頭皮の血流を促して毛根に栄養や酸素を送り届ける頭皮マッサージは、薄毛や抜け毛の予防・改善に活用できるだけでなく、リラックスやリフレッシュしたい時にもおすすめです。頭皮マッサージで得られる様々なうれしい効果についてお伝えします。
頭皮の血流を促して毛根に栄養や酸素を送り届ける頭皮マッサージは、薄毛や抜け毛の予防・改善に活用できるだけでなく、リラックスやリフレッシュしたい時にもおすすめです。頭皮マッサージで得られる様々なうれしい効果についてお伝えします。
西川 聡先生
一般社団法人日本ヘッドセラピー協会代表理事
西川 聡先生
一般社団法人日本ヘッドセラピー協会代表理事
にしかわ・そう 理容師として名門ホテルに勤務。2万人の頭に触れ、人の生き方や思考が頭に表れる「頭は心の反射区」という真理に辿り着き、頭から心を癒やすヘッドセラピー・メソッドを確立。妹を難病で亡くした経験から「半径5m以内の人を癒やす」ことを自身のテーマに置き、現在、尊厳を大切にした触れ方「エターナルタッチ」を教え伝えている。
にしかわ・そう 理容師として名門ホテルに勤務。2万人の頭に触れ、人の生き方や思考が頭に表れる「頭は心の反射区」という真理に辿り着き、頭から心を癒やすヘッドセラピー・メソッドを確立。妹を難病で亡くした経験から「半径5m以内の人を癒やす」ことを自身のテーマに置き、現在、尊厳を大切にした触れ方「エターナルタッチ」を教え伝えている。
頭皮マッサージにはどんな効果があるのでしょうか?その前に、頭皮と髪の関係についてご説明しましょう。
髪は皮膚の一部が変化したもので、頭皮に埋もれている部分を毛根、頭皮から出ているいわゆる髪の部分を毛幹と呼びます。健康な髪が育つためには、特にこの毛根がきちんと働いていることが大切です。
頭皮マッサージにはどんな効果があるのでしょうか?その前に、頭皮と髪の関係についてご説明しましょう。
髪は皮膚の一部が変化したもので、頭皮に埋もれている部分を毛根、頭皮から出ているいわゆる髪の部分を毛幹と呼びます。健康な髪が育つためには、特にこの毛根がきちんと働いていることが大切です。
(イメージ図)
(イメージ図)
毛根の最深部には毛母細胞という細胞が存在し、細胞分裂を繰り返して髪を成長させます。この分裂を助けるためには、毛根の根元の毛乳頭にある毛細血管から運ばれてくる酸素や栄養が必要です。そのため、頭皮の血流がよいことが重要なのです。
頭皮マッサージには、頭皮をもみほぐして柔らかくし、血流を促す効果があります。頭皮の血流がよい状態を維持することで、毛髪の健やかな成長を助ける効果が期待できます。
毛根の最深部には毛母細胞という細胞が存在し、細胞分裂を繰り返して髪を成長させます。この分裂を助けるためには、毛根の根元の毛乳頭にある毛細血管から運ばれてくる酸素や栄養が必要です。そのため、頭皮の血流がよいことが重要なのです。
頭皮マッサージには、頭皮をもみほぐして柔らかくし、血流を促す効果があります。頭皮の血流がよい状態を維持することで、毛髪の健やかな成長を助ける効果が期待できます。
頭皮マッサージには頭皮の血流を促進する効果があるので、薄毛や抜け毛が気になり始めた人におすすめしたいセルフケアの1つです。
頭皮マッサージというと、頭皮を強く指圧してしっかりもみ込むイメージを持たれがちですが、強く押し過ぎるとかえって頭皮を傷つけてしまうので注意が必要です。生卵を持つようなイメージでふわっと頭皮に触れ、頭皮を押す時は、気持ちいいと感じるくらいの力加減で押すようにしましょう。
頭皮を押したり緩めたりする時は、息を止めず深呼吸をしながらゆっくりと丁寧に行います。特に、緩める時はできるだけゆっくり行うのが大切なポイントです。離す時に血行が促進し、リラックス効果をもたらす副交感神経が優位になって全身が緩むためです。
それでは、実際に頭皮マッサージを試してみましょう。ここでは、基本の頭皮マッサージをご紹介します。自分で自分を癒すつもりで、ゆったりとした気持ちで楽しみながら行ってください。
頭皮マッサージには頭皮の血流を促進する効果があるので、薄毛や抜け毛が気になり始めた人におすすめしたいセルフケアの1つです。
