肌の悩みは年齢によっても変化していきます。年齢が進むごとに、特に気になるようになるのが肌の乾燥です。20代では気にならなかった人も30代、40代……と年齢を重ねるにつれ、肌のカサつきを感じるようになることも。ここでは年代別の乾燥肌への対策法をご紹介します。
肌の悩みは年齢によっても変化していきます。年齢が進むごとに、特に気になるようになるのが肌の乾燥です。20代では気にならなかった人も30代、40代……と年齢を重ねるにつれ、肌のカサつきを感じるようになることも。ここでは年代別の乾燥肌への対策法をご紹介します。
ひびの・さわこ 医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。プラセンタ療法を含む再生医療においてのパイオニアでもある。
ひびの・さわこ 医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。プラセンタ療法を含む再生医療においてのパイオニアでもある。
年齢を重ねるにしたがい、肌の乾燥傾向が進んでいくのはなぜなのでしょうか?それは、肌にとって大切なさまざまな成分が減ってしまうことが関係しています。
年齢を重ねるにしたがい、肌の乾燥傾向が進んでいくのはなぜなのでしょうか?それは、肌にとって大切なさまざまな成分が減ってしまうことが関係しています。
●水分量の減少
肌の潤いにもっとも影響を与えるのは、肌に蓄えられている水分の量です。
肌の水分量がもっとも多いのは、生まれて間もない赤ちゃんの時。この時の水分量を100とすると、30代では65%、40代ではそのほぼ半分に減少するといわれています。肌の水分量は年齢を重ねるとともに、徐々に減っているのです。
●コラーゲンの減少
コラーゲンはタンパク質の一種で、肌の真皮層(しんぴそう)と呼ばれる、少し奥のほうの層に多く存在し、肌に弾力を与える働きがあります。肌のほかにも、骨や目の水晶体などにも含まれています。
体内のコラーゲンの量は25歳の時にピークを迎え、その後は徐々に減少。40歳ごろにはピーク時の半分くらいになるといわれています。
●エラスチンの減少
エラスチンは、コラーゲンとともに肌のハリ(弾力)を保つ成分として知られています。肌の真皮層に存在し、ゴムのような伸縮性で、コラーゲンの繊維を束ねて支える役割をもっています。
エラスチンの量がピークを迎えるのは20代後半ごろ。その後はゆるやかに減少し、40歳を過ぎると急激に少なくなっていきます。
●ヒアルロン酸の減少
ヒアルロン酸は真皮層のすき間を埋めるように存在する成分で、肌の細胞を守るクッションのような役割があります。たくさんの水分を蓄える性質があり、みずみずしい肌をつくるのに欠かせません。
ヒアルロン酸がもっとも多いのは、水分量と同じく赤ちゃんのころです。30代を過ぎると減少を始め、40代で約半分、60代でさらに減少して4分の1ほどになるといわれています。
●セラミドの減少
セラミドは、肌のいちばん外側ある角質層(かくしつそう)を埋める角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)の主成分で、角質層に水分と油分を閉じ込める働きがあります。肌の保水力や、肌を保護する「バリア機能」にもかかわっており、外的刺激から肌を守ったり、肌内部の水分が蒸発したりするのを防いでくれます。
セラミドも加齢によって減少し、50代になると20代の約半分になるといわれています。
●皮脂の減少
「天然の保湿クリーム」と呼ばれる皮脂には、肌の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ働きがあります。皮脂の分泌量は20代がもっとも多いといわれ、加齢とともに減少していきます。
特に40代以降は大きく減少し、20代や30代は混合肌だった人も、40代になると普通肌~乾燥肌になることが多くあります。
年齢を重ねると、肌にはこのような変化が生じます。そのため、たとえば今40代の人が、20代の時とスキンケアを変えていない場合、肌の潤いが知らず知らずのうちに奪われ、要注意な状態になっているかもしれません。
年齢に合わせたスキンケアに変えて、肌の潤いを補っていきましょう。
●水分量の減少
肌の潤いにもっとも影響を与えるのは、肌に蓄えられている水分の量です。
