ミノキシジルは一般用医薬品の発毛剤に配合される主成分で、壮年性脱毛症に悩まれる方は耳にしたことがあるかもしれません。ミノキシジルとはどのような成分で、どのように作用するのか、知っておきたい基本情報をご紹介します。
ミノキシジルは一般用医薬品の発毛剤に配合される主成分で、壮年性脱毛症に悩まれる方は耳にしたことがあるかもしれません。ミノキシジルとはどのような成分で、どのように作用するのか、知っておきたい基本情報をご紹介します。
「ミノキシジル(Minoxidil)」は薬の名前(商品名)ではなく、成分の名前(一般名)です。壮年性脱毛症における「発毛」と「育毛」「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が認められている成分で、一般用医薬品(市販薬=OTC)として承認されています。
ミノキシジルは、もともと高血圧治療の内服薬の成分として、1960年代に米国のアップジョン社(現Johnson&Johnson社)によって開発されました。その臨床試験中に多毛症(体毛が濃くなる症状)の発現が報告されたことから、改めて外用(頭皮に塗るタイプ)の発毛剤の成分として開発が進められました。その後、厳密な臨床試験を経て外用でも発毛等の有用性が確認され、1980年代に医薬品としてのミノキシジル配合の発毛剤が誕生しました。
日本では、ミノキシジルは男性の壮年性脱毛症で悩む方向けの一般用医薬品の成分として研究開発が行われ、1999年に大正製薬がミノキシジルを1%配合した発毛剤を発売。このように、医療用医薬品として日本国内での使用実績のない成分を含む医薬品で、一般用医薬品として販売されているものを「ダイレクトOTC医薬品」と呼びますが、この第1号となりました。
2023年6月時点では、ミノキシジルを配合した男性用発毛剤には濃度が1%のものと5%のものがあり、女性用発毛剤はミノキシジル1%のものしかありません。また、ミノキシジルを配合した発毛剤は「第1類医薬品」に分類されており、薬剤師による説明を受けた上で購入することができます。
「ミノキシジル(Minoxidil)」は薬の名前(商品名)ではなく、成分の名前(一般名)です。壮年性脱毛症における「発毛」と「育毛」「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が認められている成分で、一般用医薬品(市販薬=OTC)として承認されています。
ミノキシジルは、もともと高血圧治療の内服薬の成分として、1960年代に米国のアップジョン社(現Johnson&Johnson社)によって開発されました。その臨床試験中に多毛症(体毛が濃くなる症状)の発現が報告されたことから、改めて外用(頭皮に塗るタイプ)の発毛剤の成分として開発が進められました。その後、厳密な臨床試験を経て外用でも発毛等の有用性が確認され、1980年代に医薬品としてのミノキシジル配合の発毛剤が誕生しました。
日本では、ミノキシジルは男性の壮年性脱毛症で悩む方向けの一般用医薬品の成分として研究開発が行われ、1999年に大正製薬がミノキシジルを1%配合した発毛剤を発売。このように、医療用医薬品として日本国内での使用実績のない成分を含む医薬品で、一般用医薬品として販売されているものを「ダイレクトOTC医薬品」と呼びますが、この第1号となりました。
2023年6月時点では、ミノキシジルを配合した男性用発毛剤には濃度が1%のものと5%のものがあり、女性用発毛剤はミノキシジル1%のものしかありません。また、ミノキシジルを配合した発毛剤は「第1類医薬品」に分類されており、薬剤師による説明を受けた上で購入することができます。
ミノキシジルが発毛や育毛効果、脱毛予防効果を発揮するのは「壮年性脱毛症」という壮年期(30〜50代)に症状が多く見られる脱毛症で、20代から発症する方もいます。男性に多く見られる脱毛症のため、「AGA(男性型脱毛症)」と呼ばれることもあります。AGAは、androgenetic (=男性ホルモンの)alopecia(=脱毛症)の略称で、男性ホルモンと遺伝が関連した薄毛または抜け毛のことを指します。
髪は一定の周期で生まれて成長し、自然に抜けるのを繰り返していますが、この周期を「ヘアサイクル(毛周期)」と呼びます。ヘアサイクルには、髪が伸びる「成長期」、成長が止まる「退行期」、脱毛の準備が進む「休止期」の3段階があり、通常3~8年周期で毛髪が生まれ変わります。
ところが、壮年性脱毛症やAGAの方は男性ホルモンの影響でこのサイクルが乱れ、通常2~6年ある成長期が2~3年などと短くなり、毛髪は太い毛に成長しないまま退行期、休止期に移行し抜け落ちてしまいます。壮年性脱毛症やAGAがさらに進行すると、ヘアサイクルはどんどん短くなり、これを繰り返すことにより、毛髪が薄く見える状態になっていきます。
