1本1本が細く、短くなった。
  • 父親、祖父など血のつながった人にAGAの人がいる。

最後の項目は、5αリダクターゼの活性の強さ、男性ホルモン受容体の反応の強さには遺伝性があると言われているため、チェック項目に入れました。

遺伝以外に、ストレス、生活習慣の乱れ、間違ったヘアケアの仕方などによる頭皮環境の悪化もAGAの要因として関わっていると言われています。

AGAに対する治療方法はどのようなものがある?


AGAは進行性だと言われています。そのため、放っておくと徐々に薄毛の範囲が広がっていきます。AGAの進行を食い止めるためには、早めの対策が必要です。
AGAの対策として最も効果が高いのは、AGAの治療をすることです。

AGAの治療方法について以下にまとめます。

治療方法 治療効果 作用 治療期間
ミノキシジル
(塗り薬)
発毛効果 ・もともと高血圧の治療薬として使われていた。
・血管拡張作用があり頭皮の血流を改善させる。
・毛乳頭での髪の毛の成長を助ける。
毎日連用で効果が確認できる目安は6ヵ月
※ミノキシジル濃度が1%ではなく5%の場合の目安は4ヵ月
フィナステリドデュタステリド
(飲み薬)
脱毛抑制効果 ・5αリダクターゼの働きを抑えることでDHTの産生を止めてAGAの進行を止める。 毎日連用で効果が確認できる目安は6ヶ月。
注入療法(メソセラピー、HARG療法)※成長因子導入および細胞移植療法 発毛効果 ・成長因子などを頭皮に直接注入して発毛を促す。 2~4週に1回の治療を6ヶ月~1年行う。有効性は十分に検証されていない(男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインより)
自毛植毛 発毛効果 ・自身の髪の毛を薄毛の部分に移植する。 治療は1回。有用性の試験は実施されていないが、82.5%以上の生着率が報告されている。(男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインより)

 

上記の治療法のうち、AGAの治療を開始する場合、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドといった、これらの薬剤による治療が行われることがほとんどです。


発毛効果と脱毛抑制効果の相乗効果を期待して、ミノキシジル+フィナステリド、ミノキシジル+デュタステリドという組み合わせで併用される場合もあります。

なお、ミノキシジルの塗り薬は一般用医薬品として市販されており、病院に行かなくてもドラッグストアやECサイトにて、薬剤師から購入することができます。
注入療法、自毛植毛などは、主にAGA専門病院で行われています。

<何科で治療ができる?>

AGAの治療は、主に皮膚科やAGA専門病院で行われています。皮膚科は様々な皮膚疾患のひとつとしてAGAの治療を行っていることが多いですか、AGA専門病院はAGAに特化した治療を行っています。

AGAの治療は定期的に長期間行っていく必要がありますので、通院しやすく雰囲気の合うところが良いと思います。

まとめ


AGAのメカニズムとAGAかどうかのセルフチェックの方法、AGAの治療法について解説しました。
AGAかどうか気になった場合は一人で悩まず、ドラッグストアなどの薬剤師や病院で相談してみることも選択肢の一つです。