肌の水分量がもっとも多いのは、生まれて間もない赤ちゃんの時。この時の水分量を100とすると、30代では65%、40代ではそのほぼ半分に減少するといわれています。肌の水分量は年齢を重ねるとともに、徐々に減っているのです。
●コラーゲンの減少
コラーゲンはタンパク質の一種で、肌の真皮層(しんぴそう)と呼ばれる、少し奥のほうの層に多く存在し、肌に弾力を与える働きがあります。肌のほかにも、骨や目の水晶体などにも含まれています。
体内のコラーゲンの量は25歳の時にピークを迎え、その後は徐々に減少。40歳ごろにはピーク時の半分くらいになるといわれています。
●エラスチンの減少
エラスチンは、コラーゲンとともに肌のハリ(弾力)を保つ成分として知られています。肌の真皮層に存在し、ゴムのような伸縮性で、コラーゲンの繊維を束ねて支える役割をもっています。
エラスチンの量がピークを迎えるのは20代後半ごろ。その後はゆるやかに減少し、40歳を過ぎると急激に少なくなっていきます。
●ヒアルロン酸の減少
ヒアルロン酸は真皮層のすき間を埋めるように存在する成分で、肌の細胞を守るクッションのような役割があります。たくさんの水分を蓄える性質があり、みずみずしい肌をつくるのに欠かせません。
ヒアルロン酸がもっとも多いのは、水分量と同じく赤ちゃんのころです。30代を過ぎると減少を始め、40代で約半分、60代でさらに減少して4分の1ほどになるといわれています。
●セラミドの減少
セラミドは、肌のいちばん外側ある角質層(かくしつそう)を埋める角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)の主成分で、角質層に水分と油分を閉じ込める働きがあります。肌の保水力や、肌を保護する「バリア機能」にもかかわっており、外的刺激から肌を守ったり、肌内部の水分が蒸発したりするのを防いでくれます。
セラミドも加齢によって減少し、50代になると20代の約半分になるといわれています。
●皮脂の減少
「天然の保湿クリーム」と呼ばれる皮脂には、肌の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ働きがあります。皮脂の分泌量は20代がもっとも多いといわれ、加齢とともに減少していきます。
特に40代以降は大きく減少し、20代や30代は混合肌だった人も、40代になると普通肌~乾燥肌になることが多くあります。
年齢を重ねると、肌にはこのような変化が生じます。そのため、たとえば今40代の人が、20代の時とスキンケアを変えていない場合、肌の潤いが知らず知らずのうちに奪われ、要注意な状態になっているかもしれません。
年齢に合わせたスキンケアに変えて、肌の潤いを補っていきましょう。
加齢による肌の乾燥には、「美肌ホルモン」ともいわれる女性ホルモンの一種「エストロゲン」というホルモンも大きく影響していると考えられています。
エストロゲンは、主に月経後~排卵までの間(卵胞期)に多く分泌され、肌に弾力を与えたり、髪のツヤを生み出したりする働きをもっています。
エストロゲンは月経が始まる思春期ころから分泌が始まり、急激にその量が増えていきます。そして20~40代にかけてはもっとも多く分泌され、妊娠や出産に適した状態になるのです。
肌の状態も、エストロゲンの分泌量が比較的多い40歳ころまでは、コラーゲンやエラスチンといった保湿成分の多い状態が保たれています。しかし、一般的な閉経の時期といわれる40代後半以降になると、エストロゲンの減少に伴うように、保湿成分も減少していきます。
このように、女性の肌の状態はエストロゲンの分泌量に左右されるかのように、変化していきます。年齢だけでなく、女性ホルモンによっても肌の状態に変化が生じることを考慮しておきましょう。
加齢による肌の乾燥には、「美肌ホルモン」ともいわれる女性ホルモンの一種「エストロゲン」というホルモンも大きく影響していると考えられています。
エストロゲンは、主に月経後~排卵までの間(卵胞期)に多く分泌され、肌に弾力を与えたり、髪のツヤを生み出したりする働きをもっています。
エストロゲンは月経が始まる思春期ころから分泌が始まり、急激にその量が増えていきます。そして20~40代にかけてはもっとも多く分泌され、妊娠や出産に適した状態になるのです。