ミノキシジルが発毛や育毛効果、脱毛予防効果を発揮するのは「壮年性脱毛症」という壮年期(30〜50代)に症状が多く見られる脱毛症で、20代から発症する方もいます。男性に多く見られる脱毛症のため、「AGA(男性型脱毛症)」と呼ばれることもあります。AGAは、androgenetic (=男性ホルモンの)alopecia(=脱毛症)の略称で、男性ホルモンと遺伝が関連した薄毛または抜け毛のことを指します。
髪は一定の周期で生まれて成長し、自然に抜けるのを繰り返していますが、この周期を「ヘアサイクル(毛周期)」と呼びます。ヘアサイクルには、髪が伸びる「成長期」、成長が止まる「退行期」、脱毛の準備が進む「休止期」の3段階があり、通常3~8年周期で毛髪が生まれ変わります。
ところが、壮年性脱毛症やAGAの方は男性ホルモンの影響でこのサイクルが乱れ、通常2~6年ある成長期が2~3年などと短くなり、毛髪は太い毛に成長しないまま退行期、休止期に移行し抜け落ちてしまいます。壮年性脱毛症やAGAがさらに進行すると、ヘアサイクルはどんどん短くなり、これを繰り返すことにより、毛髪が薄く見える状態になっていきます。
(イメージ図)
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男性の場合、壮年性脱毛症は壮年期(30〜50代)から増えてきますが、もっと早い時期から額の生え際が後退し始めたり、頭頂部が薄くなったりする症状が現れる場合があります。壮年性脱毛症の発症には、男性ホルモン以外にストレスや食生活などの生活習慣も複雑に関係しています。
男性の場合、壮年性脱毛症は壮年期(30〜50代)から増えてきますが、もっと早い時期から額の生え際が後退し始めたり、頭頂部が薄くなったりする症状が現れる場合があります。壮年性脱毛症の発症には、男性ホルモン以外にストレスや食生活などの生活習慣も複雑に関係しています。
壮年性脱毛症では、コシがなく、軟らかくて短い産毛のような毛が多くなり、頭皮の下にある髪の毛をつくり出す役割を担う「毛包(もうほう)」も小さくなるのが特徴です。
壮年性脱毛症では、コシがなく、軟らかくて短い産毛のような毛が多くなり、頭皮の下にある髪の毛をつくり出す役割を担う「毛包(もうほう)」も小さくなるのが特徴です。
(イメージ図)
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毛包の下端の少し膨らんだ部分は、「毛球」と呼ばれます。毛球の内部には「毛乳頭」という細胞の塊があり、この塊を囲むように「毛母細胞」という髪の毛のもとになる細胞が存在します。毛母細胞は、毛包の周囲の毛細血管から栄養や酸素を受け取り、細胞分裂を繰り返すことによって毛髪を成長させます。
ミノキシジルの作用について詳細なメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、ミノキシジルはこの毛包に直接働きかけ、毛包を活性化させることにより発毛を促すことが分かっています。さらに、こうした直接的作用に加えて、血流改善による間接的作用もあると考えられています。
毛包の下端の少し膨らんだ部分は、「毛球」と呼ばれます。毛球の内部には「毛乳頭」という細胞の塊があり、この塊を囲むように「毛母細胞」という髪の毛のもとになる細胞が存在します。毛母細胞は、毛包の周囲の毛細血管から栄養や酸素を受け取り、細胞分裂を繰り返すことによって毛髪を成長させます。
ミノキシジルの作用について詳細なメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、ミノキシジルはこの毛包に直接働きかけ、毛包を活性化させることにより発毛を促すことが分かっています。さらに、こうした直接的作用に加えて、血流改善による間接的作用もあると考えられています。
ミノキシジルは毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進して毛包を活性化。ヘアサイクルにおける休止期から初期成長期への移行を促進し、発毛を促す。
ミノキシジルは毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進して毛包を活性化。ヘアサイクルにおける休止期から初期成長期への移行を促進し、発毛を促す。
ミノキシジルの血管拡張作用により毛包の周囲の血流を改善。毛包に十分な栄養や酸素を供給することで、発毛を促進する。
ミノキシジルの血管拡張作用により毛包の周囲の血流を改善。毛包に十分な栄養や酸素を供給することで、発毛を促進する。
壮年性脱毛症やAGAが発症すると、ヘアサイクルは短縮し、後期成長期を迎えずに退行期へと移行するようになります。そのため髪の毛は十分に成長できず、一本一本が細く柔らかくなり、毛包が小さくなって、ついには髪の毛が生えなくなってしまいます。
ミノキシジルはヘアサイクルの変化によって小さくなった毛包に働きかけ、大きく・深くすることにより、成長期を長く維持。細く軟毛化した毛髪を、太い毛(硬毛)に成長させます。このように、毛髪の成長をつかさどる毛包を大きく・深くするミノキシジルの作用を、「ディープグロース効果」と呼んでいます。
