マスク

マスク生活で“ニキビ”に悩む人が増加中!ニキビの原因と予防のためのケアとは?

コロナ禍で1年中マスクをつけるようになり、肌荒れに悩む人が増えています。
中でも多いお悩みが、マスクの摩擦などが原因で増えたり悪化したりしてしまう“ニキビ”の悩み。
マスクをつけていると、なぜニキビができやすくなってしまうのか。ニキビを増やさないためのポイントについて、詳しくお伝えします。

<監修>

日比野佐和子先生
医療法人康梓会Y‘sサイエンスクリニック広尾統括院長・大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 特任准教授


ひびの・さわこ 医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。プラセンタ療法を含む再生医療においてのパイオニアでもある。

目次

原因1 マスクとの摩擦が刺激となって、肌の“バリア機能”を壊してしまうから

紫外線や乾燥、雑菌など、肌を取り巻く環境はただでさえ過酷です。

これに、マスクの着脱や、ずれを直したりすることによって起きる摩擦刺激まで加わってしまうと、もともと壊れやすい肌表面の“バリア機能”が、さらに壊れやすくなってしまいます。

バリア機能とは、表皮の一番外側にある、わずか0.02mmの角質層がもつ、外部刺激から肌を守り、肌の水分を保ってくれる働きのこと。
バリア機能が壊れると、肌のターンオーバーが乱れ、外部の刺激から肌を守るために毛穴まわりの角質層が厚くなります。

すると毛穴が詰まりやすくなり、ニキビにつながってしまうのです。

マスクと肌の摩擦を防ぐには、肌に優しい素材のマスクを選ぶことはもちろんですが、実は“顔に合うサイズ”のマスクをつけることも大切です。

大きすぎるマスクは隙間から水分が奪われて肌が乾燥しやすくなったり、逆に小さいマスクだと肌がこすれやすくなったりして、マスクのサイズが合わないことで肌への負担が増し、バリア機能が壊れることにつながってしまいます。

原因2 マスク内がムレて「アクネ菌」が増えやすくなるから

ニキビの原因でおなじみの「アクネ菌」は、普段は肌を守ってくれる常在菌の1つですが、肌の皮脂が増えると、皮脂を餌にして増殖しニキビの原因になります。
毛穴の詰まりがきっかけで毛穴の中の酸素が失われ、アクネ桿菌が炎症を起こす要因である「CAMP因子」を出してニキビが発症するのです。

美肌によい湿度は60~65%といわれていますが、マスクの内部は常にこれよりも高い高温多湿の環境になっているため、汗と皮脂が過剰に分泌されやすく、アクネ菌が増殖しやすいのです。

マスク内のムレを防ぐことは難しいですが、不織布マスクの内側にガーゼやティッシュを挟み、湿ってきたら取り換えるようにすると、マスク内の湿度コントロールにつながります。

また、汗をかいたらこまめに優しく拭き取り、菌の繁殖を防ぎましょう。マスクから“イヤなにおい”を感じたら雑菌が繁殖している可能性もあるので、清潔なマスクに取り換えるようにしてください。

原因3 マスクを取った時に急激に肌の乾燥が進んでしまうから

マスクをしている間は、肌がしっとり潤うイメージがありますが、実は吐いた息に含まれる水分が蒸発する時に、角質層に含まれる水分も同時に奪われています。

そのためマスクの隙間や、マスクを外した時に急速に肌の乾燥が進んでしまうのです。

肌は乾燥すると、水分不足を補おうとして過剰に皮脂を分泌します。
皮脂が増えるとアクネ菌が増殖し、ニキビができやすくなります。

実は、あごやUゾーンに繰り返しできる“大人ニキビ”の原因は、若い頃のニキビと違って、“乾燥”によるバリア機能の低下が原因であることも多いのです。
そのため、マスクによるニキビを防ぐためには、マスクを取った後の“保湿ケア”がカギとなります。

対策1 ニキビを増やさないために「ゴシゴシ洗い」はNG!「水分+油分」をしっかり補って

マスクによるニキビを防ぐためには、マスクを取った後の正しいスキンケアによる十分な保湿を行うことが大切です。

ニキビができやすい人は、皮脂でベタつくからといって洗顔の際にゴシゴシ洗ったり、乳液やクリームを省略したりして、とにかく皮脂を取り除こうとしてしまいがち。

しかし、これはNG!必要な水分、油分まで取り除いてしまうと、肌が乾燥を防ごうとして皮脂を過剰に分泌するため、逆効果になってしまいます。

洗顔の際は、洗顔料をたっぷり泡立てて優しく洗うようにしましょう。
すすぎの際も、熱いお湯を使うと肌に必要な皮脂まで溶かすこととなり、肌が乾燥してしまいます。
36~38℃のぬるま湯ですすぎ、すすぐ時も、肌をこすり過ぎないように気をつけてください。

