身近な悩みである薄毛。男性の薄毛の原因として最も多い「男性型脱毛症(AGA)」は、なぜ起きるのか、また、男性と女性では薄毛の原因は違うのか。薄毛の原因とメカニズムについて、専門医が詳しく解説します。
身近な悩みである薄毛。男性の薄毛の原因として最も多い「男性型脱毛症(AGA)」は、なぜ起きるのか、また、男性と女性では薄毛の原因は違うのか。薄毛の原因とメカニズムについて、専門医が詳しく解説します。
松倉クリニック表参道 医師
田路めぐみ(たじ・めぐみ)先生
松倉クリニック表参道 医師
田路めぐみ(たじ・めぐみ)先生
1997年東京大学医学部卒業。帝京大学形成外科助手、東京大学形成外科勤務などを経て、2014年より現職。育毛外来を担当。従来の育毛薬の処方や治療だけでなく、栄養、ホルモンの観点からも診察し、根本的な治療を目指す。日本抗加齢医学会専門医。日本形成外科学会専門医。著書『東大医師が教える最強の育毛革命』(集英社)、医事監修に『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社)。
1997年東京大学医学部卒業。帝京大学形成外科助手、東京大学形成外科勤務などを経て、2014年より現職。育毛外来を担当。従来の育毛薬の処方や治療だけでなく、栄養、ホルモンの観点からも診察し、根本的な治療を目指す。日本抗加齢医学会専門医。日本形成外科学会専門医。著書『東大医師が教える最強の育毛革命』(集英社)、医事監修に『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社)。
薄毛とは、毛が薄くなって地肌が透けて見えてしまう状態のことです。髪が抜け落ちて、全体の本数が減ってしまうと地肌が見えやすくなるのは当然ですが、髪の1本1本が細く、貧弱になれば、髪の本数は変わらなくても地肌が見えやすい“薄い”状態になります。つまり、「薄毛=髪が抜けること」だけではないのです。
「生え際が後退する」「頭頂部が薄くなる」といった、男性特有の薄毛の原因としてよく知られている「男性型脱毛症(AGA)」では、「髪が抜ける」ことと「髪が細くなる」ことが同時に進みます。そのため、髪が薄い状態が余計に目立ってしまうのです。さらに、「新しい髪が生えない」ことも起こり、どんどん薄毛は進行していってしまいます。
薄毛とは、毛が薄くなって地肌が透けて見えてしまう状態のことです。髪が抜け落ちて、全体の本数が減ってしまうと地肌が見えやすくなるのは当然ですが、髪の1本1本が細く、貧弱になれば、髪の本数は変わらなくても地肌が見えやすい“薄い”状態になります。つまり、「薄毛=髪が抜けること」だけではないのです。
「生え際が後退する」「頭頂部が薄くなる」といった、男性特有の薄毛の原因としてよく知られている「男性型脱毛症(AGA)」では、「髪が抜ける」ことと「髪が細くなる」ことが同時に進みます。そのため、髪が薄い状態が余計に目立ってしまうのです。さらに、「新しい髪が生えない」ことも起こり、どんどん薄毛は進行していってしまいます。
毛髪には成長し始めてから自然に抜け落ちるまでのヘアサイクルがあります。「毛周期(もうしゅうき)」とも呼ばれ、髪が伸びる「成長期」、成長が止まる「退行期」、脱毛の準備が進む「休止期」の3段階を経て、通常は2~6年で新しい毛に生え変わります。
「成長期」とは毛母細胞が細胞分裂して、新しい毛をつくり続ける2~6年の期間のことを指します。軟毛だった毛は徐々に毛根が太くなり、時間をかけて太く硬い髪に成長します。
毛母細胞の分裂が衰え、髪の毛の成長が止まっていく2~3週間が「退行期」です。「休止期」は毛母細胞の分裂がストップした状態のことで、休止期に入った髪は、3~4カ月の準備期間を経て自然に抜けていきます。髪の状態が健康であれば、このサイクルを繰り返しながら一定の本数を保つことができます。
毛髪には成長し始めてから自然に抜け落ちるまでのヘアサイクルがあります。「毛周期(もうしゅうき)」とも呼ばれ、髪が伸びる「成長期」、成長が止まる「退行期」、脱毛の準備が進む「休止期」の3段階を経て、通常は2~6年で新しい毛に生え変わります。
「成長期」とは毛母細胞が細胞分裂して、新しい毛をつくり続ける2~6年の期間のことを指します。軟毛だった毛は徐々に毛根が太くなり、時間をかけて太く硬い髪に成長します。
毛母細胞の分裂が衰え、髪の毛の成長が止まっていく2~3週間が「退行期」です。「休止期」は毛母細胞の分裂がストップした状態のことで、休止期に入った髪は、3~4カ月の準備期間を経て自然に抜けていきます。髪の状態が健康であれば、このサイクルを繰り返しながら一定の本数を保つことができます。
ところが、男性型脱毛症(AGA)になると、成長期がどんどん短くなり、毛髪は太い毛に成長しないまま退行期、休止期に移行し、通常より早いサイクルで毛が抜け落ちてしまうようになります。