頭皮マッサージというと、頭皮を強く指圧してしっかりもみ込むイメージを持たれがちですが、強く押し過ぎるとかえって頭皮を傷つけてしまうので注意が必要です。生卵を持つようなイメージでふわっと頭皮に触れ、頭皮を押す時は、気持ちいいと感じるくらいの力加減で押すようにしましょう。
頭皮を押したり緩めたりする時は、息を止めず深呼吸をしながらゆっくりと丁寧に行います。特に、緩める時はできるだけゆっくり行うのが大切なポイントです。離す時に血行が促進し、リラックス効果をもたらす副交感神経が優位になって全身が緩むためです。
それでは、実際に頭皮マッサージを試してみましょう。ここでは、基本の頭皮マッサージをご紹介します。自分で自分を癒すつもりで、ゆったりとした気持ちで楽しみながら行ってください。
<頭皮マッサージ:ステップ1>
首から肩にかけて、親指以外の4本の指で軽くさすりウォーミングアップ
<頭皮マッサージ:ステップ1>
首から肩にかけて、親指以外の4本の指で軽くさすりウォーミングアップ
重い頭を支える肩や首は、血流が悪くなりがち。この部分の血流が滞ると、頭部への血流も悪くなります。頭皮マッサージの準備として、胸鎖乳突筋のまわりを3回、斜め下へさすり下ろすように、やさしくさすって血流を促しましょう。
重い頭を支える肩や首は、血流が悪くなりがち。この部分の血流が滞ると、頭部への血流も悪くなります。頭皮マッサージの準備として、胸鎖乳突筋のまわりを3回、斜め下へさすり下ろすように、やさしくさすって血流を促しましょう。
<頭皮マッサージ:ステップ2>
首のつけ根と後頭部の2カ所を、5本の指先で上下・左右に3回ずつ揺らす
<頭皮マッサージ:ステップ2>
首のつけ根と後頭部の2カ所を、5本の指先で上下・左右に3回ずつ揺らす
頭皮を動かすイメージです。頭皮の血流が悪くなっている時は、動きにくいと感じるかもしれません。動きにくいからといって無理せず、ゆっくりと優しく動かしましょう。
頭皮を動かすイメージです。頭皮の血流が悪くなっている時は、動きにくいと感じるかもしれません。動きにくいからといって無理せず、ゆっくりと優しく動かしましょう。
<頭皮マッサージ:ステップ3>
額の生え際に5本指を置き、頭皮を正中線(頭頂部の左右中心線)に寄せる。そのまま指を少しずつ後ろにずらしていき、頭頂部まで4か所を同様に寄せる
<頭皮マッサージ:ステップ3>
額の生え際に5本指を置き、頭皮を正中線(頭頂部の左右中心線)に寄せる。そのまま指を少しずつ後ろにずらしていき、頭頂部まで4か所を同様に寄せる
髪をかき分けて、指で頭皮をしっかり捉えることを意識しましょう。ただし、爪は立てないようにしましょう。
髪をかき分けて、指で頭皮をしっかり捉えることを意識しましょう。ただし、爪は立てないようにしましょう。
<頭皮マッサージ:ステップ4>
5本の指を頭の左右の角(頭のハチ)に置き、頭皮を持ち上げる
<頭皮マッサージ:ステップ4>
5本の指を頭の左右の角(頭のハチ)に置き、頭皮を持ち上げる
息を止めず、深呼吸をしながらゆっくりと行います。滞っていた血流がよくなるのを実感しましょう。
息を止めず、深呼吸をしながらゆっくりと行います。滞っていた血流がよくなるのを実感しましょう。
<頭皮マッサージ:ステップ5>
指先を頭皮に当て、頭全体を10本の指でトントンとたたく
<頭皮マッサージ:ステップ5>
指先を頭皮に当て、頭全体を10本の指でトントンとたたく
最後に頭全体を軽くトントンとたたくと、タッピングによって頭皮がリラックスする効果があります。これで終了です。
最後に頭全体を軽くトントンとたたくと、タッピングによって頭皮がリラックスする効果があります。これで終了です。
ゆっくり丁寧に頭皮マッサージをした後は、頭だけでなく全身が軽くなったように感じられ、気分もスッキリするはずです。そして、薄毛や抜け毛対策としては、たまにやるのではなく、続けてこそ効果につながるもの。歯磨きと同じように毎日の習慣にすることが大切です。
頭皮マッサージの時間や回数に特に決まりはありませんが、目安として朝晩の2回、各3~4分程度行うとよいでしょう。ついサボりがちになってしまう人は、ヘアセットの時や洗髪時などに「ついで」にすることで習慣化しやすくなります。
