乾燥肌

乾燥肌には、化粧水だけでいいの?本当に大切な乾燥肌対策とは

乾燥肌の改善のために、真っ先に思い浮かぶスキンケアアイテムといえば「化粧水」。化粧水は肌に水分を補ってくれる大切なアイテムですが、実は、化粧水をたっぷりと使うだけでは乾燥肌のケアにはならないということをご存じですか?なぜ化粧水だけではダメなのか、本当に大切な乾燥肌対策とは何かをお伝えします。

<監修>

日比野佐和子先生
日比野佐和子先生
医療法人康梓会Y‘sサイエンスクリニック広尾統括院長・大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 特任准教授


ひびの・さわこ 医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。プラセンタ療法を含む再生医療においてのパイオニアでもある。

目次

乾燥肌が、化粧水をたっぷりつけているのに改善しないのはなぜ?

乾燥肌が、化粧水をたっぷりつけているのに改善しない理由
「化粧水をたっぷりつけて、さらに化粧水をしみ込ませたコットンパックで長時間ケアしているはずなのに、気づくと肌がつっぱってしまって……」というお悩みはありませんか?

実は、化粧水で必要以上に水分を補給したからといって、乾燥肌は改善できるものではありません。
乾燥肌とは、肌内部に「水分を保てていない」状態のこと。せっかく化粧水をたくさん肌にしみ込ませても、肌内部で保つことができなければ、あっという間に蒸散し、乾燥してしまいます。

つまり、乾燥肌のケアのためには、「肌に水分を補給する」だけではなく「肌に水分を閉じ込める=保湿力」に着目してケアをしていくことが大切なのです。

乾燥肌ケアの要、「肌の保湿力」とはいったい何?

肌の保湿力について
肌の潤いを守っているのは、皮膚の最も外側にある「角質層」です。
表皮はわずか0.2mmの厚みで、さらにその表皮の一番外側にある角質層は約0.02mmの、わずかラップ1枚分ほどの薄い層ですが、外部刺激から肌を守り、内部の潤いを逃さない「バリア機能」をもっています。
肌の潤いは、角質層の次の3つの要素のバランスが整い、バリア機能がうまく働くことで保たれます。


(1)NMF(天然保湿因子)
肌自身が生み出す水分を維持するアミノ酸由来の組織。

(2)角質細胞間脂質
角質細胞同士をセメントのようにつないで、水分を保つ機能を持ちます。主成分はセラミドで、他にコレステロール、遊離脂肪酸などからなる。

(3)皮脂膜
汗と皮脂が混じった膜。肌の表面をヴェールのように覆い、水分の蒸発を防ぎます。天然の保湿クリームともいわれています。


この「3つの保湿要素のバランスが整っている=保湿力が高い状態」ということ。

乾燥肌の人は、このバランスが崩れてしまっている状態です。加齢とともに皮脂や細胞間脂質の主成分であるセラミドなどが減り、乾燥肌を招きやすくなります。水分だけを補っても、必ずしも保湿力が上がらないのはこのためです。

乾燥肌の人は、化粧水の前にクレンジングと洗顔を見直そう

化粧水の前にクレンジングと洗顔を見直そう
乾燥肌対策は、化粧水や乳液などのスキンケアの前から始まっています。

肌の保湿力を上げるためにまず見直したいのが毎日のクレンジング洗顔です。
乾燥肌の人は、この時点で肌が本来持っている保湿成分を必要以上に洗い流してしまっている可能性があるのです。以下のような点を見直してみましょう。


●クレンジングは「ふき取り」ではなく「洗い流せるタイプ」を選ぶ
ふき取りクレンジングやクレンジングシートは、力を入れずに拭き取っているつもりでも、肌への摩擦が大きくなります。洗い流せるタイプのクレンジングなら摩擦を軽減できるので安心です。
ただし注意したいのが「すすぎ残し」。クレンジングの油分が残っていると、雑菌の増殖や皮膚の酸化が起こりやすくなり、炎症、ニキビ、黒ずみの原因になります。また、その後の化粧水などが肌に浸透するのも妨害してしまい、乾燥肌を招く悪循環にも。
ぬるま湯でしっかりと洗い流し、その後、洗顔料でW洗顔をしましょう。
また、クレンジングに含まれる「界面活性剤」は肌に負担をかけるので、「界面活性剤フリー」と表示されたものを選ぶとよいでしょう。


●洗顔料は弱酸性のものを使い、指や手ではなく「泡で洗う」
洗顔料は、顔と同じ弱酸性のものを選びましょう。
さらに防腐剤や香料などが含まれていないものが安心です。また、いくらこだわって洗顔料を選んでも、よく泡立てて使わなければ摩擦が起きてしまって台無しに。洗顔の際は、指や手で洗うのではなく、たっぷりの泡を転がすようにして「泡で洗う」という意識で行いましょう。