肌の状態も、エストロゲンの分泌量が比較的多い40歳ころまでは、コラーゲンやエラスチンといった保湿成分の多い状態が保たれています。しかし、一般的な閉経の時期といわれる40代後半以降になると、エストロゲンの減少に伴うように、保湿成分も減少していきます。
このように、女性の肌の状態はエストロゲンの分泌量に左右されるかのように、変化していきます。年齢だけでなく、女性ホルモンによっても肌の状態に変化が生じることを考慮しておきましょう。
一般的な年代別の肌の状態と、それに合ったスキンケアの例をご紹介します。加齢とともに進行する乾燥には、年齢に合わせた効果的な対策をしていきましょう。
●20代の肌は「20代後半から乾燥対策を意識」
一般的な年代別の肌の状態と、それに合ったスキンケアの例をご紹介します。加齢とともに進行する乾燥には、年齢に合わせた効果的な対策をしていきましょう。
●20代の肌は「20代後半から乾燥対策を意識」
一般的に20代前半までは肌の水分量もある程度保たれており、保湿成分のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、セラミドも豊富です。そのため、潤いのある、なめらかな肌であることがほとんど。
むしろ皮脂の分泌量が多くなることで、ニキビなどの肌トラブルが生じることがあるほどです。
しかし、同じ20代でも後半になると、コラーゲンやエラスチンの量が徐々に減少し始め、乾燥が気になってくることもあります。皮脂量が少なく、乾燥しやすい肌の場合、目元など、肌が薄い部分にシワが出ることも。
一般的に20代前半までは肌の水分量もある程度保たれており、保湿成分のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、セラミドも豊富です。そのため、潤いのある、なめらかな肌であることがほとんど。
むしろ皮脂の分泌量が多くなることで、ニキビなどの肌トラブルが生じることがあるほどです。
しかし、同じ20代でも後半になると、コラーゲンやエラスチンの量が徐々に減少し始め、乾燥が気になってくることもあります。皮脂量が少なく、乾燥しやすい肌の場合、目元など、肌が薄い部分にシワが出ることも。
気になる人は、20代後半からはセラミド配合の化粧水を使ったり、乾燥が気になるシーズンには乳液の代わりにクリームを使ったり、保湿を重視したケアに切り替えるとよいでしょう。
●30代の肌は「バリア機能の低下を防ごう」
肌の衰えを感じ始める30代は、皮脂の分泌量が減少し始めることなどから肌のバリア機能が低下し、外的刺激に対して肌が弱くなる傾向があります。そのため、バリア機能を低下させないように、20代よりも保湿に重きをおいたスキンケアを心がけましょう。
化粧水や美容液で水分や保湿成分を補った後、乳液やクリームなどの油分で、しっかりふたをし、保湿成分を逃さないことが大切です。
また、ビタミンCやコエンザイムQ10、αリボ酸など、抗酸化力の強い栄養素をサプリメントなどで摂取するのもよいでしょう。
●40代の肌には「足りない栄養分を補う」
気になる人は、20代後半からはセラミド配合の化粧水を使ったり、乾燥が気になるシーズンには乳液の代わりにクリームを使ったり、保湿を重視したケアに切り替えるとよいでしょう。
●30代の肌は「バリア機能の低下を防ごう」
肌の衰えを感じ始める30代は、皮脂の分泌量が減少し始めることなどから肌のバリア機能が低下し、外的刺激に対して肌が弱くなる傾向があります。そのため、バリア機能を低下させないように、20代よりも保湿に重きをおいたスキンケアを心がけましょう。
化粧水や美容液で水分や保湿成分を補った後、乳液やクリームなどの油分で、しっかりふたをし、保湿成分を逃さないことが大切です。
また、ビタミンCやコエンザイムQ10、αリボ酸など、抗酸化力の強い栄養素をサプリメントなどで摂取するのもよいでしょう。
●40代の肌には「足りない栄養分を補う」
エストロゲンなど女性ホルモンの分泌量も減少し始め、ホルモンバランスが乱れがちになる40代の肌ケアは、引き続き保湿に注意しつつ、インナーケアにも注力していきましょう。
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸はピーク時の半分程度になってしまうことから、これらが配合されたサプリメントやドリンクなどを活用し、体の中から補っていくことをおすすめします。