頭皮マッサージは自分の手指で手軽にできるのが大きなメリットですが、普段のブラッシングを丁寧に行うことでも頭皮マッサージの効果を得ることができます。根本がゴムなどでクッションになっている「クッションブラシ」を使用すると、頭皮への負担が少なく、頭皮に心地よい刺激を与えられて血流がよくなります。クッションブラシはベースの面が広く、ピンの密度が高いもので、ピンの先が丸いものがおすすめです。
ゆっくり丁寧に頭皮マッサージをした後は、頭だけでなく全身が軽くなったように感じられ、気分もスッキリするはずです。そして、薄毛や抜け毛対策としては、たまにやるのではなく、続けてこそ効果につながるもの。歯磨きと同じように毎日の習慣にすることが大切です。
頭皮マッサージの時間や回数に特に決まりはありませんが、目安として朝晩の2回、各3~4分程度行うとよいでしょう。ついサボりがちになってしまう人は、ヘアセットの時や洗髪時などに「ついで」にすることで習慣化しやすくなります。
頭皮マッサージは自分の手指で手軽にできるのが大きなメリットですが、普段のブラッシングを丁寧に行うことでも頭皮マッサージの効果を得ることができます。根本がゴムなどでクッションになっている「クッションブラシ」を使用すると、頭皮への負担が少なく、頭皮に心地よい刺激を与えられて血流がよくなります。クッションブラシはベースの面が広く、ピンの密度が高いもので、ピンの先が丸いものがおすすめです。
頭皮マッサージは薄毛・抜け毛対策に役立つだけでなく、心や体の不調改善にも効果があります。頭皮にやさしくゆっくりと丁寧に刺激を与え、ほぐしていくことで頭に新鮮な酸素や栄養が行きわたり、全身の司令塔である脳が活性化されて、心身のバランスが整うのです。
以下に「快眠」、「ストレス解消」、「首コリ改善」に向く頭皮マッサージをピックアップしてご紹介します。いずれも髪の健康と関係が深く、実践することで髪にもよい効果が期待できるでしょう。
頭皮マッサージは薄毛・抜け毛対策に役立つだけでなく、心や体の不調改善にも効果があります。頭皮にやさしくゆっくりと丁寧に刺激を与え、ほぐしていくことで頭に新鮮な酸素や栄養が行きわたり、全身の司令塔である脳が活性化されて、心身のバランスが整うのです。
以下に「快眠」、「ストレス解消」、「首コリ改善」に向く頭皮マッサージをピックアップしてご紹介します。いずれも髪の健康と関係が深く、実践することで髪にもよい効果が期待できるでしょう。
快眠に効果!おすすめの頭皮マッサージ
快眠に効果!おすすめの頭皮マッサージ
神経が張りつめた状態だと、なかなか眠りにつけなくなり、睡眠の質も悪くなります。健康な髪を育てるために大切な成長ホルモンは睡眠中に最も多く分泌されるため、質のよい睡眠がとれないと、髪の成長にも悪影響を与えてしまいます。また、睡眠不足が続けば自律神経の働きが乱れ、頭皮の血流も悪化することに。
そこでおすすめなのが、後頭部をやさしく刺激する頭皮マッサージです。血液やリンパ液、脳脊髄液の流れがよくなり、神経の興奮も鎮まって、眠りにつきやすくなります。布団の中でぜひお試しください。マッサージ効果でリラックスして、人によってはそのまま眠ってしまうかもしれません。
神経が張りつめた状態だと、なかなか眠りにつけなくなり、睡眠の質も悪くなります。健康な髪を育てるために大切な成長ホルモンは睡眠中に最も多く分泌されるため、質のよい睡眠がとれないと、髪の成長にも悪影響を与えてしまいます。また、睡眠不足が続けば自律神経の働きが乱れ、頭皮の血流も悪化することに。
そこでおすすめなのが、後頭部をやさしく刺激する頭皮マッサージです。血液やリンパ液、脳脊髄液の流れがよくなり、神経の興奮も鎮まって、眠りにつきやすくなります。布団の中でぜひお試しください。マッサージ効果でリラックスして、人によってはそのまま眠ってしまうかもしれません。
① 仰向けの状態から頭だけ起こし、頭の後ろで両手を組む。後頭部のへこんでいる部分に母指球(親指のつけ根のぷっくり膨れた部分)を当てる。
② 手のひらに頭の重さをあずけて横になり、頭を左右に動かして、収まりのよいところを見つける。胸を広げるように両ひじを開き、深い呼吸をしながら母指球で後頭部を圧迫する。この状態のまま、静かな気持ちで呼吸をする
① 仰向けの状態から頭だけ起こし、頭の後ろで両手を組む。後頭部のへこんでいる部分に母指球(親指のつけ根のぷっくり膨れた部分)を当てる。