壮年性脱毛症やAGAが発症すると、ヘアサイクルは短縮し、後期成長期を迎えずに退行期へと移行するようになります。そのため髪の毛は十分に成長できず、一本一本が細く柔らかくなり、毛包が小さくなって、ついには髪の毛が生えなくなってしまいます。
ミノキシジルはヘアサイクルの変化によって小さくなった毛包に働きかけ、大きく・深くすることにより、成長期を長く維持。細く軟毛化した毛髪を、太い毛(硬毛)に成長させます。このように、毛髪の成長をつかさどる毛包を大きく・深くするミノキシジルの作用を、「ディープグロース効果」と呼んでいます。
(イメージ図)
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毛包が完全に消失してしまった箇所の発毛は期待できませんが、細くて短い毛やコシがなくなった毛でも毛包が残っているなら、毛包を本来の状態に近づけるよう大きく成長させ、発毛を促進させるチャンスはあります。症状が進行しないうちに対処すれば、それだけ発毛のチャンスも大きいので、薄毛や抜け毛が気になり始めたら、早めにミノキシジル配合の発毛剤の使用を開始することが大切です。
毛包が完全に消失してしまった箇所の発毛は期待できませんが、細くて短い毛やコシがなくなった毛でも毛包が残っているなら、毛包を本来の状態に近づけるよう大きく成長させ、発毛を促進させるチャンスはあります。症状が進行しないうちに対処すれば、それだけ発毛のチャンスも大きいので、薄毛や抜け毛が気になり始めたら、早めにミノキシジル配合の発毛剤の使用を開始することが大切です。
ミノキシジルの効果を発揮させるためには、用法・用量を守り、1日2回の塗布を継続することが何よりも大切です。発毛剤を使うタイミングに明確な決まりはありませんが、ご自身のライフスタイルに応じて朝・夕など時間をあけて使用しましょう。
毛髪は1ヵ月に約1cmしか伸びないことからも、目に見える効果を実感するまでにはある程度の期間が必要です。ミノキシジル5%配合の発毛剤なら4ヵ月以上、1%配合のものなら6ヵ月以上、焦らずに使用を継続しましょう。
また、日常の正しいヘアケアで頭皮環境を整え、頭皮と髪を清潔に保つことも重要です。頭皮に余分な皮脂や汚れがあると、髪の生育や発毛剤の成分の吸収を妨げる原因になってしまい、ミノキシジルの効果が十分に発揮されません。逆に洗髪のし過ぎも頭皮の乾燥を招き、フケが増えたり毛髪が傷みやすくなったりするので注意が必要です。1日1回、朝か夜の洗髪を心がけましょう。
洗髪は爪を立ててゴシゴシ洗うのではなく、指の腹を使って頭皮をやさしくいたわるように洗い、すすぎ残しがないようによく洗い流します。洗髪後、髪を乾かし、頭皮をマッサージして血流をよくしてからミノキシジル配合の発毛剤を塗布すると、発毛効果もより高まります。
ミノキシジルの効果を発揮させるためには、用法・用量を守り、1日2回の塗布を継続することが何よりも大切です。発毛剤を使うタイミングに明確な決まりはありませんが、ご自身のライフスタイルに応じて朝・夕など時間をあけて使用しましょう。
毛髪は1ヵ月に約1cmしか伸びないことからも、目に見える効果を実感するまでにはある程度の期間が必要です。ミノキシジル5%配合の発毛剤なら4ヵ月以上、1%配合のものなら6ヵ月以上、焦らずに使用を継続しましょう。
また、日常の正しいヘアケアで頭皮環境を整え、頭皮と髪を清潔に保つことも重要です。頭皮に余分な皮脂や汚れがあると、髪の生育や発毛剤の成分の吸収を妨げる原因になってしまい、ミノキシジルの効果が十分に発揮されません。逆に洗髪のし過ぎも頭皮の乾燥を招き、フケが増えたり毛髪が傷みやすくなったりするので注意が必要です。1日1回、朝か夜の洗髪を心がけましょう。
洗髪は爪を立ててゴシゴシ洗うのではなく、指の腹を使って頭皮をやさしくいたわるように洗い、すすぎ残しがないようによく洗い流します。洗髪後、髪を乾かし、頭皮をマッサージして血流をよくしてからミノキシジル配合の発毛剤を塗布すると、発毛効果もより高まります。
ミノキシジルは日本のOTC医薬品の中で唯一、壮年性脱毛症における「発毛」と「育毛」「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が認められた成分です。ミノキシジル配合の発毛剤は身近なドラッグストアやオンラインショップでも購入できるので、薄毛や抜け毛が気になり始めたら、症状が進行しないうちに早めに使用を試みるとよいでしょう。
ミノキシジルは日本のOTC医薬品の中で唯一、壮年性脱毛症における「発毛」と「育毛」「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が認められた成分です。ミノキシジル配合の発毛剤は身近なドラッグストアやオンラインショップでも購入できるので、薄毛や抜け毛が気になり始めたら、症状が進行しないうちに早めに使用を試みるとよいでしょう。