エストロゲンなど女性ホルモンの分泌量も減少し始め、ホルモンバランスが乱れがちになる40代の肌ケアは、引き続き保湿に注意しつつ、インナーケアにも注力していきましょう。
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸はピーク時の半分程度になってしまうことから、これらが配合されたサプリメントやドリンクなどを活用し、体の中から補っていくことをおすすめします。
●50代の肌は「本格的なシミ・くすみケア」を
閉経に合わせてエストロゲンが一気に少なくなります。
減少した女性ホルモンは、イソフラボンを含む大豆製品の摂取でカバーできることもあるので、積極的に摂取していきましょう。大豆イソフラボンはエストロゲンに似た構造をしているため、フィトエストロゲン(植物性エストロゲン)ともいわれています。
また、肌のターンオーバーが乱れて、肌の乾燥傾向が強まったり、なめらかさが失われたり、シミ、くすみが本格的に気になり始めたりするのも、この時期の肌の特徴です。ターンオーバーを正常にするためにも、保湿にはこれまで以上にこだわっていきましょう。
●60代の肌は「肌のたるみ」をケア
●50代の肌は「本格的なシミ・くすみケア」を
閉経に合わせてエストロゲンが一気に少なくなります。
減少した女性ホルモンは、イソフラボンを含む大豆製品の摂取でカバーできることもあるので、積極的に摂取していきましょう。大豆イソフラボンはエストロゲンに似た構造をしているため、フィトエストロゲン(植物性エストロゲン)ともいわれています。
また、肌のターンオーバーが乱れて、肌の乾燥傾向が強まったり、なめらかさが失われたり、シミ、くすみが本格的に気になり始めたりするのも、この時期の肌の特徴です。ターンオーバーを正常にするためにも、保湿にはこれまで以上にこだわっていきましょう。
●60代の肌は「肌のたるみ」をケア
60代になると多くの人が閉経を迎え、女性ホルモンの影響を受けにくくなるため、肌の状態はある意味安定する傾向にあります。ただし、肌の皮脂量は急激に減少し、肌のハリも失われ、乾燥性の皮膚炎などによる肌のかゆみなどの症状も出てきます。保湿は引き続きしっかりと行いましょう。
また60代は、肌の悩みとして「たるみ」をあげる人がもっとも多くなるという調査結果もあります。たるみは肌の乾燥のほか、加齢による頭蓋骨の老化が関係しているともいわれています。
60代になると多くの人が閉経を迎え、女性ホルモンの影響を受けにくくなるため、肌の状態はある意味安定する傾向にあります。ただし、肌の皮脂量は急激に減少し、肌のハリも失われ、乾燥性の皮膚炎などによる肌のかゆみなどの症状も出てきます。保湿は引き続きしっかりと行いましょう。
また60代は、肌の悩みとして「たるみ」をあげる人がもっとも多くなるという調査結果もあります。たるみは肌の乾燥のほか、加齢による頭蓋骨の老化が関係しているともいわれています。
頭蓋骨が老化し、全体が萎縮することによって、皮膚全体がたるみ、まぶたが垂れたり(眼瞼下垂)、口元のシワやほうれい線が深くなったりすることもあるようです。このようなたるみを防ぐには、カルシウムやビタミンDを積極的に摂取したり、運動をしたりして、骨を丈夫にする取り組みも重要です。これは、骨粗鬆症の予防にもつながります。
上記で紹介したスキンケアを参考に、自分に合ったケアを見つけて、いつまでも潤いのある肌をキープしましょう。
また健やかな肌づくりには体の中からのインナーケアも大切です。効率的に必要な栄養素が摂取できるサプリメントやドリンクなども活用して、自信あふれる肌を目指していきましょう。
頭蓋骨が老化し、全体が萎縮することによって、皮膚全体がたるみ、まぶたが垂れたり(眼瞼下垂)、口元のシワやほうれい線が深くなったりすることもあるようです。このようなたるみを防ぐには、カルシウムやビタミンDを積極的に摂取したり、運動をしたりして、骨を丈夫にする取り組みも重要です。これは、骨粗鬆症の予防にもつながります。
上記で紹介したスキンケアを参考に、自分に合ったケアを見つけて、いつまでも潤いのある肌をキープしましょう。
また健やかな肌づくりには体の中からのインナーケアも大切です。効率的に必要な栄養素が摂取できるサプリメントやドリンクなども活用して、自信あふれる肌を目指していきましょう。