保湿

保湿成分にはどんなものがある?保湿ケア方法を皮膚科医が解説

お肌の保湿成分は、スキンケアアイテムのパッケージに書かれていますね。例えば、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどはよく目にするのではないでしょうか。しかし、これらは一体どんな成分で、どのように肌を保湿してくれるのかわからないという人も多いのでは?そこで今回は肌の保湿成分について、皮膚科医の先生に解説してもらいました。

<監修>

日比野佐和子先生
日比野佐和子先生
医療法人康梓会Y‘sサイエンスクリニック広尾統括院長・大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 特任准教授


ひびの・さわこ 医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。プラセンタ療法を含む再生医療においてのパイオニアでもある。

目次

保湿の成分ってどんなものがあるの?その働きとは

保湿の成分と主な働き
肌の潤いを保つための成分にはさまざまなものがあります。まずはその中の代表的な成分と、主な働きをご紹介しましょう。
●水分を「はさみ込む」保湿成分
・セラミド

セラミドは、肌の保水力に大きくかかわっている成分です。肌の一番外側には角質層(かくしつそう)という層があります。セラミドはこの角質層を埋める角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)の主成分で、角質層に水分と油分を閉じ込める働きがあります。また、肌を保護する「バリア機能」にもかかわっていて、セラミドがしっかり働くことで肌のバリアが強力に機能し、外的刺激から肌を守ったり、肌内部の水分が蒸発してしまったりすることを防いでくれます。

●水分を「抱え込む」保湿成分
・ヒアルロン酸

ムコ多糖類の一つで、たくさんの水分を蓄える性質があり、みずみずしい肌をつくるのに欠かせないのが、このヒアルロン酸です。細胞と細胞の間に多く存在するゼリー状の成分で、細胞同士をつなぎクッションのような役割で肌の細胞を守っています。

・コラーゲン
タンパク質の一種で、肌にハリ(弾力)を与えるとともに、水分を抱え込む働きがあります。角質層の内側にある、肌の真皮層のほか、骨や目の水晶体などにも含まれています。

・エラスチン
エラスチンは、コラーゲンと一緒に肌のハリを保つ成分です。ゴムのように伸縮性があり、コラーゲンの繊維を束ねて支えています。肌をベッドのマットレスであらわすと、綿にあたる部分をコラーゲン、バネにあたる部分をエラスチンにたとえることができます。

保湿の成分には、これ以外にもさまざまなものがあり、新しい成分も次々登場していますが、まずは基本となるこの4つの働きをおさえておくことが大切です。

保湿成分を逃さない、正しいスキンケアの方法とは

保湿ケアを行う女性
保湿成分は体の中でつくられるほか、スキンケアなどによって補うことで、肌の潤いをつくり出してくれます。しかし、ケアの仕方によっては、せっかく補った潤いが逃げ出し、乾燥の原因になってしまうこともあります。ここで正しいスキンケアの方法を確認しておきましょう。

●保湿成分を補った後は乳液などでふたを
保湿成分は、肌表面にある角質層の「バリア機能」が正しく働くことによって保たれています。肌のバリア機能はその名の通り、肌を乾燥や紫外線、雑菌など、さまざまな外的刺激から守り、肌を健やかに保ってくれる大切な機能です。バリア機能が正しく働いていれば、角質層にはじゅうぶんな保湿成分が保たれ、潤いのあるなめらかな肌をキープすることができます。しかし何らかの原因でバリア機能が低下してしまうと、乱れたバリアのすきまから水分や保湿成分が蒸発し、乾燥してしまいます。

それを防ぐには生活習慣を改善して、バリア機能の低下を防ぐとともに、スキンケアの方法を改善することが大切です。肌に保湿成分をキープし、潤いを維持するには、化粧水や美容液で水分や保湿成分を補った後、乳液やクリームなどの油分でしっかりふたをし、保湿成分を逃さないスキンケアを心がけましょう。