また、成長期が短くなると、髪をつくる毛包もどんどん小さくなるので、生えてくる髪も細く、産毛のように柔らかい毛になってしまいます。このように「抜ける」「細くなる」状態が重なり、さらには、毛包が小さくなるほど新たな髪が生えにくくなるため、「生えなくなる」ということも起こり、トリプルパンチとなって薄毛が進行していきます。
ところが、男性型脱毛症(AGA)になると、成長期がどんどん短くなり、毛髪は太い毛に成長しないまま退行期、休止期に移行し、通常より早いサイクルで毛が抜け落ちてしまうようになります。
また、成長期が短くなると、髪をつくる毛包もどんどん小さくなるので、生えてくる髪も細く、産毛のように柔らかい毛になってしまいます。このように「抜ける」「細くなる」状態が重なり、さらには、毛包が小さくなるほど新たな髪が生えにくくなるため、「生えなくなる」ということも起こり、トリプルパンチとなって薄毛が進行していきます。
「男性ホルモン(テストステロン)が多い人ほど、髪が薄くなりやすい」というイメージをもたれがちな薄毛ですが、実は男性ホルモンの量が多い人ほど男性型脱毛症(AGA)になりやすいというわけではありません。男性型脱毛症(AGA)の詳しいメカニズムを見てみましょう。
テストステロンは主に精巣や副腎でつくられ、血液に運ばれて毛包内の毛根へと行き着きます。毛根にたどり着いたテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素によって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変換されます。このジヒドロテストステロン(DHT)こそが、AGAの原因物質。男性ホルモンのレセプター(受容体)と結合して毛乳頭に作用し、毛の成長期を短くしてしまうのです。
「男性ホルモン(テストステロン)が多い人ほど、髪が薄くなりやすい」というイメージをもたれがちな薄毛ですが、実は男性ホルモンの量が多い人ほど男性型脱毛症(AGA)になりやすいというわけではありません。男性型脱毛症(AGA)の詳しいメカニズムを見てみましょう。
テストステロンは主に精巣や副腎でつくられ、血液に運ばれて毛包内の毛根へと行き着きます。毛根にたどり着いたテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素によって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変換されます。このジヒドロテストステロン(DHT)こそが、AGAの原因物質。男性ホルモンのレセプター(受容体)と結合して毛乳頭に作用し、毛の成長期を短くしてしまうのです。
「男性ホルモン(テストステロン)が多い人ほど、髪が薄くなりやすい」というイメージをもたれがちな薄毛ですが、実は男性ホルモンの量が多い人ほど男性型脱毛症(AGA)になりやすいというわけではありません。男性型脱毛症(AGA)の詳しいメカニズムを見てみましょう。
テストステロンは主に精巣や副腎でつくられ、血液に運ばれて毛包内の毛根へと行き着きます。毛根にたどり着いたテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素によって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変換されます。このジヒドロテストステロン(DHT)こそが、AGAの原因物質。男性ホルモンのレセプター(受容体)と結合して毛乳頭に作用し、毛の成長期を短くしてしまうのです。
「男性ホルモン(テストステロン)が多い人ほど、髪が薄くなりやすい」というイメージをもたれがちな薄毛ですが、実は男性ホルモンの量が多い人ほど男性型脱毛症(AGA)になりやすいというわけではありません。男性型脱毛症(AGA)の詳しいメカニズムを見てみましょう。
テストステロンは主に精巣や副腎でつくられ、血液に運ばれて毛包内の毛根へと行き着きます。毛根にたどり着いたテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素によって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変換されます。このジヒドロテストステロン(DHT)こそが、AGAの原因物質。男性ホルモンのレセプター(受容体)と結合して毛乳頭に作用し、毛の成長期を短くしてしまうのです。
女性の薄毛の原因は、加齢、更年期、生活習慣、ライフスタイル、ホルモンバランスの乱れをはじめ、病気や治療の副作用など多岐にわたります。
女性に多い薄毛のパターンと原因をご紹介します。
●徐々に、全体的にボリュームダウンする薄毛