●洗い流しは「36~38℃」のぬるま湯で
洗顔の際のお湯の温度も大切です。
寒い季節はお湯の温度を上げてしまいがちですが、熱いお湯は肌に必要な保湿成分である皮脂やセラミドなどを洗い流してしまうので、少しぬるいと感じるくらいの36~38℃のぬるま湯でしっかりすすぎましょう。

乾燥肌の人は、化粧水の「量」よりも「保湿成分」にこだわって

乾燥肌の人は、化粧水は保湿成分入りのものを
化粧水が浸透するのは肌の角質層までで、浸透する量も決まっています。

乾燥肌だからといって化粧水を規定量以上にバシャバシャとつけても、肌がふやけるだけで保湿力のアップにはつながらないのです。乾燥肌の人が化粧水に求めたいのは「量より質」。

化粧水は「保湿成分」が入っているかどうかで選びましょう。

特に重要な保湿成分は「セラミド」です。
セラミドは肌の角質層を埋める角質細胞間脂質の主成分で、肌の潤いのベースとなります。私たちの肌はもともと、ターンオーバーの過程でセラミドを生み出しているのですが、その量は年々低下します。

50代には20代の約半分にまで減ってしまうといわれ、さらに毎日の洗顔などでもお湯の温度が高いと流れ出てしまうことがあるとされているので、しっかりと補っていきましょう。

洗顔や入浴後、すぐに肌内部の乾燥が始まる!間を置かずに化粧水で保水を

洗顔や入浴後はすぐに化粧水で保水を
洗顔や入浴で表面についた水分が蒸発する際、肌内部の潤いも一緒に蒸発してしまうことをご存じですか?

洗顔後の肌はあっという間に乾燥してしまうので、保湿は時間との勝負です。洗顔後はすぐにタオルで軽く押さえて水分を吸い取ります。その後、すぐに化粧水で水分を補いましょう。

なお、パッティングは肌にダメージを与えるのでNG!
コットンを使うのも肌に負担がかかるのでおすすめできません。
化粧水は手のひらでやさしく圧をかけるようになじませましょう。コットンに含ませた化粧水パックをしたい場合は、長時間肌にのせていても水分が蒸発していってしまうだけなので、長くても5分以内、短時間で終わらせるのがポイントです。

化粧水の後は、乳液やクリームなどの「油分」でふたをするのが保湿のコツ

化粧水の後は、乳液やクリームなどの「油分」でふたをするのが保湿のコツ
私たちの肌の表面は皮脂膜で覆われています。皮脂膜の油分があるために、肌内部の水分が逃げにくくなっているのです。

乾燥肌の人は水分ばかりではなく油分も少ない状態です。油分が少ないと、化粧水で保水をしても水分はすぐに蒸発してしまいます。乳液やクリームには油分が入っており、この皮脂膜の役割を補ってくれます。

化粧水の後は乳液やクリームなどの油分でしっかりふたをして、潤いを逃がさないようにしましょう。

乳液にも様々なタイプがあります。乾燥肌の人にはセラミド配合のものなど保湿成分の入ったものがおすすめです。また、乳液よりも油分の多いクリームの方が保湿力は高いので、乾燥する冬はクリームに替えたり、重ね塗りしたりするのもよいでしょう。乳液やクリームは季節に合わせて調節しましょう。


●スクワランオイルもおすすめ
乳液やクリームの代わりにオイルを使う場合は、「スクワランオイル」がおすすめです。スクワランとは、サメの肝油中に多く含まれるスクワレンという成分を元に作られています。スクワレンは人の肌の皮脂膜に元々含まれている潤い成分で、スクワランオイルはこの成分に近いのです。

乾燥肌を根本から解決するには、体の中からターンオーバーのリズムを整えよう

乾燥肌を根本から解決するには、体の中からターンオーバーのリズムを整えよう
角質層の潤い成分は、肌のターンオーバー(新陳代謝)の過程で生み出されます。

20代では約28日周期で肌が生まれ変わりますが、加齢で周期は徐々に遅くなります。ターンオーバーの周期は早すぎると未熟な表皮が表面に出て水分を保持しにくくなり、遅すぎると古い角質が蓄積して化粧水が浸透しにくくなります。

ターンオーバーのリズムを整えるには、規則正しい食生活や睡眠、ストレスケアなどの「インナーケア」も大切です。化粧水で肌から補うばかりではなく、根本的な解決を目指すなら体の中から肌の調子を整えるインナーケアを始めましょう。