② 手のひらに頭の重さをあずけて横になり、頭を左右に動かして、収まりのよいところを見つける。胸を広げるように両ひじを開き、深い呼吸をしながら母指球で後頭部を圧迫する。この状態のまま、静かな気持ちで呼吸をする
ストレス解消に効果!おすすめの頭皮マッサージ
ストレス解消に効果!おすすめの頭皮マッサージ
頭皮や髪はストレスの影響が現れやすい部分。ストレスがかかると自律神経のうち交感神経が優位になり、血管が収縮して頭皮の血流が悪くなってしまいます。
ストレス解消におすすめなのが、額の生え際の中心にある東洋医学の重要なツボの1つ「神庭(しんてい)」のマッサージです。額の生え際の中心には、東洋医学の重要なツボの1つ「神庭(しんてい)」があります。特に神庭は精神的な不調に関係するツボで、ストレスからくる不安やイライラの他、不眠症、めまいなどの症状の改善にも役立つとされています。ゆったりとした気持ちで丁寧に刺激しましょう。
頭皮や髪はストレスの影響が現れやすい部分。ストレスがかかると自律神経のうち交感神経が優位になり、血管が収縮して頭皮の血流が悪くなってしまいます。
ストレス解消におすすめなのが、額の生え際の中心にある東洋医学の重要なツボの1つ「神庭(しんてい)」のマッサージです。額の生え際の中心には、東洋医学の重要なツボの1つ「神庭(しんてい)」があります。特に神庭は精神的な不調に関係するツボで、ストレスからくる不安やイライラの他、不眠症、めまいなどの症状の改善にも役立つとされています。ゆったりとした気持ちで丁寧に刺激しましょう。
① 額の生え際の中心に人指し指、中指、薬指をそろえて置く。
② 足元に向かうように真下に押す。5秒間押し、頭皮がじんわりとほぐれるのを感じながらゆっくり指を離すことを3回繰り返す。
① 額の生え際の中心に人指し指、中指、薬指をそろえて置く。
② 足元に向かうように真下に押す。5秒間押し、頭皮がじんわりとほぐれるのを感じながらゆっくり指を離すことを3回繰り返す。
首コリ改善に効果!おすすめの頭皮マッサージ
首コリ改善に効果!おすすめの頭皮マッサージ
心臓から送り出された血液は、首を通って頭に上ります。首がこっていると頭皮の血流も悪くなり、薄毛や抜け毛が進むもとに。また、眼精疲労や頭痛、めまい、吐き気など様々な不調の原因となります。
そんな首コリの改善には、うなじの髪の生え際にある「後頭下筋群」の緊張を緩めるマッサージがおすすめです。さらに首と連動している僧帽筋など肩周辺の筋肉を広範囲にほぐすことで血流が整い、コリがスッキリ解消します。仕事の合間など、ちょっと首に疲れを感じた時に行うとよいでしょう。
心臓から送り出された血液は、首を通って頭に上ります。首がこっていると頭皮の血流も悪くなり、薄毛や抜け毛が進むもとに。また、眼精疲労や頭痛、めまい、吐き気など様々な不調の原因となります。
そんな首コリの改善には、うなじの髪の生え際にある「後頭下筋群」の緊張を緩めるマッサージがおすすめです。さらに首と連動している僧帽筋など肩周辺の筋肉を広範囲にほぐすことで血流が整い、コリがスッキリ解消します。仕事の合間など、ちょっと首に疲れを感じた時に行うとよいでしょう。
① うなじに母指球(親指のつけ根のぷっくり膨れた部分)と親指以外の4本の指を置く。
② 少し上を向いて首筋の僧帽筋を緩めながら、もみほぐしていく。下から上へ3回に分けて行う。
① うなじに母指球(親指のつけ根のぷっくり膨れた部分)と親指以外の4本の指を置く。
② 少し上を向いて首筋の僧帽筋を緩めながら、もみほぐしていく。下から上へ3回に分けて行う。
頭皮マッサージは髪にはもちろん、心身に様々なうれしい効果があります。習慣化することが大切ですが、やらなければと義務のように考えるのではなく、あくまで自分をやさしくいたわる時間として、身体の状態を感じながら、毎日のルーティンにしてみてください。きっと心と身体の健康を促進すると共に、頭皮も元気になりますよ。ぜひ、楽しみながら実践してください。
頭皮マッサージは髪にはもちろん、心身に様々なうれしい効果があります。習慣化することが大切ですが、やらなければと義務のように考えるのではなく、あくまで自分をやさしくいたわる時間として、身体の状態を感じながら、毎日のルーティンにしてみてください。きっと心と身体の健康を促進すると共に、頭皮も元気になりますよ。ぜひ、楽しみながら実践してください。