保湿というと、「水分を補う」ことを思い浮かべやすいかもしれませんが、それで終わりではなく、補った水分を逃がさないよう、乳液やクリームなどの油分でふたをすることも必要です。「補ったら、ふたをする」ことを忘れずに、大切な肌をケアしてあげましょう。

●クレンジング選びでも保湿を心がけて
実は毎日のお化粧を落とすためのクレンジングも、保湿のために気をつけておきたいスキンケアの一つです。クレンジング剤の中には、お化粧を落とすために界面活性剤という成分を使っているものもあります。界面活性剤はバリア機能を刺激し、保湿成分であるセラミドを失わせて、肌の乾燥を招いてしまうこともあるため、注意が必要です。肌の乾燥が気になる人は、「合成界面活性剤不使用」「界面活性剤フリー」などとパッケージに書かれているクレンジング剤を選ぶとよいでしょう。

体の中からも保湿成分を取り入れよう

コラーゲンやエラスチンといった保湿成分は、肌の奥のほうにある真皮層に多く存在しています。スキンケアでは真皮層まで成分を届けることができないので、食べることや飲むことによって、体の中から保湿成分を取り入れていきましょう。

●保湿成分を多く含むおすすめ食材
保湿成分を多く含むたんぱく質
コラーゲンやエラスチンはタンパク質の一種です。したがって、タンパク質を主成分とする食品に多く含まれています。例えば「卵」。卵は良質なタンパク質の宝庫であることに加え、体内では生成できない必須アミノ酸、鉄分やカルシウムなどのミネラル、多数のビタミンなど、多くの栄養素を含んでいます。また、肌を老化させる活性酵素の発生を抑える抗酸化作用や、コラーゲンの生成を促す補酵素「ビオチン」なども含んでおり、美肌や健康に有効な食品です。健やかな肌を保つには、1日あたり5000mgのコラーゲンを摂取するとよいといわれています。あくまで推奨量であり、必須ではないですが、乾燥が気になる場合は積極的に摂取するとよいでしょう。

また、フコイダンと呼ばれる成分は、もずくや昆布、わかめなどの海藻に含まれるぬめり成分で、肌の乾燥を防ぐ「食べる保湿成分」として注目されています。フコイダンはすぐれた保湿力と傷ついた組織の修復力が特徴で、肌を乾燥から守ってくれる成分です。特に「がごめ昆布」に豊富に含まれています。乾燥したがごめ昆布を水で戻し、野菜とあえたり、お米と一緒に炊き込んだりすると、おいしく食べられます。
●手羽先や牛すじにはコラーゲン+エラスチンも豊富
コラーゲン・エラスチンが豊富な手羽先
手羽先や牛すじにはコラーゲンのほか、エラスチンも多く含まれています。エラスチンは靭帯(じんたい)の部分に多く含まれている成分です。エラスチンの1日の推奨摂取量は100mgといわれていますが、コラーゲンと同様、「できれば摂取したほうがよい量」であり、必ずこの量を摂取しなければいけないというわけではありません。コラーゲンやエラスチンは皮膚の部分に多く含まれているため、食品としては、豚足や鶏の皮・軟骨、魚の皮の部分などもおすすめです。
●手軽に摂れるドリンクもおすすめ
コラーゲンを含むドリンク
ただし、コラーゲンを多く含む食品は、摂り過ぎに注意が必要です。食べ過ぎると皮下脂肪に変わってしまったり、むくみやニキビのもとになったりします。肌によいと思ってやっていても、かえって逆効果になってしまうこともあるので、そうした過剰摂取を防ぐためにもサプリメントやドリンクといった、インナーケア商品を利用するのもよいでしょう。そのほうが、肌にとって必要なものを効率よく、さらに精度や純度の高い状態で摂取できることもあります。

体の外と中、両方から上手に肌をケアして、みずみずしい、健やかな肌を目指しましょう。