薄毛が気になり始めたら、できるだけ早めに対策を取りたいものです。まずは試しに、ドラッグストアなどで手に入る治療薬を使ってみたいと思う方は多いでしょう。市販薬としてはミノキシジルの塗り薬（外用薬）が販売されています。

壮年性脱毛症、いわゆる男性型脱毛症（AGA）の治療薬  には、塗り薬の他に飲み薬がありますが、飲み薬は市販されておらず、医師による処方が必要です。クリニックを受診して、医師の診断を受けて薬を処方してもらいましょう。

男性型脱毛症（AGA）の治療薬  として、第１類医薬品のみに含まれる発毛成分「ミノキシジル」は、毛包に直接作用します。発毛成分であるミノキシジルが、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進して発毛を促します。

また、ヘアサイクルの変化によって小さくなってしまった毛包に働きかけ、細く軟毛化した毛髪を、太く抜けにくい毛に成長させます。

さらに注目したいのが、脱毛の進行予防効果です。ミノキシジルはすでに始まってしまった脱毛に対して、その進行を食い止め、現状を維持する効果が期待できます。

薄毛を気にする女性を対象とした、ミノキシジル配合の外用薬も市販されています。女性用は濃度１％のものが国内で承認されていますので、女性は女性用の発毛剤を使用しましょう。

薄毛ケアは長期戦です。薬だけでなく、髪を育てる体を健康に保つことが大切です。外用薬を使い始めるタイミングで、頭皮ケアと栄養摂取についても見直してみましょう。

●薄毛の外用薬のスタートと共に、「頭皮ケア」も開始を

髪を育む土台となる「頭皮」に栄養が行き届くようにするためには、頭皮のケアが大切です。

頭皮ケアの基本は、頭皮の汚れをきちんと落とすこと。女性に比べて男性は頭皮の皮脂分泌が多いため、汗やほこりがつきやすく、正しいシャンプー法でしっかりと汚れを落とすことが重要です。

お湯の温度は37～40℃くらいのぬるめが理想的。熱過ぎると皮脂の取り過ぎや、頭皮や髪に負担をかけてしまいます。シャンプー剤をつける前に、頭皮までお湯でしっかり湿らせましょう。

次に、シャンプー剤を手のひらで軽く泡立て、頭頂部から髪になじませます。指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗います。その際、爪を立ててゴシゴシ強く洗うのは厳禁です。首の後ろなども忘れず、指の腹を使ってマッサージするように洗いましょう。

洗髪のポイントは、適度な潤いや皮脂は残し、汚れをしっかり落とすことです。最後にシャンプー剤やトリートメントなどをぬるま湯でしっかり流すこともお忘れなく。

シャンプーのついでに、頭皮マッサージをプラスすると、さらに血流がよくなり、髪に栄養が届きやすくなります。

まず、両手で頭を軽くつかみ、親指の腹を耳の上に置きます。次に、手のひらをこめかみより少し上に当てて、押し上げるようにぐるぐる回しながら、頭の上までほぐしていきます。両手の指の腹で生え際から頭頂部にかけて、血流を促すイメージでゆっくりもみほぐしましょう。

●薄毛が気になったら、意識して摂りたい「栄養素」

ラーメンやカレー、丼ものなど糖質過多の食事を選びがちな人は要注意です。炭水化物が中心の食事ではどうしても糖質、脂質、塩分過多になり、髪をつくるために必要な栄養素であるタンパク質やビタミンなどを、食事から摂ることがほとんどできません。

薄毛が気になり出したら、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛を意識的に摂りましょう。タンパク質は髪をつくる酵素のもととなる栄養素で、健康な髪には欠かせません。タンパク質は肉だけでなく、魚や卵、乳製品、納豆や豆腐などの豆製品からも摂るようにしましょう。

一方、ビタミンB群、ビタミンＣ、亜鉛は酵素の働きを活性化します。ビタミンB群はほうれん草やブロッコリーなど色の濃い野菜の他、豚ひれ肉や鶏のささみにも多く含まれています。タンパク質の多い食材に含まれやすい栄養素なので、タンパク質をまんべんなく摂れば、ビタミンB群のバランスも自然とよくなります。

抗酸化作用があるビタミンCは、細胞の働きを健全に保ち、頭皮の状態を整えてくれます。柑橘類などの果物、ピーマン、ゴーヤ、パセリなどに多く含まれています。

亜鉛は体内ではつくり出せず、なおかつ食事からの摂取が難しい栄養素です。亜鉛を比較的多く含む食べ物は、牡蠣やエビ・カニ・貝などの魚介類や牛肉です。ただし、亜鉛はこれを食べればOKという食品がないため、肉、魚介類、野菜などをバランスよく食べることが大切です。