入浴後、5分以内に皮膚の水分量が低下するという報告(日本温泉療法協会による発表)もあります。
洗顔後はすぐに化粧水をつけ、乳液やクリームも薄く重ねましょう。

ニキビが気になるオイリー肌の人は、油分の量を少なめに調整しながら、水分と油分の両方をきちんと肌に補ってあげることが大切です。

対策2 ニキビを防ぐインナーケアは、過剰な皮脂分泌を促す「辛」「甘」「油」を避けた食事から

ニキビの原因となるアクネ菌は、肌の皮脂を栄養にして増えていきます。
そのため、正しいスキンケアと共に、体の中から皮脂の分泌を増やさないようにするための“インナーケア”も重要です。

過剰な皮脂分泌を防ぐには、まず食生活を見直しましょう。特に減らしたいのが「辛」「甘」「油」の食べ物です。

・辛い物(刺激物)
刺激の強い食べ物は胃に負担をかけるため、消化力が落ちてしまい、肌の調子にかかわる腸内環境を乱してしまう原因となります。また、辛い物を食べると汗が出ますが、汗と共に皮脂も分泌されるので、摂り過ぎには気をつけましょう。

・甘い物
糖質は皮脂にとっての栄養となります。摂り過ぎると皮脂が過剰に分泌され、ニキビができやすくなります。アルコールにも糖質が多く含まれているので注意が必要です。

・油っこい物
過剰な油は糖質と同様に、ニキビの原因になります。
特に人工的な「トランス脂肪酸」が多く含まれるインスタント食品やスナック類、マーガリンなどは皮脂の分泌を加速させるので摂り過ぎないようにしましょう。

ただし、オリーブオイル(オメガ-9)など良質な植物油は便秘解消に効果があり、腸の調子を整えることにもつながります。このように油の種類によっては適度に摂るのがおすすめです。

<美肌によい良質な植物油>
①オメガ3系
・α-リノレン酸:アマニ油、えごま油(熱に弱く酸化されやすいため、サラダやヨーグルトにかけて食べるのがおすすめ)
・EPA・DHA:魚油(サバやイワシなど)

②オメガ6系(リノール酸)
サラダ油(コーン油などの一般的に家庭で使う植物油)、ごま油、グレープシード油

③オメガ9系(オレイン酸)
オリーブオイル、ひまわり油、なたね油(キャノーラ油)、べに花油

ニキビ予防のために積極的に摂りたい栄養素は、ビタミン B2、B6、C

ニキビ予防のために積極的に摂りたい栄養素も知っておきましょう。

皮脂の分泌をコントロールする役割をもつビタミンB2は、ニキビに悩んだら積極的に摂りたい栄養素です。また、タンパク質の代謝を促して肌のターンオーバーを整えるビタミンB6も重要です。
さらに抗酸化作用が高く活性酸素を除去し、コラーゲンの産生を促すビタミンCも忘れずに摂りましょう。

・ビタミンB2
レバー、ウナギ、ブリ、納豆、乳製品、のり、ほうれん草、きのこ類、アーモンドなどに多く含まれています。

・ビタミンB6
カツオ、マグロ、鮭などの魚、豚ヒレ肉、レバー、バナナなどに多く含まれています。

・ビタミンC
緑茶、のり、パプリカ、ブロッコリー、芽キャベツ、アセロラ、キウイ、いちご、かぼちゃ、じゃがいもなどに多く含まれています。

マスクニキビを防ぐために、 “ストレスケア”も大切です

コロナ禍で、思うように出かけることができなかったり、大切な人と会うことも減ったりして、ストレスを発散させる機会が少なくなっています。

加齢によって、美肌効果のある女性ホルモン(エストロゲン)も低下しますが、ストレスが増えるとコルチゾールというホルモンの分泌が増え、それに伴い男性ホルモンのテストステロンが増加し、女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。

これがニキビの原因になります。また、ストレスは体内の活性酸素を増加させます。
活性酸素は、皮脂を酸化させて過酸化脂質を生み出し、これもニキビの大きな原因になってしまうのです。

大切なのは、コロナ禍でも密にならずにできる「プチストレス解消法」を、自分のためにいくつも用意しておくこと。

例えば、ゆっくりお風呂に入る、ウォーキングをする、アロマテラピーやオンライン女子会、オンラインヨガ、瞑想などでストレスをこまめに解消すると、マスクニキビの予防にもつながります。

まとめ

マスクをつけなければならない状況はまだまだ続きますが、つけ方の工夫や、スキンケアとインナーケア、ストレスケアで、マスクニキビに負けない“強くて美しい肌”を目指していきましょう。