女性の髪のエイジングで一番多いパターンです。こうした女性の髪のエイジングに大きくかかわっているのが、女性ホルモン「プロゲステロン」と「エストロゲン」です。プロゲステロンには成長期に入った髪を維持する働きがあり、エストロゲンには血流や頭皮環境を良好に保ち、髪の質感を維持し、成長を支える働きがあります。いずれも加齢により減っていくホルモンで、40歳前後から減り始め、更年期を境に急減します。
全体的なボリュームダウンに加え、頭頂部や前髪の生え際の薄毛が気になる場合は、「女性壮年性脱毛症」の可能性があります。女性の体内でも男性ホルモンが作られていますが、加齢による女性ホルモン量の低下によって相対的に男性ホルモンの影響が強まることや、ストレスによって男性ホルモンが増えることなどが関連していると考えられています。
●髪を結び続けることで起きる薄毛
ポニーテールなど髪を強く引っ張って結び続けたり、ヘアエクステンション(つけ毛)をつけたりするなど、長時間頭皮に強い負荷をかけることで、引っ張られる部分等に起こりやすいのが「牽引性(けんいんせい)脱毛」です。髪を引っ張り続けることで頭皮の下の毛根部の血流が悪くなり、毛母細胞にもストレスがかかります。その結果、健康な髪が生えにくくなったり、抜けやすくなったりします。頭皮に負担がかかるヘアスタイルを日常的にしないこと、家に帰ったらすぐにほどき、頭皮マッサージをするなどのケアが大切です。
●急な薄毛は体からのSOS
上記、2パターンの女性の薄毛は、通常、時間をかけて進行しますが、急に薄毛になったと感じる場合は注意が必要です。女性は、甲状腺の病気や貧血の症状として抜け毛や薄毛が現れることがあります。また、強いストレスや誤ったダイエットなどが原因で起こることも。急な薄毛は体からのSOSのサインと考え、早めに医療機関を受診し、原因を確かめましょう。
女性の薄毛の原因は、加齢、更年期、生活習慣、ライフスタイル、ホルモンバランスの乱れをはじめ、病気や治療の副作用など多岐にわたります。
女性に多い薄毛のパターンと原因をご紹介します。
●徐々に、全体的にボリュームダウンする薄毛
女性の髪のエイジングで一番多いパターンです。こうした女性の髪のエイジングに大きくかかわっているのが、女性ホルモン「プロゲステロン」と「エストロゲン」です。プロゲステロンには成長期に入った髪を維持する働きがあり、エストロゲンには血流や頭皮環境を良好に保ち、髪の質感を維持し、成長を支える働きがあります。いずれも加齢により減っていくホルモンで、40歳前後から減り始め、更年期を境に急減します。
全体的なボリュームダウンに加え、頭頂部や前髪の生え際の薄毛が気になる場合は、「女性壮年性脱毛症」の可能性があります。女性の体内でも男性ホルモンが作られていますが、加齢による女性ホルモン量の低下によって相対的に男性ホルモンの影響が強まることや、ストレスによって男性ホルモンが増えることなどが関連していると考えられています。
●髪を結び続けることで起きる薄毛
ポニーテールなど髪を強く引っ張って結び続けたり、ヘアエクステンション(つけ毛)をつけたりするなど、長時間頭皮に強い負荷をかけることで、引っ張られる部分等に起こりやすいのが「牽引性(けんいんせい)脱毛」です。髪を引っ張り続けることで頭皮の下の毛根部の血流が悪くなり、毛母細胞にもストレスがかかります。その結果、健康な髪が生えにくくなったり、抜けやすくなったりします。頭皮に負担がかかるヘアスタイルを日常的にしないこと、家に帰ったらすぐにほどき、頭皮マッサージをするなどのケアが大切です。
●急な薄毛は体からのSOS
上記、2パターンの女性の薄毛は、通常、時間をかけて進行しますが、急に薄毛になったと感じる場合は注意が必要です。女性は、甲状腺の病気や貧血の症状として抜け毛や薄毛が現れることがあります。また、強いストレスや誤ったダイエットなどが原因で起こることも。急な薄毛は体からのSOSのサインと考え、早めに医療機関を受診し、原因を確かめましょう。
男性の一般的な薄毛である男性型脱毛症(AGA)は、通常2~6年で新しい毛に生まれ変わるヘアサイクルが短くなることで生じます。その原因には、男性ホルモンを活性化する酵素(5αリダクターゼ)の強さと、男性ホルモンのレセプター(受容体)の感受性の高さがかかわっています。
一方、女性の薄毛は男性とは異なり、様々な原因が複合的に影響しています。薄毛のメカニズムや症状は男女で異なりますが、いずれも進行する前に頭皮ケアを始めることが重要です。抜け毛の原因となる生活習慣の改善にも取り組みましょう。
男性の一般的な薄毛である男性型脱毛症(AGA)は、通常2~6年で新しい毛に生まれ変わるヘアサイクルが短くなることで生じます。その原因には、男性ホルモンを活性化する酵素(5αリダクターゼ)の強さと、男性ホルモンのレセプター(受容体)の感受性の高さがかかわっています。
一方、女性の薄毛は男性とは異なり、様々な原因が複合的に影響しています。薄毛のメカニズムや症状は男女で異なりますが、いずれも進行する前に頭皮ケアを始めることが重要です。抜け毛の原因となる生活習慣の改善にも取り組みましょう。